RK-3はきだめスタジオブログ

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人が崩れる瞬間〜2024明治安田J1リーグ第11節 FC東京 vs 京都サンガFC マッチレビューと試合考察〜

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肩の力を抜いてウズベキスタン戦を観れると思ったら肩が痛いです。

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューは2024明治安田J1リーグ第11節、FC東京 vs 京都サンガFCの一戦です!

 

 

 

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地獄の先に見た景色は何か、みたいなイキったセリフも言いたくなる今日この頃。第3節川崎戦で勝利を収めて以降、サンガは苦境に陥りました。内容が良くても急失速するように勝てなくなり、いつしか出来ていたことさえ出来なくなりゆく……しかし前節、前年度王者に対して敵地で耐えて粘ってどうにか勝利。サンガは「最悪」を脱するヒントは手にして5月を迎えました。

とはいえ、まだクラブにとって予断を許さないような状態は1勝如きで変わることは別にありません。地獄を抜けても、地上に舞い戻るにはまた別の修羅の道がある。対するはFC東京。彼らにとっても今季は近年続くどっちつかずな推移をたどっているだけに、相手からの視点は「叩ける相手を叩いて上へ」というものでしょう。それでもサンガも、自分たちの立ち位置を変える為には勝って帰るしかない。先週、港町から六甲の山を越えて我々の都にどうにか帰ってきたサンガは、首都で説得力のある1勝を掴むことができるでしょうか。

両チームスタメンです。

 

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サンガはスタメンの11人、ベンチの7人全てを勝利した前節神戸戦と同じ18人を揃えてきました。その為に前節同様に松田佳大をCBとして起用してユース時代から育った古巣対決となる原大智はCF。麻田将吾を左SB、佐藤響を左WGにそれぞれ出す形も継続です。

前節は新潟に3-1で勝利したFC東京は前節からのスタメン変更は2人。森重真人とディエゴ・オリヴェイラは欠場が続いていましたが両者とも前節より復帰しており、今節では森重は第5節川崎戦、ディエゴは第3節神戸戦以来のスタメンとなりました。また、今日はルヴァン杯でデビューした大卒ルーキー岡哲平がベンチ入りを果たしています。右SBで先発の白井康介は昨季までサンガに在籍した選手で、ベンチ入りした児玉剛原川力はサンガユース出身選手です。

 

 

 

本日の会場は東京都調布市味の素スタジアムです。

今季はFC東京がJ2でプレーした2011年以来13年ぶりにFC東京東京ヴェルディが同カテゴリーでプレー。この両者による2001年の東京ダービーこけら落としとしたスタジアムは久々に2チームをJ1で運用する事になりました。本日の試合はTOKYO FAMILY DAYとして開催され、先着2.5万名様にオリジナルナップサックのプレゼントやおはスタ内で放送されているアニメ「あげおとティム」とのコラボイベントを開催します。

サンガにとって味の素スタジアム、アウェイFC東京戦はカシマサッカースタジアムと同様に鬼門となっており、カシマと違って勝った事が無いわけではありませんが…サンガが最後にこのスタジアムで勝ったのは2002年。すなわち東京スタジアム味の素スタジアムとなってからは一度も勝利していません。また、FC東京も今季のホームでの勝利はいずれも国立競技場での試合の為、今季の味スタでは未だに未勝利。そろそろ打破したい者同士の対戦となりました。

 

 

試合は初っ端から出鼻を挫かれます。

序盤からリズムを作ってきたのはFC東京でしたが、4分に中央でディエゴがボールを収めてポストプレーを行うとフォローに入った仲川輝人が一気に突破。そのまま右サイドの安斎颯馬にスルーパスを送り、安齋が入れたマイナス気味のクロスはボールとしては緩い弾道になったものの、それがかえってサンガ守備陣が処理しにくい位置に転がりファーサイドに走り込んだバングーナガンデ佳史扶が叩き込んでFC東京先制。

 

 

その後もリズムを掴んでいたのはFC東京でした。ディエゴに対して縦パスを入れ、ディエゴはサンガの守備者を1人引っ張り出した状態で確実にボールを収めた上で仲川と良い縦関係を築く。そこからサイドのコンビネーションが上手くハマってサンガを混乱に陥れていました。

ただサンガも開始10分の混乱が過ぎてくると、マイボール時には今日はFC東京に押し込まれた展開もあるのか攻め急がずに一旦ビルドアップを自陣から試みて展開を落ち着かせ、流れに一つ区切りをつけようとプレーしていきます。そんな中で15分、じわじわと押し上げたサンガは左サイドでボールを持った麻田のロブパスを豊川雄太がシュート。GK波多野豪が弾いたボールに原大智が飛び込みますが、相手DFの対応もあって押し込みきれません。

