RK-3はきだめスタジオブログ

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ガンバ大阪 2024→2025 補強プラン展望〜後編・ポジション別補強優先度と今季の補強スタンス展望〜

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ニュースのビンタを張り合う午前2時!

 

どーもこんばんは

 

 

さてさて、2024明治安田J1リーグが完結しました。

ガンバ大阪は18勝12分8敗、勝点66。4位。天皇杯は準優勝。ここ数年の苦しいシーズンを経て、2024という光を浴びる事が出来ました。素晴らしい。本当に素晴らしい。楽しいシーズンでした。ルヴァンカップ?知らんわそんなもん。

 

 

さて、この季節のお楽しみ、そして来季に向けて重要で重要で重要な要素となってくるものはなんですか?そう!補強でございます。

ホットな移籍市場。そこでどう振る舞えばチームは伸び、弱体化を防ぐことができるのか。今季のガンバはそこで成功を収めたチームだったと表現できるでしょう。という訳で今回は補強の展望、そしてポジション別補強優先度を考えていきたいと思います。

 

【最新移籍動向】12月27日時点

※ブログの内容は12月10日に執筆したものから変更する事はありませんが、移籍情報は随時更新していきます。

《IN》

GK 荒木琉偉←ガンバ大阪ユース

DF 佐々木翔悟←ジェフユナイテッド千葉

MF 名和田我空←神村学園

FW 南野遥海←栃木SC(復帰)

《OUT》

GK 石川慧→ヴァンフォーレ甲府

MF 福田湧矢→東京ヴェルディ

FW 山見大登→東京ヴェルディ(完全移籍に切り替え)

 

 

 

【おしながき】

①2024ポジション分布(前編)

ACL次第とは言えども…(前編)

③レンタル組の処遇や如何に(前編)

④ベースはOK。求められる幅とこわい海外移籍(前編)

⑤それらを踏まえたざっくり展望

⑥ポジション別補強優先度考察

 

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

 

⑤それらを踏まえたざっくり展望

 

チームとしてのベースは基本的にできていると思うので、昨季から今季への大幅な刷新のような事にはならないというより、クラブとしても今季の形を維持した上での上乗せ、かさ増しが望ましいところでしょう。

2024年のガンバの躍進の要因は、やはり攻撃に於いても守備に於いてもベースがしっかり出来ていた事でした。守備のベースができていたからこそ勝てない時期でも守備崩壊はせず、なんやかんやで勝点1を積み上げることはできていたし、攻撃に結びつけるベースができていたからこそ宇佐美やウェルトンが持つ個の力が活きて、坂本や山田、山下の持つ特徴を上乗せする事ができた。ですので、ガンバがやるべき事は誰が出ても大丈夫な土台を作る為の選手層の厚さを増す為の補強であったり、攻撃に於いてバリエーションを増やすような選手の補強…例えば途中出場でもガラリと閉塞感を打破してくれるジョーカーだとか。土台を更に補強する黒子であったり、チームにいない特徴を持つ選手を一つ加えてみるだとか、そういうアプローチが重要かな思っています。

補強は補強なんですけど、今季は補強というよりも…「選手層を厚くする」「土台があった上で、チームがやれる事を増やす」「その手札を増やす」という意味でのチームの横幅の確保、いわば補強というよりも拡張がテーマになってくるのかなと。

 

 

 

⑥ポジション別補強優先度考察

 

ゴールキーパー

現所属選手:東口順昭,一森純,石川慧,張奥林

レンタルで他クラブでプレーしている選手:谷晃生

補強優先度:★☆☆☆☆

 

既に町田への完全移籍が固まったという報道の出た谷が去るのであれば、基本的には現状の4人をそのまま…というのがベターなところでしょう。張に関してはレンタルに出してみるのも一手ではありますが、まだ上位カテゴリーで正GKを努めるのは難しいでしょうし、谷にまつわる一連の流れを見ると迂闊にそれをしたくない意思も働くと思うので…。

いずれにしても、例えば誰かが退団する、或いは張をレンタルで出すというのであれば、やはり3人では心許ないので4人体制にする為の補強は行うべきだと思います。ただ基本的には今季の4人を維持できるならそれで良いかなと。

 

 

 

センターバック

現所属選手:福岡将太,三浦弦太,中谷進之介,江川湧清

補強優先度:★★★★★

 

