
今月、2回もこのカードあんのか
どーもこんばんは
さてさて、本日のマッチレビューは2026明治安田J1百年構想リーグWEST第9節、ガンバ大阪 vs 京都サンガFCの一戦です!
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特別、特殊なリーグ戦となった百年構想リーグ。その特殊なフォーマット通り、4月の頭で折り返し地点に到達しました。
正直なところ、もはや何をもってして好調と呼ぶべきなのかがわからなくなるほどの大混戦となっているWESTリーグ。しかしその中で、現状は1試合消化数の多い神戸がやや引き離してはいますが、この2チームは首位になったり、首位から落ちたりを繰り返して常に先頭のポールに指をかけながらこの荒波に乗っています。ガンバはあまりに強烈な11連戦を前に二兎を追う旅が始まり、サンガはこの百年構想リーグをクラブ史を転換させる契機として睨んでいる。関西を巡る勢力図でガンバが再び咆哮を挙げるか、新たな一極を担う存在にサンガが名乗り出るか。歴史はここで交錯していくのでしょう。
個人的にこのゲームは私の立場として、いくら特殊なリーグだとしても…この2チームの上位争いが観れるというのは夢であり、悲願でした。ここまで来た…その想いと共に、この雨中の決戦を見届けたいと思います。
両チームスタメンです。


この試合から11連戦の幕開けとはいえ、7連戦を終えてようやくまともな練習期間を確保できたガンバはPK戦で敗れた前節福岡戦からの先発変更は一人。今日は鈴木徳真ではなく美藤倫が第6節広島戦以来の先発復帰となり、ボランチ以外の10人は第7節神戸戦から変更していません。ベンチメンバーも美藤と鈴木を入れ替えたのみで、前節と同じ20人を登録しました。
福田がMF登録になった事でちょっとざわざわしたサンガでしたが、あくまで表記の問題でシステムは従来通りの4-1-2-3。PK勝ちを収めた前節名古屋戦からはスタメンを3人変更しており、ジョアン・ペドロが出場停止から復帰すると共に、松田天馬と福田心之助が第6節C大阪戦以来のスタメン起用となりました。ベンチにはユース卒ルーキーの酒井滉生も入っています。
本日の会場は大阪府吹田市、パナソニックスタジアム吹田です。
特殊なリーグ方式とはいえ、この2チームの優勝争いを見るという悲願が叶う日が来ました。#ガンバ大阪#京都サンガ#京都サンガFC pic.twitter.com/wJmZoY8V31
— RK-3 (@RK3_gsgb) 2026年4月4日
春の始まり…には相応しくない曇天となったこの試合ですが、新年度最初の試合は 「GAMBA SMILE DAY」と銘打って開催。毎年お笑い芸人も招いているこのシリーズですが、今年はモノマネ芸人スペシャルということで兼光タカシ、ガリットチュウ、R藤本が来場します。また、モフレムのチョコまんと題した新しいスタグルも。あいつは何回食われるんや…。
サンガがJ1に復帰した2022年以降、このカードは実は全くのイーブンとなっています。そしてルヴァン杯を除いてはサンガはパナスタで、ガンバはサンガスタジアムでまだ勝てていません。果たしてこの均衡は今年こそ破られるのか!?
現地観戦です!ワイクラシコぉ!
最初の決定機はガンバでした。立ち上がりから完全にサンガ陣内を制圧するようなプレーを見せていたガンバに対し、サンガはハイラインとなったガンバからカウンターを狙おうとするも、8分にはマルコ・トゥーリオのパスが奥川雅也に繋がらず半田陸がカット。半田のスルーパスを受けたヒュメットが逆カウンター的に左サイドを突破して折り返したボールはややミートしませんでしたが、このボールに反応したジェバリとGK太田岳志の交錯が太田のファウルを取られていきなりガンバPK!
