RK-3はきだめスタジオブログ

気ままに白熱、気ままな憂鬱。執筆等のご依頼はTwitter(@blueblack_gblue)のDM、もしくは[gamba_kyoto@yahoo.co.jp]のメールアドレスまでご連絡お願いします。

連続性〜2026明治安田J1百年構想リーグWEST第8節 京都サンガFC vs 名古屋グランパス マッチレビュー&試合考察〜

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20260325174633j:image

 

呼吸を止めて0.1秒

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューは2026明治安田J1百年構想リーグWEST第8節、京都サンガFC vs 名古屋グランパスの一戦です!

 

Jリーグをもっと楽しめる(かもしれない)、2026百年構想リーグ開幕ガイド作りました!是非お使いくださいませ!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ!

 

2026年W杯の当サイト的テーマソングを勝手に作りました。

 

 

 

現状維持は後退という言葉があるように、サンガは強豪クラブへの道を歩みたいのならば、去年の躍進からも変えないといけないところもある……そういう意味では原大智の退団はサンガにとって強制的に変化を強いる、ある種の鞭入れのような出来事だったのかもしれません。

順調だと思っていた今シーズン。広島戦に勝利して首位に立ったその熱気は、完敗と呼ぶべき試合内容で敗れた岡山戦の結果で冷や水を浴びせられた。そう思いきや、昇格組ながら強大なタレント集団を誇る長崎を相手にはしっかりと斬ってみせる……シーズンを通せばどんな弱いチームでも会心の勝利が一つはあり、どんな強いチームでも酷い負け方の試合も一つはある。その繰り返しの中で生きています。

対戦相手は勝点で並ぶ名古屋グランパス。一応J1ではサンガにとって隣人(ちょっと無理矢理)に当たるクラブですが、これまでのJ1の旅路を振り返った時、名古屋戦は何かとターニングポイント的なゲームが多かったです。閑古鳥の鳴くスタンドも今ではファンが叫ぶようになった。熱狂空間に新たな一章を、そして混戦から一歩抜け出る勝点3を!

両チームスタメンです。

 

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20260322130933j:image
f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20260322130937j:image

 

ここまで全試合先発ながら累積警告で出場停止となったジョアン・ペドロに代わって今日は中野瑠馬が今季初先発。それ以外は長崎戦と同じメンバーを起用しており、ベンチメンバーもペドロの枠にアレックス・ソウザが加わった以外の変更点はありません。今季は3バックが予想される相手にはサンガも3バックシステムをぶつける事が多かった曺貴裁監督ですが、今日は従来の4-1-2-3をぶつけてきました。

名古屋は2-1で勝利した前節広島戦からは先発を2人変更。前節スタメンのマルクス・ヴィニシウスと原輝綺はベンチからも外れており、和泉竜司が開幕戦以来、野上結貴が第2節G大阪戦以来の先発起用となりました。GKは前節同様にシュミット・ダニエルではなくピサノアレックス幸冬堀尾が起用されています。

 

 

 

本日の会場は京都府亀岡市、サンガスタジアム by Kyoceraです。

 

 

JR亀岡駅からスタジアムを望む事もできる駅近スタジアム。なんでも、名古屋市民によっては豊田スタジアム行くより新幹線使ってサンガスタジアム by Kyoceraに来る方が近い人間もいたりで…。

百年構想リーグでは何かと来場者プレゼントの多いサンガ。今日はルーキーサポーター歓迎祭りと称し先着1.9万人に対して特別Tシャツの配布が実施。大学生が運営する「SANGA UP!」より初観戦者向けの企画も色々と行われると共に、京セラスペシャルデーとして抽選会も実施されます。京セラと言えばサンガスタジアムの命名権を取得しつつ、京セラの名よりサンガを押し出してくれるような企業様。その感謝も改めて強調していきたいですね。

 

 

本日は現地観戦!

ホルモン唐揚げ久々に食った

 

 

 

 

ハイプレスが立ち上がりから機能していたサンガは10分に新井晴樹のパスカットからマルコ・トゥーリオのフィニッシュに持ち込むもGKピサノが弾くと、直後にも左サイドを突破したトゥーリオのパスを奥川雅也が落としたところに走り込んだ平岡太陽がミドルを放ちますが僅かに右。開始早々からサンガがいくつかのチャンスを作ります。

ただサンガが主導権を握る展開…にもならず、名古屋はサンガのハイプレスに対して3バックとボランチの5枚でM字のような形でビルドアップしながら、サンガの3トップのシャドーを食い付かせてWBに繋ぐボールの動かし方をする事でファーストプレスを剥がすやり方を見出すと、サンガのサイドエリアを攻略していくような場面も増えていきました。

