RK-3はきだめスタジオブログ

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節目には"らしい"華を〜キリンチャレンジカップ2025 日本代表 vs ボリビア代表 マッチレビュー&試合考察〜

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我が夢の成就

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューキリンチャレンジカップ2025 日本代表 vs ボリビア代表の一戦です!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

 

もう11月でございます。

あと2ヶ月過ぎれば2026年…W杯イヤーはすぐそこまで迫ってきました。

W杯の出場権を獲得して以降、9月の北中米遠征ではポジティブな内容ながらも勝ち切れなかったメキシコ戦に始まり、内容的にも芳しくなく敗れたアメリカ戦という敗北があった。10月は消化不良な展開でパラグアイ戦で引き分けに終わった…そういう背景があったからこそ、歴史的勝利となったブラジル戦の勝利は一種のブレイクスルー的な感覚があったと思います。

 

 

しかしながら、日本代表が2026年のW杯に向けて掲げたスローガン…「最高の景色を2026」に倣えば、その景色の到達点を10月のブラジル戦にしてはならない。その景色はアメリカ大陸でベスト8進出を決めたその先で見なければならない景色なんです。

メキシコ戦の手応え、アメリカ戦の屈辱、パラグアイ戦の消化不良、ブラジル戦の自信…それらは全て、2026年に至る日本代表の構成要素となる。ここからはいよいよW杯にモードです。チームとしての浸透やテスト、個人のサバイバル、それぞれがそれぞれに課された目標に向かって戦いながら走らなければならない。ある意味、考えるべきことが多すぎる最も難しい時期でしょう。来年3月の代表ウィークは海外遠征とも言われているので、W杯直前合宿を除けば日本国内での代表活動はこれが最後。ガーナ戦に快勝を収めた日本は、成熟の時を目指して南米で快挙を目論むボリビアとの一戦に挑みます。そしてこれは森保一監督の100試合目。そんなメモリアルマッチは集大成ではなく、いつもある道のりの大きなポイントであり、集大成を発揮する日への大いなる過程です。森保一が代表初キャップを刻んだこの場所で、日本代表の気持ちの良いパフォーマンスを!

両チームスタメンです。

 

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日本はガーナ戦からはスタメンを7人変更。GK早川友基、3バック中央の谷口彰悟、2シャドーの久保建英南野拓実のところのみガーナ戦と同じにして、それ以外は入れ替えてきました。10月は怪我で未招集だった板倉滉と遠藤航が復帰し、前田大然は左WB、鎌田大地はボランチで起用。右WBには菅原由勢を置いています。なお余談ですが、今日のスタメンで森保ジャパンの1試合目に出場していた選手は南野と遠藤の2人。ベンチ入りした選手を含めると堂安律を加えた3名となっています。

 

 

 

本日の会場は東京都新宿区、国立競技場です。

 

 

2020年東京オリンピックのメイン会場でもある事から海外では「オリンピック・スタジアム」と呼ばれる事もあるスタジアム。今年は世界陸上の開催など印象的なイベントもありましたが、年末が近づく今週は日曜日に天皇杯準決勝、土曜日に決勝戦が行われるので1週間にJFA主催試合が3試合行われる事となりました。試合前のトロフィーセレモニーには小野伸二氏が参加。また、2026年からは三菱UFJフィナンシャルグループの命名権取得により「MUFGスタジアム」という呼称になる為、国立競技場としての開催は一旦最後となります。

思えば森保監督の代表デビュー戦は日本代表がプロ化して最初のAマッチであり、その舞台は他ならぬ国立競技場でした。ハンス・オフト監督に抜擢された無名の選手はその試合で日本サッカーに於ける"守備的MF"の概念を変えたとされていますが、その男が33年の時を経て、同じスタジアムで"日本代表監督"の概念を変える節目に辿り着いた。それもまた不思議な縁ですね。

 

 

本日は現地観戦です!スポーツ観戦日記はまた…。

図らずも森保ジャパンの1試合目と100試合目をこの目で見る事が出来まして。狙った訳ではありませんが、これも縁でしょうか。なんと言っても、国立競技場で日本代表戦を見る事は一つの夢でもありましたので、それが叶ってすごく嬉しいです。

 

 

 

開始早々から鎌田のスルーパスに小川が反応してGKと1対1の場面を作る決定機を迎えていた日本は4分でした。

高い位置で菅原と遠藤の連動でボールを奪うと遠藤が右サイドの久保へパス。久保は自ら右サイドを抉ると、ニアに南野、ファーに前田が走り込んでボリビアの集中がエリア内に行ったのを嘲笑うように対空時間の長いボールをファーサイドのマイナス方向へ。これに走り込んだ鎌田が巧みなコントロールと冷静なフィニッシュでいきなり日本が先制!高い位置でのボール奪取からの速攻と、前線の選手の労を惜しまないランで作り出したスペースで仕留めるゴールはガーナ戦でも見た形。良い連動を見せて幸先の良いスタートを切ります。

