RK-3はきだめスタジオブログ

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優先順位〜ACL2 2025/26 グループF第4戦 ナムディンFC vs ガンバ大阪 マッチレビュー&試合考察〜

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ベトナム館は行きそびれた

 

どーもこんばんは

 

 

さてさて、本日のマッチレビューは2025/26 AFCチャンピオンズリーグ2 グループF第4節、ガンバ大阪 vs ナムディンFCの一戦です!

 

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シーズンも佳境。リーグ戦も残り3試合という状況下。

ガンバは国内タイトルの可能性はなく、リーグ戦の残留も決まっている立場ではありますが、モチベーションの担保が難しい中でもタイトルを目指す戦いに身を置く権利は有しています。

 

 

大躍進の9月を過ぎ、鹿島との熱戦を経た柏戦での惨敗。しかし柏戦での惨敗をチームとしては引きずらず、その後のホームでのナムディン戦やアウェイ名古屋戦を内容も伴ったパフォーマンスで勝利できたのは素晴らしい事。ACL2の決勝トーナメント進出はもちろんとして、シーズンをより良い形で終わらせる為のステップはちゃんと踏んでいます。

相手はナムディンFC。ベトナムの強豪を相手に、ホームではしっかりと勝利して見せましたACLらしい難しいアウェイゲームとて、この試合を取ればグループステージ突破は確定。冒険を飾る、鮮やかな勝利を!

両チームスタメンです。

 

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リーグ戦はGK一森純にCB福岡将太、ACL2ではGK東口順昭にCB三浦弦太というこれまでの流れは踏襲しつつ、今日はスタメンにいくつかの変化を持たせてきました。基本的にトップ下とCFのコンビは宇佐美貴史とデニス・ヒュメットか満田誠とイッサム・ジェバリのコンビを徹底していますが、宇佐美とジェバリの同時先発は4月6日の町田戦以来という事になりました。また、ここまで全ての公式戦に出場している半田陸とリーグ戦全試合にメンバー入りしている黒川圭介が揃って遠征に帯同しておらず、右SBに岸本武流、左SBに初瀬亮と今季初の組み合わせになっています。

ナムディンは前回対戦の後に監督が辞任してテクニカルダイレクターのグエン・チュン・キエン監督が就任しましたが、同氏のライセンスの関係からACL2ではアンドレ・リマコーチが監督を務めます。セホロペガンバもびっくりのガチの2頭体制。システムも前回対戦時は4バックでしたが、今日は3-4-2-1を採用してきました。

 

 

 

本日の会場はベトナム、ナムディンのティエン・チュオン・スタジアムです。

ベトナム戦争の頃は野菜畑が点在する池だった地に建てられたスタジアム。ナムディンが繊維産業が盛んな街である事から「願いを織り込む工場」という意味を込め、同時にマンチェスター・ユナイテッドオールド・トラフォードの愛称である「夢の劇場」にあやかり「夢の織物工場」とも愛称でも親しまれているとか。近年はクラブに大型スポンサーがついた事もあって設備面の投資も実施されており、ベトナム代表は基本的にはハノイのミーディン国立競技場を使用する事が多いですが、不定期的にこのスタジアムで代表戦を行う事も。

なおナムディンFCのご厚意により、ガンバサポーターは無料招待扱いとして、無料でビジターエリアへの入場が認められているとの事。

 

 

立ち上がりはナムディンも積極的に前に出てきた事で、ガンバ若干構えた状態で対応する形にもなっていましたが、ミドルシュートまでは打たれてもチームとしてはそこまでマズい状況でになる前の段階をキープできていました。

すると8分、中谷進之介が左サイドにボールを展開すると、これを受けた初瀬亮がまさしく彼のストロングポイントであるピンポイントクロスを供給。これにファーサイドの美藤倫がドンピシャで合わせてガンバ先制!美藤はこれでACL2試合連続の先制ゴール。

 

 