しかしジェバリのキックはこの日キャプテンマークを託された太田がスーパーセーブ!!太田は2023年ルヴァン杯で鈴木武蔵のPKを止めた時に続きパナスタで2度目のPKセーブ。サンガが序盤の絶対的なピンチを回避します。
……しかし、太田のPKセーブはあくまでガンバの前半猛攻のワンシーンに過ぎず、ガンバの前半はほぼほぼワンサイドゲームとも言えよう状態を形成していく事に。
ガンバはトップ下のジェバリがトップ下というよりも"FWとボランチの間"みたいな空間を縦横無尽に行き来しながら、ガンバの選手は自陣からでもビルドアップのベースは作りつつ、コースが空いた瞬間にジェバリに当てる。ジェバリは相手のチェックが早く来た時は美藤か安部にポストプレーで落としてWボランチがすぐに両サイドに展開できる状況を作り、逆にジェバリ自身が前を向けた時には両サイドないしは最前線のヒュメットに自分が展開していく形でガンバの攻撃の起点として圧倒的に機能。ヒュメットや両サイドもジェバリとそのフォローに回るボランチの位置に合わせながら、いつでもスペースを狙える位置に走れるポジショニングを常に取っていました。
こうなるとサンガはジェバリを捕まえられないどころか「ジェバリに行けば落とされてボランチとの絡みで剥がされる」「ジェバリに行かなかったから普通にジェバリに展開される」という結構な悪循環となり、ガンバが自陣でビルドアップをかけた時にはハイプレスでなんとか陣地回復を図ろうとしますが、いつもは高い位置から仕掛けるからこそ連続的な効果を生みだせるハイプレスも、この日は相当押し込まれた状態ゆえにロングレンジで単発的なものになっていきました。
13分、ガンバが自陣でビルドアップを仕掛けた際に新井、須貝、エンリケがそれぞれ一気にスプリントして勝負をかけに行きましたが、それを嘲笑うかのように新井のプレスを受けた三浦は右サイドへ、須貝のプレスを受けた半田はワンタッチで中に入れれば、山下こそエンリケに捕まりかけるもなんとかボールを残して安部が浮き球のボールを供給。走り込んだヒュメットには僅かに合いませんでしたが、スリッピーなピッチで処理しきれなかった福田のクリアミスが図らずもヒュメットへのスルーパスのようになってしまい、ヒュメットはGK太田との1対1を確実に仕留めてガンバ先制!最終的にはミス絡みの得点になったものの、ワンタッチ、ツータッチのパスワークで鮮やかにプレスを剥がした攻撃で先制に成功します。
🎥ゴール動画
— ガンバ大阪オフィシャル (@GAMBA_OFFICIAL) 2026年4月4日
🏆明治安田J1百年構想リーグ地域リーグラウンド第9節
🆚#京都サンガ F.C.
⌚13分
⚽#デニスヒュメット
見逃し配信は▶️@DAZN_JPN
登録は▶️https://t.co/cmHuKWaYRL#ガンバ大阪 #GAMBAOSAKA pic.twitter.com/ru4dr5TaHM
その後も完全にガンバのゲームでした。27分には初瀬のFKに半田が反応。そのボールをジェバリがシュートまで持ち込みますが、ここは尹星俊がゴールライン上のギリギリでクリア。ガンバは前半終了間際にもまたしてもジェバリを起点とした右サイドでのパスワークから安部がミドル。今度はGK太田が好セーブで弾き出し、サンガもなんとか2失点目は回避しましたが…前半はガンバの圧倒的なトランジションの局面を徹底したでの即時奪回型のプレス戦術と、そこからの基盤として持ち合わせたポゼッションを前にサンガはなす術なく、逆にガンバからすれば前半のマイナスポイントが「2点目取れなかった事」しかない状態で後半へ。
サンガは後半から松田を下げて本田風智を投入。本田を最前線、福田と新井をWBに置いた3バックに変更して後半に挑みます。一方、リードしているガンバも左サイドをウェルトンから食野亮太郎に交代。
後半も最初のチャンスはガンバでした。右に流れていた食野がヒュメット、ジェバリを介したパスワークで侵入すると、一度はエンリケがカットしたセカンドボールも食野が繋いでジェバリがヒール。抜け出した美藤倫がGKと1対1の場面を迎えますがこの軍配はまたも好セーブの太田に上がり、こぼれ球に詰めた山下のシュートもなんとか新井がブロックで阻止。
システムを変えてもサンガペースに形勢を変えられない事を踏まえて曺貴裁監督も56分に新井を下げて佐藤響、61分に尹と奥川を下げてアレックス・ソウザと中野瑠馬を投入するなど次々と交代選手を送り出していきます。
前半はガンバとシステムが噛み合っていた事もトランジションで致命的なビハインドを被る要因の一つになっていたサンガは、3バックへの変更で福田を前に出しやすくなった事もあり少しずつ立ち位置のズレを活かせる場面が増え、70分には鈴木の縦パスを受けたソウザが残したボールを本田が展開。トゥーリオを介して、福田と入れ替わる形で右サイドに流れていた中野が折り返したボールが三浦に当たってあわやオウンゴール…かと思われましたが今度はGK東口順昭がファインセーブ。サンガはこの日最初にして最大の決定機も阻まれる事に。
ガンバも65分にはジェバリを下げて倉田秋を投入し安部をアンカーとした4-1-2-3に変更。74分にはその安部と鈴木を交代し、ヒュメットとの交代で南野遥海も投入してここ数試合の課題とされている終盤の逃げ切りにプレス出力の形を変えながらテコ入れを施していきます。
その直後でした。75分、ハーフェーライン付近でのセットプレーから初瀬が蹴り込んだボールは一度は弾かれるも、セカンドボールを回収した山下から倉田がクロスを供給。エンリケが弾いてファーサイドに流れたボールを半田が折り返すと、ペナルティエリア外の左から須貝と対峙した食野は細かいタッチから少し角度を付けて右足一閃!ガンバファンの誰もがこの食野を見たかった…そんな一撃でガンバが待望の追加点!
