めりくり
しゅくめるり
どーもこんばんは
…さ、という訳で今回は【京都サンガFC、2024年ベストゴール大賞】をお届けしていきます!
30周年を迎えた今シーズン。それは波瀾万丈と言いますか、なかなか極端なシーズンでした。あまりにも苦しく辛かった前半戦。そして今までにないほどの高揚感を得た後半戦。特に前半戦はチームの成績に比例するかのように伸び悩んだ観客動員が後半戦には伸びていき、大勢の観客の前で生まれた多くのエキサイティングなゴールシーンはサッカーの熱量を感じさせるものだったのではないでしょうか。
という訳で、今回はそんな珠玉のゴール達を振り返っていこうと思います。
…とは言っても、ベストゴールって一概には決められないんですよね。ゴールそのものの凄さで決めるべきか、そのゴールの重要性などその一点が持つ意味の大きさで決めるべきか……それはベストゴールを決める時の永遠のテーマでしょう。
という訳で今年も例年同様、部門別に分けて考えていきます。部門としては以下の7部門!
①ゴラッソ大賞
②エロいゴール大賞
③ベストアシスト大賞
④美しい流れ大賞
⑤特別編:GKの皆さんありがとう大賞
⑥劇的ゴール大賞
⑦宮吉拓実大賞
【京都サンガFC 30周年企画ブログのまとめページはこちら!随時色々と更新しております。】
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【オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。】
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①ゴラッソ大賞
・純粋に「おおおおお」と言わせるスーパーゴールを選出。
2位 第33節 京都1-2神戸(2-3)、47分のラファエル・エリアスのゴール
3位 第33節 京都2-2神戸(2-3)、59分のマルコ・トゥーリオのゴール
4位 第27節 C大阪0-2京都(3-5)、17分の原大智のゴール
5位 第20節 京都1-0柏(2-2)、36分の三竿雄斗のゴール
こうやって見ると第33節神戸戦は凄まじい試合でしたね。前半を2点ビハインドで終えて、相手も神戸。うわー、これキツそうだなー…と思ったところから、後半の頭にブラジリアンの連続ゴラッソで追いついちゃったっていう。最終的には神戸に競り負ける形にはなりましたし、試合自体は芳しいとは言えないものでしたが、インパクトは相当強い後半開始15分になったと思います。
22分、豊川雄太のゴール
2024年3月29日19:00@味の素スタジアム
「人生で一度は打ってみたいシュート」とはまさにこういうシュートのことを言うんじゃないでしょうか。ザ・ゴラッソ。胸トラップでの抜群のコントロールや、そこからのボールの置きどころで自分のテリトリーを確保する間合い、そして100点じゃ足りないほどのシュートのインパクトとコース……どこからどう取っても完璧なシュートとしか表現しようがない。ファンを熱くさせる一発でしたね。
②エロいゴール大賞
・派手なゴラッソというよりも、唸るような技術的なエロさが詰まったゴールを選出。
2位 第16節 名古屋0-1京都(1-1)、35分の豊川雄太のゴール
3位 第2節 京都1-1湘南(1-2)、19分の豊川雄太のゴール
4位 第30節 横浜FM1-2京都(1-2)、53分の原大智のゴール
5位 第21節 湘南0-1京都(0-1)、24分の原大智のゴール
ものの見事に豊川と原が並びましたね。豊川にせよ原にせよ、自分の武器をどう活かすかの術に長けているなと。
原はやっぱり持ち前のストライドの長さがあるので、ここにランクインさせた2つのゴールはその武器を上手く活用してシュートを打ちやすい状態を作ったというところが妙でした。5位はトラップ、4位は切り返しで完全にDFを置き去りにしましたし。一方の豊川は…優秀なストライカーの絶対条件ってトラップが上手いことだと思うんですけど、3位のゴールはまさにそういうゴールですよね。2位に関しては、ゴラッソ大賞で挙げた得点もそうですが豊川のミートの巧さを物語っている。ストライカーとしての技術の高さを示す2つのゴールだなと思います。
60分、ラファエル・エリアスのゴール
