実家の冷蔵庫、National。
どーもこんばんは
さてさて、Jリーグも残すところ後5試合。
ここに来てガンバが躍進を見せています。
まず今シーズンのガンバの歩みを軽く振り返ってみると、5シーズンに及ぶ長谷川健太監督体制に別れを告げたガンバは、かつての攻撃サッカーへの回帰を目指してブラジルやセレッソ大阪で実績を残したレヴィー・クルピ監督を招聘。
しかし井手口陽介の退団や今野泰幸の負傷離脱に加えて明らかな補強の不備もあり、開幕戦こそ今後に希望の見える内容だったもののその後は想像以上の低空飛行。開幕から6試合で1分5敗を喫し、第7節の磐田戦で初勝利を挙げてからはホーム4連勝を達するなどホームではそれなり勝てましたが、アウェイで引くくらい勝てずに常に降格圏を彷徨いました。
ロシアW杯による中断明けの2試合では広島、清水に連敗。この時点でクラブはクルピの解任を決定し、当時U-23チームの監督を務めていたガンバのレジェンド、宮本恒靖の監督昇格に踏み切ります。
内容、特に守備面では明らかな改善が見られた宮本ガンバですが、クルピ時代のコンディション調整の失敗もあって終盤に失点を喫する試合が相次ぎ、7〜8月の試合は1勝3分5敗。この時点で17位と、2度目のJ2降格が現実味を帯びてきます。
しかし25節川崎戦で負傷から今野泰幸が、26節の神戸戦からはアジア大会の為に5試合欠場していたファン・ウィジョが復帰。改善傾向にあったチーム状況と主力復帰が重なったガンバは川崎戦から怒涛の5連勝を飾り、未消化試合のあるチームがある為に暫定ではありますが12位まで浮上しました。
無論、今シーズンのJリーグ、特に残留争いは後日別でブログを書きますが類を見ない混戦模様。ここからガンバは残留を争うチームとの直接対決も多く予定されているので一瞬たりとも油断は出来ませんが、それでも今のガンバは宮本ガンバの最適解を見つけたと言ってもいい状態で、上昇気流に乗れている事は間違いありません。
そこで今回は、以前宮本ガンバが発足して5試合の時に書いた以下のブログの内容も踏まえて、今のガンバの好調の要因、宮本ガンバが遂に見つけた最適解について、あくまで個人的な見解で紐解いてみたいと思います。少々お付き合いください。
①今野泰幸の復帰
まずガンバの5連勝に於いて、最も大きいのが今野の復帰である事に疑いの余地はありません。それまでも重要な戦力だった今野ですが、2015年辺りからはガンバにとって一番欠いてはならない選手となった今野が今シーズンの半分以上の試合を欠場した事はそもそも今年のガンバの不調に大きく関係していて、今野復帰後5連勝という事実が一部で「コンノ大阪」とネタにされているのもある種当然の流れとも言えます。
今野復帰がガンバにもたらした影響というのは大きく分けて3つあると考えられます。まず一つは単純に今野のボランチとしての圧倒的な実力です。
持ち前のデュエルの強さやインターセプト能力などは衰えるどころか冴え渡っている今野の守備的MFとしての能力は35歳ながらJリーグでも随一。加えてガンバには遠藤保仁が居るので余り目立ってはいませんが今野の確実な繋ぎや配球能力というのもこれまたピカイチですから、今野の復帰よって単純にJリーグ最強ボランチが加わったの同義である事がまず一点と言えます。
二つ目は遠藤保仁との戦術的な関係性です。遠藤は今年38歳の大ベテランですが、そのゲームメイク能力と圧倒的な戦術眼は未だ健在。ガンバの攻撃を円滑に行う為には未だに不可欠な存在と言っても過言ではありません。
ですが技術や戦術眼とは違い、フィジカルはどうしても衰えてしまうもの。遠藤もそこには抗えず、近年は守備に明らかな不安が見えてくるようになりました。そこで2017年に当時の長谷川監督が提唱したのが遠藤の両輪に今野と井手口を置く4-3-1-2システムだった訳ですが、前半戦は今野が負傷、今野復帰後はCBに怪我人が続出し、CBもこなせる今野を最終ラインで使わざるを得なくなった為に結局長期的には稼働させる事が出来ませんでした。
そして今シーズン、井手口の退団と今野の長期離脱によりクルピ前監督は当初市丸瑞希と福田湧矢をボランチにして遠藤をトップ下に置くシステムも試しましたが、最終的には主に遠藤と3月に獲得したマテウス・ジェズスのダブルボランチを採用。詳しくは上にも貼った以前のブログを見て欲しいのですが、明らかに守備面で不安が大きかったのが実情でした。マテウスはマテウスで良い選手だったんだけどね…。
宮本監督就任以降は、マテウスの退団もあって遠藤の相方には主に高宇洋を起用。ダブルボランチの役割を遠藤が攻め、高が守備とハッキリさせた事で遠藤の負担は若干軽減され、守備のバランスも少し向上します。結果的に高をこのタイミングから使って遠藤と組ませていた事がで、今野復帰後の流れがスムーズに進み、効果が発揮される為の土台作りも出来ていた事になります。
そしていざ今野が復帰すると、大雑把な役割こそ高と同じですが、一つ目に挙げた今野の能力もあって戦術的に圧巻のブラッシュアップを果たす事が可能になった…という訳です。今野が守備に於けるタスクを殆どこなしてくれるお陰で遠藤はゲームメイクなどの攻撃の仕事に専念する事が可能になり、分業制としてはお手本のような形を実現する事が出来るようになりました。
三つ目の要因は一つ目、二つ目ともリンクしますが、今の今野は遠藤とのボランチの補完性のみならずチーム全体の守備バランスの整備にも大きな役割を果たしていると言えます。
前述の2017年の今野は、井手口がいた為ダイナモが2人居たので積極的なダイナミックな動き攻撃参加を井手口と交互にやっているような感じでした。
一方で2018年版の今野は攻め上がりは抑えている代わりに守備陣全体のバランスを整え、圧倒的な戦術眼とポジショニングでチームとして押さえておきたいところを漏れなく押さえていますし、前半戦に多く見られたセンターバックがノープランで釣り足されるシーンというのも著しく減っています。逆に言えば、万が一残り5試合で今野が再び怪我でもすればガンバ史上最大とも言っていい危機に陥る可能性すらあるかもしれません。
高の守備力も中々鋭く、これからのガンバを担うに相応しい期待の選手である事には間違いありませんが、やはり今野と比較するとその差は現段階では相当大きいと言えます。逆に言えば、高には今野がいるうちに最高のモデルケースから色々吸収して、近い将来には是非今野を超えるような選手を目指して欲しいです。
思ってたより長引きましたね…。という訳で急遽2部制にします!
続きは次回!!
ではでは(´∀`)