 

 

 

18分、名古屋は森島司のパスを受けた野上が右サイドを持ち運ぶと深い位置にいた甲田英將に渡り、インサイドに切り込んだ甲田のシュート性のクロスボールは転々とファーサイドのネットに吸い込まれていき…名古屋先制。これでサンガは今季8試合のうち、実に6試合で先制点を許すという事態に。

 

 

その後は両チームともに好機は多いゲーム展開で進んでいました。

名古屋は途中で山岸祐也の負傷退場というアクシデントも背負いましたが、サンガがボールをアンカーに入れて落ち着かせようとするタイミングを合図に深追いしてくるプレスで形勢逆転を図りつつ、一度前線で陣形を築いた後は両脇のCBにあたる高嶺朋樹や野上結貴を配球役として関与させつつ、パスワークのテンポ感と持ち運ぶ時の緩急ででサンガのマークを剥がすような場面を作れば、サンガもプレス自体はそれなりに機能しており、前線のサイドのところで起点を作りながら2〜3本のショートパスとコンビネーションで局面を打開。前半終了間際にはサンガは中野のシュートとトゥーリオのFK、名古屋はドリブル突破を図った高嶺のミドルから山岸に代わって入った永井謙佑がチャンスを迎えますが、両GKの好セーブもあってゴールには至らず。

前半は名古屋の1点リードで終えます。

 

 

 

サンガは後半から佐藤を下げて福田心之助を投入。従来通り福田を右に入れて須貝英大を左に移します。

後半はほぼサンガのペースで進んでいきました。57分には自陣から持ち上がると平岡が斜めに入れたボールを中野がスルーしてトゥーリオがミドル。トゥーリオのミドルが相手に弾かれたこぼれ球に中野が反応しますが僅かに枠の上へ。61分には新井と平岡を下げて本田風智と平戸太貴を投入し、直後には須貝がスローインで長いボールを入れたところから本田が受けて奥川に繋ぎますが…奥川のシュートも僅かに枠の外へ。

 

 

 

後半はサンガがほぼほぼ試合する展開になった中で名古屋も早い段階で三國ケネディエブスと徳元悠平を投入し、高嶺をボランチに上げて守備のテコ入れを図りましたが、試合はサンガペースで進む時間が長く、73分には中野を下げてサンガデビューとなるアレックス・ソウザを投入。

78分でした。右サイドから平戸が入れたクロスは相手に弾かれたものの、こぼれ球を中央で拾った須貝は左サイドのトゥーリオに預けると自身は左サイドにスプリントを仕掛けて相手DFを1枚サイドへと剥がしていきます。トゥーリオが最初に仕掛けたカットインこそ相手に阻まれたものの、そのボールを回収した平戸は須貝のランにより生まれたスペースへ浮き玉のスルーパス。このエリアを感じ取っていたトゥーリオが飛び込み頭で合わせてサンガ同点!!サンガらしい連動から、フィニッシュは今季少し苦しんでいるチャンスメーカーの絶妙アシストから月間MVP男が仕留めて振り出しに戻します。

 

 

サンガが同点に追いついてからは全体的にオープンな展開となり、サンガにも名古屋にも攻撃機会が多く訪れる展開となり、ややサンガの方が優勢な時間が続いていたものの最後のパスのところが微妙に噛み合わず、逆に名古屋は終盤にかけて2〜3個の決定機を創出。しかしアディショナルタイムにセットプレーから名古屋が迎えた決定機では木村のシュートをギリギリでブロックするなど身体を張って凌ぎ切り90分を終了。サンガにとって第2節清水戦以来のPK戦に。

 

 

 

名古屋の先攻で始まったPK戦は2人目までがお互いに成功すると、名古屋3人目の中山克広のキックが枠外に逸れて失敗。サンガは3人目の平戸がきっちり成功し、その後は両者失敗なく後攻5人目の福田が豪快に叩き込んで試合終了!

PK戦にもつれ込んで勝点3こそ逃したものの勝点で並んでいた名古屋より1点多い勝点を獲得し、暫定ながらも再び首位に立ちました!

