RK-3はきだめスタジオブログ

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難易度は二面性〜EAFF E-1選手権2025 決勝大会第1戦 日本代表 vs ホンコン・チャイナ代表 マッチレビュー&試合考察〜

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ホンコン行っチャイナ

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューはEAFF E-1選手権2025第1戦、日本代表 vs ホンコン・チャイナの一戦です。

 

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毎度お馴染み、旧名東アジア選手権。2年に一度なのか3年に一度なのかあんまりはっきりしない大会ですが、今回は韓国を舞台に日中韓に香港を加えた4チームのリーグ戦として行われます。

この大会の特徴は「国内組しか呼べない」という事。かつては日本代表自体が海外組が多くて5人とかそんなもんでしたから一部主力が欠場しているという大会でしたが、2013年大会からは日本代表メンバーの大半を海外組が占めるようになった事でこの大会の意味合いが変容。昨今ではJリーグで活躍している選手を代表にピックアップする機会…ある種のセレクション的な意味合いを持つ大会となり、新たな意味合いを持つようになりました。

現に2013年大会ではメンバーの固定化が叫ばれていたザックジャパンの中で、同大会でデビューを果たした柿谷曜一朗大迫勇也森重真人、山口蛍、青山敏弘齋藤学の6人がブラジルW杯本戦まで到達。よりメンバーが海外組で固定されていた2022年大会でもそこでの活躍から相馬勇紀と町野修斗カタールW杯メンバーに食い込みました。W杯メンバーには選ばれなくても森保監督を始めとした代表チームと共に過ごす時間は経験としても評価としても有意義でしょうし、ファンとしても普段の代表ではなかなか見れないJリーグオールスターを見られる貴重な機会。魂のサバイバル、オールスター的なユナイト。この1週間、その融合を楽しみましょう!

日本スタメンです。

 

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森保監督が明言していたように3-4-2-1システムを採用。ピサノ・アレックス幸冬堀尾、安藤智哉、久保藤次郎、ジャーメイン良、宮代大聖、垣田裕暉の6人が代表初招集にして初出場となり、1トップ2シャドーは初招集トリオで組む形に。荒木隼人と古賀太陽も過去のE-1選手権以来の代表復帰となりました。

 

 

 

本日の会場は韓国、龍仁の龍仁ミルスタジアムです。

 

 

近隣に位置して老朽化していたスタジアムの代わりに2018年に建設された比較的新しい陸上競技場。開場以来、韓国代表のアジア予選でも使用される事があるなど近年の韓国サッカー界で重宝されつつあるスタジアムで、今大会は男子の6試合全てがこの会場で行われます(女子は水原ワールドカップ競技場と華城総合運動場で開催)。

現在は本拠地使用するスタジアムはおらず、同じ京畿道にホームスタジアムを持つ水原三星ブルーウィングス本拠地の改修工事中に使用したり、全北現代光州FC本拠地のコンディションが悪い際に使用する代替ホームとしての出番が多かったですが、2026年よりKリーグ2参入を目指して発足されるチームがホームスタジアムとして使用するとの事。

 

 

 

立ち上がりからやはり日本が高い位置からプレスを仕掛けて、WBがやや内寄りからスタートした攻撃で果敢にアタックを仕掛けていきます。特に相馬勇紀擁する左サイドからの攻撃が目立った日本は開始4分、左サイドを抉った相馬のクロスに対してジャーメイン良が胸トラップからボレー!恵まれた身体能力を活かしたプレーから先制点を獲得。

更に度々相馬の突破とクロスからシュートチャンスを多く作っていた日本は10分にも相馬が左サイドからクロスボール。ジャーメインが今度はファーサイドで合わせて早々とジャーメイン2得点。

 

 

立ち上がりに幸先よく2年を取り切った日本はその後も稲垣祥、ジャーメインの2発で前半だけで一気にスコアを5-0まで広げます。前半途中には雨でスリッピーなピッチになる中で一度ピンチを迎えた時間帯はありましたが、そこもどうにか押さえ切って前半終了。全体的にやはり個人の圧倒的な実力差を見せつける形で前半を終えます。

 

 

 