その後はガンバもナムディンも大外のエリアを使いながら攻撃を狙う形になり、ガンバは両SBがワイドに開いたところからポケットの攻略を、ナムディンも前線のアタッカーがサイドを打開していけるような構図を積極的に作ろうとしていました。

22分にはナムディンが左サイドを突破すると、ポケットのところまで上がってからの折り返しにマフムード・イードが反応して枠内シュートを放ちますがGK東口順昭がしっかりキャッチ。

 

 

 

ホームの試合と比べるとナムディンも攻撃のアクションを起こしてきた事で、若干展開がオープン気味になる時間帯も生じてはいましたが、それでも明確にカウンターを狙える場面以外はガンバもなるべくボールを中盤で落ち着かせながらサイドにアクセスしていくような攻め方に努めて、基本的にはゲームをコントロールする立場でのプレーを継続できていました。

ただ34分には初瀬が負傷退場を余儀なくされ福岡将太を左SBとして投入。その後、ジェバリや宇佐美にシュートチャンスが訪れるもGKカイケ・サントスに阻まれて追加点には至らず、1点リードで前半は終了。

 

 

 

後半、ガンバは安部を下げて鈴木徳真を投入。62分には宇佐美と奥抜を下げて満田誠と倉田秋も送り込みます。

後半はナムディンが攻勢に出ようとする中で、ガンバも1点リードかつ、最悪引き分けでもOKの立場とあって基本的にはリトリート気味にブロックを組みながら、ナムディンをペナルティエリア内にさえ入れなければOK…というスタンスでプレーしていました。それゆえに前半と比べて、ナムディンもトランジションのところは激しくしてきた事もあってなかなか前線にボールを運ぶ作業には苦慮したものの、チームとしてのバランスはキープしながら時間を進めていきます。

 

 

 

それでも終盤はナムディンのパワープレーを前に防戦一方の展開を強いられ、途中には岸本のハンド疑惑のようなシーンこそありましたが、守備陣も体を張って「良い体勢でシュートを打たせない守り」は徹底し、GK東口も好セーブを度々披露。クロスボールを跳ね返してなんとか試合終了!難しいアウェイゲームの舞台で勝利を収めてグループステージ4連勝。完璧な形で決勝トーナメント進出を確定させました!

 

 

難しいゲームではありましたが、チームとしてベターな形と言いますか、この試合の優先順位を踏まえつつ、出力を上手く調整しながら戦えていたと思います。

攻撃時はSBかWGの誰かは必ず大外に張っている状況にした上で、なるべくボランチを介さずにCBの時点から外に振っていく。外でSBとWGが大外とインサイドを取れる状況でボールを持たせて、3人目としてボランチのどちらかをシャドーストライカー的に飛び込ませる運用はチームとして上手くやれていました。その辺りはやはり美藤と安部の効能をチームとして取り込めていた部分でしょう。そういう運用をしていた事で、ジェバリと宇佐美のどちらかを常に余らせた状態で攻撃出来たのは良かったと思います。SBに高い位置を取らせた事でその裏を走れるシーンはいくつかありましたが、ナムディンも監督が代わった直後かつ、そもそもリーグ戦とも大きく異なるメンバーで戦っている背景もあるので、連動性やコンビネーションを発揮するようなタイミングより先にボランチやSBが戻ってくる事もできた。そこの時間の稼ぎ方は三浦しかり中谷が上手くやってくれていたなと。

 

 

 

後半に関しては…そもそもACLでは、アウェイでの勝点1は追い込まれた第4〜6戦でもない限りは一般的に許容範囲ともされていますし、ガンバ自体が3連敗さえしなければ突破は堅い状況でしたから、アウェイの地でハードな環境でいて、相手も連係はチグハグとて個人のパワーを持ち合わせている辺りを踏まえると、後半の戦いはセーフティーファーストを前提に戦った判断も正しかったと言えるでしょう。安部&美藤ではなく、そこに鈴木を加える事でコントロールしようとしたのもそういう意図の表れでしょうし、更にその後は前線で時間を作る役割としてジェバリ、カウンターで走る役割で山下、そのジェバリや山下をフォローに入る役割で満田、この攻撃が潰れた時にファーストディフェンダーとしてプレスに走らせる役割で倉田…と言った具合に、前線をポジションよりもタスクで区別するような運用にした辺りも適切な処置だったと思います。

