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最後に言わせて、マンデー・セレクション〜名古屋グランパス、風間八宏監督退任報道に思ふ〜

皆さんシルバーウィークどうお過ごし?

 

私は今更FIFA18を楽しんでいたよっ♡

 

どーもこんばんは

 

さてさて、今年は例年に比べて監督交代の実に多いJ1リーグでございます。神戸のファン・マヌエル・リージョ監督→吉田孝行監督の人事に始まり、鳥栖のルイス・カレーラス監督→金明輝監督、清水のヤン・ヨンソン監督→篠田善之監督、浦和のオズワルド・オリヴェイラ監督→大槻毅監督、磐田の名波浩監督→鈴木秀人監督…更に神戸と磐田はここから更にお代わりして、トルステン・フィンク監督、フェルナンド・フベロ監督を就任させるなど、5チーム7度の監督交代を行なっていました。これは2017年の7チーム8度の監督交代に迫る記録的なペースになっています。

 

 

 

そんなある日、なかなかにヘビーな報道が。

 

 

 

名古屋グランパス風間八宏監督解任。

 

 

 

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現時点で正式な発表はクラブから出てはいませんが、取材に応じた小西工己社長のコメント、解任報道の出た翌日(9月21日)に行われた名古屋のファン感謝祭に風間監督が姿を現さなかった事、9月22日に名古屋市内で予定されていた風間監督のトークショー&サイン会が中止になった事から解任は確実視されており、報道が出た事で正式発表は先延ばしになっている感があります。後任に関しては、FC東京鳥栖で指揮を執ったイタリア人のマッシモ・フィッカデンティ監督が既に名古屋入りして契約の細部を詰めている…という具体的な報道もされていて、フィッカデンティ監督就任が実現するかどうかは別としても風間監督解任は間違い無いと見ていいでしょう。

 

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風間監督というのは元々、非常に賛否両論の強い監督でした。独自のサッカー理論を持っている指導者である為、2012年途中に就任した川崎でもずーっと何かと議論されてきており、ファン、サポーターの間でも結構支持派と不支持派が分かれやすい監督の代表格と言えます。

名古屋の監督には2017年、J2降格を余儀なくされたチームを再生する為に招聘されました。しかし、J2では圧倒的な戦力を有しながら、1年でのJ1復帰は果たしたものの4位でプレーオフの末のJ1昇格という何とも微妙な結果に。そして昨年は連敗と連勝を繰り返しながらもシーズンを通して低迷し、最終節のアディショナルタイムに磐田が失点を喫した事でようやくJ1残留を掴みとりました。

今季に関しても、スタートダッシュこそ好調で、横浜FMや大分、広島らと首位FC東京を追撃するグループにいたはずだったのに、いつからかあれやこれやと一気に低迷。後半戦は1勝3分5敗、しかも第12〜第21節まで10戦勝ちなしを喫するなど、順位だけ見れば11位と中位ではありますが勝点は15位と同じ…そう、またしても残留争いに巻き込まれてしまったのです。

名古屋というチームはバックに世界のトヨタが付いており、資金力はJリーグの中でも屈指。それもあって2017年にはガブリエル・シャビエル、2018年にはオーストラリア代表のミッチェル・ランゲラックに、ブラジル代表としてブラジルW杯にも出場したジョーを獲得。それ以外にも、ジョアン・シミッチやエドゥアルド・ネットといった外国人選手に加え、丸山祐市米本拓司太田宏介などの日本代表経験のある選手も獲得。名古屋フロントからすれば、風間監督になってから補強費だいぶ注いだのにずっと残留争いやないか!と言いたいところでしょう。何かとゴタゴタな話は耳にする名古屋フロントですが、まぁそれはごもっともだと思います。

 

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風間監督解任に関しては、遅いという意見もあります。優勝しての昇格を目標にしていた2017年のJ2では優勝どころか自動昇格も逃し、2018年はギリギリもギリギリでの残留。で、今年の10戦勝ちなしで優勝争いからまさかの残留争い緊急参加…。「もっと切るべきタイミングはあっただろう?」という声も色々見えますが、遅くなった理由は2つ考えられます。

