
仙石さんの「イェーンス、ヴィッシーング!!」の叫び方めっちゃかっこいいよね
どーもこんばんは
さてさて、3シーズンに及んだダニエル・ポヤトス監督体制に別れを告げ、自身もプロの監督としては初挑戦となったイェンス・ヴィッシング監督を迎えて挑んだ百年構想リーグ。百年構想リーグはWESTを5位で終える中位フィニッシュとなりましたが、若手の台頭や新しい意識の構築など様々なポジティブな変化が見られ、新監督の戦術も想像よりスムーズに浸透。26-27シーズンに期待を抱かせるには十分な内容だったと言えるでしょう。
何よりも昨季後半から開幕したACL2ではスター集団アル・ナスルを完全アウェイで下して見事優勝!10年間追い続けた10冠の夢をようやく叶え、新体制ゆえの期待と不安を見事に歓喜に変えてくれました!
で、言うまでもなくW杯を経て開幕する2026-27シーズンに向けて重要になるのが補強でございます。
特にガンバは26-27シーズンはタイトルを目指すという意味合いでは2025年シーズン以上のものがあるでしょうし、そしてACLEのチャンスもある。その上でヴィッシング体制でどういうタレントが求められるのか?も見えてきたところですので、それを含めて来季に向けた補強動向を考えていきたいと思います。
【お品書き】
①ポジション分布
②補強スタンスの展望と慰留問題、そしてヴィッシング監督の構想で一つ読めないところ
③ポジション別補強優先度考察(次回)
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①ポジション分布

【GK】東口、荒木、一森、張
【CB】福岡、中谷、三浦、池谷、横井、佐々木
【SB】福岡(右)、半田(右)、岸本(右)、池谷(右)、初瀬(左右)、中野(左右)、唐山(右)、奥抜(左)、佐々木(左)
【ボランチ】倉田、安部、鈴木、美藤、吉原、山本
【WG】食野(左右)、倉田(左右)、岸本(右)、山下(右)、當野(左右)、中積(右)、名和田(右)、唐山(右)、中村(右)、奥抜(左右)、ウェルトン(左右)
【トップ下】宇佐美、食野、ジェバリ、當野、名和田、中村、植中
【FW】宇佐美、ジェバリ、林、ヒュメット、唐山、南野、中積、植中
②補強スタンスの展望と慰留問題、そしてヴィッシング監督の構想で一つ読めないところ
ガンバの編成ってすごく恵まれた立場で、かつそれゆえに難しい立場でもあるんですよね。その辺りは以前にNoteでも書いたんですけど…。
大前提として、大型補強をしようと思ったらある程度の放出は必要になります。それはお金の問題だけじゃなく、枠的な話で。その上で基本的にみなさんないものねだりですから、簡単に「選手の入れ替え」を求めたりしますけど…ガンバってJ1の中では明確にスタートの段階からタレントがいるチームかつ、海外移籍を除けば基本的には「放出選手を選べるクラブ」なんですよ。もちろん山本悠樹の事例もあったので全員とは言わないですけど、慰留に失敗した事例も大体は去年の福田湧矢みたく出場機会を求めて…の移籍ですし。要はその立場のチームが、無理に選手の入れ替え、血の入れ替えを断行しようとすると、ただただ戦力ダウンしただけの結果になってしまうリスクが割と考えられるんですね。そこがガンバの持つ強みと難しさではある…そういう前提があります。
#256 どうなるウィッシング・ガンバ大阪!ウィッシング監督&三上大勝GM招聘の意図と狙い、RB系新監督のスタイルを推察する回
基本的にガンバって、一般的に見たら選手の枚数は足りてるんですよね。ここで言う"足りてる"とは、1つのポジションに対して1人の控えを確保している事。単純計算するとそれだけでチームは22人。ガンバはそこは満たしているチームで、この時点で2人ベンチから外れる。そういう状況のチームに飛び込むのって…多分選手からしたら簡単に「行きます!」とは言えないと思うんですよ。なので必然的に、誰かを獲る為には誰かを放出しないと行けない立場ではあるんですけど、それはそれである意味ガチャというかソシャゲのミキサーみたいなもので…「あれ?前の方が良かったんじゃね?」となる可能性がそこそこある。それが複数ポジションで起こるとえらい事になる。
