RK-3はきだめスタジオブログ

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博多の森は樹海〜2024明治安田J1リーグ第11節 アビスパ福岡 vs ガンバ大阪 マッチレビューと試合考察〜

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札幌も沖縄も福岡もある春

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビュー明治安田J1リーグ第11節、アビスパ福岡 vs ガンバ大阪の一戦です。

 

 

 

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日の当たる場所は必ず影に追われているように、順調に見えた季節の中でも唐突に刺す脅威というものはあるもので。

いずれにしても、今季のガンバは近年で最もスタートダッシュに成功したシーズンであることは確かです。ただ、それこそセレッソや広島、町田のように「スタートダッシュに成功した」という言葉を額面通りに受け取れるほどは好成績ではない。内容が結果に繋がらないもどかしいゲームであったり、内容の良い時間と悪い時間がハッキリと割れたような試合もあった。昨季1年間やり続けたスタイルのブラッシュアップという今季のテーマはしっかりと表現できていますが、チームのバイオリズムの不安定さはまだ拭えないというところが実情です。

連勝中に大事なことが麻痺しない事であれば、連敗中に大事なことは呑まれないことです。ルヴァンでJ3FC琉球に敗れ、前節鹿島戦は坂本一彩の3戦連続ゴールこそありましたが試合は敗れ去った。対戦相手の福岡は今季は2勝6分2敗という「勝ち切れないけど負けもしない」を地で行くような状況です。ガンバを刺し切って浮上のきっかけを掴みたいのは福岡も同じ。今季のガンバの主義と意志は、Jリーグ屈指のソリッドな組織を誇る福岡を貫くことができるでしょうか。

両チームスタメンです。

 

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ガンバは鹿島に敗れた前節からはスタメンを2人変更。鹿島戦で負傷離脱した三浦弦太のところには福岡将太がCBとしては第4節磐田戦以来となる先発となり、前々節までは福岡、前節は岸本武流が起用されていた右SBには中野伸哉が第7節札幌戦以来の先発となりました。岸本は右MFとして先発しており、宇佐美貴史開幕戦の町田戦以来となるベンチスタートとなっています。また、今日は東口順昭と江川湧清が久しぶりにベンチに入りました。

リーグ戦4試合連続ドロー、その間に挟まれたルヴァン杯までPK決着となった福岡は前節東京V戦からの先発変更は1人のみ。前節はシャドーに北島祐二を先発起用しましたが、今日は昨年の大怪我から前節より復帰した佐藤凌我が8ヶ月ぶりの先発起用となっています。

 

 

 

本日の会場は福岡県福岡市、ベスト電器スタジアムです。

 

 

最寄り駅が福岡空港駅というなかなか稀有なスタジアム。「博多の森」でお馴染みですね。1995年のユニバーシアード開催の為に造られたスタジアムですが、1990年代には一定の規模を持つ球技場は当時では貴重であり、1996年にはサッカー日本代表国際Aマッチが開催されたことも。2019年にはラグビーワールドカップでも会場の一つとなりました。福岡は今節と次節(vs川崎)が2試合連続ホームゲームとなっており、「にわか祭り」と称して様々な施策が打たれています。

ちなみに……ガンバは現在、この博多の森で実に5連勝中です。福岡サイドにとっても「ホームガンバ戦」は少なからず嫌な思い出が去来している事でしょう。まぁ、その分パナスタで福岡にえらい負けるので完全に外弁慶シリーズと化していますが…。2011年も2016年も2021年も2022年も2023年も、その勝利はガンバの苦境に差す光のような白星でした。三浦の離脱という危機にも見舞われた中で、琉球戦の負けから始まる暗いムードを吹き飛ばすような勝利を!

 

 

事前の予想通り序盤からボールポゼッションを保っていたのはガンバの方でした。その中で3分にはいきなりチャンス。今日は三浦の欠場に伴い右CBとしてのプレーとなった中谷進之介が放った縦パスを受けた坂本が絶妙なターンから奈良竜樹を剥がして抜け出すとGKと1対1のチャンス。しかしここはGK村上昌謙が好セーブ。いずれにしてもガンバはウェルトンと岸本をワイドに張らせながらポゼッションを高めていきます。

一方の福岡は絶好調男、新たなるチート外国人ザヘティをロングボールに反応させつつ、そこからサイドの打開を試み、そこからのクロス攻撃を主体とした試合を運びを展開。9分にはその流れから岩崎悠人がミドルを放つなどスタンスは明確化していきます。ただ、試合はガンバのボール保持が全体的に安定しており、ガンバも勝負を焦ることなく自分達のリズムでしっかりボールとゲームを支配できていた……はずでした。

 

 

 

22分、敵陣から黒川圭介のスローインを受けたダワンが松岡大起にボールをカットされると、福岡陣内のハーフェーラインに近くもない位置でボールを受けた新たなるチート外国人ジャハブ・ザヘディがずどん。

…えっ、え?ずどん?え?ずどん……?…いや、あ、うん、え?しっ…てん????