日本は後半から垣田と前半4得点のジャーメインを下げて山田新と中村草太と共に代表デビューとなる2人を投入。後半も基本的には日本が攻め込んでおり、ボランチのところからWBとシャドーの連動を使いながら中に入れていく攻め方を仕掛けていました。

しかし前半よりも相手が前に走ってくるような機会は増えており、前半もセットプレーでは一つ香港に好機を作られていた日本59分に再び香港にCKを取られると、左CKに対してエリア内での混戦を弾き切れずオアに押し込まれて1点を失います。

 

 

 

ただ後半は高温多湿という環境や、殆どの選手がJリーグ第23節から中2日での飛行機移動と即席チームでの試合という過密日程で戦っている身体的・精神的な疲労もあるのか、チームとして押し込めていた前半と比較するとチームとして押し込めているような形ではなくなっていました。その中でも63分には大関友翔と久保藤次郎を投入し、74分にはその大関のフライパスから中村が抜け出すなど個人個人のアイデアが光る場面はありましたが、後半はややチームとして散発的に。

 

 

 

日本は76分に宮代を下げて望月ヘンリー海輝を投入し、途中出場5人はいずれも初出場ということに。そして望月の投入に伴い、3バックの形は維持しながらも望月が右SB、古賀が左SBに落ちる場面を作る可変型4バックにもなるような形に変更。しかし80分には香港の途中出場ラウ・カキウにポスト直撃のシュートを放たれるなど後半はやはりもどかしい時間が続いていきます。

 

 

 

アディショナルタイムには相馬の右CKに安藤智哉が頭ひとつ抜けたヘディングで合わせてようやく後半初得点…かと思われましたが、エリア内で誰かしらがファウルを取られたとのことでノーゴール判定。

それでもラストプレーに近い時間帯に右サイドでボールを受けた中村が自ら強引に持ち込んで最後まで決め切りようやく後半初得点!後半はやや消化不良な展開にはなりましたが、それでも6-1というスコアを付けて初戦を勝利で飾りました。

 

 

 

前半はすごく良かったと思います。垣田やジャーメインが前線でしっかりとチームの縦幅を作る事ができましたし、3-4-2-1というよりはやや垣田とジャーメインが2トップっぽい3-4-1-2に近い形にはなっていましてが、2トップが深さを常に作っていた事で相手DFを押し込む事ができた。それによってトップ下、ないしはシャドーのプレーエリアで大きなスペースがありましたし、前半が相馬ショーになってしまうくらいの時間と空間の余裕は作れていたと思います。もちろんその舞台で無双っぷりのプレーを見せた相馬が別格感をきっちり発揮したところは高く評価されるべきところでしょう。

一方、後半はジャーメインと垣田を下げて山田と中村を投入した訳ですが、2人とも前線に張るというよりは前に飛び出していくタイプのFWということもあって、あまり前半ほど幅や深さを取りにくくなってしまった。そこで日本のプレースピードに少し慣れてきた香港が、日本が攻撃のチューニングをし直しているところで上手く守備のリズムを作ってきたことで、日本は若干攻撃が散発的になってしまった部分はあったのかなと。この辺りは殆どの選手がリーグ戦を戦ってから2日間の間に渡韓と即席チーム造り作業を余儀なくされたことと、それを高温多湿のスタジアムで試合まで急ピッチに仕上げなければならなかった事が身体的にも精神的にも疲労を重ねて集中力を奪う要因になったでしょうし、その辺りは気軽に責められませんが……それにしてもちょっと後半に散漫な形になってしまった事は、前半はしっかりとやり切っただけに少し残念ではあったかなと。

とはいえ後半もスポット的にはアイデアやクオリティを見せる場面はありましたし、もちろん個々のレベル差を無視して語れるものではありませんが、この準備期間で最低限の事はきっちりやってみせた辺りはマネジメントとしての懐の深さは感じましたし、あくまでE-1選手権は個々のセレクションであり、代表チームのルーティーンを個々が感覚に落とし込む場所でもある。意義をしっかりと果たせるような2試合+αの活動になってくれば…と思っています。

 

 

E-1選手権、一応予選ある

ではでは(´∀`)