余談だけど今日の決勝戦は15年前のJ2の首位と最下位。
どーもこんばんは
さてさて、本日のマッチレビューは2019JリーグYBCルヴァンカップ決勝、北海道コンサドーレ札幌vs川崎フロンターレの一戦です。
遂にやってきましたルヴァン決勝!!今年の対戦カードは2016年にJ1復帰を果たしてから、2018年にはミハイロ・ペトロヴィッチ監督が就任して4位に躍進するなど、強豪クラブへのステップを1歩ずつ歩もうとしている北海道コンサドーレ札幌。対するは2017年、2018年とJリーグを連覇しているものの、ルヴァンカップでは過去4回決勝戦で涙を飲んでいる川崎フロンターレの対決となりました。どちらも勝てばリーグカップ初優勝。どちらが勝っても、クラブとJリーグの歴史に新たな1ページが刻まれます。
ちなみに札幌はクラブ史上初の決勝戦。
両チームスタメンです。
両チームともけが人の具合が心配されていた中、札幌は10番で主将の宮澤裕樹が欠場。しかし、攻撃の核であるチャナティップは決勝戦でスタメン復帰となりました。
川崎も前節G大阪戦で負傷した登里享平、山村和也、新井章太の出場が心配されていましたが3人ともスタメンに復帰。一方、同じく負傷具合が心配された小林悠はベンチスタートとなっています。
本日の会場は埼玉県さいたま市、埼玉スタジアム2002です。
2013年の決勝を最後に国立競技場が改修に入ったのに伴い、2014年から埼玉スタジアムで行われるようになってから6回目の決勝戦。来年から新国立競技場がオープンする為、恐らく来年からは決勝会場が新国立に戻る事が予想されるので埼スタ開催は今回が最後かもしれません。
決勝戦とは堅い試合になりがちですが、今年の決勝は攻撃なチーム同士の対戦とあってか早い時間にスコアが動きます。10分、札幌は左サイドから大きくサイドチェンジをすると、右サイドでボールを受けた白井康介がそれを深い位置はクロス。このボールを左サイドの菅大輝がボレーで合わせて札幌が先制!札幌ユース育ち、今年は日本代表にも選ばれた菅の、左→右→左というダイナミックな攻撃で札幌が先制点を奪います。
思えば2017年の決勝でも開始早々の失点が尾を引いて敗れ去った川崎は、少なくとも前半のうちに同点には戻しておくべく攻勢を強めていきます。しかし19分、阿部浩之のクロスからレアンドロ・ダミアンが決定的なシーンを迎えますがこれはポスト直撃。24分には大島僚太のミドルシュートもGKク・ソンユンに阻まれる苦しい展開に。
前半44分には家長昭博のクロスから脇坂泰斗が頭で合わせますが、これもポスト。嫌な空気が漂い始めた川崎でしたが、しかし前半アディショナルタイム、脇坂のコーナーキックにL・ダミアンが僅かに触れると、ファーサイドで待っていた阿部が冷静に叩き込んで川崎が同点ゴール。川崎が5度目の決勝にして初のゴールを挙げ、前半は1-1の同点で終えます。
後半戦は動きが激しかった前半よりはやや落ち着いた試合展開になっていきます。ですが試合の流れは徐々に川崎に傾いていき、札幌の攻め手は鈴木武蔵と、途中出場で入ったアンデルソン・ロペス、ルーカス・フェルナンデスのスピードを活かしたカウンター攻撃に委ねる形に。
そんな中、川崎は中村憲剛と小林悠という川崎の象徴のような選手を投入。87分に札幌の鈴木武蔵に訪れた決定機を回避するとその直後の88分、大島の絶妙なパスから札幌の3バックの間を絶妙に抜け出した小林がゴールに流し込んで川崎が土壇場で逆転に成功!!
後半は押し込まれっぱなしで攻める機会が少なかった札幌は、アディショナルタイムの目安時間4分を過ぎたところで最後に攻め込むと、鈴木がサイドで粘ってコーナーキックを獲得。GKク・ソンユンも攻撃に参加して最後の攻撃を仕掛けた札幌…するとなんと、絶体絶命の状況の中から福森晃斗の蹴ったボールを深井一希が頭で合わせて札幌劇的同点弾!!
