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どーもこんばんは
さてさて、本日のマッチレビューはキリンワールドチャレンジ2026、イングランド代表 vs 日本代表の一戦です!
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W杯まで残り3ヶ月を切りました。森保ジャパンの集大成となるこの大会に向けて、まさしく準備は大詰めといったところでしょうか。
今の日本代表は非常事態と言えばそうです。今年は南野拓実の大怪我に始まり、久保建英、板倉滉、遠藤航、長友佑都、そして復帰したと思ったはずの冨安健洋…彼ら以外にも怪我人が多数出ている状態で、森保監督もその中でのメンバー選考には頭を悩ませる部分も多かった事でしょう。しかし時間は待ってくれず、何人怪我しようともW杯はその復帰を待ってはくれない。だからこそチームとしてはこの苦境でも実りを作る必要があり、そして個人としては今の間に存在感を誇示するような意欲に満ちている事と思います。
さあ、相手はイングランドです。聖地で手招きするフットボールの母国で生まれた獅子達を前に、飾るべき言葉も今更ないでしょう。この試合は日本にとってテストマッチであり、腕試しであり、それぞれの目標と夢が交差する舞台です。高らかに唱える「新しい景色」とは、かつて同じ場所で見た景色とも全く違う世界で、そういう意味ではもう日本代表は新しい景色の次に見た事のない景色を求めている……目の前に光景と歩んだ過去に嘘などない、積み重ねてきた情念を超えていくような90分を期待しています。
両チームスタメンです。


日本はスコットランド戦からはメンバーを殆ど入れ替えており、2試合連続先発になったのは鈴木彩艶、渡辺剛、伊藤洋輝の3名のみ。鎌田大地は佐野海舟と組む形でWボランチとなり、右サイドは伊東純也をシャドー、堂安律を右WBの形にしました。キャプテンマークは堂安が巻いています。
日本同様、イングランドも欠場者が相次いでいる状況で、ハリー・ケインも試合直前に負傷。その為、トップ下にコール・パーマー、最前線をゼロトップ的にフィル・フォーデンを置く形を採りました。結果的にオール国内組のイングランドと国内組ゼロの日本代表という構図になっています。
本日の会場はイングランド、ロンドンのウェンブリー・スタジアムです。
サッカー界には聖地が二つ存在すると言われています。一つはブラジルのマラカナン、そしてもう一つがこのウェンブリーでしょう。フットボールの母国、イングランド。その場所を象徴するこのスタジアムでその競技は育まれ、歴史と伝統を築いてきました。その伝統ゆえ、ウェンブリーをホームスタジアムとするクラブはなく(本拠地が工事で使えないとかで暫定ホームで使うクラブはいる)、唯一無二のイングランド代表のホームスタジアムです。
現在のスタジアムはかつてのツインタワーと呼ばれたものから2007年に新たに新築されたスタジアム。この場所でも既に2012年ロンドン五輪サッカーの決勝戦やUEFA EURO 2020の決勝戦など特別な試合が行われています。サッカー男子日本代表としてはこの試合でのイングランド戦は実に31年ぶりです。
イングランド代表戦🆚🏴
— サッカー日本代表 🇯🇵 (@jfa_samuraiblue) 2026年3月31日
キックオフまであと2時間...⏳
🏆キリンワールドチャレンジ2026
🗓4.1(水) ⌚️3:45(🇯🇵)
🆚イングランド代表🏴
🏟ウェンブリー・スタジアム(イングランド)
📺NHK Eテレ
📱U-NEXT#最高の景色を#SAMURAIBLUE #サッカー日本代表 pic.twitter.com/20TUwAGwv4
立ち上がりは日本が前でボールを持つ時間を作りながらも、12分にはイングランドにセットプレーも絡めた波状攻撃を受ける形に。その2つの局面を過ぎると試合が一気に落ち着く形になりました。
基本的にはイングランドがボール保持の時間が続き、イングランド陣内でビルドアップしながら前進を図ろうとする形に。対する日本は1トップ2シャドーとWBで5レーンへのパスコースを上手く制限しながらミドルブロックを組んでおり、逆にイングランドが中盤にパスを差し込んでくる、明確にアクションを起こした時はちゃんと潰す…といったように、行く部分と行かない部分をチームで共有しながらイングランドに主導権を握らせない守備を続けていました。
すると日本は23分、パーマーから三笘がボールを奪うと上田綺世のポストプレーから持ち運び左サイドへスルーパス。左サイドを抜け出した中村敬斗は相手を押し込んでからマイナス気味にスルーパスを送ると、中村へのパスから前線まで駆け上がった三笘がワンタッチで流し込んで日本先制!!!!三笘はウェンブリースタジアムでイングランドから点を取った2人目の日本代表選手という事に!!