一つは単純に、今季序盤の調子が良かったという事。昨季のスタートダッシュは2連勝止まりだったので序盤戦の調子が良かったとは言えませんでしたが、今季の序盤戦の名古屋は確かに強かったです。風間監督の率いるチームでいつも懸念される守備面もジョアン・シミッチ、米本拓司のWボランチで安定し、ゴールデンウィークまでの名古屋は確かに強いチームでした。第12節の川崎戦なんか「超ハイレベルな一戦」と言われたほど。しかし米本や丸山の怪我もあって一気に不振に陥ると、ボランチで好パフォーマンスを見せていたシミッチのCB起用なんかもあったりして、第17節神戸戦に代表されるような風間サッカーのやらかし試合も発生し、フロントの考える頭の中で「風間貯金が尽きた」という結論に至ったのが今だったんだ思います。

 

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もう一つは、名古屋はそもそも風間監督を招聘した時点で川崎パターンを目論んでいたであろう事です。

風間監督は2012年途中から川崎の監督に就任しましたが、2012年は中途半端な成績を残し、2013年もスタートダッシュに失敗しました。2013年のシーズン当初、風間監督への批判は凄まじいものがあったのを覚えている方も多いでしょう(確かに風間監督に非があった部分もあるけど)ただ、この時の川崎はジュニーニョ鄭大世らが抜けた関塚隆監督時代の輝きが終焉を迎えており、再びただの中堅クラブになりかけていた時でした。しかしこのシーズンの後半から調子を上げて2013年シーズンを3位でフィニッシュすると、2014年2015年も上位をキープ。そして2016年は優勝まであと一歩に迫るなど、川崎を魅力的な独自のサッカースタイルを築いた上で優勝争いのゾーンへと引き戻し、2016年に退任はしましたが、今日の川崎のベースを作ったのは間違いなく風間監督です。川崎も批判されて批判されて、今の形になった部分がありますから、名古屋としても我慢出来るところまで我慢した結果が今だったのでしょう。

とはいえ、残留争いに巻き込まれた今、色々精査した時に風間監督にとって情状酌量の余地と言える成績のアピールポイントは名古屋で残せていなかった為、この人事は仕方ないものであるとは思います。

 

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ただ、一つ気になるのは後任監督で、後任監督はマッシモ・フィッカデンティ監督が就任する事が濃厚との事です。

フィッカデンティ監督というと、イタリアで指揮を執っていた頃から日本通として知られ、長友佑都セリエAに導いた人物としても有名です。その後、FC東京鳥栖で指揮を執り、2015年にはFC東京のクラブ最高順位となる4位を記録し、鳥栖でも2016年2ndステージでは優勝争いに絡み、2017年には一桁順位になるなど、2018年は成績不振で途中解任されたもののまずまずの成績を残しました。というわけで、それなりの実績もあり、Jリーグの事も分かっていて、かつある程度の腕は保障されているという意味では、シーズン途中の…しかも中途半端な時期に呼べる監督してはハイレベルな監督を連れてきた事は確かです。

守備構築には定評のある監督なので、これまでよりも名古屋の攻撃力は落ちるかもしれませんが、無謀に勝ちを狙うというよりは取れる勝点1を確実に取るタイプである監督の就任は豊富な戦力を有して11位につける名古屋にとって、それだけを見れば今の状態で残留を果たすには良いチョイスと言えるかもしれません。

 

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ただ、問題は風間監督とフィッカデンティ監督のスタイルが余りにも真逆過ぎるという事。風間監督を招聘した時点で名古屋は、川崎みたいに…というか、川崎のようにチームスタイルを構築した上で強豪に戻る事を目指して、その為に風間監督を呼んだのでしょうが、その真逆のスタイルであるフィッカデンティ監督の招聘はある意味で風間監督の2シーズン半を全否定する事にもなります。近年、名古屋フロントのチグハグさは色んなところで議論されていますが、フィッカデンティクラスの監督を2〜3ヶ月の使い捨てにするとも考えにくいし、じゃあ長期で監督を務めさせるとしたら、これまでの2年半、風間監督色のチームを作る為に、風間監督の意向に沿った強化策を示して、その為の投資もいっぱいしてきたのに真逆も真逆のタイプの監督にバトンタッチして結局名古屋が目指してるのって何なの?という感情を抱いてるJリーグファンは多いと思います。言ってしまえば、一軒家を建てるつもりで土地を購入し、資材を購入し、もう1階部分を組み立てたのに「やっぱマンション建てるわ!」って言ってるようなもので。解任自体は仕方ないと思うけどね…。

何にせよ、いろんな意味で見どころのあるチームなのが名古屋なので…これからどうなるかは気になるところではありますが…確かに、攻撃偏重監督の後に守備的監督が来たら上手くいく事はありますが(広島とか川崎とか)…果たしてどうなることやら…。

 

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マンデー?

セレクション。

ではでは(´∀`)