その上で、ガンバもリトリート気味に構えて守る状況を許容しつつも、チームとして"最終防衛ライン"みたいなものはしっかりと定めてプレーしていたので、押し込まれながらもペナルティエリア内を打開されるような場面はほとんど作らせなかった。思っていたよりボランチもDFラインに吸収されてジェバリに当てるところまで持っていけなかったのは誤算でしたが、それでもチームとしてのミッションはこなし切ったと評価されるべきでしょう。終盤のナムディンは出力を押し出すようなパワープレーに踏み切ってきたので、そこの物理攻撃には苦しみましたが(実際ジャッジに1点救われたところは否めませんが)、そこは1点リードの終了間際にはある程度受け入れなければならない事象ではあるので、キワのキワまでよく耐えてくれていましたし、後半は特にナムディンが押し込んでくる場面はあったので「ガンバが主導権を持っていたゲーム」とは言いませんが、同時に「ペース調整の主導権はガンバが持っていたゲーム」ではあったのかなと。

 

 

 

極端な話、ACLのアウェイに内容なんて「あればなおよし」ぐらいの話でしかないので、前半の先制点をセーフティーファーストでしっかり守り切る、その中で終盤はともかくある程度ゲームをコントロールしながら逃げ切れたのは素晴らしい事です。相手も混乱の中で連動性には欠けていたとはいえ出力はやっぱり脅威でしたし。フラットに見れば、ガンバに限らずACL2に挑む日本勢は、少なくともグループステージの中では戦力も実力も頭抜けているんですよ。去年の広島も然り。とはいえ、それでも各国ごとにチームや個人のスタイルの差異もあり、アウェイゲームは慣れない環境で事前合宿もなく戦わなければならない。その状況で4連勝という「実力通り」の結果を出す事のハードルは決して低くない。内容面では課題のある試合がいくつかあったとしても、この4試合に求められた事への答えとしては100点だったと思います。

まだグループステージも2試合残っていますが、まずは最低限の目標には辿り着いてくれたという事で、選手・スタッフの皆々様にはお疲れ様でしたと。

 

そして…なんと言っても東口順昭。この4連勝のMVPは彼に与えられるべきでしょう。

今日に関してはそこまで一方的なゲームではありませんでしたが、ガンバが一方的に攻めている展開の多いACL2ゆえに……例えばボコボコに攻められているような試合って、キーパーからすればある意味でシュートストップのリズムは掴みやすい試合だったりするんですよね。ある種のゾーン的な状態をキープできるというか。それがこのACL2の試合でも見られたように、こっちがずっと押し込んでいる試合展開で訪れた"一度の大ピンチ"を凌ぐ事は、劣勢の試合展開での連続スーパーセーブよりも難しかったりするんですよ。GKとしてはその瞬間にちゃんと集中を持っていく事は、決して意識の欠如ではなく生物として簡単じゃないんです。でもそこを仕留められてしまうと劣勢を前提にした相手のゲームプランがそこで成立してしまう。

そんな中で東口は大体の試合がガンバが支配する形になる事が予想されていた中で、相手が狙っている"ほぼ1回のチャンス"の前にことごとく立ちはだかった。GKはフィールドプレーヤーよりも途中出場やレギュラー交代のチャンスを望みにくい上に、フィールドプレーヤー以上に実戦の感覚とリズムが求められるポジション。そこで今季は控えGKの立場となり、ただでさえ実戦感覚を維持する事が難しい状況ながら、最も集中力と神経を研ぎ澄まさなければならない場面を確実に仕留めた東口順昭はあまりにも東口順昭でした。今のガンバを司る上で、宇佐美貴史倉田秋、そして東口順昭の3人には、やっぱり存在も含めて特別な選手だなと改めて感じましたね。

 

 

フォーーーー

ではでは(´∀`)