🏆キリンワールドチャレンジ2026
— サッカー日本代表 🇯🇵 (@jfa_samuraiblue) 2026年3月31日
🇯🇵#SAMURAIBLUE vs イングランド代表🏴
三笘薫のゴールで日本先制!✨
カウンターからイングランドDF陣を崩す💪💪
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イングランドもなかなか日本が焦れずに守ってきた事で、日本が自陣でビルドアップを図る場面こそハイプレス気味に追ってきましたが、それ以外はなるべくポゼッションしながらスローテンポでも前進できるような形でのプレーをしてきました。34分にはアンダーソンがミドルを放つもクロスバーにヒット。
基本的に日本はチームとして常に一定のラインと距離感を保ちつつ、攻撃でも守備でも急がずにイングランドに隙を与えない守りをする中で、41分には佐野海舟のボール奪取から入れた縦パスを上田がシュートまで持ち込みますがこちらもクロスバーに阻まれます。
上田のシュートは追加点にはなりませんでしたが、前半は日本が"主導権を持つ守り"を披露するような形でゲームをコントロールできており、イングランドも日本ペースにさせてくれるほどヤワなチームではありませんでしたが、数少ない攻撃機会を確実に決定機に繋げて前半終了。
見事なパフォーマンスで前半を終えます。
後半の出足が良かったのは日本でした。
立ち上がりからまずは鎌田のサイドチェンジを受けて右サイドから切り込んできた堂安が放ったシュートがGKピックフォードの好セーブに阻まれると、直後には抜け出した伊東があわや決定機の場面を創出。いずれもゴールには至りませんでしたが、日本のボール保持の時間が増えた後半は両WBの堂安と中村がワイドに局面を引っ張りながらポケットのスペースを三笘や伊東が狙い、イングランドがそこを捕まえきれない状態を作っていました。
🏆キリンワールドチャレンジ2026
— サッカー日本代表 🇯🇵 (@jfa_samuraiblue) 2026年3月31日
🇯🇵#SAMURAIBLUE vs イングランド代表🏴
堂安律がニアを狙ってシュートを放つ💥
鎌田大地の展開から後半立ち上がりもチャンスを作りだす⚽️
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64分はアンダーソンを倒した鎌田のプレーがファウルを取られて危険な位置でFKを与えるもロジャースのキックは壁がブロック。日本は直後の66分に伊藤と上田を下げて瀬古歩夢と小川航基を投入します。日本は69分にも鎌田の起点から中村が得意なパターンでのシュートコースに持ち込むも僅かに枠を捉えられず。
72分になると日本は三笘と堂安を下げて鈴木淳之介と田中碧を投入。左CB起用がメインの鈴木淳之介を左WBに起用して中村敬斗をシャドー、田中はボランチに入れて伊東を右WBとした上で鎌田をシャドーにシフトします。対するイングランドはラッシュフォードを送り込んできます。78分にはセットプレーの流れからラッシュフォードが決定的なシュートを放ちますが日本守備陣もしっかり寄せてGK鈴木彩艶がセーブ。直後の途中出場ボーウェンのシュートもなんとか枠を外れます。
ややサイドのところがイングランドに押し込まれる場面が増えた日本は81分に伊東、中村、鎌田を下げて菅原由勢、鈴木唯人、町野修斗を投入。83分には直前のプレーで投入されたハリー・マグワイアがCKに合わせてヘディングシュートを放ちますが、ライン際でプレミア経験もある菅原がヘディングでクリア。クロス攻勢に出たイングランドはその攻撃で多くのセットプレーを獲得したこともあり波状攻撃の様相を見せますが、GK鈴木の好守や守備陣の粘りでなんとか耐え凌ぎます。
そして跳ね返し続けた日本代表。
タイムアップ!!試合終了!!!!日本代表、フットボールの聖地で、フットボールの母国を仕留めました!!!!