 

 

 

先制後も試合は日本ペースで進んでいきました。

シャドーとWBのコンビネーションで打開を図る右サイドと、WBは縦を狙いつつボランチや左CBが補佐に入る左サイドの左右非対称的な攻撃の形は上手く機能しており、23分には久保がインサイドに角度を付けたところにオーバーラップした菅原が巧みなクロス。ニアサイドに飛び込んだ小川のヘッドは相手GKビスカラのファインセーブとクロスバーに阻まれますが、両サイドで鎌田と久保を中心にリズムを作り、両WBや南野、小川が絡んでいく攻撃の循環を生み出せていました。

 

 

 

30分には自陣でのパスミスからナバに巧みなシュートを打たれる危ない場面はあったものの、その場面以外は殆どの時間で日本が主導権をキープ。ボリビアもエリア内のブロックは組んできたのでイメージほど決定機が多い展開ではなくとも、ボールは良いテンポで動かしながら前半を終えます。

 

 

後半から日本は右WBを菅原に代えて堂安を投入。

ただ後半はボリビアが若干マンツーマン気味な対処をしてくるようになった事でボールを持った時にスペースを使った連動…みたいなものを出しにくい展開になり、守備ではWBがマークしていたところを両サイドのCBが見る事でWBを攻撃に関与しやすくさせる、チームとしてラインを押し上げるといったマイナーチェンジを試みようとはしていましたが、後半はボリビアが日本陣内でプレーする時間が増えていきました。

それでも日本もミドルサードではリスク管理もしながら対応しつつ、アタッキングサードに持ち込まれた時には守備陣が対人のところでしっかりと潰しの仕事をこなして対応。WBの堂安や前田も随所に素晴らしい守備を披露し、ボリビアに決定機は与えずに凌いでいきます。

 

 

 

そんな中で日本は67分に小川、南野、久保の前線3人を下げて上田、町野、中村を同時に投入。現代表では左WBでの起用が主だった中村はシャドーでの起用となります。

するとその直後、選手交代後のファーストプレーで日本は瀬古の縦パスを前田がフリックすると上田がポストプレー。これを受けた中村が右サイドに展開し、堂安が入れたクロスボールに上田が競り合ったチャンスシーンは枠を逸れるも、後半はなかなか少なかった連動性のある攻撃をいきなり見せつけます。そして71分、右サイドで堂安がポケットに走り込んだ中村にスルーパス。中村の折り返しに町野が反応して日本追加点!得点直後には100試合目に到達した森保監督を選手が呼んで輪を作る一幕も。

 

 

 

南野や久保のように横にスライドする動きやカットイン的なムーブに強みを持つ人選だった前半の日本の動きにどうにか対処できるようになってきたボリビアにとって、ポストプレーができる上田と縦への推進力で押す事ができる中村と町野の投入は掴んだ守備のリズムを破壊されるようなもので、実際に日本は直後にも上田のポストプレーに反応した鎌田のドリブル突破から中村がチャンスを作るなど攻撃を再び活性化させていきました。

78分、エリア内でボールを受けた上田の横パスを受けた中村はブロックに入った相手DFを巧みな足裏でのステップワークで剥がして右脚一閃!!縦にアクションを起こすようになった中で再び柔とも言える技を見せたゴールで3点目!

 

 

 

最終盤には前田を下げて後藤を投入し、中村を左WBに戻した上で後藤-上田-町野を3枚並べる形もテスト。必ずしも殴り続けた試合展開ではなかっただけに、攻撃時の連動やそこから守備のフェーズに変わった時の個々の対応、そして選手交代の妙と、交代選手のみならず既存選手のアジャストも踏まえて、森保ジャパン100試合目に相応しい成熟ぶりを見せつけて完勝を飾りました!

 

 

 

見事なゲームだったと思います。

前半に関しては特に、森保ジャパンで最終予選から採用していた3-4-2-1システムが、多少メンバーを変えてもしっかりと機能することを示した内容でした。言ってしまえば久保や南野、鎌田のボランチだとか、そういうところはこれまでの試合でちゃんとやれることが実証済みではあった訳じゃないですか。その中で菅原の右サイドでの守備対応や久保との絡みであったり、前田の中村とは別角度の個の押し出し方だったり、小川が2シャドーとどう絡んでいくか…みたいなところにポジティブな感触を掴めたのはすごく良かったです。

