RK-3はきだめスタジオブログ

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変わらずとも変わる解釈〜2025明治安田J2リーグ第25節 RB大宮アルディージャ vs ジェフユナイテッド千葉 マッチレビュー&試合考察〜

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一応モンスターよりはレッドブル派です。

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューは2025明治安田J2リーグ第25節、RB大宮アルディージャ vs ジェフユナイテッド千葉の一戦です!

 

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時代の流れの中で、引き摺り込まれていくようにその沼の中で蠢き続けたクラブもいれば、濁流の中で振り回されるような日々を過ごしたクラブもいる。千葉が前者なら、大宮は後者とも言えるでしょう。両チームともJ2では群を抜いた規模を誇るクラブで、そのクラブが持つ施設面を含めた機能だけならJ1クラブですら羨むチームがいるほど。しかし時代は彼らの復活を許さず、今季に至るまでの苦難の日々となっています。

そんな両チームが今年、それぞれの推移を経ながら、少なくともここ数年では間違いなく光に最も手をかけるシーズンに迫っています。千葉は積年の屈辱にケリを付けるか、大宮はクラブ史を賭けた革命を成就させるか。舞台はNACK5スタジアム。4位大宮、勝点41。2位千葉、勝点42。今季のJ2リーグに於ける一つのハイライトとなる一戦です。

両チームスタメンです。

 

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前々節からシステムを3-4-2-1から4-4-2に変更した大宮。富山に2-0で勝利した前節からはスタメンを1人だけ変更しており、右サイドに津久井匠海からこれまで途中出場がメインだった藤井一志を起用。藤井のスタメンは第12節いわき戦以来です。

千葉は2-2のドローに終わった前節いわき戦からはスタメンを4人入れ替えてきました。前節も久々のスタメンとなる選手が多かった千葉ですが、今日も田口泰士、日高大、カルリーニョス・ジュニオ辺りは久しぶりの先発起用となっています。

 

 

 

本日の会場は埼玉県さいたま市NACK5スタジアムです。

1964年の東京オリンピックや1979年のワールドユースでも使用されるなど、日本サッカーの初期に大きな役割を果たしたスタジアムで、2007年に現在の形に改修された由緒正しき会場です。アルディージャ自体はNTTからレッドブルに運営権が譲渡される形となりましたが、このスタジアムに関しては昨年までと同様にNTTの関連企業が指定管理者として運営しています。

なお、今日の試合からレッドブル体制として新たに誕生したアルディージャの新マスコットがお披露目。ファン投票の結果、名前は「ブルル」に決定したとの事で。

 

 

最初のチャンスは千葉でした。開始1分に満たない時間で田口泰士のロブパスに右サイドを抜け出したイサカ・ゼインが柔らかいクロスボール。反応した森海渡が決定機を迎えますが、ここはGK笠原昂史がビッグセーブで阻止して開始早々の先制点にな至らず。対する大宮も6分、谷内田哲平のクロスボールをオリオラ・サンデーが競り合い、詰めた豊川雄太と小島幹敏が粘ったボールに走り込んだ泉柊椰が鋭いグラウンダーのシュートを放ちますが…こちらはポスト直撃。

 

 

 

開始10分までにお互いに決定機を作ったゲームは両チームとも序盤からアグレッシブに攻め込む姿勢を見せつつ、そのアプローチはお互いに対照的なものとなっていました。

千葉はよりシンプルにサイドの背後、特にイサカが右サイドを抜け出せるようなシンプルなサイド攻撃に森がしっかりとニアに入りながらそのまま狙う、或いはファーサイドでのもうひと展開を狙う形。一方の大宮はシンプルにサイドを狙う大宮とは異なり、どちらかと言えば中央でしっかり組み立てながら前線で身体を張れるサンデーとシャドー的な振る舞いができる豊川の連係を絡めて好機を伺う形に。

 

 

 

ただ、前半の前半くらいまでの時間でキレを見せていた千葉はその流れが来ている時間帯で点を取りきれずにいると、30分頃からはアップテンポな展開だったところを大宮がボランチのラインでボールを落ち着かせられるようになり、相手陣内に最終ラインの基点を作る事で大宮を押し込める形になっていきました。

34分には大宮が右サイドからのロングスローからエリア内の混戦を誘発して最後は市原吏音が決定的なシュートを放つもGKスアレスがスーパーセーブ。大宮は37分にはサンデー、40分には豊川が立て続けに好機を迎えますが、大宮もいずれも活かせずに前半終了。立ち上がりからスリリングな展開ながらも得点は動かず後半へ。

 

 

大宮は後半からサンデーを下げてファビアン・ゴンザレスを投入。しかし後半、試合は早々に動きを見せました。

47分、大宮の縦パスを田口がカットすると一度椿直起に預けてリターンを受ける形で左サイドを前進。少し間合いを作ってから入れたアーリークロスに対し、ニアサイドに入ってきたカルリーニョス・ジュニオがドンピシャヘッド!前半に大宮のシュートを叩いたクロスバーはこのシュートはネットの中に入れ、前半終了間際の耐える時間を凌いだ千葉が後半開始早々に先制!!

