RK-3はきだめスタジオブログ

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ものの組み方プラスアルファ〜ヴィッセル神戸30周年記念チャリティーマッチ ヴィッセル神戸 vs FCバルセロナ マッチレビュー&試合考察〜

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意外とスペイン館にサッカーみは無かった

 

どーもこんばんは

 

 

さてさて、本日のマッチレビューヴィッセル神戸30周年記念チャリティーマッチ、ヴィッセル神戸 vs FCバルセロナの一戦です!

 

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コロナ禍もいつしか遠い非日常のようになり、毎年のように海外ビッグクラブが日本ツアーを行ってくれる時期が復活しました。

今年もいくつかのチームが来日し、Jリーグクラブとの祭典のようなゲームを見せてくれていますが、その中でも特に注目されているのは7月30日に横浜F・マリノスと戦うリバプールFC、そして今日、ヴィッセル神戸と戦うFCバルセロナの2チームでしょう。

特に今季のバルサは近年はどこか消化不良が続いたシーズンが続いていた中、シャビ・エルナンデス監督体制で一時は希薄化していたカンテラの若手選手が台頭していく流れを再び巻き起こし、そして昨季から就任したハンジ・フリック監督の下で超攻撃的サッカーを確立。国内のタイトルを総なめにし、現在のサッカー界に於ける最大級のスーパースター、ラミン・ヤマルを筆頭にラフィーニャ、ペドリ、レヴァンドフスキといった圧倒的な面々を揃えるチームはまさしくバルサの新時代にしてサッカー史に残るチームの一つとなり得るポテンシャルを持っています。そんなバルサと縁深い神戸もまた、前回の対戦からチームとして冠を積み重ねた。今回、ノエスタの地で新たにどのようなゲームを繰り広げるのでしょうか。

両チームスタメンです。

 

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神戸は直近のリーグ戦である岡山戦からのスタメン変更は1人のみ。CBは山川哲史とマテウス・トゥーレルのコンビで固定されていますが、今日はトゥーレルがメンバーからも外れ、今季は左SBでの先発起用が多かった本多勇喜が山川とCBを組んでいます。大迫勇也武藤嘉紀の復帰はバルサ戦には間に合わず、新加入のアタッカーである小松蓮、今日獲得が発表された宮原勇太がいずれもベンチ入りしました。

バルサは基本的には昨季のメンバーをベースにしたスタメンの構成になっており、中盤はペドリ、ガビ、フェルミン・ロペスのカンテラトライアングル。ラミン・ヤマルとハフィーニャという看板が両WGを担い、エスパニョールから獲得したGKジョアン・ガルシアも早速バルサデビューです。なお、ヤマルにとっては10番を背負って初のゲームとなりました。

 

 

 

本日の会場は兵庫県神戸市、ノエビアスタジアム神戸です。

 

 

まあもう、紆余曲折はありましたが……とにもかくにも楽天、というか三木谷氏あっぱれという中で開催されるこの試合。近年は海外クラブとの親善試合の相手としてよく選ばれている神戸は昨年も3試合を開催しましたが、スタッド・ランス戦以外は国立競技場での試合でしたし、2023年にバルサと対戦した試合も国立競技場で行われていました。ですのでノエスタでのバルサ戦は2019年以来となっており、ペドリやダニ・オルモ、エリック・ガルシアにとっては2021年にU-24スペイン代表としてU-24日本代表と対戦した時以来のノエスタとなっています。

この試合及び8月2日に三浦知良バルサレジェンドのアンドレス・イニエスタも出場するヴィッセル神戸OB戦の2試合はヴィッセル神戸30周年記念チャリティーマッチとして開催。神戸のアニバーサリーイヤーを象徴するイベント。試合前には神戸の三木谷浩史会長、バルサジョアン・ラポルタ会長によるユニフォームの贈呈式と行われました。

 

 

 

開始5分までにバルサエリック・ガルシア、宮代大聖にシュートチャンスが訪れるなどアップテンポな試合の入りとなったこの試合。バルサはワイドなポジショニングからサイドから切り込んでいく時にヤマルやハフィーニャが一気にギアを入れていくアクションを見せると、どちらと言えば神戸は中央を細かいパスワークで翻弄するような動きを見せていました。

とはいえ10分過ぎくらいのタイミングからはほぼバルサのペースで、なかなか神戸は攻撃に転じるようなシーンを作れなくはなっていましたが、一方守備面ではヤマルやハフィーニャの縦への突破に対してサイドバックがデュエルのところでしっかり対応しながらCBや中盤の選手がカバーに入る見事な守備の連動を披露。前線からのプレッシングも攻撃の牽制としては機能しており、神戸ペースにはならずともバルサに攻めあぐねてる感を与えることには成功していました。

 

 

 