例外的に大シャッフルみたいな事をしたのが2023年と2024年でしたけど、あの2年は前年の成績が明確に悪かった年だったので……2024年以降は全部ひっくり返す事がギャンブルでしかないくらいには上手くいってる/悪くないシーズンを過ごしているので、大規模な放出がセットになる大型補強に踏み切るリスクの方が大きい状況だと。それこそ2025年も、DFラインは最初から枚数足りてなかったのでともかく、中盤より前は福田→奥抜、坂本&山田→ヒュメット&満田、ダワン→安部とインアウトがハッキリしていたがゆえの補強だったので、現在のガンバは現状路線かつ緩やかな変革をし続ける形がベターであり、放出なく上積みだけの補強を目論むならターゲットを絞り込んだ少数精鋭的な補強になってくる、という前提は押さえておくべきポイントです。
そう考えると、ガンバとしては今…枚数的に心許ないポジションってそこまで多くないんですよ。前述したように各ポジションで1人ずつの控え選手を計算できている状況ですし。それこそ今季みたいに怪我人が続出した時に「層が薄い」「補強が足りなかった」と言うのは簡単ですけど、例えばCBが3人怪我しないと試合に出られないような5番手CBの立ち位置を受け入れてくれる選手の補強が果たして実現可能なのか…っていう。その前提の選手に「競争で勝ち取ってくれ」は結構酷な言葉ではあると思いますし、それならユース上がりの選手とかに託した方が良いんでは…みたいな話になってくるんで。
そう考えるとガンバは…もちろん今季は荒木や南野が台頭した事で、彼らが海外に行った場合にどうするか?を考えないといけないところはありますけど、補強しようと思ったらそれこそミキサー的に一人減らしてより強いカードを狙う…みたいな形にしないといけないのかなー…とは思いますね。つまり、選手層を底上げしたいからといってベンチスタートが前提になるような選手を無理に獲得する時期ではない(将来枠みたいな補強ならともかく)、獲得するなら確実にレギュラーを取れるレベルの選手に絞って獲得すべき…というところではあるんだろうなと。特にヴィッシング監督はここまで、荒木や南野以外にも山本や池谷のような若手の戦力化にも積極的に取り組んでくれていますから、下手に選手層を拡張する為の補強をやると競争過多になるリスクはあるので、レギュラーを確実に計算できる選手か、放出状況に合わせた獲得に留めるべきかな…とは思っています。
一個だけ気になるのが…来年のヴィッシング監督のスタンスなんですよね。
個人的に、ヴィッシング体制がここまで想像以上に上手く進んでいる要因の一つとして、前体制…ポヤトス体制のサッカーを引き継いでいる訳ではないけれど否定はしなかった……要は違うサッカーを目指しながらもポヤトス体制で培った良い部分、使えそうな部分は積極的に使った…というところにあると思います。
例えば守備のところのやり方はポヤトス体制とは大きく異なるプレッシングを基調にしているので、選手の立ち位置を含めてチーム戦術自体は大きく変えながらも、ボール保持の局面でのポゼッションやビルドアップの基盤はポヤトス体制のものを上手く新体制のスタイルに移植させているというか、そこの基盤の上にプレッシングスタイルを乗せるようにした。そこが一つ、ヴィッシング体制が想像以上に早く浸透した理由にはなっていたなと。メンバーが去年と殆ど変わっていなかったところも大きいでしょうし。
クラブとしてもメンバーを大きく入れ替えなかったのはポヤトス体制で培ったプレーモデルを活かしていきたい意識もあったからでしょうし、これはこの試合に限った話ではなく開幕戦の時点から、ヴィッシング監督もビルドアップの作り方など前監督の遺産を否定せず、むしろその上に自分のアイデンティティを乗せる形でのチーム作りをやってくれた。宇佐美貴史は試合前に「このタスキの繋ぎ方ができるのは今回のACL2しかない」という表現をしていましたが、この決勝戦のガンバの立ち回りはまさしくポヤトスが作った土台にヴィッシングが肉付けした作品だったなと思います。
で、一つ気になるのは……今のサッカーの戦術って、もちろんその中にも色んなタイプがある事は百も承知ですが、すごく大きく分けると"ペップ・シティ的なスペイン型"と"クロップ・リバプール的なドイツ型"に分かれると言いますか、この2つがある種の二極的な感じになっていると思うんですね。それゆえに、ヴィッシング監督の就任が発表された時の不安の声としては「そもそもポヤトス退任に反対」「トップチーム監督経験のない人物に任せる事のリスク」の他に「スペイン型からドイツ型への移行ってスムーズに行くの?」という不安があったと思います。
そこを前述したようにポヤトス体制の遺産を否定せずに活かした事がこの半年の成果に繋がったと見ていますが……気になるのは、これが「それこそがヴィッシングの望む形」なのか「あくまでスタイル移行のプロセス」なのかというところですね。
