RK-3はきだめスタジオブログ

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消化不良の酸い〜2024明治安田J1リーグ第7節 北海道コンサドーレ札幌 vs ガンバ大阪 マッチレビューと試合考察〜

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春の鈴鹿って不思議な気分ね

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューは2024明治安田J1リーグ第7節、北海道コンサドーレ札幌 vs ガンバ大阪の一戦です!

 

 

 

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いわゆる「強い」と称されていた時代でもスロースタートがある種の風物詩的ですらあったチームにとって、今季の開幕からの好スタートはこのチームにとってレアな現象でもあります。ある意味ではガンバ大阪というクラブにとって慣れないシチュエーションでもあるでしょう。ここ2試合は引き分けた事で、5試合を終えた時点での戦績は無敗とて引き分け先行ではありますが、ここ数年負けまくってきたチームにとっては負けなかったという事実の一つ一つが成長過程にあるチームの血肉になっていくはずです。

…相手は札幌です。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督が就任して7年目、今やかつての西野ガンバに迫ろうかという勢いの長期政権となってきましたが、今の札幌が直面する現実は間違いなくミシャコンサ史上最大の苦境でしょう。ただ…えてしてガンバはこういう「○試合勝てていない」というようなチームにしれっとやられがち。無敗自体はいずれ終わりが来るとは思いますが、同時にそういう相手に確実に勝つこともクラブに求められる重要なファクターです。ただでさえ近年勝てていない札幌ドーム。怪我人続出、超過密日程で迎えた札幌遠征……そういう要素は多々あれど、どうにかこの地でクラブレコードを刻みつけ、時代を新たなフェーズへ!

両チームスタメンです。

 

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怪我人続出に加え、前も後ろも過密日程となっているガンバはターンオーバーを実施。スタメンを前節京都戦から7名変更。GKとCB、ボランチの鈴木徳真以外は総替えしており、食野亮太郎、倉田秋、イッサム・ジェバリは今季初スタメン。左SBの中野伸哉は今季初出場となっています。また、福岡将太は今日は右SBでの起用。宇佐美貴史やウェルトンはベンチスタートとなっており、石毛秀樹と大卒ルーキーの美藤倫は今季初めてメンバー入りしています。

札幌は前節名古屋戦からはスタメンを2人変更。前節は左WBで先発した菅大輝を3バックの左に置き、左WBには開幕戦以来のスタメンとなる近藤友喜を起用。また、今日は鈴木武蔵G大阪からの期限付き移籍中の身である為に契約上出場停止となっており、大森真吾がJ1リーグ初先発に抜擢されています。古巣対決となる髙尾瑠はベンチスタートです。

 

 

 

本日の会場は北海道札幌市、札幌ドームです。

 

 

今まさに変革の時を迎えている世界的に見ても稀有な屋内型競技場。北海道日本ハムファイターズが撤退した事により、現在はコンサドーレがホームスタジアムとしては独占できる形になっていますが、ネーミングライツの販売検討や3月末には音楽フェスの開催など、新たな施策も色々トライしている最中です。コンサドーレは昨年から、クラブのオフィスも札幌ドームの敷地内に移しましたね。

アウェイのコンサドーレ戦といえば札幌ドーム開催の年と札幌厚別公園競技場開催の2パターンがあり、かつてのガンバは厚別で勝てない代わりに札幌ドームでは3戦3勝の時期がありました。しかし2019年に初めて引き分けて以降は2連敗、ルヴァンを入れると3連敗……このスタジアムが疑問になる前に流れを断ち切りたいところ。

 

 

開始2分、札幌はセットプレーが一度は弾かれたところを繋ぎ直し馬場晴也のクロスに選手2人が飛び込むもダワンがブロック。対するガンバも5分にはセットプレーのこぼれ球を福岡将太、6分には左サイドでのコンビネーションから坂本一彩がミドルを放つなど両チームともゴール前まで迫る場面も序盤から多く作っていました。

前半トータルでのポゼッション率は札幌の方が高い数字が出ていましたが、ガンバは比較的高い位置でのボール保持はできており、攻撃のスタートラインを高いところに保てていた事でいつもよりもショートパスと縦へのアクションを交えながら…といえ展開になっていきました。

 

 

 

20分には小林祐希に際どいFKを放たれるも、この場面はGK一森純が好セーブ。札幌は両WGがエリア内に多く侵入し、そこから切り崩そうと試みてくるような場面はいくつかありましたが、やはり三浦弦太&中谷進之介が中央にいる安心感は大きくそこで無力化させる事ができていました。

一方、攻撃は中央突破気味な攻撃で何度かチャンスは作り、30分には中野が倒されて得たFKによるジェバリのキックがポスト直撃。31分にはセットプレーの流れから福岡がガンバ初ゴール…かと思われましたがオフサイド判定でゴールならず。しかしそういう際どい場面はいくつかありましたが、ガンバもガンバで中2日かつターンオーバーを敷いた影響もあったのか、単調とまでは言わないけれど散発的な攻撃に終始。

 

 

 

ガンバにとっては相対的に優勢な試合展開ではあるけれど、でもガンバはガンバで上手くゲームを運べていたわけではない…という何とも言えない展開に。前半は0-0で終了。

 

 

今季のテーマでもある強度の観点において前半はなかなか出力の弱かった印象のあったガンバでしたが、後半は立ち上がりから出足の良いプレーを見せ始めていました。48分、ドリブルで運んだ食野のスルーパスに坂本が抜け出してシュートを放ちますが、今日初めてに近い流れの中から作った決定機はGK菅野孝憲が阻止し、こぼれ球に詰めたジェバリのシュートもゴールには至らず。直後には倉田にもシュートチャンスが訪れますが、いずれもゴールを捉えるには至りません。