 

 

あまりに衝撃の一打。ポゼッションが一時期80%にまで迫っていたガンバにとってはあまりにも衝撃的な痛打。先制を許したガンバは基本的なコンセプトとゲームプランを維持した上でしっかりとしたビルドアップとワイドに開かせたサイドへの展開、そこからの岸本やウェルトンの縦へのアクションを絡めて得点を狙いますが、このリーグで最も先制を取らせてはいけない相手の一つである福岡を前に3バックの両脇までは崩していけません。

37分にはCKのこぼれ球を山田康太が狙う決定的な場面が訪れますが、ここもシュートは枠の上に外れて行ってゴールならず。ガンバ、前半はショッキング込みの展開でビハインド。

 

 

後半もガンバは同様のスタンスで焦れずに攻撃を仕掛けようとしました。

しかしサイドからウェルトンの個人技を活かそうにも、福岡は持ち前のゾーンディフェンスに加えてウェルトンのところに対しては数での対応も敷いており、そこに絡め取られるような形でガンバはなかなか攻め手を作ることが出来ず、ボールは持ててはいるけれど、それは必ずしも持たされているだけというわけでもないけれど、でも割り切って締められたボックスにほぼ侵入できないという状況がずっと続いていました。

 

 

 

状況を打破したいガンバは58分に岸本を下げて宇佐美を投入し、ウェルトンを右、坂本を左に置いた上で宇佐美を真ん中に投入。そこからは中央の宇佐美を起点に山田や坂本がスペースを狙う、アタッキングサードに侵入するという従来のスタートに近い形に戻し、アタッキングサード付近のところでボールを動かすテンポとスピードは少しずつ出せるようにはなってきましたが、がっちり固めてきた福岡の堅守に対して刺すようなアクションを起こせない状況を作られていきます。

逆に福岡はガンバが少しずつ前傾化していった流れに合わせてサイドからのカウンターを度々仕掛けてくるようになり、これらのピンチは中谷や三浦の代わりにCBに入った福岡将太の好対応もあってなんとか食い止められてはいましたが……攻めきれないガンバと、攻撃を牽制でもしてくるかのような福岡のカウンターが噛み合うというビハインドの立場としては苦しい展開に。

 

 

 

福岡はザヘディを下げて前嶋洋太、佐藤と紺野を下げてウェリントンと重見柾斗を投入し、後半に手応えを掴んでいた守備固めとサイドからの裏抜けカウンターに重きを置いたような布陣で1点を守りにかかります。対するガンバは75分に鈴木を下げて倉田秋、山田に下げて山下諒也を投入。ウェルトンと山下を開かせた上で坂本が抜けるスペース、倉田が飛び出すスペースを作り出そうと試みます。

しかし78分の黒川のクロスからダワンが合わせたプレーやアディショナルタイムのこぼれ球に倉田がミドルを放った場面のように、ガンバはボールを持って押し込みながらいくつかのシュートは放つも……そのほとんどがガンバにとって苦しい体勢でのシュートとなって決定的な攻撃には至らず。

 

 

 

アディショナルタイムには唐山翔自とJ1デビューとなる美藤倫を投入。しかし美藤はその直後に松岡大起に対するタックルがVAR介入の末に一発退場。あまりにも苦い美藤のJ1デビューという要素も加わった試合はそのまま終了。ガンバは少し渦巻く嫌な流れに手を取られるように敗れる結果となりました。

 

 

 

一番簡単な表現をすれば、ガンバがどうこう…というよりは「アビスパ福岡の面目躍如」というところに尽きるのかなと。あれだけ5年に1度、1年だけJ1に来てはすぐにJ2に戻るようなチームだった福岡がなぜこうもJ1に留まるように、ルヴァンカップまで獲ってしまうほどのチームになったのか、ある意味ではそのデモンストレーションの相手としてガンバが付き合ってしまったようなゲームだったと思います。ゴールはリーグ全体で1年に1度でるかでないかの異次元のゴール。ダワンのところのロストがやや安易な部分はあったとしても、GK一森が高い位置を取っていた事はチーム戦術上自然な事ですし、あのゴールはガンバとしてはどうしようもなく事故と表現するしかなかった。それでも福岡に先手を取られることが何を意味するのかというところをまざまざ見せつけられたなと。

 

 

チームとして極端なエラーが発生していたとは思わないです。三浦弦太をザヘディに当てられなかったのはポヤトス監督の中でも計算外でしたが福岡将太は自分のタスクをこなしましたし、それは中野もしかり。ただ福岡も自陣に組んだゾーンディフェンスの上にウェルトン対策を乗せて対応しており、1点をとってからは明確にカウンターという刺し方をガンバに見せてきた事もガンバにとっての牽制になっていました。ガンバはチームとして意図したボール回しは試合を通じてある程度できていましたが、言ってしまえば福岡からすればリードさえしてしまえば一番得意なタイプのチームでしょうし、低いラインであのブロックを組まれてしまっては……まだガンバはベースの上に組まれたブロックを打開できるほどのアイデアとパターンには乏しかったというところはあるのかなと。そう考えれば宇佐美に関してはダービーに向けた温存の意味合いの方が強かったと思いますが、倉田のボランチ起用は鈴木の疲労に加えてあそこで無理矢理にでも流動性を出す他に打開の術がないというところだったように思います。今日の試合のガンバは全体を通して間違いではなかったけれど、そこからの加点を足せなかった。だからこそ福岡の面目躍如の良い相手になってしまった……どう振り返ってもこの試合はそこに戻ってくるんじゃないでしょうか。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

 

明治安田J1リーグ第11節分はFC東京 vs 京都サンガFCマッチレビューページに記載しています。

 

 

めんたいこ

ではでは(´∀`)