しかし34分、バルサは左サイドからのフェルミン・ロペスのCKがエリア内で大混戦を誘発。最初のガビのシュートは神戸がなんとかブロックしましたが、そのこぼれ球をエリック・ガルシアが押し込んでバルサ先制!ようやく試合が動きます。

 

 

先制点を許してからは神戸も再び中央でコンビネーションを発揮できる場面も増えており、40分には左斜めから侵入してエリキの落としに佐々木大樹、宮代が立て続けにシュートを放ちますがいずれもブロックに遭いゴールには至らず。

それでも43分、果敢なプレッシングでクバルシからボールを奪った佐々木が一気に単独カウンターを敢行。佐々木のシュートはGKジョアン・ガルシアに弾かれますが、こぼれ球を拾った広瀬陸斗の折り返しを宮代が決め切って神戸が同点に!

 

 

前半終了間際の宮代のFKは僅かに枠を捉えられませんでしたが、バルサの凄みを見せられながらも神戸も対抗・対峙していく姿勢はしっかりと見せて前半を1-1で終えます。

 

 

後半はプレシーズンマッチらしく、前半途中に本多勇喜と交代で投入されていた岩波拓也を除いて両チーム全員メンバーチェンジ。それでもバルサレヴァンドフスキ、アラウホ、クンデ、デヨング、クリステンセン、ダニ・オルモ、シュチェスニーという凄まじいメンツの後半メンバーですが、更にマンチェスター・ユナイテッドからの獲得が発表されたばかりのマーカス・ラッシュフォードバルサデビューを果たします。

63分にはバルサは自陣からの絶妙なロングボールに一瞬で抜け出したダニオルモが巧みな反転からシュートまで持ち込みますが枠は捉えきれず。64分には右サイドから流れるような攻撃にオルモのパスを受けたラッシュフォードも決定機を迎えますがGK正面。

 

 

 

次にスコアが動いたのは77分でした。

バルサは自陣からラッシュフォードが縦パスを送ると、オルモのフリーランも活用してボールをキープしたレヴァンドフスキが相手のタイミングをずらしたながらラストパス。右サイドから走り込んだこちらもバルサデビューとなるルーカス・バルジがダイレクトで叩き込んでバルサ逆転!

更に87分にはクンデが入れたクロスボールは一度は神戸守備陣がクリアしようとしたものの、こぼれ球に走り込んだペドロ・フェルナンデスが抑えの効いたミドルを放ってバルサ3点目!

 

 

試合はそのまま終了。

華麗なるスーパースターがやるべきことをやる…世界トップオブトップの組織とクオリティを見せつけたバルサが3-1で勝利を収めました!

 

 

 

まあ言うまでもなくバルサはさすがだったなと。やはりプレシーズンですので、節々にコンディションが仕上がっていないところがあるのは当然ながらも、やはりボールを足元に納めた時のクオリティは誰しもが高いものを持っていました。前半に関してはヤマルとハフィーニャがインテンシティーの勝負の攻防に持ち込まれたのでそこでちょっと苦しむ部分はありましたけど、卓越した技術に裏付けされたボールを回す時の個々の振る舞いは今更讃えたところでなあ…とさえ思うほど絶対的なものでしたし、何より組織としてボールを受ける前にどういうセッティングをチームとしてやるのか、ボールを受けた時にどこを目指すのかのチームとしてのビジョン、骨格は昨季からしっかりと組まれていることを感じさせられるものでしたし、それが僅かなトレーニング期間でラッシュフォードやルーニーに至るまで徹底されていたところはフリック監督の手腕やチームとしてのシステムが固まっているがゆえなんだろうなと。

 

 

 

神戸に関しても、チームとしての守り方のデザインはしっかり組まれていたなと思います。特にWGに対する対応はしっかりとSBが潰しに行き、スピードを止めたところで中盤やCBの選手が対応しにいく…単純に1対2で対応するのではなく、どうやって1対2の状況にするのかをしっかりと考えられていましたし、それがヤマルやハフィーニャの爆発的な輝きをうまく制御できていたんじゃないかなと。その上でバルサは保持時はワイドなポジショニングを取るので、うまくコンビネーションを発揮しながら佐々木、宮代、エリキの3枚を1トップ2シャドー気味の中央突破でカウンターの糸口も作っていけた。この試合に向けた準備、チームとしての設計はバルサ相手に提示できたんじゃないかと思います。

ただ守備に関しては後半もある程度チームとして狙いとする守り方を出来ていたと思いますが、攻撃面ではやはりクオリティの差はあったのかなと。バルサ相手でも、それが仮にゴールという形にはならなかったとしても攻撃をスタートできる、完結できるというプロセスを完遂できる選手として、前半の宮代-佐々木-エリキが出せたものが後半はなかなか出せなかった。そこはチームというより個々の選手が自分を底上げしていくべきところでしょう。

 

 

ミッキーありがとう

ではでは(´∀`)