2024年9月22日19:00@サンガスタジアム by Kyocera
救世主エリアス!2万人を超えたサンガスタジアムでのゴールは、この時のスタジアムの空気が今までのサンガの歴史で見たことない空気だったところも思い出深いですが、技術的にも高水準なゴールでした。
注目すべきは相手DFと対峙したところで……対峙した福岡は良い間合いの取り方をしているんですよ。例えば最初のタッチでそのままシュートに持ち込んだら、福岡にブロックされるかGKに止められる可能性が高かったと思うんです。シュートコースを消されていたので。そこでエリアスは無理に打つでも、或いはエリア内に切り込むのではなく、僅かに斜め後ろにボールを下げてコントロールしたんですよね。ミリ単位でボールを下げることで角度が増えて、消えたシュートコースが蘇った。そしてそこに見事に打ち切る能力……匠の技だったと思います。
③ベストアシスト大賞
・ゴールを演出した美しいアシスト、見事なアシストを選出。
2位 第22節 福岡1-2京都(1-2)、90+9分の平賀大空のアシスト(得点者:宮本優太)
3位 天皇杯準々決勝 千葉0-1京都(0-3)、11分のマルコ・トゥーリオのアシスト(得点者:豊川雄太)
4位 第16節 名古屋0-1京都(1-1)、35分の平戸太貴のアシスト(得点者:豊川雄太)
5位 第17節 京都1-1C大阪(1-1)、55分の川﨑颯太のアシスト(得点者:松田天馬)
3位のトゥーリオのスルーパスは絶品でしたね。豊川がスピードを殺さず、走っていった流れでシュートに行けるようなパスを出してみせた。そこは技術が為せる技でしょう。4位の平戸のパスは豊川のシュート技術を踏まえた上での意表を突くアイデア溢れるパスでしたね。
一方、2位と5位は極限状態での状況判断が光るアシストでした。2位の平賀にしても5位の川﨑にしても状況的には打ってしまいたい気持ちが芽生えるようなシーンでしょうし、シュートの選択も必ずしも間違いではない。そこでより得点の可能性が高いルートにパスを出せた判断力と冷静さは称えられるべきものでしょう。川﨑のパスはそれ自体が相手の意表を突いていましたし、平賀は…この瞬間はある種のゾーン状態ですらあったのでは。
23分、マルコ・トゥーリオのアシスト(得点者:ラファエル・エリアス)
2024年9月13日19:00@ニッパツ三ツ沢球技場
まずトゥーリオは宮本がボールを持った時点で右サイドを抜けようとしたんですよ。ただ宮本は中央の川﨑を選択した。ここで動きを止めてしまってもおかしくないんですけど、トゥーリオはちゃんと川﨑からボールをもらえるポジショニングを取り直したところがまず素晴らしいところ。川﨑もよく見ていた、よく出したなと思いますが、極めてトゥーリオがストライカー的な動きで抜け出したんですね。
そしてそのスピードのままギリギリまでGKを引きつけてフリーのエリアスに流した。技術と判断の両方に痺れるアシストでした。前半戦は若干器用が中途半端感を生んでしまっていたトゥーリオでしたが、後半戦からはチーム自体がボールを持てる時間が長くなったので、その器用さが万能型として活きるようになった。チャンスメイカーとしてとしてのトゥーリオの存在はエリアスや原を何倍にも輝かせていましたね。
④美しい流れ大賞
・アシストに留まらず、フィニッシュに至るまでの流れが美しかったゴールを選出。
2位 第28節 C大阪1-4京都(3-5)、56分のラファエル・エリアスのゴール
3位 第30節 横浜FM0-1京都(1-2)、23分のラファエル・エリアスのゴール
4位 第24節 磐田1-2京都(1-2)、82分のラファエル・エリアスのゴール
5位 第22節 福岡1-2京都(1-2)、90+9分の宮本優太のゴール
前半戦は単調な攻撃が目立っていたサンガでしたが、後半戦になると平戸や福岡を起用するようになった事で前線でボールを持つ時間が作れるようになり、前述のようにトゥーリオをチャンスメイクに絡めた攻撃の形が作れるようになりました。その結果、特に福田がより決定的な攻撃への絡み方ができるようになったので、後半戦は小気味良いパスワークから福田がサイドを切り裂き、そこからクロスを入れるようなシーンが多かったですね。福田にスルーパスを出せる状況が生まれると共にチャンスも増えていった印象です。2位と4位、福田のアシストではないですが3位もそういう文脈のゴールでしょう。
