楽天イーグルス20周年おめでとうございます
どーもこんばんは
さてさて、本日のマッチレビューは2024明治安田J1リーグ第10節、ヴィッセル神戸 vs 京都サンガFCの一戦です!
京都サンガFC 30周年企画ブログのまとめページはこちら!随時色々と更新しております。
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Jリーグをもっと楽しめる(かもしれない)、2024Jリーグ開幕ガイド作りました!是非お使いくださいませ。
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「海の底にも都はございましょう」───源平合戦の歴史に触れれば必ず通るセリフです。
30周年を迎えたサンガの2024年は実に苦しいシーズンとなっています。掲げた「史上最強」のフレーズは虚しく、確かに地力のベースアップが見られた試合はいくつかあれども、そういう試合で勝点を取りこぼしていくうちにいつしか出来ていたことさえも出来なくなっていた。水曜日のルヴァンカップではかつて曺貴裁監督と仕事を共にし「いつか曺さんのチームとぶっ倒れるまで戦い切れるようなゲームをしたかった」と涙ながらに語った髙木理己監督と長野パルセイロを取り巻くドラマの片隅を演じる事になってしまった。気がつけば降格権、最下位と同勝点のブービー。現実は波打ち際で爪先立ちでもしているようなものでしょう。
サンガは今、試されながら目に見えた結果を求められるような日々が続いています。対戦相手は前年度王者。思えば去年の2試合は、いずれまでサンガは決して悪いゲームをした訳ではなかった。ただそれでも手応えは残酷なほど結果で撃ち抜かれるシーズンダブルを喰らってしまった……貯金があった去年ならまだしも、追い込まれたサンガはもう「内容は良かった」「前半は良かった」という逃げ場を求めて海の底の都は目指せない。いくら今日の試合の舞台が港町であれ、海の底に存在する都などありはしない。我々は六甲を覆う山を越えて我々の都に帰らなければならない。相手が何でどうであれ、今日サンガが踏みしめるピッチはそういう瀬戸際です。
両チームスタメンです。
サンガは前節新潟戦からスタメンを3人変更。松田天馬とアピアタウィア久が先発に復帰すると共に、直近のルヴァン杯長野戦でサンガデビューとなった松田佳大がそのまま先発に抜擢。松田はこれがJ1リーグ初出場です。また、今日はCBの麻田将吾を左SBとして起用し、同時に左SBだった佐藤響が左WGのポジションとなりました。リザーブには長野戦から継続する形で平戸太貴と一美和成がそれぞれ入っています。ちなみに曺貴裁監督の現役最終クラブは実は神戸。
2連勝中の神戸は4月以降はほぼメンバーを固定して戦っていますが、今日は前節に負傷から復帰した大迫勇也が第7節横浜FM戦以来のスタメン起用。同じメンバーを組んだ前節湘南戦と前々節町田戦からのメンバー変更は大迫のところのみで、前述の横浜FM戦と同じスタメン編成となっています。また、第2節柏戦での負傷退場から長期離脱も危ぶまれた汰木康也がベンチに復帰しました。古巣対決となる本多勇喜はベンチスタートです。
本日の会場は兵庫県神戸市、ノエビアスタジアム神戸です。
昨年12月に初めての音楽イベントが開催されましたが、7月にはノエスタで初めてのアーティスト単独コンサートとしてMrs.GREEN APPLEのライブが開催予定。また、今年からノエスタでの神戸主催のホームゲームでは同じ楽天が運営するプロ野球の東北楽天ゴールデンイーグルスと同様、楽天モバイル加入者に対してチケットやグッズ購入額を楽天ポイントでキャッシュバックするなど様々な得点が盛り込まれるようになりました。今日の試合からは昨年のJ1優勝を記念して作られたクラフトビールも販売開始とのことで。
思い返せば現在U-23アジアカップで活躍中の山田楓喜がJリーグデビューからほぼファーストプレーで決めたのはこの場所でしたね……。
本日は現地観戦。ちなみにノエスタ行った帰りは大体三宮でラーメン食べて帰ります。
観戦日記はまた後日に。
いきなり決定機を作ったのはサンガでした。2分、中盤でのルーズボールの応酬を武田将平がマイボールにすると、豊川雄太が持ち運び砂糖を介してオーバーラップした麻田へ。麻田は相手DFに捕まりながらも佐藤にボールを残し、最後は豊川に戻ったボールでスライディング気味にシュートを放ちますが、この場面はGK前川黛也が左足でファインセーブ。
サンガは8分にもルーズボールを収めたところからおぼつかないながらも速いテンポでパスを繋ぎ、最後は福田心之助が抑えの効いた素晴らしいミドルを放ちますがまたしてもGK前川に阻まれ、14分には松田天馬のCKをファーサイドに入ったアピアタウィアが遂にGK前川を割ってゴールに…と思われましたが、今度は山川哲史がギリギリのところでヘディングクリアでゴールならず。