🎥ゴール動画
— ガンバ大阪オフィシャル (@GAMBA_OFFICIAL) 2026年4月4日
🏆明治安田J1百年構想リーグ地域リーグラウンド第9節
🆚#京都サンガ F.C.
⌚75分
⚽#食野亮太郎
見逃し配信は▶️@DAZN_JPN
登録は▶️https://t.co/cmHuKWbwHj#ガンバ大阪 #GAMBAOSAKA pic.twitter.com/w8oLD61Ybo
サンガは終盤に須貝を下げて平戸太貴を投入し、福田を3バックに引き込んだ攻撃的な形を採るも…ガンバもトーンを落とした事で前半と比べればボールこそ持てる形にはなったものの、サイドに持ち出した時には縦をガンバのWGに、斜めのコースをガンバのインサイドハーフに切られるかたちとなり、パワープレーに踏み切るにはパワーも足らずに万事休す。
同勝点の上位対決はガンバがほぼパーフェクトとも言える試合展開で第5節長崎戦以来の90分勝利で2位浮上!一方のサンガは太田を中心とした守備陣の最後の踏ん張りこそ光ったものの、内容としては良いところなく完敗で5位に転落しています。
ガンバとしてはヴィッシング・ガンバとしてあまりにも完璧な90分でした。イェンス・ヴィッシング監督になって新たに取り組もうとしているスタイルと姿勢、そしてそこにダニエル・ポヤトス監督時代に培ったポゼッションのベースをどう活かすか……今季求められていた、期待されていたその2点を両輪で満たしたゲームだったと思いますし、この試合のマイナスポイントを探すならこの内容で2点しか取れなかった事ぐらいのレベルというか……実際に相手GK太田の奮闘が無ければあと2〜3点は入っていたのでは?と思わされるほどの圧勝劇でした。
逆にサンガとしては…試合後に曺監督が「就任してからの6年で最も酷い前半」と語ったように、試合序盤の要所要所をガンバに取られたところから完全に試合を取られてしまい。内容で負ける試合は他にもありましたけど、曺監督がワースト認定したように、ちょっとこのレベルの完敗は近年あまり…というくらいのゲームだったなと。
この試合の決定的なポイントは、基本的には「ジェバリの立ち回り」と「ガンバのトランジション」の2点でした。
まず今季のガンバは基本的にはハイプレス型のチームとしてプレーしていますけど、トランジションでボールを奪った後も、もちろん直接チャンスを狙えるスペースがある状況ならストレートにショートカウンターを狙うとはいえ、基本的には食野やウェルトン、山下の推進力である程度前に持ち運んだ後はチームをハイラインの状態にだけ固定してボール保持のフェーズに移行するという傾向があります。そういう意味では割とレアな属性のチームだと思うんですが、言ったら「ハイプレス型だけど速攻型ではない」という特性を持つチームなんですね。
その上でガンバはジェバリがミドルゾーンで上下左右に積極的に顔を出していた訳ですが、ビルドアップ中のガンバの選手もジェバリへのコースが空けば少々アバウトになってもそこにボールを当てるようにしていましたし、同時にガンバの選手…特にボランチと両WG、そしてヒュメットはジェバリの立ち位置を起点に保持でのポジショニングを変えていました。
ボランチはなるべくジェバリが落としたボールをすぐに拾える位置にいましたし、ガンバは元々保持ではSBがかなりワイドに張るチームなので山下がインサイド、半田が大外、反対のサイドは初瀬はビルドアップへの関与に重きを持たせる分、ヒュメットをインサイドに走らせてウェルトンに大外を回らせた。この設計により、元々ポストワークに長けたジェバリはまず第一にボールをそこでバシッと収められる訳ですけど、サンガのDFに当てられれば安部や美藤に落とし、ジェバリについていたDFがそのまま二度追いしてきたところを一気にサイドに振って剥がしていく、逆にジェバリがある程度ボールを持つ時間を持てればジェバリ自身が前を向き、自分でヒュメットや山下へのパスコースを通す事ができる。前述したように、ガンバのハイプレスはショートカウンターというよりもハイライン状態を構築する事に重きを置いたシステムとも言えるので、ジェバリにボールが入った時点でもうチーム全体として大きく押し上げる、言い換えればサンガを自陣にかなり押し込んだ状態が出来ているんですよね。一度その状態にされてしまうと、この日のサンガの不出来を抜きにきてもそこから抜け出す事ってかなりハードルが高いので、ガンバがジェバリ起点でやりたい放題できる状況を循環的なシステムとして構築できた事がこの試合の最大のポイントでした。
