ラグビー寝過ごした
どーもこんばんは
さてさて、本日のマッチレビューはUEFA EURO 2020 ベスト16、イタリア代表vsオーストリア代表の一戦です。
さぁ、いよいよ決勝トーナメントです!ここからは負けたら終わり……文字通り、大会の面白さが凝縮された季節が始まっていきます。ノックアウトステージ開幕です!
グループステージの3試合を見た時、最も調子が良いと言えるチームはベルギー、もしくはイタリアの2チームでしょう。その中でもロベルト・マンチーニ監督率いるイタリアは3連勝かつ全試合完封勝利…ここまでは文句のつけようがない成績で、個々の選手の調子も良く、内容的にも非常に充実していた事から一気に優勝候補としての地位を高めた感があります。
一方、グループCに入ったオーストリアはオランダには敗れたものの、文字通り「勝った方が2位」というシチュエーションになったウクライナ戦ではフランコ・フォーダ監督のシステム変更がバッチリはまって1-0で勝利。同国史上初となる決勝トーナメント進出を決めています。安定した勢いを持つイタリアか、最後に良い流れを作り出してベスト16に挑むオーストリアか、二つの「勢」のぶつかる注目対決です。
両チームスタメンです。
第3戦のウェールズ戦の時点では突破を決めていたイタリアはウェールズ戦では主力の多くを休ませていました。そんな中で主な変更点といえば、ウェールズ戦にて怪我から復帰したマルコ・ヴェッラッティが連続でスタメン出場した事、第2戦のスイス戦で負傷退場したジョルジョ・キエッリーニに代わってフランチェスコ・アチェルビが入った辺りでしょう。
一方、ウクライナ戦で3バックから4バックにシフトした事が大きな効果を放ったオーストリアは同じく4-2-3-1、そして同じ11人でこの試合に挑みます。その中でウクライナ戦で決勝点を奪ったクリストフ・バウムガルトナーはその試合で負傷退場した影響もあって試合出場が危ぶまれましたがスタメンの11人に名を連ねています。ちなみに、オーストリアのフォーダ監督の父はイタリア出身とのこと。
本日の会場はイングランド、ロンドンのウェンブリー・スタジアムです。
11ヶ国で開催される今大会では、極力開催国は自国で試合ができる日程が組まれていましたが、決勝トーナメントではその縛りも解除。すなわち、これまでの3試合をスタディオ・オリンピコ・ディ・ローマで戦っていたイタリアにとっては初めてホームではない環境での試合となります。とはいえウェンブリーは準決勝と決勝の会場も兼ねていますから、イタリアとしては準々決勝以外はロンドンでの試合という事になるので、大会を通じての移動が最小限に抑えられた事はラッキーだったと言えるでしょう。
イタリアとオーストリアは過去にW杯で3回の対戦経験があり、1978年アルゼンチンW杯では当時行われていた2次リーグでの対戦でした。結果は今のところすべてイタリアが勝利。オーストリアは歴史を揺るがすことが出来るのでしょうか。
立ち上がりからイタリアのみならずオーストリアも積極的に前に出ていき、思っていたよりもオープンな試合展開になっていました。ですがやはり、時間の経過とともに徐々にイタリアが支配する時間が長くなっていき、それに伴いイタリアのラインがじわじわと高くなっていくと、オーストリアはどうしても自陣内に押し込められていく形になってしまいます。
17分には左サイドを抜け出したレオナルド・スピナッツォーラのマイナスの折り返しにニコラ・バレッラがアウトサイドにかけた強烈なシュートを放ちましたが、これはGKダニエル・バッハマンがナイスセーブ。更に32分にはチーロ・インモービレのミドルシュートがポストを叩くなど、オーストリアも時折鋭いカウンターを見せましたが形勢はイタリア優位。ただ、イタリアも得点を取りきれないまま0-0で前半を終えます。
後半も当初は前半同様の試合展開が続いていました。しかしイタリアは後半は前半ほどシュートにも辿り着けなくなっていき、すると段々オーストリアに押し返されていく時間が増え始めていきます。マルコ・アルナウトビッチやマルセル・ザビッツァーに惜しいシュートが生まれた中で65分、ステファン・ライナーのクロスを上がってきたダビド・アラバが頭で折り返すと、このボールをアルナウトビッチが押し込んでオーストリア先制……と思いきやこれはVARの末にオフサイド。
しかしこのシーンからは完全に試合は五分五分、一進一退という言葉をまさに表したような見応えある攻防戦が繰り広げられます。そんな中でイタリアは67分にマヌエル・ロカテッリとマッテオ・ペッシーナを投入したのを皮切りにアンドレア・ベロッティとフェデリコ・キエーザもピッチに送り込みます。一方、オーストリアは終了間際に負傷交代したバウムガルトナー以外の選手交代はなし。白熱のベスト16はいよいよ延長戦まで突入。
しかし延長後半になると体力的な問題、選手層の差が少しずつ表面化していき、前半同様にイタリアが押し込む時間が長くなっていきました。95分、バックラインからパスを繋いだイタリアはペナルティエリア付近でスピナッツォーラがボールを持ち、ガラ空きになった右サイドへ。ここに走り込んだキエーザがDFを完全に振り切って決め切りイタリアが遂に先制!!
更に105分、インシーニェの折り返しに直前のセットプレーから前線に残っていたアチェルビが巧みなポストプレー。最後はペッシーナが押し込み2点目!交代選手2人の得点でイタリアが一気に突き放します!
延長後半になると、オーストリアは途中出場のサーシャ・カライジッチのゴールで1点を返し、イタリアの連続無失点を12試合でストップさせましたが……反撃はここまで。間違いなく今大会一番苦しんだ試合となったイタリアでしたが、最後は延長戦の2発で見事勝ち切りました!
オーストリアのパフォーマンスも非常に素晴らしく、イタリアにとって苦しい試合だったからこそ今のイタリアの強さを測るには十分な試合だったように思います。後半のイタリアはオーストリアに押し込まれる時間もあって、少しバタついた部分もありましたが……攻撃的なスタイルに転換した中でも従来の粘り強い守備であったり、或いはあの勝負強さだったり、そして途中出場の選手のゴールだったりと、決勝トーナメントを戦う上で追い風になる要素の全てを揃えた勝利でした。準々決勝の相手はベルギーかポルトガルなので非常にしんどい相手にはなるでしょうけど、それでも今の勢いを持ってすれば優勝を非現実的な目標ではないでしょう。
オーストリアは本当に勝利に値するパフォーマンスではあったと思います。ただ、やはりそこは選手層の問題であったり、第3戦でターンオーバーを出来たイタリアとのコンディションの差もあって、延長前半の頭を掴まれてしまったのは難しかったですね。選手交代をしようにも、あの展開では「誰を入れるか」以上に「誰を下げるか」で相当難しくなってしまいますから。……ただ、オーストリアも幻のゴールもあったわけで何がどう転ぶかわかりませんでした。本当に面白い試合でしたね。
マンチーニとかいう典型的なイタリアのイケおじ。
ではでは(´∀`)