RK-3はきだめスタジオブログ

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W杯抽選会直前!歴代のW杯の"死の組伝説"を5つ振り返ってみよう!

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みなさん覚えておいででしょうか、3年前の4月。

まさかあんな事になるとも知らず自分でドイツのくじをスペインと同組に引き当てたローター・マテウスのニヤニヤ顔、それに油断してたらえらい組を引くびっくりどっきり。それが12月の衝撃に続くとはつゆ知らず…。

 

 

さてさて、いよいよ12月5日、2026年北中米W杯の抽選会が行われます!

 

 

 

抽選会の見どころと言えば基本的には2つでしょう。

1つは当然、日本代表がどういうグループに入るか。そして死の組が出現するかどうかということでございます。

特に今回はハーランドやウーデゴーアを擁するノルウェーがポット3に振り分けられ、更に欧州プレーオフがポット4となった事で4枠目でイタリアやデンマークチェコが入ってくる可能性が出てきた訳で、死の組出現の可能性は高まっているのでは…?と。そう見做されています。

という訳で今回は、過去のW杯で見た「過去屈指レベルの死の組」を振り返っていきたいなと思います。

 

 

 

【本命か最人気か…偶然には出来すぎた超カタルシスグループ爆誕

#1 2002年日韓W杯のグループF

 

 

1位 スウェーデン(5)

2位 イングランド(5)

3位 アルゼンチン(4)

4位 ナイジェリア(1)

 

第1戦

アルゼンチン1-0ナイジェリア

イングランド1-1スウェーデン

第2戦

アルゼンチン0-1イングランド

スウェーデン2-1ナイジェリア

第3戦

スウェーデン1-1アルゼンチン

ナイジェリア0-0イングランド

 

W杯史上初の共催となった日韓W杯だが、それは即ち、本来なら第1ポッドに入らないであろうチームが2つも第1ポッドに入るという事でもあった。その結果生まれたグループFはW杯史上の中でも最も過酷なグループと言っても過言ではなく、更に言えば、単なる強豪が固まったグループどころかそこに至るまでのドラマや因縁も含めてあらゆる要素が揃い過ぎたグループで、このF組が日本開催だった事に狂喜乱舞した日本人が多数いたのは想像に難くない。

マルセロ・ビエルサ率いたアルゼンチンはフランスと並んで優勝候補本命と目されており、第2ポットに回ったとはいえ、イングランドデイビッド・ベッカムを筆頭に「イングランド史上最強」とも称される豪華な顔触れが揃っていた。何より、前回大会となるフランスW杯ベスト16でのアルゼンチンvsイングランドの試合はベッカムシメオネとの遺恨による一発退場やマイケル・オーウェンの活躍などでも今なお世紀の激闘として知られる一戦であり、そのリベンジマッチという意味でもこの試合が札幌ドームで行われた事は歴史的な事柄だったと言える。そして残りの2チームもヘンリク・ラーションとフレドリック・リュングベリという当時のワールドスター2人を擁するスウェーデンと、フランスW杯ベスト8かつ、アフリカ最強として当時のウイニングイレブンで初年達が最も使用したとも言われるチームの一つだったナイジェリア……まさしく「ぼくのかんがえるさいきょうのぐるーぷ」のような顔触れとなった。

結果としては、そのアルゼンチンとイングランドの第2節での直接対決がグループの結末を大きく決する形となった。初戦でナイジェリアに勝利したアルゼンチンに対し、初戦はスウェーデンと引き分けていたイングランドは前半にオーウェンポチェッティーノに倒されて獲得したPKをベッカムが仕留め、この1点をそのまま決勝点として勝利。最終戦で勝利が絶対条件となったアルゼンチンは引き分けでも突破が決まるスウェーデンを相手に猛攻を仕掛けるも逆に先制され、終盤の猛攻もクレスポのゴールで同点に留まった。結果的にこのグループはスウェーデンがアルゼンチンとイングランドを出し抜いて首位通過となり、フランスも敗退が決まっていた事から最本命と目された2チームがいずれも敗退する事となった。