 

 

お互いに持ち味は出せましたが全部は出し切らなかった、出させなかった…みたいな側面はあったのかなと。試合後の会見で曺貴裁監督もコメントしていましたが1-1というスコアは内容に対して妥当なものだったなと思います。

サンガとしては今日のポイントはハイプレスの連動を上手く機能させつつ、サンガの課題は「ボールをどうやって前進させるか?」というところでトゥーリオやエリアス、或いは新井が裏に抜けた時の背後のスペースに頼っていた部分がありましたが、この試合に関しては奥川がやや下がり目の位置まで降りてその際に中野や平岡が奥川と入れ替わるように前に出ていく、或いは尹や中野のところで1枚剥がして持ち運ぶ…という連動を作れた事で前進の糸口を確保できていました。その結果、トゥーリオを前進の糸口ではなく、中野が前に出たり奥川にボールが入った時に配球ではなく受け手として振る舞える状況を多く作る事ができた。ここは一つ、この試合でサンガが良かったポイントだったなと思います。

後半は途中から1トップに入る時間が長かった本田も、サイドに流れながらボールを吐き出しつつタメを作るゼロトップ的な振る舞いをする事でトゥーリオと奥川をアタッカーとしてプレーさせる事ができた。そういう意味ではこの試合は「トゥーリオの解放」みたいな作業を奥川や中野、或いは本田辺りが上手くやってくれていたと思いますし、そこはすごく良かったなと。

 

 

 

ただ同時に、名古屋のマンツーマン守備にもなかなか苦しめられた側面はありました。今季のサンガは前半ではサイドで2〜3人くらいの関係性を作り、そこで1タッチ2タッチのコンビネーションで打開するような場面は割と上手くやれていますし、実際にこの試合でもミドルゾーンでカウンターのきっかけづくりとしてそういうプレーはいくつか表現できていました。

ただ、特にサンガが前線まで入ってきた時に、これまでの相手なら一気に攻め込まれるリスクも踏まえてある程度構えてきたところを、名古屋は徹底的にマンツーマンでマークについていたので…ポケットのエリアは空けているのにポケットへのコースを切られている、みたいな状況がすごく多かったんですよね。例えばトゥーリオがインサイドでボールを持っていて、いつもなら左サイドでは新井がトゥーリオから足元でボールを受けてドリブルを狙うとかポケットに出してもらってそこに走る…という事ができていたんですけど、新井には甲田がバッチリ付いていたので足元に出せばそこに引っかかるし、ポケットを狙うにはトゥーリオの前にボランチが対応していた事で通せるコースがない。その状況でトゥーリオの選択肢がスピード勝負的なサイドの裏抜けしかなくなり、新井に長めのスルーパスを送るけど長すぎて新井が追いつかない…みたいな形でのボールロストが、具体例として状況的に説明しやすいトゥーリオと新井の例を出しましたけど、ピッチの各所で頻発していたところはありました。そこは名古屋にコースを消されていたところもありますが、サンガもそこで勝負を急ぐような場面は多かったので、そこはもうちょっと上手くいなせるようなチームになっていく事がステージを上げる為に必要な部分ではあるでしょう。名古屋の守りに関しては、ミシャのチームらしいマンツーマンやコンビネーションはありながらも「ミシャのチームにしては割り切る時結構割り切るなあ」と思ったところはありましたが。

加えて名古屋は攻撃時には3CBの両脇を配球役としてプレーさせる事で攻撃の枚数を増やしていましたので、これにより…例えばWBの甲田がカットインした時にシャドーが大外を回る、シャドーの位置にボランチが入っていくというような連動を生み出していました。この時にインサイドに入ってきた甲田はSBやWGがいくのか、それとも中盤がいくのか、そこがサンガは今ひとつ定まらなかった部分もあって、開幕戦の神戸戦と同様に名古屋に中盤のスペースを多く与えてしまった部分はあるなと。ただその中でもCBの2枚は常に理性のあるポジショニングを取っていましたし、途中からはSBがある程度中盤に任せるような形で対応していたので、役割分担は少しずつクリアになっていったのかなとは思います。

 

 

個々のパフォーマンスは基本的にいずれも素晴らしかったと思います。名古屋のWBの動きに撹乱される中でもCBの2人はバチっとゴール前を固定してくれていましたし、中野の推進力や平岡や本田のコンビネーションの中での絡みも魅力的なプレー。奥川もアタッカー的な意味と起点的な意味で2つの役割での「受け手」をこなしてくれていて、トゥーリオは言わずもがな。尹もサンガはアンカーのところで速度調整をしようとする設計ゆえに、尹が狙われた訳ではなくアンカーにボールが入ってチームが減速するタイミングで名古屋にギアを入れられるという難しい立場でも上手くプレーしてくれていました。