 

 

 

しかしサンガが少しずつリズムを掴み、落ち着いたところからFC東京を押し返し始めたその矢先でした。

21分。FC東京は左サイドから侵入してくると、サンガも開始数分で何度もピンチに陥ったようなスピードとテンポのあるコンビネーションには至らせなかったものの…ボールキープから俵積田晃太がクロスボール。これに対しディエゴが後ろ向きの体勢ながら頭で押し込んでFC東京追加点。久々の先発出場で完璧な仕事をしてのけたディエゴ。サンガにとっては押し返しそうなタイミングで喰らった強烈な痛打に。

 

 

今日のサンガは攻撃でのアプローチは原がポストプレーで受けて松田天馬や武田将平が絡むだとか、SBがボールを持った時にWGが外というよりもインを取るような動きで攻めるだとか、そういう攻撃のアプローチは普段と比べても工夫のあるものを見せてはいました。ただそれがシュートに思うように繋がらず、ボックスに入り切る前に潰される形が多く…。

ただ、失点シーンでもしかり、FC東京のコンビネーションを前に個としての突破でもサンガは対人守備で相当劣勢に立たされ、FC東京の3トップを前にものの見事にサンガは千切られるような形に。40分にはFKからマークを外して面白いくらいフリーになっていた森重真人がヘッドでゴール…かと思われましたが、ここはオフサイド判定で九死に一生。前半は0-2。2点ビハインドで終えます。

 

 

サンガは後半から松田佳大と武田将平を下げて鈴木冬一と平戸太貴を投入。鈴木冬一は右WGに投入し、豊川を左WG、佐藤を左SB、麻田をCBと佐藤と麻田に関しては従来のポジションに戻す形でスライドさせます。一方のFC東京もCBを土肥幹太から岡哲平に変更。

ただ後半は監督からの指示も何かしらあったのか、守備に関しては前半のようなディエゴに釣り出されて翻されるようなパターンは少なくなってプレッシングはある程度落ち着きを取り戻したものの、攻撃面ではボールは持つもののそこからのアイデアやデザインに乏しく、打開できる原や豊川までそもそもボールが行かないという状況に追い込まれることに。

 

 

 

59分には豊川と松田天馬を下げて一美和成と平賀大空を投入。一美を真ん中、原を左に出した上で平賀と平戸が中盤から飛び出していくような布陣にシフトします。ただFC東京のカウンターの脅威もあり、サンガは平賀が1本惜しいシュートを放ったもののチームとしては攻撃のリズムが一向に作れないまま時間だけが経過していきました。

76分には福田心之助を下げて宮本優太も突入。サンガとしては兎にも角にも1点というよりもちゃんと作った形でシュートをどうにか打ちたい状態。

 

 

 

やはりなかなか中央のブロックを崩すようなアクションは出せていなかったサンガでしたが、どうにかサイドにはボールを振ってクロス攻勢を試みると79分にはCKを獲得。

そしてその左CK、平戸の入れたクロスボールに対して、高さのある選手にマークが集中した隙を狙った平賀がニアで合わせてサンガ得点!平賀はJ1リーグ戦では初ゴールということに。

 

 

面白いもので、原や一美、セットプレー時にはアピアタウィアを警戒していたFC東京はクロスボールに対しては伏兵とも言える平賀に点を取られたショックがあったのか、上背のある選手を警戒すべきかニアに入ってくる選手をどこまでケアするかのところで若干クロスボールに対するDFの対応がFC東京の中でもあやふやになるようになってきました。

アディショナルタイム、右サイドでの絶妙なコントロールでバングーナガンデを振り切った原が上げたクロスに平賀がヘッド。これがブロックに入った森重の手に当たって一度はPKが宣告されましたが……前節はVARに救われたサンガ、今宵はVARに泣きPKは取り消しに。

 

ラストプレーのCKではクソンユンも攻撃に参加するもパワープレーは実らず。前節の勝利の流れをもう少し続けたかったサンガの熱は虚しく、味スタの地でまたしても勝つ事は叶いませんでした。

 

 

 

新潟戦のマッチレビューで書いた言葉が「出来ていたことも出来なくなっていた」なんですけど、あえてそれに沿う形で表現するならば…神戸戦は「できることを全力でやった」という試合であって、そして今日は「普段やらない)事がちょっとやれたけど、元々やっていたことが裏目った」という試合だったのかなと。

