日付変わりまして本日五輪サッカーメンバー発表。
どーもこんばんは
さてさて、本日のマッチレビューはUEFA EURO 2020 グループC第3戦、ウクライナ代表vsオーストリア代表の一戦です。
既にオランダの首位通過と北マケドニアの最下位が決定済みのグループC。残る焦点は2位か3位か、そして同じ勝点3を持つものとしての直接対決が実現しました。
オーストリアとウクライナ……共に勝点3。両者ともにオランダに敗れ北マケドニアに勝利しているので、直接対決や得失点差も意味を為さない状況が出来上がりました。文字通りこの試合は勝った方が2位。勝った方が決勝トーナメント進出確定……そんな試合です。逆に敗れたチームは3位に回り、即敗退にはなりませんが他グループの状況に身を委ねる必要があります。決勝トーナメントとは違うサバイバルマッチ。彼らに取っては決勝トーナメント0回線のようなゲームになるでしょう。ピッチの上で即座に喜べるのはどちらでしょうか。
ちなみに引き分けた場合はウクライナが2位になります。両チームスタメンです。
ウクライナは前節の北マケドニア戦からはアンカーのタラス・ステパネンコをセルギー・シドルチュクに変更した以外は同じメンバーを起用しています。
一方、ここに来て勝負に出たのがオーストリアで、スタメンの変更こそオランダ戦から2人のみですが、システムをこれまでの3-1-4-2から4-2-3-1に変更。3バックの真ん中に入っていたダビド・アラバも左SBになり、WBだったステファン・ライナーは右SBへ、マルセル・ザビッツァーはトップ下へ、FW起用だったステファン・バウムガルトリンガーは左ハーフにポジションを変えるなど選手配置もかなりいじってきました。
本日の会場はルーマニア、ブカレストのアレーナ・ナツィオナラです。
直訳すると「国立競技場」。ルーマニアの首都であるブカレストの、FCSB(旧ステアウア・ブカレスト)やディナモ・ブカレスト、或いはルーマニア代表のホームスタジアムとして使用されているスタジアムで、1953年に開場したスタジアムを取り壊した上で2011年に再オープンしました。ちなみに旧スタジアムの名前は1964年の東京五輪も出場した同国の陸上選手からとったスタディオヌル・リア・マノリウ。
11-12シーズンにはアトレティコ・マドリードとアスレティック・ビルバオが激突したUEFAヨーロッパリーグ決勝も開催。アトレティコが3-0で勝利したこのゲームでしたが、この時はディエゴ・シメオネ監督体制の1年目で、そこから長く続く長期政権の第1章となりました。
前半から攻めたのはオーストリアでした。高い位置での積極的なハイプレスでウクライナのビルドアップをことごとく機能させないようにしながら、ウクライナのラインをどんどん押し下げる事で自分達のペースに試合を持っていきます。先に試合の主導権を握ったオーストリアは21分、遂に焦れたウクライナのミスからCKを獲得すると、このCKをユリアン・バウムガルトリンガーが足の裏で合わせてオーストリア先制!
その後、ウクライナは得点シーンより前の接触の影響でバウムガルトリンガーが負傷退場するアクシデントも発生し、ウクライナもサイドからの早い攻撃を中心に少し盛り返す兆しも見せはしたものの、やはり全体としてはオーストリアが上手く試合をコントロールしていきました。前半終了間際には右サイドからのカウンターで最後はマルコ・アルナウトビッチが決定的なシーンを迎えますが、これは惜しくも枠外。それでも前半はシュート数もウクライナの1本に対し、13本も放ったオーストリアが1点リードで終えます。
シェフチェンコ監督はルスラン・マリノフスキを下げてヴィクトル・ツィガンコフを後半から投入。ボールポゼッションは少し高まったウクライナは1点でも獲得出来れば決勝トーナメント進出を確定でき、ワイドにボールを振りながらオーストリアの隙を作ろうとしますが、システムを変えたオーストリアも一人一人の守備での役割がはっきりきた事で上手く嵌め込んでいきます。
オーストリアは最後まで高い集中力を保ち続けて、ウクライナにつけいる隙を寸分すら許しません。そうしているうちにウクライナの攻撃パターンはサイドに持っていて早い段階でクロスを上げるしか無くなっていき、支配率こそ高くなったものの終盤は少し苦し紛れ気味な攻撃に。
結果、前半の前半を制圧した形になったオーストリアがそこでもぎ取った1点をきっちり守り切って見事勝利!オーストリアはグループ2位で決勝トーナメント進出が決定。一方のウクライナは3位で他グループの結果を待ちます。
オーストリアからすればしてやったりもしてやったりな勝利だったでしょうね。ゴールこそセットプレーの一発でしたけど、システム変更によってチャレンジ&カバーの関係をいつもよりもはっきりさせた分、これまでの試合以上に前に行きやすくなると同時にコンパクトな陣形を常にキープ出来ました。前半終了間際にチャンスを多く作ったようにカウンターの切れ味も見事でしたね。システム変更に踏み切ってパーフェクトな内容と結果を掴み取ったフランク・フォーデ監督からすればもう気持ち良いったらありゃしない結果だった事でしょう。
ウクライナ視点で見れば、別に開始早々に失点した訳ではないですけれど「出鼻を挫かれた」という言葉が一番しっくりくるのでは。オーストリアの圧力に負ける形で後手に回ってしまい、ポゼッションや走行距離、パス数のスタッツは全て上回ったにも関わらずシュート数はウクライナの5本に対してオーストリアは19本だった…これはこの試合のオーストリアの効率性を如実に物語るデータだったと思います。
グループC順位表
1位 オランダ(9)+6
2位 オーストリア(6)+1
3位 ウクライナ(3)-1
4位 北マケドニア(0)-6
前節の時点で首位通過を決めていたオランダは最終節も3-0で快勝。逆に北マケドニアは全敗となってしまいました。尚、この試合で北マケドニアのゴラン・パンデフは代表引退となりました。
2位で決勝トーナメント進出を決めたオーストリアはベスト16では3戦全勝のイタリアと対戦。一方、3位に入ったウクライナは他のグループの結果を待つ事になりますが、既に3位が確定しているスイス(勝点4)よりは下につけています。
もう今日からACLか…。
ではでは(´∀`)