ガンバ的には前半の減点材料がこの内容で1点しか取れなかった事くらいにはパーフェクトな前半。…
— RK-3 (@RK3_gsgb) 2026年4月4日
序盤はサンガがジェバリを全く捕まえられてないのが全て。多分「ジェバリを潰す」「ジェバリへのパスを出させないようにする」「ジェバリがボールを持った後のパスコースを消す」のどれをチームとして重視するのかが定まってなくて、それゆえにジェバリへの対応がワンテンポ遅れてる。…
— RK-3 (@RK3_gsgb) 2026年4月4日
逆にサンガからすれば「なぜジェバリをあそこまで自由にしてしまったのか?」というところがあると思います。
端的に言えば、ジェバリのこの日のプレーエリアはサンガにとってアンカーの脇、インサイドハーフの背後、CBの前というちょうど4-1-2-3システムのミドルゾーンの空白地帯でした。このエリアに入ってくるジェバリに対して、サンガは「ジェバリへのコースを切る」のか「ジェバリを潰す」のか「ジェバリにはボールを持たせてジェバリからのパスコースを切る」のかがとにかくハッキリせず曖昧でした。一応ピッチもベンチもその事を認識していたのか、20分過ぎくらいになると尹や須貝辺りがジェバリを潰しに行く方向に舵を切って多少マシになったところはありましたが、初手の対応の曖昧さゆえにガンバにジェバリという基準点を構築されてしまった事がこの敗因のスタート地点でしょう。
ここに関しては、2024年後半戦からの変化でもあるサンガの守備スタンスの変更に伴うジレンマ的な部分ではあると思うんですよね。"ジレンマ"と書いているのは、それ自体は間違ってない変化だからこそ…という部分でもあるんですけど。要はそれまでのサンガは自陣でも徹底的にプレスに走っていたところをここ1〜2年は自陣では鈴木義宜を中心にミドルブロック、ローブロックを組んでサイドに追い出してから潰す…という守備に取り組むようになりました。ミドルゾーンである程度バランスを取る事を目指し始めたのは、それまではインサイドハーフ福岡慎平、アンカー川﨑颯太がいつからか逆になった事が好例とも言えるでしょう。そこで前述したようなミドルゾーンのスペースに対して、チームとしてある程度ミドルブロックを組むコンセンサスが取れている場面ではあったからこそ、個別の対応をどうすべきか?というところのジャッジが中途半端になってしまったと。尹はタイプやタスク的には福岡と同様にバランスを取ってくれるタイプですから、チームとして意識がそっちに行った。この部分はこの試合に限らない長期的な方向性的としてその方が良いと思うので"ジレンマ"と称しましたが、この試合に関してはそこが糸口になってしまったところは否めないなと。2024年と比べるとチームとしてかなり成長したなと感じる部分は多いんですけど、ジェバリ個人という意味でも今日のガンバという意味でも、いわば個別対応まで出来るほどの成熟はしていない…というのが可視化されたのが一つあったかなと思います。
もう一つはとにかくガンバのトランジションが素晴らしかった事。おそらく…割と試合後の会見では負け試合でもそこまで悲観的なコメントを避ける曺監督が、あそこまでハッキリと自軍を酷評したのはこの部分で完全にガンバに負けたショックもあったのでしょう。
ガンバのハイプレスは基本的に即時奪回型です。これは例えばサンガのハイプレスはどちらかと言えば相手のビルドアップに対して攻撃する意識を持つ、シームレスだとかストーミング的な志向に基づいたハイプレスであって、基本的には非保持をベースにしたプレッシングスタイルと言えるでしょうが、ガンバの場合はチーム戦略自体は保持をベースにするチームなので、ハイプレスをそのまま決定機に繋げたい意志を持つサンガのタイプのハイプレスは相手のビルドアップ時のDFラインに対してなど大枠がアタックの対象になるのにに対し、ガンバの場合はあくまで「保持ターンを継続させる」事を目的にしたハイプレスなので、相手のビルドアップにプレスを仕掛けるというよりは非保持の時間を作らない、相手の保持の時間を作らせない事が目的になってきます。だから失われた後にすぐに激しくぶつかりに行く事で保持を継続する…ここを狙いとしているのがヴィッシング・ガンバという事になるんですね。
