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宮本のガンバの最適解〜ガンバ5連勝を紐解く〜後編・チームとしての成立

今更だけども何をどうやったらアミティエがおこしやすに変わるんだろう…

 

どーもこんばんは

 

さてさて、今回は前回の続きです。

一時期は降格有力候補とまで言われながらもここに来て5連勝を飾ったガンバ大阪前回は今野泰幸の復帰がもたらした影響という面だけで終わってしまったので、今回はチーム全体の観点から紐解いていきたいと思います。

 

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前編を見ていない方は、冒頭だけでも其方から見てもらえると嬉しいナー。では早速参ります。

 

 

 

②スタメンのパターンの固定化

 

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「スタメンの固定化」というとややネガティブなイメージが付きがちですし、固定されすぎはマンネリや欠場者が出た時の影響は多大になりますが、大概上手くいっているチームはスタメンがある程度固定化されているのも事実です。

 

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宮本監督就任以降、7〜8月のガンバはスタメンをかなり試行錯誤していました。米倉恒貴を右サイドハーフで使ってみたり、三浦弦太サイドバックにスライドさせてみたり、3バックも試してみたり…。

 

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第25節川崎戦から始まったこの5連勝ですが、3バックを採用した川崎戦はどちらかと言えば川崎対策の側面が強かったので26節の神戸戦の後半辺りから今のガンバの最適解と呼べるメンバー構成のパターンに辿り着きます。

 

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このフォーメーションの肝は何と言ってもボランチで、前回のブログでも述べた遠藤の負担だけでなくDFラインの負担も今野復帰で軽減されており、ここに来て藤春廣輝オ・ジェソクの両サイドバックも好調を維持していますから、センターバックに頼りすぎない守備」というものが実現出来ていると思われます。

 

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また、倉田秋と新加入の小野瀬康介の両サイドハーフも豊富な運動量と積極的な仕掛けを見せてくれているので今や攻撃に欠かせない存在。2人とも中に切れ込む事も出来るので両サイドバックの攻撃参加を促す事も出来ますから、後述する渡邉千真の獲得や前回のブログで述べた遠藤保仁が攻撃に専念出来ているなどの観点から円滑な攻撃が進められる土台が確立出来ていると言っていいでしょう。

 

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それに加えて、後述しますが絶対的なエースストライカーであるファン・ウィジョを出場停止で欠いたC大阪戦では、代役のアデミウソンがきっちりとその穴を埋めて不在の悪影響はそこまで感じる事なく勝利しました。

 

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勿論それはアデミウソンのクオリティーが高く、最近はコンディションとキレ取り戻して来た事も要因ですが、最も大きな理由と言えるのは「基本的にファン・ウィジョとアデミウソンの戦術的な役割は同じ」というところが大きく、ストライカーとしての決定力という面でウィジョが上回っているから先発という事であって戦術的役割としては2人とも十分に果たせると考えられます。

 

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モバサカとかWebサカをやっている人はわかるかもしれませんが、今のガンバはモバサカやWebサカに出てくるようなフォーメーションの様子を確立していて、ウィジョとアデミウソン以外にもファビオと菅沼駿哉小野瀬康介藤本淳吾、両サイドバック米倉恒貴辺りは戦術的役割は同じと言っていいと思います。

 

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そうなってくると今のガンバで絶対に欠かせない存在と言えるのがボランチの2人と倉田秋渡邉千真です(東口順昭は言うまでもなく絶対的過ぎるので別枠。)。倉田は途中で下がる事も多いですが、試合のスタートからこの4人の内誰か1人でも使えないという事態が起きればかなりピンチと言えるでしょう。今のガンバにとってこの4人は戦術的にも替えが効かない存在となっていて、逆に言えば明確なキープレイヤーを作れた事がガンバの5連勝の大きな要因の一つとも言えます。

 

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就任当初は交代カードを矢継ぎ早に切っていた宮本監督ですが、スタメンが固定化されてからはスタメンをある程度引っ張るようになってきています。これ自体については見る人次第で好みの分かれるところではあると思いますが、今のスタメンに手応えを感じているからこそである事は間違いでしょう。

 

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渡邉千真の獲得

 

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昨今のガンバのフロントには言いたい事が山ほどありますし、今回の監督人事にしても宮本監督が頑張っただけでフロントの功績ではないというのはガンバファンの総意だと思います。ですが長沢駿を失う痛手はあったとは言え渡邉千真の獲得は今野の復帰の次くらいに大きな意味がありました。

 

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以前書いたブログにも書いたのですが、単純に個人能力で言うなれば今のガンバのFWのファーストチョイスは間違いなくファン・ウィジョ。そしてセカンドチョイスはアデミウソンという序列です。そうなると本来はウィジョとアデミウソンのコンビが一番理想的になるのかもしれませんし、実際に1620節まではこのツートップを採用しました。

 

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ですがウィジョもアデミウソンもゴリゴリのアタッカータイプの為、この2人をコンビにするとお互いの良さと個性を潰しあってしまう嫌いがありました。実際にウィジョが前半戦でゴールを量産していた時は大概ワントップ、もしくはツートップの相方が長沢駿だった時です。

 

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前半戦はアデミウソンが負傷離脱していたので、単にファーストチョイスがウィジョと長沢のコンビになっていましたが、一つ大きな契機となったのがウィジョがアジア大会で欠場した21節のFC東京戦。この試合のツートップはアデミウソンと、前線で体を張ってボールを収める事の出来るタイプの一美和成でした。

 

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この試合で一美と想像以上の補完性を見せ、今シーズン怪我の影響もあって不調が続いていたアデミウソンはキレッキレの動きを披露。ツートップの組み合わせに於いて明確なヒントを見出したガンバは一美や長沢の系統の上位互換とも言える渡邉千真を獲得。これが大いにハマり、ウィジョの復帰によって全てが完成した感がありました。

 

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前述のように、ウィジョが出場停止で欠場したC大阪戦は不安の声もありましたが、勿論ウィジョの決定力や勝負強さを失う事の痛手は感じていたとは言えども個人的にはそこまで不安ではありませんでした。

 

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それは前述の戦術的役割はウィジョとアデミウソンは同じという点であり、今のガンバは「ウィジョを欠いてはいけない」というよりは「ウィジョorアデミウソン+渡邊」のツートップを崩してはいけない、という方が重要なんじゃないか、と思っていて、それを前提とした一番良い組み合わせがウィジョと渡邊のツートップなんだと思っています。

 

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本来であればウィジョとアデミウソンの共存方法を見つけられればそれがベストかもしれませんが、今のガンバにとってはこの組み合わせこそが黄金比であり、渡邊の補強はどストライクだったという事です。

 

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前回のブログを含めて、ここに来てのガンバのV字回復は主に以上の3つの観点と、以前のブログで挙げた長所に依るものが大きいと思っています。

今野、ウィジョの復帰や渡邊、小野瀬の獲得などもありましたが、やはり組織性が皆無になりつつあったチームをここまで回復させた宮本監督のここまでの仕事は十分に評価されるべきでしょう。

 

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しかし混戦模様のJ1では肝心なのはここから。今年のガンバは、上位チームよりもむしろ下位チームとの対戦の方が勝てていないので、これから相次ぐ残留争いチームとの直接対決に確実に勝って行かなければなりませんし、今のガンバなら十分に可能だと思っています。

そして来年こそ……全てのガンバファンの夢である、宮本恒靖監督の下でタイトルを掲げるその姿につながるような試合を見せて欲しいです。

 

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残り5試合、応援あるのみ。

ではでは(´∀`)