それが両SBが積極的に前に出てくる対FC東京としてのパターンなのか、これからチームとしてやっていこうという事なのか、或いはFC東京にある程度持たされる形になったから自然とそうなったのかはわかりませんが、今日の試合は基本的にサンガはいつもサイドバックが大外を回ってクロスに繋げるシンプルなオーバーラップが多かったんですけど、今日はむしろサイドバックのところでボールを持ちつつインを取る動きが全体的に多かったんですよね。右から福田が回るというよりも、開いたところで福田からインに走った武田へ…みたいな場面が多く、左サイドでは麻田のパスに豊川が抜けた15分のチャンスシーンなんかが一番わかりやすかった。後半はビハインドが2点に拡がってしまった以上「それどころじゃなくなった」というのが実情なのでしょうが、少なくともいつもと違うアプローチをしようとしていたのかなと思う場面は前半はいくつかありました。

ただ、その分というか…いつもにも増して、特に後ろのポジションで選手間の距離が開いてしまっており、そして神戸戦では誰かが大迫勇也に当たって、そこから武藤嘉紀へのルートを麻田が遮断するという相手のタレントに合わせた守備隊系になっていたんですが、サンガはおそらくそれと同じノリでやってしまった部分はあると思うんですよね。しかしディエゴが前節の大迫よりも深い位置でポストプレーを行ったことで明確にディエゴに釣り出される形になってしまい、神戸戦では大迫の後ろとは距離感がありましたが、今日はディエゴが捌いたところにすぐ仲川がフォローに入って全部翻した。そこで麻田なり福田なりが慌ててカバーしようとするタイミングで守備のポジションがめちゃくちゃになり、WGやSBが面白いようにサイドを攻略していったと。先制点の場面なんてモロその典型みたいなシーンでしたし、サンガがアクションを起こす時間も存在はしましたが、その時間の中でもそういう形で翻される場面は多かった。なので後半に従来の4バックの左腕さんに戻した事は適切な手当だったと思いますが、曺監督のミスがあるとすれば、対神戸でハマった守備のやり方をそのまま今日の試合でも引用してしまった事なのかなと。ディエゴの近くから追い越してくる仲川という神戸戦では存在しなかったそのスペースを一気にブレイクしかかる選手に対してあまりにもノーマークでした。結局そこでぐちゃぐちゃにされてしまったおかげで対人もボロボロになっていつまた部分はありましたし、後半に関しては良くも悪くも「なるようになった」と表現するのが自然でしょうから、すべての結はそこで決したのかなと。

 

 

ただ面白かったのは、サンガが前半に陥った「計算外からぐちゃぐちゃになる」という事象はFC東京でも少なからず起こっていたんですよね。

基本的にFC東京はサンガの猛攻に対して無難に対応していましたし、アタッキングサードのマークの受け渡しだけケアをしておけば持たせておいても大丈夫…くらいの感じで対応していたと思いますが、サンガの得点シーンですね。セットプレーの場面で、原や一美、麻田やアピアタウィアを警戒していたら173cmの平賀にやられたというのはFC東京にとって大誤算だったと思います。そこでこれまでは原や一美を捕まえておけばと考えていたところに、それ以降のサンガのクロス攻勢では平賀が飛び込んでくる可能性をケアしなければならなくなって、ストレスがこれまで保っていた落ち着きを崩した部分はあったのかなと。そこはちょっとサッカーというか、人間の面白みを見た気はしましたね。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

2024明治安田J1リーグ第11節

横浜F・マリノス1-1ジュビロ磐田

アルビレックス新潟1-1サンフレッチェ広島

鹿島アントラーズ3-1湘南ベルマーレ

FC東京2-1京都サンガFC

FC町田ゼルビア2-0柏レイソル

セレッソ大阪1-1北海道コンサドーレ札幌

サガン鳥栖0-2東京ヴェルディ

川崎フロンターレ3-1浦和レッズ

アビスパ福岡1-0ガンバ大阪

名古屋グランパス0-2ヴィッセル神戸

 

 

1位 FC町田ゼルビア(22)

2位 ヴィッセル神戸(20)

3位 セレッソ大阪(20)

4位 サンフレッチェ広島(19)

5位 鹿島アントラーズ(19)

6位 FC東京(18)

7位 横浜F・マリノス(16)※1

8位 名古屋グランパス(16)

9位 アビスパ福岡(15)

10位 ガンバ大阪(15)

11位 ジュビロ磐田(14)

12位 浦和レッズ(14)

13位 柏レイソル(14)※1

14位 東京ヴェルディ(13)

15位 アルビレックス新潟(13)

16位 川崎フロンターレ(12)

17位 京都サンガFC(9)

18位 サガン鳥栖(8)

19位 北海道コンサドーレ札幌(8)

20位 湘南ベルマーレ(7)

 

 

よくよく考えたら1年で2回行くのな味スタ

ではでは(´∀`)