そこでガンバは徹底的に即時奪回のプレスを特にサイドの山下とウェルトン→食野のところで徹底的にやり切ったと。そして前述したようにこの3人はボールを奪った後にある程度前の方まで運んでチームのハイプレスの陣形を固定する事ができるので、前述したような循環を繰り出す土壌をつくる事ができる。同時に中央でボールを失った時にもボランチの2人が即時奪回をやり切って、その後に守備陣に繋いでビルドアップを仕切り直すなり、ジェバリに繋いで山下やウェルトン、ヒュメットがアタックできる状態が既に出来ていたり、保持の為のハイプレスとして即時奪回の徹底とその後のフォローがしっかり出来ていた。ガンバもガンバで、ここはハイプレス志向のチームの悩みとしてサンガも抱えている部分ではあるんですが、立ち上がりで相手に押されてなかなかそういうフェーズに持っていけず苦しむ…という試合が少なくない中で、この試合は早々とジェバリという基準点を確保した上でこのサイクルにチームを乗せる事が出来た。ここがお見事でした。ゲームコントロールに課題を残す試合が続いていた中で、倉田をインサイドハーフ、鈴木をアンカーにした終盤の出力調整も起用していたと思いますし。
「なぜ満田誠ではなく食野だったのか」とまで言うと乱暴ですが、この試合はヴィッシング監督がガンバで何をやりたいのか、ヴィッシング・ガンバで試合に出る為に必要な素養はなにかを示すには十分すぎるゲームだったなと。ヴィッシング・ガンバの象徴的な存在は食野亮太郎だと思っているんですが、その食野が最後に試合を決めたところも含めて、これが"最高到達点"ならそれは困るんですが…"ヴィッシングガンバのプレゼン"としてこれ以上ないほど、このチームでやりたい事を表現し、内容と結果に繋げた90分だったと言えるでしょう。
食野はもう本当、あまりにも100点満点の回答だった。お見事。文字通り"みんなの見たい食野"だった。
— RK-3 (@RK3_gsgb) 2026年4月4日
サンガとしては、元々今季は……吉田達磨コーチを招聘して前線でコンビネーションを出す、ボールを動かしながら攻めるという新たな取り組みにはある程度の成果は出せていると思うんですよ。この日唯一の決定機となった70分のシーンは良い攻撃でしたし。ただこれまでの試合でも顕著だった課題の積み残しと言いますか、前まで持っていけばある程度やれるけど、現在のサンガはボールの前進に大きな課題を抱えている状況で、原大智を目掛けて強引に前に進めて…という事が出来る状態でもない。どうやってボールを前進させる?というところが課題としてずっと残っている状況です。
その中で前節名古屋戦では奥川とトゥーリオ、或いは途中から入ってきた本田をワイドな位置でレシーバーとしてプレーさせる事でそこからコンビネーションを生じさせる…というやり方で、前進方法の一つのヒントを見出したところはありました。ただ前節の名古屋はマンツーマン守備ながらも即時奪回という訳ではなかったので、ボールを持っている選手には選択の時間が、近くの選手にはフォローできるポジションに移動する時間があったんですけど、この日は即時奪回を徹底してきたガンバを前にその時間さえも与えてもらえなかったと。そして脆くもそこで潰されてしまった。この日のサンガのように攻撃の形をまるで作れなかったチームは「何がしたいのかわからない」と評されがちですが、その点で言えばサンガは何がしたいのかはそれなりに発揮できるけど、ガンバのプレスを前に何かをできる状況にすら進ませてもらえなかった…というところが実情でしょう。組み立てられなかったとか展開できなかったじゃなく、全ての局面で一歩目を折られてしまったので。
