RK-3はきだめスタジオブログ

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お手を拝借〜キリンチャレンジカップ2026 日本代表 vs アイスランド代表 マッチレビュー&試合考察〜

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ハンドスプリングスロー

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューはキリンチャレンジカップ2026、日本代表 vs アイスランド代表の一戦です!

 

北中米W杯観戦ガイド作りました!W杯情報に予想や試合の考察、日本代表や過去のW杯を振り返るコンテンツなど多数の読み物を揃えております。是非お使いくださいませ!

 

2026年W杯の当サイト的テーマソングを勝手に作りました。

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ!

 

 

 

いよいよこの時がやってきました。

2026年、日本サッカーは今、まだ見ぬ景色のその向こう側へ進もうとしています。少なくとも今の日本代表はこれまでの歴史の中で知らなかったフェーズに突入している……その立場で迎えるW杯ですから、期待も大きく、そしてそれゆえの不安も大きい事でしょう。

 

 

この試合はあくまで親善試合です。

森保監督としては文字通りのチーム強化というよりは、選手のコンディション調整や組み合わせ、オプションのテストなど、そういう副次的な効果を狙ったものが多くなってくると思います。そんな中でこの試合では吉田麻也のセレモニー的な起用も行われる……かつてのレジェンドが顔を並べるコーチ陣の事も含めて、それは吉田に敬意を表する時間にするだけでなく、過去から繋いで今がある、この今がいつか過去と呼ばれる未来がくる、その運命を象徴するシーンになる事でしょう。

頭上に悠然とはためいていた漠然とした夢は、掲げ始めたあの時から随分とリアリティを増しました。全ての現在は過去の上にあり、全ての未来は今を過去にして構成される。そういう日本代表の歴史としての継承、先人達が繋いできたバトンが受け渡されるフィールドで、日本代表は新世界への扉を開く……この試合が、そんな象徴的な瞬間になる事を期待しています。

 

頭上に悠然とはためく 漠然とした夢を掲げ

この道の先はまだまだ見えず

失敗からしか何一つ学べず

空の向こう越えるための この人生の抑揚

あの頃の未来向かい 時代に期待せずも進むmy life

 

両チームスタメンです。

 

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前日会見での森保監督の言葉通り、セレモニーを予定している吉田麻也、怪我から復帰した遠藤航と冨安健洋がスタメン。吉田は2022年カタールW杯のクロアチア戦、冨安は2024年6月のシリア戦以来の代表戦となりました。基本的にはカタールW杯メンバーが中心のスタメンとなり、11人の中でW杯初出場組は鈴木彩艶と中村敬斗の2人のみ。伊東純也は右WBや右シャドーではなく左シャドーでのスタメンとなりました。

 

 

 

本日の会場は東京都新宿区、MUFGスタジアムです。

 

 

日本代表の国内開催のゲームは直近が昨年11月のボリビア戦でしたが、この時も国立開催だったのでホームでは2試合連続同じ会場という事に。しかし今年から三菱UFJフィナンシャルグループが命名権を取得している為、MUFGスタジアムとしては初めての日本代表戦となります。また、W杯壮行試合が国立競技場で行われるのも2002年のスウェーデン戦以来ですね。

試合前にはJI BLUE(JO1とINI選抜ユニット)が担当する公式テーマソング『景色』が生披露され、試合後にはW杯壮行セレモニーを実施。場外では森保監督の等身大フィギュアが察知される他、各スポンサーから数量限定でハチマキ、ラバーバンド、号外新聞が配布されるなどの施策も実施されます。選手入場時には大々的なコレオグラフィーも。

 

 

 

最初のチャンスは日本でした。左サイドで細かいパスワークで打開した日本はエリア内に切り込んだ中村敬斗が狙いすましたシュートを放つも僅かに枠外。チームとしては基本的に3バックの3人も右、中央、左のエリアにボールが来た時はガッと前にボールを取りに行き、そのボールをボランチが回収しながらサイドに繋ぐ形で高い位置でのボール奪取とそこからのポゼッションを展開していきます。

そして14分、万雷の拍手に包まれ、日本選手とアイスランドの選手にも協力してもらった花道で吉田麻也が交代。伊藤洋輝と交代し、板倉滉が中央にスライド。

 

 