その上でやっぱり、この日の得点シーンはすごくサンガの良い部分を出せたゴールだったなと。前述したように名古屋にポケットへのコースを消されていた中で、中央の須貝が左サイドのトゥーリオにボールを出した時に須貝はそのまま猛然とトゥーリオの大外を周りに行ったんですね。これにより、須貝と対峙しながらポケットのコースを切っていた和泉が須貝に対応する為に左サイドについていくと、名古屋守備陣も須貝は和泉がケアしている事がわかったのでそのままの守備を維持していました。そしてディフレクション絡みとはいえトゥーリオから平戸にボールが回った時に、和泉が切っていたはずのポケットへのコースが完全に開いてたんですね。そこを平戸もトゥーリオも感じ取っていて、和泉とトゥーリオに対応していた甲田が気付いた時にはもう平戸からのパスに対してトゥーリオが背後を取っていた。須貝のランに代表されるあの連続性はこのチームの最大の特徴だと思いますし、横パスを繋ぎながらコースが開く瞬間を待つボールの動かし方は今季取り組んでいるところ。そういう意味ではあのトゥーリオの得点はチームにとってものすごく素晴らしく、ものすごく大きな得点だったなと思います。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

2026明治安田J1百年構想リーグ第8節

 

《EAST》

東京ヴェルディ0-0(4PK2)FC東京

鹿島アントラーズ2-1ジェフユナイテッド千葉

川崎フロンターレ0-5横浜F・マリノス

浦和レッズ1-2FC町田ゼルビア

柏レイソル3-0水戸ホーリーホック

 

1位 鹿島アントラーズ(22)

2位 FC東京(16)

3位 FC町田ゼルビア(15)※

4位 東京ヴェルディ(13)

5位 浦和レッズ(11)

6位 川崎フロンターレ(10)※1

7位 横浜F・マリノス(9)

8位 柏レイソル(8)

9位 水戸ホーリーホック(8)

10位 ジェフユナイテッド千葉(5)

※1 町田と川崎は1試合少ない。

 

開幕戦のPK戦負けから6連勝で首位独走中の鹿島はリーグ戦で17年ぶりとなる千葉戦に挑み、先制して追いつかれる展開ながらも終盤に植田直通が決勝点を挙げて7連勝。2位との勝点差を6点に拡げています。2位FC東京は東京Vとの東京ダービーがPK戦にもつれ込みますが、ここまで2018年から公式戦のPK戦で30人連続中だったFC東京がこの日は2人失敗して敗戦。3位町田は4位浦和を下し、上位は鹿島・FC東京・町田で固まりつつあります。

下位では今期苦しんでいた横浜FMと柏がいずれも快勝。特に横浜FMは国立開催クラブ史上最多の来場者数を記録した川崎に対して大量5得点という圧倒的な試合を見せつけました。

 

《WEST》

ファジアーノ岡山0-1V・ファーレン長崎

アビスパ福岡2-2(14PK13)ガンバ大阪

清水エスパルス3-1サンフレッチェ広島

京都サンガFC1-1(5PK4)名古屋グランパス

セレッソ大阪1-1(6PK5)ヴィッセル神戸

 

 

1位 京都サンガFC(14)

2位 ガンバ大阪(14)

3位 ヴィッセル神戸(13)※2

4位 清水エスパルス(13)

5位 名古屋グランパス(13)

6位 V・ファーレン長崎(12)

7位 サンフレッチェ広島(11)※2

8位 ファジアーノ岡山(11)

9位 セレッソ大阪(11)

10位 アビスパ福岡(5)

※2 神戸と広島は1試合少ない

 

前節終了時点で暫定首位のG大阪から9位長崎までの勝点差が僅かに4と大混戦のWESTを象徴するように、首位のG大阪は最下位の福岡を相手にアディショナルタイムの失点でPK戦へ。PK戦ではJリーグ史上最長となる30人が蹴った壮絶なPK戦となり、最後は1本目は成功させたジェバリの2本目が小畑裕馬に阻まれ、90分勝利は未だない福岡が開幕戦以来のPK戦勝利を手にしています。

前日にG大阪が敗れた為、勝てば暫定首位の可能性がある勝点12同士の京都と名古屋の試合は京都がPK戦で勝利。神戸がヨドコウ桜スタジアムとしてのラストゲームだったC大阪にPK戦で敗れた事で、暫定かつG大阪と同勝点ながら京都が首位に再浮上。また、広島に勝利した清水は一気に4位までジャンプアップした一方、広島は一気に7位まで順位を下げています。

 

 

と〜び〜はね〜ろ〜

ではでは(´∀`)