RK-3はきだめスタジオブログ

気ままに白熱、気ままな憂鬱。執筆等のご依頼はTwitter(@blueblack_gblue)のDM、もしくは[gamba_kyoto@yahoo.co.jp]のメールアドレスまでご連絡お願いします。

ソード〜FIFAクラブワールドカップ2025 パリ・サンジェルマン vs レアル・マドリード マッチレビュー&試合考察〜

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20250710071335j:image

 

フランス館よかった

スペイン館のメシ食いたい

 

どーもこんばんは

 

 

さてさて、本日のマッチレビューFIFAクラブワールドカップ2025、パリ・サンジェルマン vs レアル・マドリードの一戦です!

 

 

クラブW杯観戦ガイド作りました!是非お使いくださいませ!

 

Jリーグをもっと楽しめる(かもしれない)、2025Jリーグ開幕ガイド作りました!是非お使いくださいませ!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

https://youtu.be/8IRoMdWUAPQ?si=

-e6B6LFUQ:embed

 

 

 

全ての選手がそうであるように、全てのクラブがそうであるように、全てのリーグがそうであるように、そして全ての大会がそうであるように、全ての物事には歴史があり、その歴史が折り重なって、織りなされたものが今という景色なんだと思います。

初めての開催となった新方式のクラブW杯に於いて今日は歴史的な対戦となるでしょう。もちろん、純粋なビッグクラブ同士の対戦という側面もある。強烈な個と最大化された組織という誰もが興味をそそられるテーマの組み合いの側面もあれば、UCLの最多王者と最新王者の戦いという側面もそう。その上で、今大会に於けるキリアン・ムバッペを取り巻く因縁は通常のワールドカップには存在し得ない概念な訳です。この因縁が物語の中にどう溶けていくのか。それはこのクラブW杯が長期的な大会として定着させていくのであれば、その中でどれだけのストーリー性を醸成できるのか、訴求力やプレゼンスを高めることができるのか……そういった部分がダイレクトで問われることになります。

勝つのは因縁をどちらに転がした"王者"なのか。今大会の、そしてこの大会が歴史になった暁にもハイライトとなり得る決勝進出を懸けた一戦です。

両チームスタメンです。

 

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20250710044216j:image
f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20250710044213j:image

 

 

本日の会場はアメリカ、ニュージャージー州イーストラザフォードのメットライフ・スタジアムです。

1994年のアメリカW杯会場でもあったジャイアンツ・スタジアムの老朽化に伴い、新たにNFLニューヨーク・ジャイアンツの本拠地とする計画で建てられたスタジアム。同じNFLニューヨーク・ジェッツも本来はニューヨーク五輪開催の際に新築するスタジアムに移転する予定でしたが、五輪招致失敗と同時に建設計画も白紙となった事でこの会場に転がり込み、現在は共同しようとなっています。

このスタジアムは今大会では準決勝2試合と決勝戦の会場であり、そしてなんと言っても来年のW杯開催会場にして決勝戦の舞台です。ニューヨーク郊外のこのスタジアムが新たなるフットボールの歴史的ベニューとなります。

 

 

 

 

立ち上がりに攻勢を仕掛けたのはパリでした。パリは中央から細かくボールを動かしながらサイドのポケットのスペースを有効活用していく狙いを見せていました。

6分、右サイドを抜け出したドゥエの折り返しはラウル・アセンシオの足元に入ってパリの攻撃は頓挫したかと思われましたが、そのアセンシオに猛然とプレスをかけたデンベレがカットしGKクルトワと1対1。一度はクルトワがカットするも、こぼれ球に反応したファビアン・ルイスが押し込んでパリ先制!開始早々からいきなりクルトワに2本のビッグセーブをされていたパリは早々と3度目の正直を果たす事に。

更に直後の9分、またもパリ…そしてデンベレの強烈なプレスに対して、ビルドアップ中のレアルはリュディガーがボールロスト。これを奪い去ったデンベレがGKクルトワとの1対1を今度は自ら流し込み、なんとパリは開始10分までに2点を奪う事に!怪我で出遅れて大会初先発となったデンベレは早速覚醒っぷりを見せつけます。

