RK-3はきだめスタジオブログ

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かくあるべき〜23-24 ラ・リーガ第32節 レアル・マドリード vs FCバルセロナ マッチレビューと試合考察〜

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バルサ、来年の監督どうするのかしら

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューは23-24 ラ・リーガ第32節、レアル・マドリード vs FCバルセロナの一戦です!

 

 

 

昨年夏のマンチェスター・シティ&バイエルン・ミュンヘン観戦日記

 

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さぁ、エル・クラシコです!

…状況としては対照的な状況での対戦となりました。直近のチャンピオンズリーグ準々決勝、前年度王者のマンチェスター・シティPK戦の末に撃破したレアルに対し、バルサパリ・サンジェルマンに屈辱の逆転負け。誰がなんと言おうともこの試合はエル・クラシコ。モチベーションは高くない訳がない。ただその持ち上がるまでの道筋に多少の違いが両チームの間にある事は確かでしょう。

このクラシコを合わせて残り試合は7試合。首位レアル、2位バルサの勝点差は8です。レアルは今日、ここでバルサを撃てば23-24シーズンのラ・リーガはもう彼らのものと言って差し支えのない状況になる。対するバルサは、レアルが昨年9月から半年以上喫していない土をつければタイトルレースを混沌に引き摺り込める。シーズンの最終局面の合法を告げるクラシコ、魂、意地、情熱…双方向からぶつかる白とえんじの風。90分後の結末はどちらに微笑むでしょうか。

両チームスタメンです。

 

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本日の会場はスペイン、マドリードエスタディオ・サンティアゴ・ベルナベウです。

 

 

奇しくも、長い歴史の中では同時期と言って差し支えない時期に大規模改修工事に踏み切った両クラブですが、タイミングとしては先に着工したレアルのベルナベウが今季から稼働しました。新たに近未来的な外装を備え、ピッチの下には芝生を収納できる画期的なシステムを搭載。ギャラクティコスに相応しい目新しさを誇るスタジアムになったのでは。

23-24シーズンは実質的に閉鎖しているカンプ・ノウとは異なり、ベルナベウ改修工事はレアルのホームゲーム開催を行いながら進めていたので昨季もベルナベウでのクラシコは行われましたが、完成した新・ベルナベウでのクラシコはこの試合が初めてとなります。

 

 

立ち上がりはロドリゴとヴィニシウスを大きく開かせたレアルがワイドなカウンターで好機を作ろうとする場面がいくつかありましたが、ファーストチャンスを仕留めたのはバルサの方でした。

7分、右CKをラフィーニャが蹴り込むとファーサイドのクリステンセンが高打点ヘッド!先日のPSGとのCL準々決勝第1戦でもゴールを決めた男はこれが今季リーグ戦初得点。逆転優勝を目指すバルサが先制。

 

 

しかしレアルもすぐさま反撃を仕掛けます。

得点後は立ち上がりの数分間よりもボールを回せていたバルサでしたが、左にポイントを作ってからスペースを確保した右を打開しようと試みたレアルもバルサを刺すような攻撃を展開。その末に18分、左サイドでボールを持ったヴィニシウスはベリンガムに預けるとベリンガムはサイドチェンジ。これを受けたルーカス・バスケスがカンセロをかわしてエリア内に侵入すると、最後はクバルシに倒されてPK獲得!これをヴィニシウスが落ち着いて決めてレアルが同点。バルサはCL準々決勝に続いてPKによる失点を喫する事に。

片一方のサイドにまずポイントを作ってからの打開を図るレアルに対し、バルサはシンプルに個の打開力を持つラフィーニャとヤマルがスピードを持ってボールを終える状態でのサイド突破を試み、そこからクロスやセットプレー獲得に繋げようとする場面が多く見られました。