1位 第18節 京都サンガFC1-0北海道コンサドーレ札幌(2-0)
18分、松田天馬のゴール
2024年6月15日19:00@サンガスタジアム by Kyocera
サンガの戦い方はやはり広島に0-5で敗れた第15節以前と以降では結構違っていて、ロングボールと裏抜けで相手陣内に入ってからプレッシング…という戦い方からプレス一辺倒にならない戦いと、ポゼッションとまでは行かずとも中盤である程度の時間を確保できるようなプレーを目指すようになりました。端的に言えば前述したように、福田を突破させるのか福田がスルーパスに走れる状況を作れるようにするかみたいなところで、ほの成果として流動性のあるボール回しから得点に繋げられたのが裏天王山となった札幌戦の先制点だったのかなと。ニアに原、ファーに松田が詰めていた関係性も良いポイントです。
⑤番外編:GKスーパーセーブ大賞
・番外編、スーパーセーブ大賞です。今季のサンガはク・ソンユンが圧倒的なパフォーマンスを披露。ソンユンのおかげでどれだけ勝点を拾えたか…と思っていたら、シーズン終盤は更に太田岳志も素晴らしいの言葉では足りないほどの活躍を見せてくれました。そんな2人の印象的なセーブを今一度振り返っていこうと。
2位 第10節 神戸0-0京都(0-1)、45+11分の大迫勇也のPKを止めたク・ソンユン
3位 第21節 湘南0-1京都(0-1)、53分の福田翔生のPKを止めたク・ソンユン
4位 第34節 京都1-0鳥栖(2-0)、86分の西矢健人のシュートを止めた太田岳志
5位 第35節 広島0-0京都(0-1)、31分のゴンサロ・パシエンシアのシュートを止めた太田岳志
いずれも勝負に大きな影響を与えたセーブだと思います。5位はこのセーブと勝利で残留をほぼ確定的なところに持っていきましたし、逆に2位は全く勝てない状況での金星に繋がった。上位相手に土をつけた2つのセーブに対し、3位と4位は重要な6ポイントゲームでのスーパーカーブだったというところも大きなポイントです。
やはりGKのスーパーセーブは難易度もそうですが、このセーブのおかげで勝点1(0)が3(1)になったとか、そういう結果への影響がより語られるべきところもあると思いますし。
74分、ク・ソンユンの連続セーブ
2024年9月22日19:00@サンガスタジアム by Kyocera
これは凄かったですね。ま〜…すごかった。
連続セーブと書きましたけど、正直1本目のシュート…宇佐美貴史が放ったアウトサイドシュートに反応した時点でおかしいんですよ。宇佐美のシュートは間違いなく完璧なタイミングで、完璧な速さで、完璧なコースを突いた。それを右手一本で掻き出してしまったあのセーブは、相手からしたら「もうあれを止められたらどうしようもない」と思うしかないものだったと思います。しかもその後にすぐ体勢を翻して、詰めてきたウェルトンのシュートもストップして見せた。歴史に残るセーブだったと思います。
ましてやこの試合は、38分にもクソンユンが宇佐美の超速ボレーをベストセーブ級のプレーで弾いていて、この場面もこぼれ球をシャットアウトしていたんですよね。満員に膨れ上がったサンガスタジアムで繰り広げられたクソンユンと宇佐美の攻防。あれは両チームのファンじゃなくても胸を熱くするものがあったんじゃないでしょうか。
⑥劇的ゴール大賞
・言わずもがな、ドラマチックな劇的ゴールやそのゴールの重みが強かったゴールを選出。
2位 第1節 柏1-1京都(1-1)、90+4分の安齋悠人のゴール
3位 第24節 磐田1-2京都(1-2)、82分のラファエル・エリアスのゴール
4位 第25節 京都3-2名古屋(3-2)、75分のマルコ・トゥーリオのゴール
5位 第3節 川崎F0-1京都(0-1)、82分の川﨑颯太のゴール
開幕戦のゴールはなかなか衝撃でしたね。高卒ルーキーの開幕弾。シーズンを通した時にコンスタントに出番を得られた訳ではありませんでしたが、どんな名選手でも、メッシやクリスティアーノ・ロナウドでも一生に一度しかないプロデビューの試合で、それもラストワンプレーの同点弾を決めた事はものすごくアイコニックな瞬間でした。
