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寸分の狂いはいつしか…〜清水エスパルス、ヨンソン監督解任に思ふ〜

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これ好きなのは凄い好きなんだけど、なんでマクドって変に名前変えちゃうんだろう…。

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日はJリーグの監督交代についての話題です。今季は外国人指揮官の退任・解任が相次いでいますが、そんな中、またJ1に新たに監督交代を行なったチームが。5月12日、清水エスパルスがヤン・ヨンソン監督の退任を発表しました。

 

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事実関係を改めて振り返ると、今季の清水は開幕から6試合勝ちが無く初白星を挙げるのがJ1チームで最も遅いなどスタートダッシュに失敗し、第7節磐田戦での初勝利から第8節C大阪戦の連勝で持ち直したかのように見えたものの、そこからは再び3連敗、それも3戦とも無得点&複数失点という有様で、5月12日にホームで0-4で敗れた第12節川崎フロンターレ戦終了後、クラブはヨンソン監督の退任(事実上の解任)を発表しました。

後任には、当初は代行監督として発表されていた篠田善之コーチが正式に監督に昇格する事となり、篠田監督にとってはアビスパ福岡FC東京に続いて3チーム目の指揮となります。ちなみに3チームとも全て途中就任です。

 

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今季の清水といえば、開幕前は優勝争いまでは予想されていなくても、比較的期待されていたチームの一つだったと思います。2018年から就任したヨンソン監督の下で昨季は8位になるなど、2017年は最終節まで残留争いを繰り広げていた事を考えると相当躍進しました。

選手に関しても白崎凌兵は退団したものの、アジアカップにも出場した北川航也を筆頭に松原后や金子翔太東京五輪世代である立田悠悟といった日本人選手が大きく成長。更にドウグラスファン・ソッコといった実力のある外国人選手も擁しており、ここに川崎の連覇に多大な貢献を果たしたエウシーニョの補強に成功。2016年から2シーズン指揮を執った小林伸二監督が若手を鍛え上げ、ヨンソン監督がそこに外国人助っ人を上手くミックスして融合させるなど、2018年の躍進に繋がるプロセスも突然変異では無くきっちりと線が通っていた事もあり、今年こそは本格的に躍進を目指してみようじゃないか、そんな期待を抱いていた清水ファンや関係者は多かったと思います。

 

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しかし、まず最初に事態が変わったのは開幕前…昨季は北川とのツートップで凄まじい破壊力を見せたドウグラス不整脈と診断されて一時帰国を余儀なくされます。アジアカップでも露わになっていたように、北川は独力で打開出来るタイプではなく、周囲とのコンビネーションや役割をある程度集中させるタイプのFWでもある事から、攻撃のパターンがここで一つ縮小される事になりました。

更に、補強の目玉であったエウシーニョまで開幕前に負傷してしまって合流が遅れた為、開幕から数試合は3バックも採用するなど試行錯誤が続く日々。加えて、エウシーニョを含めて3人の外国籍選手を獲得するなど、精力的に動いたように見えた清水でしたが、シーズンが始まれば獲得した選手の効果よりも居なくなった選手の影響に苦しむ事になります。

まずDFラインは、昨季はレギュラーを務めていたフレイレを放出してヴァンデルソンを獲得したものの、そのヴァンデルソンが中々フィットし切れないまま。更に守備の話をすると、エウシーニョの獲得は立田を本職のセンターバックで起用したいという狙いもありましたが、結局エウシーニョが不調を脱せていない事もあって、それも今のところ効果的に機能しているとは言えない状況で、今季のJリーグで守備崩壊といえばガンバ大阪ヴィッセル神戸を連想しますが、清水の失点数はこの2チームよりも多い状態となってしまっています。

 

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じゃあ攻撃はどうかと言うと、ドウグラスが予想よりも早く復帰した事は朗報でしたが、昨季のようなコンディションは取り戻せていません。更には北川にせよドウグラスにせよ鄭大世にせよ、彼らは個人で打開や組み立てが出来るFWではなく、誰かと組ませる事やパサーを確保する事で大きな力を発揮するタイプのFWですので、全ての流れがガッチリ嵌らないと孤立してしまう展開が続いています。

そして昨季は、この3人のFWを大いにパサーとして活かしていた白崎の退団がここで大きく響き、新加入の中村慶太や金子翔太は良い選手である事には間違いありませんが、彼らもパサーではなくアタッカータイプの選手の為、ロングパスから裏に抜け出すやり方かサイド攻撃でしか攻撃が進まなくなってしまっているのが今の清水で、これがハマった試合は良いサッカーを見せているのですがそう毎試合ハマる訳でも無く、しかも白崎を欠いてエウシーニョも不調である事から、サイド攻撃をしようにも良い形でボールをサイドに供給できる選手がおらず、今季の清水の攻撃はカウンター攻撃でアタッカー陣のスピードに賭けるか、サイド攻撃のピースが全てピタリとハマった数少ない瞬間に賭けるしか無くなっています。

結局のところ、攻撃が噛み合うかどうかのガチャのような確率に全てを委ねるような形になっているので、この順位に陥る事は必然だったと言えるかもしれません。また、機能し始めていたヘナト・アウグストも負傷離脱を余儀無くされ、今季は開幕から殆どベストメンバーが揃っていない状況です。その点では、ヨンソン監督の方針か、昨季は殆どレギュラーを固定して戦った事による弊害も少し出ている事も考えられるでしょう。

 

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今回のヨンソン監督の解任に関しては、成績的に致し方ないかなという感想と同時に、サガン鳥栖のカレーラス監督のケースと比較すると少し同情というか、不運なところもあったと言えるでしょう。

昨季の指揮を見れば、ヨンソン監督は少なくとも所謂「無能」という訳ではない事は確かですし、今季に関しても、ドウグラスエウシーニョの合流が遅れた事でチーム作りが停滞し、やっと形になり始めたところで新たなキーマンになっていたヘナト・アウグストも負傷離脱するなど、チーム作りが滞る要因は多々ありました。加えて、第9節浦和戦でのPK疑惑、第10節鹿島戦でのノーゴール判定など、今年の清水は他のチームよりも判定に苦しめられた率が若干高く、それで流れが変わってしまった、結果に直結してしまったというアンラッキーな部分もあったと思います。

結局のところ、采配や戦術面、そして選手編成などのミスや負傷などのアクシデント、そして誤審という不運な要素…これらの小さな歪みの一つ一つが積み重なった結果が、今回の解任という結果だったのではないかと。

 

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攻撃の停滞はヨンソン監督が残留を熱望していたという白崎の退団も大きな原因でしたし、選手編成の部分も含めて「監督にも責任はあるし仕方ないけど、監督だけの責任でもない」というところが妥当な評価なのではないでしょうか。ただ、広島や清水1年目での仕事ぶりを見るに、どこかしらのタイミングでヨンソン監督を招聘しようとするJリーグクラブはそこそこいそうな気はしますけどね。

 

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ヨンソン監督が試合後に出てきて清水サポがヤンヨンソンコールする一連の流れは他チームファンですが結構好きでした。

ではでは(´∀`)