 

 

 

三者三様の曲者とスキャンダルに揺れたアズーリの意地】

#2 2006年ドイツW杯のグループE

 

1位 イタリア(7)

2位 ガーナ(6)

3位 チェコ(3)

4位 アメリ(1)

 

第1戦

アメリ0-3チェコ

イタリア2-0ガーナ

第2戦

チェコ0-2ガーナ

イタリア1-1アメリ

第3戦

チェコ0-2イタリア

ガーナ2-1アメリ

 

 

ドイツW杯の死の組と言えば優勝候補のアルゼンチン、オランダ、コートジボワールセルビア・モンテネグロが同居したグループCが挙げられていたが、この組が若干2強2弱的な受け止め方もあった一方、実はこっちの方が死の組では?と目されていたのがE組だった。

GKにチェフ、中盤にネドベドロシツキーなど欧州屈指のタレントを揃えたチェコEURO2004の躍進で開幕時点でのFIFAランクで2位に躍り出るなどダークホースと目されており、アメリカは前回大会ベスト8の勢いでも今回でも期待され、ガーナは初出場ながらクフォーやアッピアーといった欧州の実績豊富なメンバーに、当時世界最高のDMFの一人と目されていたエッシェンがいて、初出場ながら期待できるチームとも言われていた。一方、セリエAの良き時代を代表する面々が集まったイタリアは本命視こそされていたものの、ただでさえEURO2004の敗退もあって1994年や2002年のチームと比較すると格落ち感を指摘されていた中で、ユベントスが2部降格を余儀なくされたカルチョ・スキャンダルのゴタゴタの余波が懸念された上での死の組入りだった事で"まさかのケース"も想定されていた。

とはいえイタリアとチェコ優位の大方の予想は堅く、初戦でイタリアはガーナに、チェコアメリカにそれぞれ快勝。このまま行くと思われた…が、第2戦でイタリアは退場者を出しながらアメリカに引き分けると、チェコはガーナに0-2で敗北。チェコvsイタリア、ガーナvsアメリカの最終戦では全チームに突破と敗退の可能性がある状況で行われ、ガーナは前半のゴールを守り切ってアメリカに勝利し、初出場ながらベスト16突破が決定。一方のチェコは再三に渡る猛攻もGKブッフォンにとことん阻まれて得点を奪えず、イタリアに0-2で敗れてFIFAランク2位ながらグループステージで姿を消した。

終戦まで突破も敗退も決定したチームがいなかった事、チェコ敗退がこの大会のグループステージ で唯一の波乱とされた事、唯一未勝利に終わったアメリカも結果的に「優勝したイタリアから決勝戦のフランス以外で唯一引き分けかつ得点を奪ったチーム」となった事で、この組の激戦っぷりはより強調された。なおガーナとアメリカは2014年ブラジルW杯でもドイツ、ポルトガルと同居した死の組で激突し、この時はアメリカが勝利して2位通過を果たすなどリベンジに成功している。

 

 

 

【開催国涙目!どうしてこうなった……】

#3 2010年南アフリカW杯のグループA

 

1位 ウルグアイ(7)

2位 メキシコ(4)

3位 南アフリカ(4)

4位 フランス(1)

 

第1戦

南アフリカ1-1メキシコ

ウルグアイ0-0フランス

第2戦

南アフリカ0-3ウルグアイ

フランス0-2メキシコ

第3戦

フランス1-2南アフリカ

メキシコ0-1ウルグアイ

 

 

開催国は必ず第1ポッドに入るルールになっているが、それは比較的優位なグループに入れる…という事を意味しており、それは開催国がサッカー強豪国ではない場合により顕著になる。1994年のアメリカ然り、2002年の日韓然り、2006年ドイツW杯まで「開催国は必ず決勝トーナメントに進出する」という流れがあったが、そこにはこの制度の恩恵は少なからずあった。当然、南アフリカもそれを期待していたはずなのだが……抽選の結果、彼らのグループAにはベスト16常連でお馴染みのメキシコ、フォルランを筆頭にブレイク前夜のスアレスカバーニを擁するウルグアイ、そして迷走中とはいえタレントは揃っていたフランスというポッド1の利益などびた一文も存在しないような最悪の組み合わせとなってしまった。