基本的にその後は特に試合の動きに大きな変化はなく、アイスランドもボールを保持した時にはしっかりと自陣からビルドアップ。日本もハイプレスは志向していましたが、アイスランドもリスクを冒すようなビルドアップまではして来なかったので、日本もピンチになるような場面は31分のトマソンのシュートくらいでしたが、攻撃に直結するようなプレスまではなかなかハマらず。

 

 

 

とはいえ日本も36分には久保、38分には中村にシュートチャンスが生まれましたが好機は活かせず。44分にはアイスランドのソルハンソンが放ったシュートをGK鈴木彩艶が好セーブ。日本も前半アディショナルタイムにはオーバーラップした冨安が中村のクロスから狙い覚ましたシュートを放ちますが相手GKが阻止します。

全体的にはそこまで悪くなく、チームとしてベターな振る舞いは出来ていたものの、思っていたよりもアイスランドもボールを握ろうとしてきたところで押し込むまでには至らず前半終了。

 

 

 

日本は後半から堂安、上田、伊東、遠藤を下げて菅原由勢、小川航基長友佑都、瀬古歩夢を投入。中村はシャドーにシフトし、瀬古は森保監督が会見で述べていたようにボランチとしてテストされます。

後半開始早々にセットプレーから板倉が合わせたシュートは相手のブロックに遭って僅かに決め切れず。ただ日本も一定のチャンスは作れていましたが、アイスランドも日本陣内までボールを持ってくるとサイドチェンジを駆使したワイドな攻撃で日本を翻弄するように攻めてきた事で危ないシーンもいくつか生まれてくる格好に。

 

 

 

もどかしい試合展開の中で、日本は全体的に優勢にゲームを運ぶもののアイスランドのソリッドな守備と保持時に日本の距離感を間延びさせるようなアプローチをしてきたことで押し込みきれない状況が続いていました。

73分には中村、田中、板倉を下げて塩貝健人、後藤啓介、渡辺剛を投入。小川と塩貝を2トップ、久保と後藤をインサイドハーフ、瀬古をアンカーとした3-1-4-2の形をテストして攻めようとしますが、78分にエリア内で久保が持ち込んだ場面も得点には届かず。82分には久保、冨安、そしてGK鈴木を下げて佐野海舟、谷口彰悟、早川友基を送り込んで終盤の猛攻に懸けます。

 

 

 

もどかしい中で遂に試合が動いたのは87分でした。

右サイドでボールを持った菅原が自身で少しタメを作ってからアーリークロス。このボールに対してニアサイドに飛び込んだ小川がダイビングヘッド!!壮行試合の国立を揺らしたのは"東京五輪世代のエース"にして"遅れてきた東京五輪世代"の小川!!日本先制!!

 

 

アディショナルタイムには日本を大いに苦しめたクロス攻勢からGK早川がパンチングしたボールをミドルに持ち込まれるも枠外に逸れて失点を回避。

難しい試合ではありながらも、瀬古のボランチ/アンカーや3-5-2の運用など、森保監督の中で試したかったであろう事は大方試しながら勝利を獲得!壮行試合を勝ち切ってアメリカへ向かいます!

 

 

 

まずアイスランドがちゃんとW杯レベルのチームだったという事、チームとして公式戦仕様の戦い方をしてくれた事が本当にありがたかった。アイスランドみたいな立場のチームって難しいと思うんですよ。言ったら自分達はW杯に出ない立場で、W杯に向けたチームの強化試合のお付き合いをしなければならないようなもんですから。考え方としてはセレクション的な意味を込めて「若手だけでいきます」「国内組だけでいきます」とかそういう事も強化としては一つの正解だったと思いますし。

その中であの熱量、あの強度で挑んでくれた事には本当に感謝しかないです。その上セレモニーまで付き合ってくれた訳ですし。

 

 

日本としては全体的にボールを持つ展開になりましたし、それは別に…いわゆる「持たされている」という展開でも別になかったと思います。アイスランドもミドルゾーンでのデュエルは積極的にやっていきましたし、そこは日本が左なら板倉(伊藤)、真ん中なら吉田(板倉)、右なら冨安がエリアを分担しながら思い切って前に潰してボランチに付ける、残りの2人が前に出た選手に合わせてスライドする…という連動を作れていましたし、単にボールを持たされていた訳でなく「自分達がボールを持てる構造」はしっかりチームとして作れていました。