29分には右CKを獲得すると、ラフィーニャがニアに低い弾道という先制点と真逆のタイプのボールを入れると走り込んだヤマルが上手くフリックするようにシュート。GKルニンがどうにか弾いたボールがラインを割ったか否かの判断はVARの末にノーゴールに。しかしその後もヤマルが2度右サイドを突破して好機を創出。後者はFK獲得に漕ぎ着けるとラフィーニャが良いFKシュートを放ちますが惜しくも枠外。

 

 

 

レアルも同点に追いついてからはバルサのスピード感のある攻撃を受ける場面が続きましたが、対峙するヤマルとの守備での対峙で劣勢に立たされた事も踏まえてか、或いは最初からあのスタンスは一時的なオプションという意味合いだったのか、再びボールを持てる時間が来ると左に重きを置いていたポイントを分散させ、バルサより内寄りの方向ではありながらもどちらかと言えばバルサと近い攻撃スタンスを選択。

前半アディショナルタイムにはレアルは右から細かくパスを繋いだレアルが最後はモドリッチが、バルサギュンドアンが直接FKでフィニッシュに持ち込むも両者共にゴールには至らず。ほぼ前半ラストプレーの時間にはバルサ陣内でのベリンガムのボール奪取からヴィニシウス、ロドリゴと繋いで決定機を迎えますが、ここはクリステンセンのナイスカバーで阻止。前半は1-1で終えます。

 

 

ハーフタイムに入る前の段階で負傷退場となったデ・ヨングに代わってペドリを投入していたバルサは後半開始と共にクリステンセンを下げてフェルミン・ロペスを投入。リーグ戦の状況を踏まえた時、引き分けは実質的に負けに等しいバルサギュンドアンをアンカーに下げて前に打って出ます。

後半開始早々にはヤマル、ベリンガムがそれぞれスキル溢れるプレーからシュートシーンを作りましたがいずれもGK正面。ただ後半はやはりアンカーの位置からゲームを作れるギュンドアンを置いた事と引き換えに守備で強みを出せるクリステンセンを下げた事で中盤の脇のスペース管理が曖昧になり、ロドリゴやヴィニシウスが突きに行くモーションを繰り出しやすい状況に。

 

 

 

それでもバルサは、そしてシャビ監督は64分にラフィーニャレヴァンドフスキを下げてジョアン・フェリックスとフェラン・トーレスを送り込む攻めのカードを切り続けます。すると67分にはGKテア・シュテーゲンがヴィニシウスのクロスをキャッチしたところから一気に前線にスローイングを行うとフェリックスを介してフェラン・トーレスがラインブレイク。バルサの後半最初の大決定機でしたが…ほんの僅かに枠外に(その後オフサイド判定が下る)。

 

 

 

しかしながら、それでもバルサの執念が実ったのは69分でした。フェラン・トーレスのサイドチェンジを右サイドで受けたヤマルがシュート性のボールをニアサイドに入れると、クロスを入れたそのままの足で走り込んだフェラン・トーレスの動きを前にGKルニンは弾くのが精一杯。こぼれ球をフェルミンが押し込んでバルサ勝ち越し!

ただ熱狂は狂乱を呼び、狂乱はゴールを呼び込むのか…前半と同じくレアルもすぐに追い付きます。アンチェロッティ監督は失点直後にクロースとカマヴィンガを下げてブラヒム・ディアスとフランシスコ・ガルシアを投入。バルベルデのボールキープからスルーパスを送り、左サイドを抜け出すはヴィニシウスの十八番パターン。グラウンダー性のボールをファーサイドに送ると、最後は猛然と突っ込んできたバスケスが押し込んで2-2!