素晴らしい試合でした。
確かにイングランドは怪我人、欠場者が多かったですけど、でもよくよく考えたら日本だって大概怪我人続出中ですし、イングランドを「10回やって6回勝てる相手」と言うつもりはないですが「1/10のまぐれに賭ける相手」ではもうなくなった事を証明するような、ラッキーパンチではなくちゃんと実力で殴る事ができた試合だったなと思います。
「イングランドに勝たない方がいい」「上手くいきすぎると課題が覆われてしまう」「一度痛い目みた方がいい」と言った人がいた。
— RK-3 (@RK3_gsgb) 2026年3月31日
でもチームは「調子に乗らないために今日は勝たないようにしよう」なんて思って試合する人間など誰もいない。勝つ為にロンドンに来て、勝つ為に戦い、そして勝った。…
言っても相手はプレミアリーグの猛者共ですから、日本が押し込まれる展開になる可能性が高い事、ボール保持はイングランドに分がある展開になる事はある程度予想できる事柄でした。イングランドもキック&ラッシュの時代じゃないですし、相手の監督もトーマス・トゥヘルぬえに基本的には自分達でイニシアチブを持ちたいと考えるでしょうから。
その中で日本の守備があまりにも素晴らしかった。3-4-3のライン構築が完璧に近い出来栄えだったと思います。DFラインからボールを繋いでくるイングランドに対して、1トップ2シャドーとWBの5人がきっちり高い位置にポジションをとりながら相手のパスコースに制限をかけつつ、ミドルブロックを組むような形で無理にハイプレスは仕掛けない。逆にイングランドが縦パスを入れていた時は佐野が介入しながら潰しに行き、弾いたボールに対しては鎌田か2シャドーorWBが常にフォローに入る事で日本がショートカウンターに踏み切れるような土壌を作っていく…その連鎖、連続性をイングランド相手に作り、それを90分やってのけた。そこが全てだったと思います。逆に中央突破が難しくなったイングランドがサイドにボールを入れてきた時は、左右のCBが対峙する形で対応しつつWBが挟み込みに行く守り方はスコットランド戦でも機能していたやり方でWGの選手を孤立させるように守れていた。単独突破でDFをけちょんけちょんにできてしまうような相手ならもう仕方ないとして、そうでもない限りはイングランドに抜けさせない、コンビネーションを出させない守備が出来ていました。いざボールを奪った時のビルドアップにしても、左右のCBの渡辺と伊藤がほぼパーフェクトにやってくれたと思いますし、イングランドがガッとプレスにくる中でもWBとボランチ、或いは谷口がパスコースを担保し続けた事も高評価ポイントですし。
とにかく日本としては全員が常に守備をサボらない事を前提に、ハイプレス時は上田のラインに合わせて並ぶようなラインの上げ方とか、どこからがハイプレスに行って、どこからはミドルプレス紙に対応して、どこからはローブロックに切り替えて、どうなったら前の選手が挟み込みに行くのか…みたいなところのジャッジが完璧でしたし、そこが完璧という事はチーム内でその判断基準が共有されているということ。スコットランド戦のマッチレビューでも書きましたが、この辺りは「森保監督の個へのアプローチが戦術に昇華したという部分と言えるでしょう。
今これを言うと調子乗りすぎって思われるかもしれんが、日本は「強豪相手に2点リードした場合」をいよいよ真剣に考える必要があるとは思うのよな。…
— RK-3 (@RK3_gsgb) 2026年3月31日
振り返ると、イングランドが作ったチャンスシーンってセットプレー絡みの波状攻撃とアンダーソンがクロスバーに当てたミドルくらいなんですよね。つまり日本は流れの中でアタッキングサードに侵入させなかったんですよね。スコットランドとイングランドを比較すると、やっぱり今回は相手がイングランドなのでなかなか簡単には日本の攻撃ターンにはしてくれませんでしたし、試合後の選手も語っていたようにもう少し日本がボールを持って攻撃機会を増やせるようになればベストではあるでしょう。