ただ、その中でなかなか地上戦で崩せない時間が続いてしまったと。アイスランドもミドルゾーンのセカンドボールの争い以外はしっかりと構えて守ってきましたし、日本もそこで堂安×久保と中村×伊東の同サイドでのコンビネーションが上手く発揮できなかった。そこはアイスランドが日本に対してテンポを出させない、スペースを与えないという守備をしっかりしてきた結果でしたし、前半の日本のチャンスの多くが中村の単独突破の形になったのは必然ではあったのかなと。より縦へのスペースを求める中村と伊東、よりインサイドの角度を求める堂安と久保でキャラ被りしてしまった状態はちょっと難しいところではありましたね。右サイドの場合は特にハマった時の最大値が大きいだけに捨てたくはないコンビなんですけども。

 

 

 

で、逆に後半は左右のWBを菅原と長友に変更してきました。前半との違いで言えば、前半は堂安と中村というWG系統の選手を置いたのに対し、後半は菅原と長友というSB系統の選手を置いたという事。前半はどちらかといえばショートパスやコンビネーションを用いながら攻略していこうという前提がありましたが、後半は…それこそ小川の得点シーンのように菅原のところからアーリークロスを入れたり、途中から3-1-4-2にして小川と塩貝を2トップ、後藤をインサイドハーフにしてこじ開けていこうとするような攻撃に特化していくようになりました。

若干パワープレー気味と言えばそうなんですけど、例えば前に入れたこぼれ球をなるべく久保がチャンスメイクし直せるような位置で落とせるようにしましょうとか、アンカーに入った瀬古のところまで戻してどうやって攻撃を仕切り直すか、どうやって左右に振って攻撃を回し続けるかとか、その時の左右のCBの立ち振る舞いをどうするかとか…その辺りは乱雑なパワープレーではなく、ちゃんと計画性を持った動き方をしているようには感じましたね。例えば左WBの長友の動きなんかはなかなか示唆的でした。小川の得点シーンにしても「長友のダイレクトボレー!?」のインパクトが先行したシュートシーンにしても。その動きはおそらく左WBに入った時の前田大然にも求められるものでしょう。三笘と南野がいなくなった事で、おそらく後半のシャドーには中村や鈴木に、或いは塩貝や後藤を入れて2トップにする可能性が高くなった訳ですが、要はこれまでよりもFW系統の選手を登用する可能性が高くなったんですね。そうなるとこの試合のように、久保と堂安で右で作って左で仕留める形を徹底するとか、菅原にシンプルにアーリークロスを入れてもらうとかそういうアプローチが増えてくる。その時に左WBを含めてどう動くのか?のテストを出来たことはすごく良かったなと。

 

後は特筆して良かったのは瀬古と田中でしょうか。

瀬古は元々DFな訳で、例えば中盤での守備に関して不安視する向きはそんなに無かったと思いますけど、ボランチとしてのデュエルからカバーリングまで対応しながら、アンカーとして配球役のタスクもきっちりこなしきった事はあまりにもお見事。この試合の最大の収穫で言うなら瀬古のボランチ起用の計算が大いに立った事でしょう。

田中は瀬古のボランチほど"目立ったインパクト"という訳ではないですけど、誰とでもボランチを組めるというところ……これは私の解釈なんですけど、ユーティリティプレーヤーとポリバレントなプレーヤーって割と同一視されがちですが、前者は複数のポジションをこなせる事で、後者は一つのポジションで複数の役割をこなせる選手だと思っています。そう言う意味では田中は、相方のボランチがどういうタイプかに合わせて配球役にも潰し屋にもアタッカー系ボランチにもなれる。そこの強さを示した試合になったんじゃないかなと。

 

一番の感想は「良い"強化試合"だった」というところですね。

W杯に出ていても違和感のないレベルのチームを相手に、ここをこうやると難しい、ここをこうやると結構行けるみたいな、出来るところも出来ないところも色々洗い出すことができた。その上で瀬古や後藤をいつもと違う位置で起用したり、3-5-2のパターンを探ったりだとか、遠藤と冨安の確認も含めて森保監督の中で「試したかったこと」みたいなものはほとんど試せてたんじゃないかなと。この部分はカタールW杯前のカナダ戦と同じで、試しておきたいものをある程度出せた。そこがこの試合の最大の収穫でした。新ルールにどうやって慣れていくかもそうですし、その上でカナダ戦と違って今回は勝てましたし。