前半は神戸がシンプルにロングボールをサイドに振り、サンガがそれを食い止めてクリア。そのボールの保持権をミドルゾーンで奪い合い、そこでの勝率が高かったサンガがそこから豊川や松田天馬で持ち運んでシュートまで…という展開が多く、シンプルに前に蹴り込む神戸ととにかく速く攻め込むサンガの構図になった為か、序盤から両者ともにアタッキングサードに侵入する機会の多いゲームでした。
特に神戸は大迫-武藤のラインが復活したこともあってか武藤嘉紀のいる右サイドに積極的にロングボールを放ってきましたが、今日のサンガは麻田を武藤に、そして麻田に捕まった武藤をフォローしにくる酒井高徳には佐藤を当てる形での対応が功を奏し、かつ大迫に対しても必ず松田佳大かアピアタウィアが当たる事で神戸の攻撃の連動性を奪う守備が実現できており、それもあって神戸サイド攻撃→サンガ捕まえる→クロス→弾く→クリア→カウンターの流れは作れていました。
それでもそこから個人のクオリティを出せてしまう辺りがやはり神戸。30分には酒井のクロスがニアサイドの宮代大聖を通過してファーサイドの大迫がボレーを放ちますが、ここは対峙した福田が渾身の顔面ブロックで阻止。続く38分にはエリア内の混戦から大迫がキープしたボールを受けた酒井のクロスに武藤がドンピシャで合わせましたが、今度はGKクソンユンが好反応でセーブ。クソンユンは41分にも宮代のミドルをファインセーブで阻止し、神戸に傾き始めた流れの中でもどうにか耐えていきます。
すると前半アディショナルタイム、初瀬亮のロングスローがサンガの守備者に当たってホップする形となり、飛び込んだ宮代のあたまと松田天馬の手でそれぞれワンタッチを挟んだところを大迫が押し込んで神戸先制……かと思われましたが、宮代の頭に当たった時点で大迫がオフサイドポジションにいたと判定されてVARの末にノーゴール。サンガはどうにか危機回避……かと思われましたが、そうなると今度は宮代の後、大迫の前にワンタッチを手で入れてしまった松田天馬もVAR審議の対象となり、2度の長いVARの末に飯田主審の出した結論はオフサイドによりノーゴールかつ松田天馬のハンドによりPK判定。
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— DAZN Japan (@DAZN_JPN) 2024年4月27日
1つのプレーをめぐって...
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オフサイドでノーゴール判定も
VARチェックの末、今度はハンドでPKの判定
🏆明治安田J1リーグ第10節
🆚神戸×京都
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大迫がキックモーションに入ったその時点で当初の4分を3倍上回る45+12分。崖の下をどうにか崖っぷちに戻したサンガ。対峙するのはク・ソンユン。
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— DAZN Japan (@DAZN_JPN) 2024年4月27日
殊勲のPKストップ🙌
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いろいろ起きる前半終了間際
大迫勇也のシュートをク・ソンユンがビッグセーブ‼️
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🆚神戸×京都
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♪この世に一人の英雄が
♪生まれて育ってきたのなら
♪それは我らのク・ソンユン
♪セーブに己を懸ける人
♪いいぞがんばれ京都サンガ
♪燃えよ京都サンガ
〜 燃えよドラゴンズ! '99 韓国三銃士〜より
〜クソンユンがいる幸せ〜
— RK-3 (@blueblack_gblue) 2024年4月27日
続く初瀬の右CKから山川のヘッドも枠を逸れて前半終了。0-0。
後半は立ち上がりから神戸が押し込む展開となりましたが52分、神戸のクロスボールをクリアしたボールの効能で佐藤と原が連動したプレスを敢行。このボールは神戸に回収されて二次となりましたが、連続した攻防に神戸の選手のポジショニングもバラバラになったところで松田佳大がカット。このボールを松田天馬が残して拾った佐藤からパスを受けた武田がここから一気にカウンターアタックを仕掛けていきます。その武田が相手DFを惹きつけて出したスルーパスに反応した原はDFをかわしてシュート。この決定機は山川にギリギリでブロックされたものの、サンガは前がかりになる神戸に対してカウンターで翻す場面を作れるようになっていきました。
そして55分、松田天馬の右CKはふわりとした弾道でマイナス気味の位置へ。そこに走り込んだエース・原大智がマークについた扇原貴宏を制するように、距離はありながらも圧巻のヘディングシュート!!サンガ先制!!4月ラストゲームにして4月初得点!!