 

 

レアルは立ち上がりからムバッペやヴィニシウスのスピードを活かしたロングカウンター中心の戦い方を志向していきました。いかんせん強烈な2人ゆえに、それが鋭さとダイナミズムを体現してくるような場面もあるにはあったものの、単純にスピード勝負となればヌーノ・メンデス辺りもしっかりと対応する形になっており、攻撃のアプローチはいずれもパリに捕まってしまう格好に。

 

 

 

それでも覚醒したPSGの猛威は残酷なほどに白い巨人に襲い掛かります。

24分、今度は自陣からショートカウンターを敢行。ハキミが自陣からデンベレとのワンツーで抜け出して一気に右サイドを貫いて折り返すと、このボールを受けたファビアン・ルイスがカバーに入ったバルベルデのタイミングをズラしてシュート!これが決まって遂にパリが3点目。それはCL決勝を思わせるような衝撃的な展開へ…。

 

 

 

前半はもはやパリ、そしてデンベレの面目躍如としか言えない試合展開に。パリは大きすぎるリードを、レアルは重すぎるビハインドを負って後半へ。

 

 

後半もパリは開始早々から激しいプレスを見せます。48分にはクヴァラツヘリアのインサイドへのパスに抜け出したデンベレアーリークロスに合わせたドゥエがネットを揺らすもオフサイドでゴールは認められず。とはいえ緩みのないパリの姿勢はレアルに流れを全く渡しません。

パリも59分のタイミングでデンベレを下げてからはハイプレスよりはややペースを落とした形になったので、それもあってレアルもセカンドボールの回収率が増えたら中盤から前線へのパスコースを作るような場面は増えたりしますが、パリはパリで締めるところをしっかり締めながら途中出場のバルコラとゴンサロ・ラモスを中心としたカウンター戦術へシフト。

 

 

 

レアルは64分のタイミングでブラヒム・ディアス、エデル・ミリトン、そして負けた瞬間がレアルでのラストゲームとなるルカ・モドリッチを投入。レアルも推進力は見せるようになったことでシュートチャンスは増えるも決定機と呼べるほどの場面までは作れず。

逆に88分には右サイドに思いっきり抜け出したハキミの折り返しをファーサイドでバルコラがタメを作って中央にパス。ゴンサロ・ラモスがトドメの一撃を決めて4-0!

 

 

 

試合はそのまま終了。

衝撃的な展開となったUEFAチャンピオンズリーグ決勝を彷彿とさせるようなその試合展開の末、圧倒的な完成度とクオリティを見せつけたパリが圧勝で決勝進出を決めました!

 

 

 

まあ…凄かったですね。他に言葉が出ないです。

パリが今の強みとしている前線のハイプレス、同時に前線の選手のハードワークでチームのライン設定を固めたところから攻撃をデザインしていく組織性……これらに詰まれた時に、やはり良くも悪くも個の集合体的な側面があり、組織性も構築段階のレアルにとっては一番酷とも言える相手だったと思います。レアルはムバッペやヴィニシウスをキーにしたロングカウンター気味になるとは良いとして、スペースを狙おうとするあまり全体が間延びしてしまった。同時にパリもハイラインハイプレスはレアルの前線のそういう姿勢とDFラインの後退という悪いギャップを生じさせる事が出来ていましたし、前線のハイプレスのみならず中盤のプレスに置いてもレアルの出しどころの制限とムバッペやヴィニシウスに対する後退対応のいずれにしても守備のタイミングの取り方が絶妙に上手かった。結局のところ、元々パスサッカー、ポジショナルプレーの前提をしっかりと揃えた上で、タイミングの取り方、ギアの入れ方を激しさと共に表現することを徹底してきた。それが全てだったようには思います。

 

 

モドリッチお疲れ様

ではでは(´∀`)