札幌を救ったのはこれまた札幌ユース育ちのボランチでした!!ラストワンプレーでスコアを振り出しに戻し、白熱の試合は延長戦へ!
勢いとは恐ろしいもので、後半は打って変わって札幌が川崎を押し込み始めます。すると99分、抜け出したチャナティップを谷口彰悟が倒して札幌が絶好の位置でフリーキックを獲得すると、VARの末に谷口には一発レッドカード。そして…Jリーグで最も優秀なプレースキッカーとも言われている、かつて川崎に所属していた福森がこのフリーキックを鮮やかに、まあ実に鮮やかに叩き込んで札幌再逆転!!
打って変わって絶望的な展開で延長前半を終えた川崎。しかしドラマはまだまだ終わりませんでした。今度は109分、中村のコーナーキックが流れたところを山村和也が折り返すと、これにまたしても小林が反応し川崎が再び同点!もう訳のわからんシーソーゲーム状態。令和最初の決勝戦は、遂に史上最高レベルの激戦へと進んでいきます!
そしてその後試合は一進一退。120分の激闘は3-3。攻撃的なサッカーを信条とするチームの戦いらしく、手に汗握る撃ち合いの行く末はPK戦に委ねられます。
川崎の先攻で始まったPK戦は両チーム、3人目までが成功。すると川崎の4人目、車屋紳太郎がクロスバーに当ててしまって札幌がアドバンテージを得ますが、これを決めれば札幌勝利…という場面で今度は札幌5人目、途中出場の石川直樹のキックがGK新井に止められてしまいます。
川崎6人目の長谷川竜也がきっちり決めると、札幌の6人目は進藤亮介。しかしそこに立ちはだかったのは、東京Vで戦力外通告を喰らい、トライアウトの末に第4GKとして川崎に加入し、そして今季31歳となるシーズンでようやく守護神の座を掴み取った苦労人、新井章太でした。進藤のキックをキャッチした瞬間試合終了。PK戦にまでもつれ込んだ激突を制し、令和で初めてトロフィーを空に掲げたJリーグチームとなったのは川崎フロンターレでした!!
いや、素晴らしい試合でした。
さすがにガンバの試合は個人的感情が入るので別カウントとすると、中立な立場で見るルヴァン決勝では過去一番面白かったです。
川崎にとって、今回の決勝は過去の決勝よりも意味が重かったと思うんですよ。これまでの決勝は川崎にはタイトル経験が無かったので、ただただシルバーコレクター…というレッテルが貼られるだけでした。しかしJリーグ連覇を達成し、タイトルホルダーとなってから初めて挑むこの決勝は、川崎がこれからタイトルを継続的に獲得するのに相応しいチームかどうかを試されるような試合だったと思いますし、そしてその資格はある事を自分達で証明してみせたと思います。
そして札幌も非常に素晴らしかった。結果として、延長戦で両チーム消耗し始める中で一人少ない相手を崩し切れなかった事は痛感だったかもしれませんが、今日の試合の内容と経験はもちろん、今日に至るプロセスは今、まさに成長過程を歩むチームにとって大きな財産となった事でしょう。今日の敗北はもしかするとある種の足止めに感じたかもしれませんが、今日の敗戦もまた一つのステップです。
例えば、ガンバも決勝の舞台で千葉相手にPK戦で敗れたあの日からタイトルホルダーと呼ばれる道は始まりました。その千葉にしても、磐田のようなタイトルホルダーも、そして今日の川崎も…準優勝という「ネガティブに見られがちな大きな成功」から飛躍している訳で、今彼らが正しい道の上を走っている事に変わりはないんですから。
とにかく、両チームともお疲れ様でした!
関係ないけど、今日みたいに決勝戦で色合い大丈夫な時はどっちも1stユニでやって欲しかったりする。
ではでは(´∀`)