しかし、ただ単にこの試合のスタッフを見た時の印象とは裏腹に、この試合は決して「日本が守って耐え凌いで勝ったゲーム」などではなく「日本が守備から主導権を握って勝利を使ったゲーム」でした。ボールを奪った時にWBが幅を取り、インサイドのエリアをシャドーか上田が狙いながらもう1人はWBやボランチが近い距離でコンビネーションを発揮できるポジショニングを取る。そこにポケットを狙う選手やカットインしてシンプルに中央のエリアやファーサイドを狙う選手もいる、ショートカウンターからイングランドの守備を横ズレ、縦ズレさせていくあのダイナミズムもテクニック。手垢のついた言葉ですけど、イングランド戦で見せた日本のプレーぶりは「良い攻撃は良い守備から」をまさに体現するパフォーマンスだったなと。
さすがに終盤は…日本もキープレイヤーを何人か下げた影響もあってイングランドのパワープレーを真正面で受ける場面が増えてしまいましたが、反省とは言っても1点差の最終盤って大体ああなるものではありますし、むしろイングランドがあれだけガチでパワープレーに来たことは本番に向けても大きな経験でした。そして何よりもそれを凌ぎ切った。あの最終盤のお互いの熱量は、決して「しょせん親善試合だから」の言葉で片付けるには失礼な迫力があったと思います。
「イングランドに勝たない方がいい」「上手くいきすぎると課題が覆われてしまう」「一度痛い目みた方がいい」と言った人が試合前にはいました。試合が終わった後も少し見えたりもしています。使い古された言葉ですよ…「所詮は親善試合だ」と。
でもチームは「調子に乗らないために今日は勝たないようにしよう」なんて思って試合する人間な、ど誰もいない。勝つ為にロンドンに来て、勝つ為に戦い、そして勝った。
相手は怪我人が多かったけどそれは日本も同じ。ブラジル戦の時に「ホームでの親善試合に勝っても…」と言う人もいたけれど、ドイツを相手にドイツに勝ち、そしてウェンブリーでイングランドに勝った。だからと言って本戦で勝てるかどうか別だし、そもそも10回やって6回勝てるとはさすがに言わない。でも1/10に賭けてまぐれでしか勝てないようなチームではもうないんです。日本は「ベスト8の壁を超えられない」とずっと言われていて、実際にそこは悩みの種として存在している。しかし1大会だけベスト8やベスト4に進んで、その世代を"奇跡"と呼び今は久々のW杯出場を目指す国がいる中で、長い歴史の中で着実に右肩上がりの成長を継続させている稀有な成功を収めた国と言えるでしょう。その実情だけは今回のW杯の結果がどうあっても確かなことだと思います。
31年前、1-1でラスト10分を切って迎えた相手のセットプレー。GKを超えた相手の決定的なシュートに柱谷哲二はライン際で手でボールを掻き出しました。それは退場&PKと引き換えに。そしてそのPKを決められて、日本は健闘むなしく負けた。
31年後、同じ相手、同じ場所、1-0でラスト10分を切って迎えた相手のセットプレーGKを超えた相手の決定的なシュートに対応した菅原は、ライン際でどうにか頭で弾き切った…そこに歴史の重なりをどこかで感じてしまった自分がいました。
カタールW杯スペイン戦の後、森保監督は一瞬ドーハの記憶が脳裏によぎったけれど、選手がボールを奪い切った時に「時代が変わった」「選手たちがもう新しい時代のプレーをしてくれてる」と思ったと語っていました。日本は今、かつて渇望し続けていた新しい景色の中に飛び込み、その身を投じた。そしてそこにはまた見たことのない景色がある。目の前で広がる景色は並べた御託に否定されるような光景じゃない。歩んだ歴史も、過去の積み重ねが紡ぎ出した今日の景色も、そこに嘘など何一つない。実力で勝った…それが今日の試合の全てです。
イターリャ…
ではでは(´∀`)