森保監督ってこれまでの親善試合では1試合目と2試合目で総入れ替えることが多かったじゃないですか。それが10月と11月の4試合では、割とスタメンの可能性がある位置付けに置く選手は限定されてきたような感があって、その中でテストではなく擦り合わせのフェーズに入ってきたのかなと。そういう意味では1点目のシーンや菅原のクロスに小川が合わせたシーンのように、ニアサイドに入る人、ファーサイドに入る人、タイミングを遅らせて入ってくる人の連動、関係性がガーナ戦に続いてこの試合でも見られた事はチームとして動くべく場所に人が入る循環ができている表れだったと思います。ガーナ戦の1点目、この試合の前半の2つのシーンはそういう細かいムーブを個人がチームとして実践できている象徴的なシーンだった。そういう意味ではこれはすごく「再現性のある攻撃」と呼ぶべきなのではないでしょうか。

 

 

 

後半に関しては、ボリビアが守備の形をマンツーマン気味にしてきた事で日本としては数人の関係性を作る場面までなかなか持っていけなかった。そこでどうしても1対1の場面が増える形になって、なかなか日本は関係性で崩す…という事が難しくなった事で押し込まれる時間が増えましたが、まずミドルゾーンではボリビアにある程度持たせつつ、危険なエリアに入った時にしっかり潰しにいく、その上でボランチ谷口彰悟がしっかりカバーに入り、WBが外側をフォローするような守備時の囲い方も上手くやれていました。そこは攻守において「数的優位をどうやって作るか」というところと、同時に「数的優位を剥がされた時にどうリスクを管理するか」というところで、大枠というよりも起こり得るプレーに対する原則みたいなものはチームとしてしっかり持てているところを感じましたね。特に前田、前半の菅原、後半の堂安はいずれもよくプレーしていたなと。

そしてその後の3枚替えに関しては…おそらくボリビアとしては、南野や久保の動きに対する対応として後半の守り方をしてきたんだと思うんですよ。そこで町野、中村という縦に推進力のある選手を入れて、上田でポストプレーのポイントを作ったことで、前半の横ズレを用いて崩す攻撃を縦ズレを起こさせる展開に劇的にゲームチェンジさせた。キャラクターの違いで試合に段差をつけて、相手の対応を無に帰すやり方はカタールW杯でも見られた森保ジャパンの十八番でもある。それに応えた交代選手3人のプレーは見事でしたし、同時にそれは前半の南野や久保の好プレーがボリビアインパクトを与えたからこそ"段差"が生まれるんですね。そういうキャラクターの運用はすごく"森保ジャパンの100試合目"として相応しすぎるゲームだったなと思います。

 

 

 

さて、ご存知のように、この試合は森保ジャパンの100試合目の試合でした。

日本代表監督がこの境地まで辿り着いたのは史上初めてで、これは手放しで素晴らしい偉業。集大成と呼ぶべきは試合数ではなくW杯である事は前提としても、一つのポイントとして祝福されるべき事でしょう。解任危機もありましたが、第二次政権は安定飛行もしているので、強くてニューゲームじゃないですけど森保さんも代表監督の仕事の流れを掴んでより成熟しているように思います。

 

 

この試合の後、森保ジャパンではお馴染みの光景となった試合後の円陣を組む前に選手インタビュー待ちなような時間があったんですね。待っている選手達はこの後に円陣がある事を知っているので、既に輪が出来ている。そのタイミングで森保監督は初招集で出場なしに終わった小久保怜央ブライアンを少し輪の外のところに呼び出して、マンツーマンでなにやら話し込んでいたんですね。

 

 

こういうシーンは珍しい場面に見えますが、森保監督のマメなアプローチや気遣いは2018年のコスタリカ戦からボリビア戦に至るまでの100試合の間に度々見た光景で、日本代表にとってはこれが日常なんですね。気遣いの鬼とでも称するべきコミュニケーションの取り方や配慮。必ずしも優しい言葉をかけるだけではないけれど、そういう下地があるからこそ時折投げかけられる厳しい言葉も素直に選手が吸収できる。「戦術がない」と批判されながらも、歴代で最もタレントを揃えて、かつ擦り合わせる時間が決して多く与えられない代表チームに於いて合理化を図り、最大公約数を導き出す為の戦略を備え、一つ一つの隙間を言葉や態度で埋めていく。なんとなく「W杯で優勝する国は全て自国監督が率いている」という過去のデータは、単に「W杯優勝するような国はそれだけ優秀な監督もいるって事だろ」というだけではない事がわかるような気がするんですよね。

代表チームのマネジメントを司る人間として、森保一という監督は2018年9月に想像していたよりも遥かに素晴らしいマネージャーだった。道のりの途中ではありますが、ここまでの道のりにまずは拍手と称賛を。そしてそういう積み重ねに対する返答のようなものが、2点目の後のあの美しい光景だったんじゃないか…なんて、あの光景を目の前で見ながらそう思っていました。

 

 

なぜか肘をやった

ではでは(´∀`)