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— DAZN Japan (@DAZN_JPN) 2024年4月27日
5試合ぶりのゴールはエースの一発
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原大智が豪快に叩き込んだ‼️
前半耐えた京都が先制🙌
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アディショナルタイムを含めれば残り40分くらいのところで掴んだ先制点。そしてここからタイムアップの瞬間に至るまで、サンガは延々と続く耐える時間が続いていく事になります。
62分には酒井のサイドチェンジから山口蛍、大迫と繋いで左サイドを駆け上がった初瀬のクロスを武藤がドンピシャで合わせましたが僅かに枠外。直後には宮代が2度ほどチャンスを迎えますが、いずれとクソンユンがきっちりと抑えて対応。サンガは74分に佐藤を下げて宮本優太を投入するとシステムを宮本を左WBとした3バック(5バック)とし、更に83分には豊川と福田を下げて鈴木冬一とサンガデビューとなる鈴木義宜を投入。麻田を左に起き、3バックの中央に鈴木義宜を入れることで大迫や武藤の入ってくるボックス内の対応に厚みを加えようと試みます。
神戸はサンガが動いた時間と同じ74分に佐々木大樹を下げてジェアン・パトリック、83分に初瀬を下げて汰木を左SBとして投入。この時点で神戸は左サイドからのクロスに大迫・武藤・宮代が飛び込み、それを山口が回収する形を徹底していた事もあって更にそれを徹底しようとするスタンスを見せてきました。
しかし神戸の攻撃が想像以上に左サイド突破からのクロスというワンパターンと化していた事で、サンガはパトリッキ、汰木の対応は福田→宮本にほぼ任せつつ、鈴木義宜を1人余らせる形の3バックを組んだ事でアピアタウィアや松田佳大、麻田がしっかりと大迫や武藤、宮代に当たりに行ってシュートをしっかり狙える状況を作らせない守備を徹底できていました。
神戸が試合を通じて放ったシュートは34本。
耐えて耐えて耐え抜いてそのホイッスルを聞いたその循環、先制点を取ってからのあまりにも長すぎる40分間、初勝利を挙げてからのあまりにも長すぎる1ヶ月半に終止符が打たれました!!
いやー…心震えましたね。陳腐な表現ですが魂のこもったゲームでした。もちろんそれはチームのパフォーマンスより先に暫く全然勝てていなかったというありがたくない背景ゆえというところが大きいんでしょうけど、それでも…ね。それでもやっぱり感情的にしてくれる勝利でしたよ。
勝ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
— RK-3 (@blueblack_gblue) 2024年4月27日
まず、今日のサンガの守備のスタンスはすごく理に適っていたと言いますか、対神戸というところの力関係、神戸のストロングポイントはどこかといった部分をしっかりと押さえた守備を計画し、そして実行していたと思います。
やはり大きかったのは麻田の左SB起用。それ自体はこれまでも何度か行った起用法なので特別目新しいものではありませんが、今日はこれまでよりも対戦相手を踏まえた起用という側面がありました。神戸のエースと言えば大迫勇也ですが、彼らの右サイドには大迫がいなければエース級の実力を持つ武藤がいる。大迫を警戒するあまりに武藤に刺されたチームが過去どれだけいるんだという話な訳です。大迫は独力で突破するタイプではなく高くない位置ではシンプルなポストプレーではたくプレーが主になってくるので、対神戸戦で最も大事なポイントは「大迫をケアした上で武藤をどう抑えるか」というところになってくるんですね。そこに対して麻田を当てた選手起用は素晴らしいキャスティングでしたし、その武藤をフォローしてくる酒井に対してはポジションを一列上げた佐藤を置いた。結局のところ武藤に対しては麻田が自由を与えず、神戸の右サイド攻撃はクロス一辺倒の状況に追い込む事ができていましたし、左サイドの人選により神戸の選択肢を一つ奪えた事はこの試合の重要なポイントだったと言えるでしょう。