W杯優勝経験を持つパレイラ監督率いる南アフリカは戦力的に不利と目される中、開幕戦ではチャバララのゴラッソもあってメキシコと引き分けに持ち込み開催国の初戦無敗記録を守る事に成功(ちなみに筆者は当時中1でしたが、あのパフォーマンス全学校のサッカー部が多分1回は真似してる)。しかし第2戦では初戦でフランスと引き分けていたウルグアイに0-3で完敗を喫した事で、最終節ではフランス相手に大量得点での勝利が必須の状況となる。一方、メキシコとウルグアイが1勝1分で勝点を4に伸ばしたのとは対照的に、フランスはメキシコ戦ハーフタイムでのアネルカの監督批判をきっかけにドメネク監督と選手の確執が表面化し、少なくない選手が練習ボイコットという異常事態に。結局フランスは南アフリカにも敗れ、南アフリカはフランス相手に金星を挙げるもウルグアイ戦の大敗が響き、ウルグアイとメキシコが決勝トーナメントに進んだ。南アフリカは「開催国は1勝はする」というジンクスは守ったが開催国の突破記録は途絶える事となった。ちなみに南アフリカも守った開催国の記録はいずれも2022年のカタールで途絶えてしまったが、この時のカタールエクアドル、オランダ、セネガルという開催国としては気の毒なグループに入れられている。

ウルグアイはその後躍進し、周囲の予想を覆し大会の4位まで進出。後の日本代表監督にして再びメキシコ代表監督に復帰したアギーレ監督にとっては2度目のW杯で、前回もイタリアとクロアチアと同居する難しい組み合わせだったが、またしても突破を果たした。

 

 

 

【"草刈り場"の反逆…アップセットは突然変異!】

#4 2014年ブラジルW杯のグループD

 

1位 コスタリカ(7)

2位 ウルグアイ(6)

3位 イタリア(3)

4位 イングランド(1)

 

第1戦

ウルグアイ1-3コスタリカ

イングランド1-2イタリア

第2戦

ウルグアイ2-1イングランド

イタリア0-1コスタリカ

第3戦

イタリア0-1ウルグアイ

コスタリカ0-0イングランド

 

 

元々この大会はイタリアやイングランドの他にもフランスやポルトガル、オランダといった国がポッド2になっていた事もあり、抽選会前から死の組が続出するのでは?と言われていた(実際にA・B・G組もなかなかの死の組になった)。更にチーム数の都合により、本来第2ポッドだったはずのイタリアが抽選の結果下位ポッドに移動するという緊急事態が発生し、あろう事かウルグアイイングランドのグループに入ってしまう。前回大会4位かつ、フォルランスアレスカバーニの超強力攻撃陣に世界有数のCBとなったゴディンを揃えたウルグアイ、低迷期に入っていたとはいえルーニーなどタレントの揃うイングランド、そしてEURO2012でセンセーショナルな活躍を見せたイタリア…この3チームのうちのどこかかがグループステージ敗退となる…そんな状況の発生にリアルタイムで大きな衝撃が走った。

そして全員の感想は「コスタリカお気の毒」というところだった。実際、誰もがこの時点でコスタリカは草刈り場…極端な話、コスタリカ戦で何点差で勝てるかが勝敗を左右するとまで言われていた。しかし迎えた初戦、コスタリカウルグアイを相手に逆転勝利を収めるという衝撃的なスタートを切る。続くイタリア戦も1-0で勝利し、まさかの2連勝という誰もが予想だにしなかった展開で、誰もが哀れみさえしたコスタリカが衝撃の一抜けを達成したのだ。その後コスタリカは、ベスト16でもギリシャPK戦で倒し、ベスト8ではオランダにPK戦で敗北。PK戦は記録上引き分け扱いになるので、草刈り場とも称されたコスタリカは終わってみれば無敗のまま大会を去ったのである。13-14シーズンにレバンテでの活躍でラ・リーガ最優秀GKに選ばれたケイラー・ナバスは元々去就が注目されていたが、W杯での大活躍後には移籍先にレアル・マドリードバイエルン・ミュンヘンの名が挙がり、W杯後には同じくブラジルW杯でブレイクしたハメス・ロドリゲスと共にレアル移籍を果たした。

