
さてさて、遂に2025明治安田J1リーグが閉幕しました。
来年から秋春制が始まるJリーグにとっては通年制、即ち1月にシーズンが始動し、12月に解散していき、そして年越しと共にシーズンを終えて新シーズンを迎えるルーティンの中で過ごすラストシーズン。長い日常のサバイバルは鹿島アントラーズの優勝という形でここに決着しました。当サイトではここから2025年のJリーグの閉幕企画を更新していく所存です。
という訳で今回は毎年恒例企画、J1全20クラブの満足考査です!
毎年恒例ですね。
例えば、ひとえに「5位」と言っても、それが「優勝を目指したクラブの5位」なのか「降格候補と目されていたクラブの5位」なのかによって、その5位の意味は大きく変わってくる訳です。という訳で、この満足度考査ではそのクラブの戦力や開幕前の期待値・目標を踏まえた上で、各クラブの満足度を【大満足】【満足】【普通】【不満】【超不満】の5段階で考えていこうや…と。
あくまで完全に独断と偏見ですので、実際に当該クラブのファンである方からすれば「??」と思う部分もありますが、その辺は他クラブのファンからはそう見えてるのね、くらいの感覚で思ってもらえれば幸いです。
それでは、11位のFC東京から振り返っていきましょう!!
【スタメン表の表記】
★→2025年度の新加入選手(ルーキー含む)
□→レンタルバック選手
☆→途中加入選手
▼→途中退団選手
【2025年のJリーグを振り返る記事をまとめたページを開設しました。随時更新していくので是非!】
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【オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ!】
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11位 FC東京
勝点50:13勝11分14敗・得点41/失点48/得失点差-7
ルヴァン杯:3回戦敗退
天皇杯:ベスト4
前年度順位:11位

チーム得点王:マルセロ・ヒアン(8得点)
胸スポンサー:MIXI(ITサービス業)
ホームスタジアム:味の素スタジアム(東京都調布市)、国立競技場(東京都新宿区)
満足度→不満
ハードなシーズンでしたね。新潟で監督を務めていた松橋監督の招聘はアルベル監督体制への回帰というよりはクラモフスキー監督体制の流れを汲んだ面の方が大きかったようには思いますが、その中でなかなか戦い方や選手の起用位置がいまいち定まらなかった。縦へのアクションを起こせるタレントは前線に揃っていた事で、対戦相手が不安定なチーム状況のチームの時は混乱を与えて結果に繋げることが出来ていましたが、相手の混乱に漬け込めないまま勝点を落とす試合が増えていってしまった。一時は「派手にヤバいのはマリノス、しれっとヤバいのはFC東京」みたいな感じの状況でしたしね。
ただ後半戦に向けての補強はやっぱり強烈でした。守備陣にキム・スンギュ、ショルツ、室屋成といった選手を獲得し、長友佑都や森重真人も復活した事で4バックが尋常じゃなく強固かつ老練な味を見せてくるようになりましたし、後ろが安定した事で縦へのアクション、推進力を出せるタレントが揃うアタッカーをより効果的に走らせられる事にも繋がりましたし、長倉の加入も大きいかった。夏の大補強でバックラインが劇的に安定したと同時に、既存戦力の良さを一気に引き出す効果を生んで残留まで漕ぎ着けた事は見事だったと思います。
とはいえ、アタッキング・フットボールの構築を挑みながらも終盤はセーフティー・ファーストになった辺りは、おそらくクラブとして松橋力蔵を呼んでトライしたい事をやり切れる状況ではなかった部分もある。状況的に致し方ないですし、むしろそこでそっちの方向に切り替える事が出来た松橋監督の判断は良かったと思いますが、2025年の当初の目的が微妙に変わったしまったところは悔やまれる部分でしょうか。ただタレントの確保と安定感の担保は叶ったので、ハーフシーズンでどういうチャレンジをしてくるのかは楽しみです。
12位 アビスパ福岡
勝点48:12勝12分14敗・得点34/失点38/得失点差-4
天皇杯:ラウンド16敗退
前年度順位:12位