真っ先に補強すべきポジションはCBでしょう。

理由としてはただ一つで、あまりにも層が薄すぎると。中谷と福岡、負傷前の三浦のパフォーマンスは素晴らしかったので、これだけ見ればレギュラーは揃っている。ただ三浦が離脱した5月以降は中谷と福岡だけで戦っていた事もあり、実際に福岡のみならず中谷ですら終盤戦は前半戦には見なかったミスがいくつかあったりして、そこはこの2人にかかった負担があまりにも大きすぎたことの表れとしか言えないでしょう。

選手のグレードに関しては予算や市場の動向も踏まえて、必ずしも超レギュラークラスではなくてもいいんですよ。そもそも中谷クラスの選手が市場に出た昨季が奇跡ですらありますし。ただ一定の実力、中谷ほどのレベルじゃなくてもちゃんとレギュラー争いに割って入るポテンシャルがある選手は獲得する必要があります。復帰した三浦がどれぐらいの状態で戻れるかはわかりませんし、江川の成長に期待したいところもありますが、ACL2も考えるとそうも言っていられない訳で。その点で言えば、フロントが千葉の佐々木翔悟の獲得に動いているのはその辺りの自覚ゆえだと思います(記事)。同時に、中谷/福岡/三浦をレギュラーとして計算しつつ、江川と佐々木が挑む形で競争させたいのかなと。

 

 

 

サイドバック

現所属選手:福岡将太(右),半田陸(右),黒川圭介(左),岸本武流(右),中野伸哉(左右),松田陸(右)

レンタルで他クラブでプレーしている選手:今野息吹(左)

補強優先度:★★★★☆

 

ガンバにとって難しいのが、半田の去就がある意味で時限爆弾的になっているのところなんですよね。絶対にガンバに居てほしいし、右SBのレギュラーは半田しか考えられない。でも近くないうちに海外に行くだろうし、それが今オフなのか来年なのかわからない…という。昨年に松田と岸本を補強したのはそれを睨んでの動きでもあったでしょうしね。半田がいるなら問題はないんですけど、右SBのレギュラーとしての松田と岸本となると少し心許ないところもあるのは2024年の戦いにも少なからず表れていましたし、そこで半田を超えるレベルの選手を獲るのか、一旦バックアップを用意する事に留めておくかは他のポジションと予算との兼ね合いでもあると思います。

一方、左SBに関しては……前述の中谷じゃないですけど、黒川の役割をこなせる選手を連れてくる方が今となっては難しいと思うんですよ。ただ、ACL2も入ってくる来年のスケジュールで今季みたいな黒川の使い方はあまりにもリスキーになる。そうなると中野の成長に賭けて一定の出場機会を前半戦から与えるか、競争力のある左SB補強を行うかのどちらかは迫られている判断と言えるでしょう。

 

 

 

ボランチ

現所属選手:ネタラヴィ,鈴木徳真,ダワン,美藤倫

補強優先度:★★☆☆☆

 

前述の中谷や黒川と同様に、鈴木の負荷も軽減させたい気持ちはあるんですが、鈴木ほど実力と戦術、チームコンセプトの黄金比のような選手って探してこようとして見つかるものでもないと思うので、軽はずみに「鈴木の代役」とは言い難いところがあるんですね。それだけに終盤、鈴木とタイプは違えど美藤が台頭してきた事は本当に大きかったですし、本来は美藤と近いタイプで鈴木やネタラヴィと組ませた方がいいダワンが、美藤と組んだ時には美藤に合わせたプレーをするようになった事も大きかったです。

後はネタラヴィ次第でしょうか。彼が残ってくれるなら、Wボランチで行く分には4人で回す形でも良いと思います。ただネタラヴィが退団する場合、或いはオプションとして4-1-2-3を考える場合にはもう一枚考えるべきかなと。

 

 

 

【ウイング】

現所属選手:食野亮太郎(左右),倉田秋(左右),福田湧矢(左右),岸本武流(右),山下諒也(右),ファン・アラーノ(左右),ウェルトン(左右)

レンタルで他クラブでプレーしている選手:杉山直宏(左右),中村仁郎(右),山見大登(左),唐山翔自(右),髙橋隆大(左右)

補強優先度:★★☆☆☆

 