そこはサンプル集めの達人森保一としてはすごく理想的な壮行試合になったんじゃないかなと思います。強化試合の"ポジティブさ"って必ずしも結果や内容とイコールではなく、その前提で指揮を執れるのが森保監督の長所でもあるので。

 

 

で、最後に吉田麻也ですね。

今回の合宿で吉田を呼んだ意義は大いにあったと思います。彼自身がキャリアで培った経験やアメリカの知見を提供する事であったり、森保監督が「麻也がチームに加わってくれて、チームとしてはすごくプラスなことばかりだった」と語った事も全くもって頷ける。吉田自身も自身の伝えなければならない事柄として「上手くいかない状態になった時にどうするか」を挙げていたように、自分の役割や森保監督が欲していたものを120%理解してくれていたなと。

 

同時に…あのセレモニーはやっぱり象徴的なものだと思うんですよ。今回のコーチ陣がオールジャパン的なレジェンドチームになっているように、今回の日本代表はこれまでにないほどに「過去からの継承」みたいなものがテーマになっている。キャプテンマークは遠藤へ、背番号22は冨安へと託されましたが、あの場面は単に吉田から…という訳ではなく、かつてはその立場を吉田に託した人もいて、遠藤や冨安もいつか誰かに託す訳ですから、そういう歴史の必然を可視化したようなシーンだったなと。

吉田麻也は「僕が代表から外れた後、電話で『22番を着ける』って言ってくれて、それが一番嬉しかったこと」と語りましたが、それって単に自分の番号を受け継いでくれたから…というだけの話ではないと思うんですよね。代表の22番は元々中澤佑二の背番号で、中澤が去った時にその番号は当時売れ始めの若手選手だった吉田へと託された。思えば吉田は過去に何度も中澤への敬意を繰り返し語った上で、クラブではなく代表での活躍において「中澤佑二と田中マルクス闘莉王を追い越せていない」「ずっと中澤・闘莉王という亡霊を追いかけている」と語っていた。同時に吉田が代表に定着したタイミングはちょうど代替わりのタイミングで「競争がないまま代表に定着してしまった」という負い目も感じていた。その番号をDFリーダーの背番号として、ちゃんと冨安に…ある意味では斬られる形で、中澤から受け継いだ背番号を冨安に託せた事こそが彼に取って「代表キャリアの美しい終着点」だったんだと思います。それはもちろん、長谷部誠から託された主将を遠藤に託した事もそうですし、過去を遡ればその長谷部に託した人もいた訳ですから。

 

何より、吉田が示した背中は代表メンバーに大きなメッセージを伝えたと思います。

言っても吉田は代表引退を宣言した訳でもなければ、現役引退を明言している訳でもない。本来の彼の望みは26人のメンバーとしてW杯に出る事だったはずです。吉田は事あるたびに…日本代表での活躍より欧州市場での価値を証明する方に重きが置かれるような風潮になった時から、メディアで、或いは選手に繰り返し「日本代表ほど最高の仕事はない」という言葉を何度も公言していました。GIANT KILLING30巻の達海猛じゃないですけど、選ばれた26人に対して「日本代表として活動できる事、W杯に出られる事、これほど幸せな仕事は他にないんだぞ」と……そのメッセージな吉田とこれまで一緒にやってきたカタールW杯のメンバーにも、吉田とはこれまでやってきていない新顔にも強烈なメッセージを残したんじゃないかと感じましたし、吉田はこれまでの歴代キャプテンの中でも「次の世代に何を残せるか」の意識が強い選手で、それは中澤や闘莉王、長谷部誠など先人達が築いた系譜や文脈も含まれるのでしょう。

今回のセレモニーも、クラブと違って代表で貢献してくれた選手を送り出す場が日本代表にはこれまで無かったという事で、森保監督の敬意に答える形で前例にしていきたいという想いで応えた…と。吉田麻也の代表キャリアは最後まで「次の世代に何を遺していけるか」「先代から受け継いだ、時代が変わっても変わることのない魂と熱量をどう継承させるか」を考え続けたキャリアだったと思います。引退する選手ではないのでお疲れ様もありがとうございましたもまだ言うつもりはないですが、この日の国立競技場で贈られたセレブレーションが、彼の代表キャリアに於ける努力や貢献に対する正しい回答だった事…それだけは間違いありません。

 

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嵐お疲れ様

ではでは(´∀`)