後半はサンガ自体がかなり押し込まれる展開になっていたのでそういう場面は少なくなるしかなかったですが、攻撃に関しても左サイドの守備のタスクが大きい分、福田がいつもより攻撃者としてのプレー意識を高く持っているようにも見えましたし、反時計回り気味の攻撃で左WG扱いの佐藤が前線に戻ってくるような時間をつくれた。こうなってくると逆オーバーラップみたいなもんですね。神戸がどう攻めてくるのか、神戸は何をストロングポイントとしてくるのかという部分は大迫が復帰した事でかえってわかりやすくなった側面もあったと思いますし、サンガもそれに応じた対応と準備は試合前からできていて、選手達もそれをしっかりと実行した。もちろん神戸の選手達は国内トップクラスのクオリティを持つ選手が多いだけに理不尽なほどのパワーでチャンスに漕ぎ着けてくる機会というもは多いものの、そこはクソンユンが神懸かり的なパフォーマンスを見せてくれて……理屈を破壊できるクオリティには理屈を破壊できるクオリティで対抗できたんですね。そこはクソンユンの家の方角には足を向けて寝られないと同時に、逆に言えばそういう場面以外でクソンユンが忙しくなるような場面も以外とサンガは与えていなかったなと。
神戸戦のポイントは大迫をケアした上で如何に武藤を抑えるかだったりする。その観点で言えば麻田を武藤に当てた今日の守備のアプローチとプランは良いし、それを実践もできてるのよ…なんとか堪えてくれ…。
— RK-3 (@blueblack_gblue) 2024年4月27日
後半に関しては……サンガは得点シーンこそカウンターからのCK攻勢でしたが、基本的にはずっと押し込まれる展開が続いて、リードを奪った後は特に押し返せない展開が続いていました。やっぱりクロスボールをクリアしても、神戸はそのボールを回収できる、或いは直接ミドルも打てる山口蛍がいたので、そこをなかなか翻すことができなかった。終了間際になってくると途中から入った鈴木冬一がキープ力を発揮して少し前で時間を作るようなプレーも見せてくれましたが、34本シュートを打たれたという事実が物語るように、後半がただただ耐える神経戦のようなゲームになっていた事は確かです。
ただ…神戸が思っていた以上にサイド攻撃、それも左サイド攻撃一辺倒だった事はサンガにとって救いではあったんですよね。選手交代も佐々木・初瀬をパトリッキ・汰木に代えた2枚しか切っていませんでしたし、それはその神戸の攻撃スタンスをより顕著にするものでした。 おそらく吉田孝行監督は左サイドからクロスは上げられている事実、サンガが弾いても山口蛍が回収してくれる安心、大迫や武藤の決定力があれば何かしらのスクランブルが発生した時に決め切ってくれるという信頼があったんでしょうけど、サンガにとっては上でも書いたように守備の選択肢を減らしてもらえたと言いますか、割り切った守備の隊列がすごく組みやすくなったんです。福田や宮本だけサイドの対応にあたらせて後はボックス内に専念させられた事もそうですし、わかりやすいのが鈴木義宜の投入で、人に当たるよりも人を動かすこと、カバーリングに長けたDFを3バックの真ん中に入れた事で、アピアタウィアや松田、麻田は純粋に大迫や武藤に当たりに行けた。耐える事自体はしんどいけれど、耐えやすい状況と言えば耐えやすい状況ではあったのかなと。あの場面なら井出遥也とかミドルゾーンで変化を作れる選手を送り込まれた方がしんどかった。むしろクロス攻勢なら初瀬を下げてくれて助かったくらいの気持ちもありましたし。
よー耐えた、よー耐えてくれたでほんま………… pic.twitter.com/ZKkKobFBBZ
— RK-3 (@blueblack_gblue) 2024年4月27日
素晴らしかったですね。心震えました。繰り返しになりますけど。
サンガの割り切った守備は理に適っていましたし、神戸の攻撃に対してもしっかりと対応できていたとは言え、やっぱりあれだけ攻めて攻めて攻められればね……怖かったですよ。これまでの試合の事だってありましたし。背中にずっと変な汗かきましたね。
このブログ、序盤のところは試合前に書くようにしているんです。平家物語まで持ち出して「海の底に都はない」だとか「六甲山を超えて俺たちの都に帰ろう」とか書いて、これ負けたら恥ずいな〜、フラグだな〜…なんて思っていたんですけど結果は歓喜のものになってくれました。いや嬉しかった。ただただ……。次こそはホームで勝利を!(次戦はアウェイだけど)
【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】
2024明治安田J1リーグ第10節
アルビレックス新潟1-3FC東京
ジュビロ磐田2-0FC町田ゼルビア
サンガギャラリー開設おめ
ではでは(´∀`)