頭数自体はいっぱいいるんですよ。このポジション。ウェルトンは絶対的なレギュラーとして、山下も良い働きを見せましたし、ベテランの倉田、新加入の岸本も貢献をしてくれた。稼働率がもう少し上がれば…という福田、伸び悩む食野、今季はやや精彩を欠いたアラーノも、言うなれば「諦めるには惜しい」という選手ですし。特に食野に関しては、使い方を見てもポヤトス監督が一番そう思ってそうですしね…。

逆に言えばウェルトンのみを絶対的な存在として、あと一枚はみんな準レギュラー級のプレーやポテンシャルは持ってる、でもレギュラー当確とまでは言えない…くらいのところに人がいっぱいいるんですよね。そうなると補強するとなれば、それこそウェルトンくらい絶対的な存在になり得る選手に限られてきて、そういう選手を獲れるならばアタックするべき。外国籍選手なり、日本代表クラスの選手なり。一方、そういう選手を獲れる雰囲気ではないならば、明確な将来枠でもない限りは現有戦力で…みたいになるんじゃないかと見ています。その点で言えば、杉山や山見、唐山が2025年に向けて復帰するのは少し想像はしにくいのかなと。

 

 

 

【トップ下】

現所属選手:宇佐美貴史,山田康太,坂本一彩

補強優先度:★☆☆☆☆

 

基本的に補強が急務のポジションでは無いかな…とは思います。山田も日を追うごとにポヤトスサッカーにアジャストしていきましたし、坂本はもう言わずもがな。もし来季は明確なセンターフォワードをレギュラーに据えるなら今季はゼロトップ起用だった宇佐美はトップ下に置く形になるでしょうし、そうなれば補強の優先度が低いというより、他の選手を組み込む余地は無いと言った方が正しいのかなと。

 

 

 

【ワントップ】

現所属選手:宇佐美貴史,イッサム・ジェバリ,坂本一彩,林大地

レンタルで他クラブでプレーしている選手:鈴木武蔵,唐山翔自,南野遥海

補強優先度:★★☆☆☆

 

考え方が一番難しいのがワントップをどうするか、です。

基本的に今季は宇佐美のゼロトップ起用をメインにジェバリをワントップとするパターン、坂本をワントップに山田と縦関係に置くパターンの3つを用いてきました。ここに夏に林大地を新たに加えましたが、怪我を抱えていた林に関してはタイミングの問題で昨夏になったのであって、クラブとしては「タイミング的に夏に取るから間に合ってくれるに越した事はないけれど、基本的には2025年に向けての補強」という意味合いだったと思います。そう考えるならば林の補強が2025年のFW補強だったという解釈もできるんですね。

ただ問題はやっぱりジェバリと林の稼働率が良くない事、今季あれだけのパフォーマンスを見せた坂本がいつ海外に獲られても不思議じゃなくなってきた事の2つで、実際に2024年のガンバは9〜10月にそれで苦しい思いをした。同じ轍を踏まない為にもそうなった時の対策は考える必要はあります。そう考えた時に、個人的に鈴木武蔵を戻す事は悪い選択肢ではないとは思うんですよね。鈴木がいた時のガンバはガンバも混乱状態で、鈴木もコンディションが整わなかった。状態が上がった今の鈴木武蔵と整備された今のガンバでもう一度見てみたい気持ちは正直ある。稼働率を抜きにすれば、このポジションは他のポジションと比べても枠は少なく人は多いので、林を獲った時点で優先度は高くないポジションでしょうし、将来に向けた若手枠ならともかく、もしそこそこ有力な日本人選手にオファーを出したとして、オファーを受けた選手視点に立つと「宇佐美坂本ジェバリ林がワントップを争うチームに行っても絶対に出れない…」と考えて断られる可能性も高いように思うんですよ。そう考えると、鈴木復帰案はプランBとして悪くないなと。

一方で…ジェバリや坂本の退団みたいな出来事が起こらない限りはFW補強の考え方は難しいという部分がありつつも、スポーツ報知が報じた細谷真大獲得報道の真偽はともかく、野村克也氏の「エースと4番は育てられない。こればかりは育つのではなく、出会うもの」という言葉はスポーツは違えどサッカーのFWにも当てはまる言葉だと思うので、細谷レベルの話が市場に出るならばそこはトライしてみるべきだとも思います。

 

①2024ポジション分布②ACL次第とは言えども…③レンタル組の処遇や如何に④ベースはOK。求められる幅とこわい海外移籍はこちらから

 

 

ではでは(´∀`)