チーム得点王:見木友哉(6得点)
胸スポンサー:新日本製薬(化学業)
ホームスタジアム:ベスト電器スタジアム(福岡県福岡市)
満足度→普通
開幕前の時点から福岡にとってどう転んでもターニングポイントになり得るシーズンという位置付けだったと思いますし、その上で今季の福岡には二通りの評価の仕方があるのかなと。
一つはやっぱり、金監督の招聘は実際に大きなハレーションが起こり、福岡サポーター間での分裂も生じ…つまりクラブとしては金監督の招聘はそれだけ大きなリスクを背負っていた中で、順位は終盤まで降格の可能性があった上での昨季と同じ順位かつ、課題とされていて新体制に求められていた得点力向上も達成したとは言えなかったという結果は払った代償に見合うものだったのか?と言えば疑問が残る…というところでしょう。実際、ハレーションの大きさと釣り合っていたかと言えば頷けないところがあった…と。
一方でもう一つは、福岡はまだクラブとして「クラブが強くなった」のか「長谷部茂利ありきでここまできた」のかをジャッジできていませんでした。それはそもそも長谷部監督が去った後でないと判りようのない事ですし。一人の監督で躍進を遂げたチームが、長期政権を終えた後に崩れてしまう…というのはサッカー界では何度も聞いた話で、それは福岡のように監督交代自体が元々望んだものでなかった(最優先は長谷部監督の慰留だった)クラブなら尚更で、そういうチームを残留させる事は口で言うほど容易いミッションでは無いんですよね。「長谷部体制をどう軟着陸させるか」は福岡の今季の最重要課題でもあったでしょうし、前任者との比較も含めて監督に思う事がある人は多々いるとは思いますが、今年の福岡の"残留"という結果は過小評価されるべきものではなく、「長谷部体制の軟着陸」をテーマに置けば、ある程度遺産も活かしながら前体制とは異なる戦術アプローチを加えながら残留、昨季と同じ順位で終わらせたという部分に関しては"ピッチ外の要素"を度外視して考えれば悪いシーズンでは少なくともなかったなと思います。
その点で言えば、長谷部体制ではない体制で残留させた事で福岡は「長谷部茂利じゃなくても残留が可能なチーム」と証明する事に成功したので、それ以上を求める初めてのシーズンが来季以降になるんだろうなと。金監督は最低限のミッションは達成したと思うので、クラブとしてそのハードルを超えていけるか…というところでしょうか。
13位 ファジアーノ岡山
勝点45:12勝9分17敗・得点34/失点43/得失点差-9
ルヴァン杯:1回戦敗退
天皇杯:2回戦敗退

チーム得点王:江坂任,佐藤龍之介(6得点)
胸スポンサー:GROP(人材派遣)
前年度順位:5位(J2)
満足度→大満足
見事なシーズンでしたね。岡山の街の盛り上がりも含めて、2025年シーズンに於ける主役クラスのチームでした。
元々木山監督はソリッドなチームづくりに定評のある監督でしたが、特に今季の岡山はJ1初挑戦のクラブがJ1に残る為に重要な事を全て揃えていたように思います。強固なGKを持った上で守備組織を構築する事…これだけでも簡単な事ではありませんが、ここまでなら割と満たしているクラブは多い中で、岡山は推進力を出したりポストプレーができるCF、そこにしっかり追随できるアタッカーとチャンスメイカーを揃えていたところがとにかく大きかった。戦術的にも堅守がフォーカスされていた岡山ですがそこそこ守れるけど全く点が取れない」というところに苦しむ昇格組が多い中で、タレントを含めてカウンターを成立させる組織をちゃんと構築していたところは特に素晴らしかったなと。そこはもう、木山監督の手腕も応えた選手達の大いなる功績です。
後は特筆すべきは江坂任の存在でしょうか。「サッカーは名前でやるものではない」というのは確かにそうなんですが、岡山のようにずっとJ2にいたクラブがJ1に上がった時に「名前」ってかなり大事なんですよ。これは町田が昇格した年に昌子源を獲得した事も同じなんですが、それは別に客入りとかそういうのとも別の話で、明確に「J1クラスのプレーヤー」が入ってくる事は「戦うステージがJ2じゃなくてJ1になった」という事を強烈に可視化できる。そこでスタンダードを高める意識付けに寄与できる…みたいなところがあるんですよね。もちろん戦力としての評価が第一ですが、フロントもそこを理解していた。ここは非常に大きかったんじゃないかと。それ以外の補強もよく機能しましたし、これまでの会社の努力も含めて現場とフロントが一体となって掴んだ躍進でした。
14位 清水エスパルス
勝点44:11勝11分16敗・得点41/失点51/得失点差-10
ルヴァン杯:2回戦敗退
天皇杯:ラウンド16敗退
前年度順位:J2優勝