2連勝のコスタリカの突破と2連敗のイングランドの敗退が早々と決まったので、最後の一枠は共にイングランドに2-1で勝利していたイタリアとウルグアイの直接対決に委ねられた。試合は膠着状態で迎えた81分にゴディンのゴールでウルグアイが1-0で勝利し2位通過を達成(ちなみにこの試合で起こったのがご存じ第三次スアレス噛みつき事件)。黄金期を迎えていたユベントス勢を中心にEURO2012の活躍から期待もされていたアズーリは幸先の良いスタートを切りながらも敗退に追い込まれ、以降W杯出場さえも逃している。2026年や如何に…?

 

 

 

【2強2弱は史上最恐のグループへ…全世界を狂気へ誘った1ミリ差の結末】

#5 2022年カタールW杯のグループE

 

1位 日本(6)

2位 スペイン(4)

3位 ドイツ(4)

4位 コスタリカ(3)

 

第1戦

ドイツ1-2日本

スペイン7-0コスタリカ

第2戦

日本0-1コスタリカ

スペイン1-1ドイツ

第3戦

日本2-1スペイン

コスタリカ2-4ドイツ

 

 

 

もはやどう文章で書いたら良いのかわからないぐらい狂った展開になったグループ。W杯史上最も壮絶と言っても全然過言じゃない。マジで。

スペインの組にローター・マテウスが自分からご丁寧にドイツを放り込んだところから生まれたこの組に、誰もが外せ、外せと何を送るも虚しくあろう事か日本がイン。そして前回大会でもブラジル、スイス、セルビアという大概なグループに入れられていたからほぼ3大会連続死の組という目に遭ったコスタリカというグループが完成し、日本的には初めて明確な死の組に入る格好となった。当初この組は「日本的には死の組だけど2強2弱ないか?」という意見も多かった一方で、スペインはともかくドイツに関しては国内のW杯に対する世論も含めて実に不安定な状況に陥っていたし事、この時の日本は既に海外メディアでも「スペインドイツと同居した今回は厳しいだろうが実力的にはベスト16が順当なレベル」と評する声も多くポッド3のハズレ枠としての立ち位置として目されていた事、そしてコスタリカにはケイラー・ナバスの存在と2014年の記憶が生々しく残っていた事…そういう見方をすればちゃんと死の組ヅラはできる組み合わせでもあった。

迎えた第1戦…もう細かく書き出すとガッツリ一本書けそうなので簡潔に書く(というか当時既にいっぱい細かいことは書いてるんでそっち読んで)。

 

 

日本はドイツに歴史的な逆転勝利を収めたが、第2戦では初戦でスペインに7-0負けという蹂躙を喰らっていたコスタリカに負けるという既に常識と予想の大気圏外とも言える状況が発生。最終戦ではスペイン、日本、コスタリカがそれぞれ勝てば突破決定、ドイツも勝った上で日本がスペインに勝てなければOKという"一般的な予想なら"順当そうな条件を揃えてキックオフ。前半こそスペインとドイツが1点リードで終えるという順当な展開となるが、後半に入ると日本とコスタリカが共に逆転した事により、70分からの3分間が【1位日本/2位コスタリカ】という緊急事態が発生。結局コスタリカはドイツに逆転を許したが、日本はスペインの猛攻を凌ぎ切って試合終了。2強2弱とも呼ばれたグループは史上稀に見る狂った展開となり、様々なW杯記録の「史上初」や「何十年ぶり」を更新した日本がスペインとドイツを差し置いて首位通過。ドイツは前回のロシアW杯に続き、2大会連続でショッキングな敗退を喫する事となった。

 

 

ではでは(´∀`)