ここに関しては、両者のシステムが4-2-3-1と4-1-2-3でビッタリと噛み合ってしまったところも不利に働いたと思います。積極的にプレスを仕掛けるチームにとって、相手とフォーメーションが噛み合っている事って結構優位に立てるポイントなんですよ。シンプルにマンツーマン行きやすくなるので。だから曺監督は3バックのチームと対戦する時は3バックに変えて挑んだりもしていた訳ですが、実際にこの試合は福田をウェルトンが、須貝を山下が完全に殺すような形になって、サンガの中盤3枚にもガンバのWボランチがチェックに行きやすかった。曺監督がよくやるミラーゲームの効能みたいなものをこの試合でサンガが不利を被る立場で示してしまったのは皮肉な結末でした。後半から3バックに変更したのは通常のプレスシステムではもう挽回できない状況になってしまったという認識がベンチにもあって、それゆえに相手のプレスを構造の上でズレさせられる形に変更した…みたいなところでしょうし。
噛み合わせを外した後半は多少マシにはなって、GK太田を中心とした守備陣の奮闘があり、尹のスーパークリアもありましたし……内容の割には意外と心折れた感じのプレーにはならなかったところ、なんやかんやで現実的な範疇のスコアに収めたところは最低限の成果だったとは思いますが……ガンバファンとしての視点でもガンバの出来が想像以上だったところはあるにせよ、勉強代としてはあまりに中身の濃いテキストを突きつけられた90分だったかなと思います。
【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】
2026明治安田J1百年構想リーグ第9節
《EAST》
ジェフユナイテッド千葉3-2東京ヴェルディ
水戸ホーリーホック1-1(4PK2)鹿島アントラーズ
柏レイソル3-0横浜F・マリノス
FC東京0-0(2PK4)FC町田ゼルビア
川崎フロンターレ3-2浦和レッズ
1位 鹿島アントラーズ(23)
2位 FC東京(20)※1
3位 FC町田ゼルビア(19)※1
4位 川崎フロンターレ(14)
5位 東京ヴェルディ(13)
6位 浦和レッズ(11)
7位 柏レイソル(11)
8位 水戸ホーリーホック(10)
9位 横浜F・マリノス(9)
10位 ジェフユナイテッド千葉(8)
※1 FC東京と町田は1試合多い
J1で初めての茨城ダービーとなった水戸と鹿島の試合は水戸が1点先制しながら退場者を出して耐える展開となり、最後は鹿島がアディショナルタイムに追いついてPK戦へ。しかしそこで水戸が勝利を収め、鹿島は開幕戦以来の敗戦となり連勝は7で止まりましたが、20クラブで唯一90分での無敗は継続しています。
水曜日の試合と併せて上位対決2連戦となったFC東京と町田の試合は水曜日はFC東京が3-0で完勝を収めましたが、今節は0-0の末に町田がPK勝利。3連敗中だった最下位の千葉も東京Vに勝利し今季2勝目を挙げています。
《WEST》
名古屋グランパス3-0セレッソ大阪
ガンバ大阪2-0京都サンガFC
V・ファーレン長崎0-3清水エスパルス
ファジアーノ岡山1-4ヴィッセル神戸
サンフレッチェ広島0-1アビスパ福岡
1位 ヴィッセル神戸(22)※2
2位 ガンバ大阪(17)
3位 名古屋グランパス(16)
4位 清水エスパルス(16)※2
5位 京都サンガFC(14)
6位 V・ファーレン長崎(12)
7位 サンフレッチェ広島(11)
8位 ファジアーノ岡山(11)
9位 セレッソ大阪(11)
10位 アビスパ福岡(8)
※2 神戸と清水は1試合多い
大混戦と称されたWESTでしたが、ACLEの日程調整による2試合で2連勝を収めた神戸がこの日も敵地で岡山を相手に4得点快勝。1試合多い立場ながらも2位G大阪に勝点差5を付けて一歩抜け出しました。
同勝点での2位3位直接対決となったG大阪と京都の試合はG大阪が完勝で2位浮上。好調傾向の名古屋と清水もそれぞれ3-0の快勝で5位京都を含めた上位陣を構成している一方、広島やC大阪は足踏み状態に。そんな中、20クラブの中で唯一90分勝利のなかった福岡が前半の橋本悠のゴールを守り切り、9試合目にしてようやく初の90分勝利を達成しています。
大阪杯は外しました
ではでは(´∀`)