監督:秋葉忠宏(3年目)[来季:退任決定→吉田孝行(確定)]
チーム得点王:北川航也(10得点)
胸スポンサー:鈴与(運送業)
ホームスタジアム:IAIスタジアム日本平(静岡県静岡市)
満足度→普通
今年の昇格組で言えば、清水が横浜FCや岡山と異なる立場を持っている事は言うまでもない話で、残留は目標というよりはノルマに近いところがあったと思います。その上で現実的な目標は残留争いに絡まずに中位フィニッシュくらいのところだったでしょうか。そう仮定すれば、順位は中位よりは下位よりでしたが、2025年の清水エスパルスとして、或いは秋葉忠宏体制としてのミッションは完遂してきたなという印象です。
秋葉体制に於いてはチーム全体のハードワークの徹底は重要なポイントですが、どうあっても個人能力で勝る立場で戦えるJ2とそういう訳にはいかないJ1では、そこに更に質をプラスしていかないと成り立たない。そこで清水は特にサイドでのハードワーク、バトルを徹底させた上で、センターラインに質を担保する形で運用したのは上手かったと思います。特にチーム全体でハードワークを徹底する上で、スペシャルな存在として乾貴士を置いた事でチャンスメイクの拠点を担保出来ていましたし、加えて二桁得点を達成した北川航也や途中加入の髙橋利樹がフィニッシャーの役割を担えたおかげで、前述の岡山ではないですが「ハードワークの出口」を用意できていたところは大きかったなと。その下支えとしてのマテウス・ブエノやキム・ミンテの働きも見事でした。
さて、来年どうなるんでしょうね…。清水の課題として、出口の確保は良かったけどどうしてもそれが乾に依存する形になっていたところはあった。そこで新しく就任するのが吉田監督というところで、まず秋葉体制と一定の親和性があるというところは作業がしやすくなるポイントとしてある中で、守備組織をより詰める事はやってくれるんじゃないかと。その上で攻撃に関しては、一応吉田監督も「大迫と武藤いない時用のシフト」なるものの構築はやっていたんですよね。一方でそれらの作業がヴィッセル神戸だから出来たのか彼自身の実力なのか、それは吉田監督と清水が証明しないといけないところでしょう。
15位 横浜F・マリノス
勝点43:12勝7分19敗・得点46/失点47/得失点差-1
ルヴァン杯:2回戦敗退
天皇杯:ベスト8敗退
ACLE 24/25:ベスト8敗退
前年度順位:9位

監督:スティーブ・ホーランド(新任)→ジョン・ハッチンソン(第11節〜第20節)→大島秀夫(第21節〜)[来季:続投決定]
チーム得点王:植中朝日(8得点)
胸スポンサー:日産自動車(自動車メーカー)
満足度→超不満
終盤戦の巻き返し方は凄かったです。とはいえトータル評価としては、あれだけ沈んだ時期が長かった以上は低くならざるを得ない部分はあると思います。
ホーランド体制は最終的にぐちゃぐちゃな形になってしまいましたが、思い返せばACLを含めた開幕数試合はそんなに悪いものではなかったと思うんですよね。ソリッドな守備組織の構築は見応えがあった。ただマリノスの場合は、例えばペトロヴィッチ→森保一の広島や風間八宏→鬼木達の川崎のように「攻撃一辺倒のスタイルを踏襲しながら守備の配分を増やす」のではなく、改革的に守備的なスタイル転換させていたので、その変化を実行しようとなると…即座に結果が出ない限りは鬱屈感だけが溜まっていくと思うんですね。それこそ大島監督就任時のように、誰もが現状を目に見えた降格危機と認識できるような状況なら割り切る事もできるんでしょうけど、あのスタイルで体制を成功させる為には開幕3戦で最低2勝は必要だったのかなと思いますし、結果としてこれまでのポステコグルー路線の良いところだけが無くなって悪いところの数が増えたような形になってしまった。ここは致命傷だったなと。
大島監督体制になってからは選手編成に至るまでの割り切りが明確な見て取れました。このタイミングでの看板3トップの完全解体はアタッキングフットボールとの訣別として決定的な出来事だったと思いますが、そのタイミングでハードワークを遂行できるタレント、人選を徹底して、なりふり構わぬ姿勢で残留を掴み取った。これまでのいわゆるびっくり降格チームみたいな人達の多くが「さすがに降格しないだろ…」的な気持ちがどこかにあったのに対して、そういう"前例"の記憶もあったのか、少なくとも後半戦のマリノスにはその楽観視は存在していなかったと思いますし、彼らが最後に見せた矜持には痺れるような感覚も覚えた…同時に、親会社の状況にも翻弄される中でクラブの歴史を一身に背負った大島監督と喜田拓也の肖像には震えました。
【PART4:名古屋・東京V・横浜FC・湘南・新潟編につづく】
ではでは(´∀`)