 

 

引き分けの意味が異なる両者だけに、自然とバルサがリスク上等で押し込み、それをレアルが翻してカウンターを目論む形で終盤戦は推移しました。

78分にはバルサの連続攻撃からのセットプレーでフェリックスのシュートをGKルニンがキャッチ。そのルニンを起点とした大カウンターでヴィニシウスが左サイドを爆走突破し勝負を終わらせにかかるような場面を作りましたが、ここはどうにか戻ってきたカンセロの対応とGKテア・シュテーゲンのスーパーセーブでギリギリのところで阻止。バルサは84分にギュンドアンの圧倒的なボールキープとスルーパスからフェルミンがGKと1対1になりかけましたが、今度はレアルのガルシアが見事なカバーを見せて阻止。87分には再びレアルがモドリッチのセットプレーから混戦を呼びましたが、クンデのブロックもあってフィニッシュで仕留め切れません。

 

 

 

まさに魂と意地でぶつかり合うようなエル・クラシコ。そしてそのフィナーレは劇的に訪れました。

カウンターで中央を打開したブラヒム・ディアスがゴール前で右サイドのバスケスに絶妙なスルーパス。ワンタッチで折り返したバスケスのボールに対して途中出場のホセルがニアで潰れるようにスルーすると、最後はファーサイドに走り込んだベリンガムがニア上に叩き込んで2度追いついたレアルの3度目の歓喜は劇的決勝弾!!

 

 

5番を背負う新星は新たな皇帝なのか……前半戦も後半戦もベリンガムのサヨナラ逆転ゴールで決する形となった今季のクラシコはレアルがダブル達成です!

 

 

 

凄まじいクラシコでしたね。

シャビ監督が次々と交代カードを切って、引き分けも許されない状況であの手この手でレアルを崩そうと図り続けたバルサも美しかった。そしてバルサの猛攻を耐えて跳ね返したボールをしっかりキープし、そこから音速のような攻撃で常にバルサを刺しに行く姿勢を見せ続けたレアルも美しかった。クラシコとはかくあるべきじゃないですが、魂震える90分でした。どちらに勝って欲しいかはそれぞれのスタンスがあるでしょうが、クラシコはやっぱりこういうゲームを見せて欲しいというものを見せてくれたなと。私自身は特にどちらにも肩入れしている立場ではないので、素直にそう感じさせてくれるゲームでした。

 

 

 

狙いとしては常にレアルの方が明確なものを持っていたのかなと思います。特にバスケスを右サイドに置き、かつロドリゴを内寄りでプレーさせる事で右サイドをバスケスの独壇場のような状態にしたアンチェロッティ監督の采配はどハマりでしたね。バスケスのコンディションが良かったのか、カンセロとの噛み合わせを踏まえた起用か、閃きに近い発送なのか…いずれにせよ、バスケスが常に脅威として機能した事でバルサ、特にカンセロは常にそこを気にしてプレーするしかなかったですし、現にバスケスは3得点全てに対して決定的な仕事をしてみせた。そこはちょっともう圧巻だったとしか言いようがないなと。バスケスの場面意外にしても、ヴィニシウスを前に出した単騎突破から雪崩れ込むカウンターだったり、そのヴィニシウスからホセルに代えて連動したカウンターに切り替えたり、チームとしての手札の使い方が実に素晴らしかったなと。

対するバルサは…言ってもレアルも、カマヴィンガに対してはヤマルがかなり優位に立っていたところからもわかるように守備時の対峙、背後のリスクは常に生じていたので、フェルミンを前に出した上でギュンドアンを一列下げてゲームを作らせた事、レヴァンドフスキを下げてでも縦へのスピードに秀でたフェラン・トーレスを送り込んだ事など、シャビ監督も理屈を伴ったギャンブルに踏み切る勇気は常に待ち続けていました。個々の選手のキレは素晴らしいものがありましたし…。ただ、バルサは引き分けでもダメな状態で背負ったリスクだったので誰かを責められる話ではないですが、アンカーとしてのクリステンセンを失った事による中盤のスペース管理が崩れてしまった事がそのまま失点に繋がったところは皮肉ではありましたね。状況的に仕方ない部分ではありましたが…。

 

 

ベリンガム5番ってのが良いよね

ではでは(´∀`)