というのも、今季のガンバの特徴として「ハイプレス型だけどショートカウンター型ではない」というところがあるんですが、彼が学んできたRB系統のサッカーはやっぱりそこもショートカウンターでやり切ってくる。そう考えると、現在のガンバはドイツ的なマンツーマンをやりながらスペイン的なビルドアップ基盤を有したスタイル…という結構独特なものになっています。
そうなると考えられる仮説は2つあるんですよね。一つは「クラブとヴィッシング監督が狙いとしてそういうサッカーを作り上げようとしている」という事。RB系統のサッカーにスペイン的な要素を加える事で唯一無二のスタイルを作っていこうよという狙いがあり、そこに監督自身も共鳴し、意欲的に取り組んでくれている…という仮説です。
ガンバとしてはポヤトス体制がまるっきりダメだったとかそういう事は一切なく、ポヤトス体制でビルドアップの基盤は既にチームとして構築されている訳ですから、これを安易に捨てるのも勿体無い話ではあるんですよ。ただクラブとしてRB系的なハイプレス/ハイライン/強度/前線の流動性は取り入れていきたいとも考えている。その中で仮説として考えられるのは、ポヤトス体制で築いたビルドアップの基盤は維持しながら、2列目より前のプレスや流動性にストーミング要素を取り入れていきたい…と。そうなると、上で挙げたようなRB系で監督経験のある人達は既に監督としての色が明確になっているがゆえに、必然的にチーム全体をRB系に転換させる流れになってくるのに対して、監督経験のないウィッシング監督ならまだ監督としての色を持っている訳ではない。それゆえに「RB系に転換するよりも、既に持っているビルドアップの基盤にRB色を注入するアプローチでやってみませんか?」「ビルドアップできるバックラインと前線の即時奪還を組み合わせて永久機関的な攻撃システム作ってみませんか?」「前線の流動的なパスワークはこのクラブが伝統的に持っているものなので、融合すれば結構ロマンありませんか?」…みたいな事をプレゼンして、一緒に融合させたようなチームを作っていきましょう、みたいな話なのかなあ、と。
確かにこれ、こうやって書き連ねていくと…2025年のキックオフイベントで当時の松田浩FB本部長がガンバのフットボールフィロソフィーをどう構築するかというテーマで語った「パターンとクリエイティブ」の話と辻褄は合うんですよ。 もしこの想像で書いた仮説がある程度正しければ、急に見えるスタイル転換と大胆すぎる監督人事はある程度理屈や文脈としての整合性はある話なのかもな、と。同時にこれらの話はFB本部としてプレーモデルの言語化に取り組んだ背景があるので、三上大勝氏を彼が長く務めたGMではなくFB本部長で招聘して、本部長は交代しても松田体制で構築したFB本部の枠組みは残した事の理由にも繋がる部分でしょうし。#256 どうなるウィッシング・ガンバ大阪!ウィッシング監督&三上大勝GM招聘の意図と狙い、RB系新監督のスタイルを推察する回
一応これ始動前に私が書いたNoteなんですけど(ヴィッシングがじゃなくてウィッシングって書いてる辺りに季節を感じますね)、宇佐美貴史的に言えば手前味噌ですが…現時点ではそれなりにその通りの展開になっているとは思うんですよね。なのでヴィッシング監督がこの方向性を意気に感じていて、意欲的に取り組みたいと考えているとすれば、基本的には今季のペースで進んでいくでしょう。
一方、もう一つの仮説としては…ヴィッシング監督としては本当はもっと、一般的にイメージされるRB系のハイプレス、ハイライン、ショートカウンターのストーミング戦術をやりたい。でも去年までポゼッションをやっていたチームの方向性をいきなり変えてもハレーションを起こすだけなので、まずは前体制のサッカーを取り入れながら段階的にスタイルを移行しようと考えている可能性ですよね。あくまで今季のハイブリッド的なサッカーは、本格的にRB系統のサッカーへとシフトチェンジする為のプロセスに過ぎない、段階を使ってスタイルを変更する事で、選手達に急激な変化を与えないようにする、違和感なく取り組めるようにする…と。
どちらの仮説が正しいのか。これはちょっと来年の試合を見るまではこちらもわからないです。ヴィッシング監督はガンバ以外にトップチームの監督をやってませんし、参考となるようなデータは無いので。ただ確かな事は、どちらのアプローチであったとしても2026年の時点では上手く進んでいる事、そしてどちらのアプローチなのかによって「獲得する選手」よりも「放出する選手」「放出OKの選手」が変わってくるだろうなという事。この辺りは割と、来年を展望する上での鍵になるような気はします。
ヴィッシーング!
ではでは(´∀`)