 

 

 

千葉が先制してからは更に壮絶な展開になりました。

千葉の先制直後にイサカが迎えたシュートシーンは相手のブロックを挟んでポスト直撃。54分に大宮がクロスからエリア内の混戦を生み出すと複数選手が絡む攻防で最後は豊川が押し込もうとするもGKスアレスが掻き出して阻止。逆に57分には再び千葉、味方のクロスに椿が右足で放ったシュートがブロックされると、こぼれ球の流れでカルリーニョスが放ったシュートは今度はGK笠原がファインセーブを見せ、手に汗握る壮絶な10分間をお互いの守備陣が身体を張ってなんとか凌ぎます。

 

 

 

57分に藤井と豊川を下げて津久井匠海とカプリーニを投入していた大宮は71分に泉を下げて杉本健勇を送り込んで攻勢に出ます。一方、59分にカルリーニョスを下げて呉屋大翔を投入していた千葉は78分に品田愛斗、前寛之、杉山直宏を投入し、攻勢をかけてくる大宮に対して両サイドのイサカと杉山に2トップを配置した分かりやすいカウンターシフトで逃げ切りを図りながらもトドメを刺す機会を伺う形に。

大宮も終盤はほぼ一方的に相手陣内で攻め込みますが、守りを固めてカウンター戦術に振り切った千葉をなかなか崩せず、逆に千葉に何度かカウンターで好機を作られた事が牽制にもなったのか大宮にもリスク管理を考える必要性に迫られてパワープレー的な攻撃に出にくく、攻め込んでいるけど60分頃までのような厚みは出せない状況になっていました。

 

 

 

アディショナルタイム、大宮はリスタートから津久井が左サイドを突破してクロスを入れると、ファーサイドの杉本がヘディングで合わせるも…大宮の前に何度も立ちはだかったGKスアレスがスーパーセーブ!その直後のCKも市原のヘッドをしっかりとスアレスが抑えて試合終了!2位の千葉が自動昇格圏内を死守する大きな勝点3を獲得しました!!

 

 

 

やー、凄かったですね。壮絶なゲームでした。

大宮も千葉も、試合を通して攻撃時のアプローチは特に変わらなかったと思います。それは最初から最後まで。ただ、そのアプローチが状況に対して意味を変えてくるという点がこの試合の面白いポイントだったかなと。

 

なるべくミドルゾーンでボールを動かせる状況を作ってからサイドを絡めた攻撃の流れを生み出そうとする大宮と、シンプルにサイドを狙う事である意味では事を先に起こしてから打開していこうとする千葉と。縦を横に動かした大宮と横を縦に動かした千葉とでも言いましょうか、前半10分までにお互いに一度ずつ訪れた決定機はそれがよく表れていましたし、千葉の得点然り、その後のお互いのチャンスはいずれもそういう形でした。

この構図になると、攻撃の厚みは大宮の方が出て、千葉の方が一瞬の破壊力を作りやすい。なので一度大宮が自分達の陣形をキープできるようになると、往々にして大宮の攻撃ターンが長く続いていく形になるんですよね。実際、前半は明確に大宮の時間になってから千葉は耐えるしかなかった。そうなってくると、やはり肝となるのは一度築いた陣形が強制的に一旦リセットされるハーフタイムになってきて、そのリスタートを千葉は上手くやれた…というのが結局は全てだったのかなと。一番大事なところでクオリティをしっかり出してきた田口には脱帽です。

そしてこの大宮と千葉の構図だと全体的には大宮が優位に立てるんですが、千葉が先制を取れると一気に状況が変わるんですよね。つまり千葉は、自分達のスタンスを大きく変更しないままカウンターシステムに移行していけますし、実際に追加点には至らなかったものの、何度かカウンターから決定機を作った事実そのものが大宮にとっては自分達が総攻撃を仕掛けにくくなるような牽制になる。そういう意味では千葉は自分達がこの時間帯にやるべき事をよく理解していたと思います。前半終了間際の時間帯は割り切って跳ね返すことに専念する、後半立ち上がりの一発目を取る、そしてリードすれば守りを固めるだけでなくサイドからのカウンターに共通認識を持つ……。大宮も千葉も同じ攻撃アプローチを90分通して持っていた中で、その解釈を自分達が有利になるような展開に千葉が振る舞えた…そういうゲームだったように思います。

笠原とスアレスの両GKを筆頭とした守備陣の奮闘も含めて、昇格をめぐるサバイバルレースにふさわしい見事なゲームでした。

 

 

 

 

大宮に市原

ではでは(´∀`)