劇的で言えば、磐田との6ポインターを制したエリアスと名古屋相手の2点ビハインドをなかなかゴールに恵まれなかったトゥーリオがひっくり返した逆転弾、今季初勝利をこれまで勝てなかった等々力の地で手繰り寄せた主将の一撃も印象的でしたね。
90+9分、宮本優太のゴール
2024年7月7日19:00@ベスト電器スタジアム
やっぱりこれでしょう。「劇的」と呼ぶならこれしかない。このゴールがすごかったのは…美しい流れ部門でも5位に入れているんですけど、福岡の猛攻をクリアではなく繋いだ宮本がそのままゴール前まで爆走し、川﨑を介した原が疲労困憊の中でもボールを前に運び、そして福岡にボールが渡ればほぼ試合が終わる状況で失わずに鈴木冬一に託し、そこから再び川﨑に繋がり、平賀を見逃さなかったそのパスから極限状態での冷静なポストプレーを宮本が叩き込む……異常なハイテンション空間の中で、全員が自分のタスクとそれ以上の事をやってみせたこの繋がりはそれこそサッカー漫画のような展開でしたし、そう言う意味でもドラマだったなと。
正直なところ、本当は1-0で終わるべき試合だった事は確かなんですよ。本当はATに1点ずつ取る2-1ではなく、1点リードを守って終わらせる必要があった。そこは反省材料ではあるんですけど、サンガって2試合前の柏戦で同じように終了間際に追いつかれているんですよね。あの時は同点に追いつかれて消沈したのに対し、この日は勝ち越しを狙いに行った。めちゃくちゃ結果論ですが、柏戦の記憶が同じようなシチュエーションから勝ち越した事で払拭できた部分はあったなと。こういう勝ち方ってなかなかこれまでのサンガはできなかったので純粋に感動しましたね…。
⑦宮吉拓実大賞
・今季限りでの退団を発表した紫の至宝。その貢献、軌跡、希望、夢…与えたくれた全ての思い出に感謝してもしきれません。そんな宮吉のサンガベストゴールトップ13を選出してみました。
2位 2013年J2第4節 京都3-1神戸(4-1) 52分のゴール
3位 2011年J2第26節 京都2-1千葉(2-1) 73分のゴール
4位 2021年J2第35節 京都1-0山口(1-1) 47分のゴール
5位 2015年J2第28節 磐田1-1京都(3-3) 19分のゴール
6位 2011年J2第31節 京都1-2徳島(1-2) 52分のゴール
7位 2011年天皇杯4回戦 鹿島0-1京都(0-1) 59分のゴール
8位 2011年J2第32節 大分1-3京都(1-3) 81分のゴール
9位 2021年J2第39節 京都3-1秋田(3-1) 44分のゴール
10位 2012年J2第13節 甲府0-3京都(0-3) 68分のゴール
11位 2024年J1第13節 京都1-1福岡(2-3) 21分のゴール
12位 2013年J2第9節 岡山1-1京都(1-1) 87分のゴール
13位 2010年J1第12節 横浜FM2-2京都(2-2) 80分のゴール
1位 2022年J1第19節 京都サンガFC2-1北海道コンサドーレ札幌
89分のゴール
2022年7月2日18:30@サンガスタジアム by Kyocera
宮吉のゴールと言えばやっぱりファーストタッチの巧みさなんですよね。だからいわゆる「ゴラッソ」みたいなゴールはほとんどなくて、むしろ「このコースに打てればシュートの威力が弱くても入るよね」みたいな性格にコースを狙うシュート、そしてそういうところに落ち着いて蹴れるようなスペースをファーストタッチで確保するテクニックがめちゃくちゃ巧いんです。上記の中なら6位の2011年徳島戦のゴールとか典型的ですよね。
その中で選んだ1位は一昨年の札幌戦のゴール。これも同じ事で、エリア内の密集の中からファーストタッチでコース選択を打てるスペースを作り出し、そのコースにアウトサイドキックで流し込んだ。その一連の動作の美しさがやっぱり印象的でした。ましてやこのゴールは終了間際の決勝点でしたし、新たなサンガユース出身のシンボルとなる川﨑颯太からのアシストだった事もグッとくるポイントだったなと。9位の秋田戦のゴールは難易度としては他のゴールと比べると地味にも映りますが、この試合は現地で見ていて…「本当にJ1に行けるんだ…」と思った瞬間がこの宮吉のゴールだったので思い出に残りましたね。
年末ドタバタ
ではでは(´∀`)