 

 

 

しかし後半はガンバは前線ではキレを出せるようになった反面、そこへの意識の傾倒か、或いはシンプルに過密日程に起因する運動量の低下かミドルゾーンで強度を出せない状況が生まれ始めました。それでも中央は三浦&中谷のコンビでしっかり締めていたのでわかりやすく崩されるような場面は無かったものの、ミドルゾーンの支配権を札幌に奪われる形になり、中盤からサイドに展開されてそこから何度かクロスボール、或いはマイナスの折り返しを度々喰らうような押し込まれる展開に。

札幌が64分に近藤、大森、小林を下げて髙尾瑠、長谷川竜也、小林祐希を投入したのに対し、ガンバは61分に食野を下げてウェルトン、67分にはジェバリ、倉田、坂本を下げて宇佐美貴史、黒川圭介、石毛秀樹を一気に投入。71分にはウェルトンの個人技からのクロスに黒川投入でポジションを一列上げた中野が飛び込みますが…ゴールならず。

 

 

 

しかし少しガンバが展開を持ち直したように見えた流れの中で均衡が破れたのは73分、その瞬間はガンバには微笑みませんでした。

右サイドでボールを繋いだ札幌は浅野雄也のパスをエリア内で受けた長谷川がクロス。クロスとしては短い距離の対空時間の長いボールに対し、ファーサイド宮澤裕樹が福岡に競り勝つ形でヘディングシュートをゴールイン。ガンバ失点。札幌にとっては、クラブの窮地を前にして札幌一筋のバンディエラが光明を差し込ませる形に。

 

 

81分、ガンバは左サイドで中野と左右を入れ替えたウェルトンと石毛がパス交換。最後はウェルトンのスルーパスに抜け出した黒川の折り返しが相手DFに当たったところを中野が押し込んで同点弾…かと思われましたが、黒川がボールを受けた時点でオフサイド判定となり、ガンバばゴールネットを揺らしたシーンが2つもオフサイド判定で取り消される事に。

試合はそのまま0-1で敗北。ガンバにとって開幕6戦無敗へ4度目の挑戦は儚く散り、苦難が続いていた札幌はレジェンドの一発で勝利する最高のシナリオを描きました。

 

 

 

まぁ……苦しい試合でしたね。今日の試合ではターンオーバーを採用した訳ですが、ターンオーバーで戦った試合というよりは内容的には急造チームで戦ったような内容になってしまっていました。

前線の停滞感は深刻だったと思います。途中出場メインとはいえ今季のチームでコンスタントに出場している倉田や坂本はまだ文脈に沿った動きをしてくれていたと思いますが、ジェバリや食野のところがどうしても終始あやふやになってしまっていましたし、例えばこれまでの試合なら宇佐美が左に抜ければ山田が右に抜けていく、宇佐美が降りれば山田が追い越していくような動きがナチュラルに成立していて、今季は宇佐美と山田の動きが良い分、ここに誰かと宇佐美、誰かと山田の関係でもこれが成立していましたが、ジェバリと坂本の間ではそこがなかなか成立してこなかったですし……前半は高い位置でボールを持てていた分、相対的には優勢に展開はできていたとはいえ、その時点で消化不良感があった事は確かです。

 

 

後半は試合の入りは良かったとは思いますが、逆にちょっと入りが良かった事で前傾姿勢が強まってしまったのか、シンプルにハードな展開となった広島戦京都戦と続く連戦に飛行機移動が挟まったコンディション面でのフォームの低下なのか…後半立ち上がりの良い場面が何度かあった後、個人ではなくチームとしてミドルゾーンでの強度がガクッと落ちたように見えて、中盤エリア全体が札幌のテリトリーになってしまった時間が始まったんですね。

それでもガンバはDFラインは高い集中と統率を保っていましたし、例えば札幌は近藤が素晴らしい動きを見せていましたが、近藤には本職CBの福岡が対峙して、そこに三浦が構えて中谷も備えるシステムを構築するなど守備の連動は機能していました。ただ札幌はその近藤を下げて、ドリブルで切り込んでいたところをサイドで細かく繋いでからファーにクロスを入れるようになってきた。裏返せば、ガンバは近藤への対応はほぼ完璧にできていた事が伏線というか最終的には仇となったかのように、札幌の選手交代とスタンスの変更で守備陣の距離感を「結んで開いて」みたいなノリで引き伸ばされては縮められるようなボールの動きを繰り返されてしまった。宮澤の決勝点はその歪みの中で生まれた象徴的なシーンだったように思いますし。

 

 

 

結果から言うとターンオーバーの影響はモロに出たゲームでしたし、5戦無敗を記録したレギュラーチームとの差は否が応でも映し出されてしまったゲームだったという部分は素直な感想です。サイドに欠場者が多い中で迎える4月の連戦に向けて右SBとしての福岡、或いは中野が計算に値するパフォーマンスを見せてくれた事…まあ福岡はある程度想像できたとすると特に中野ですかね。そういう収穫はあったと思いますが、試合として芳しいものではなかった事は変わりません。

ただ、結局のところ上位を目指せるチームになる為に重要な事は、無敗や連勝をどこまで伸ばせるかではなく、それが途切れた時にそれはそれとして元の良い状態をすぐに取り戻せるかどうか。これは去年のガンバができなかった事でもあります。そもそも無敗でシーズンを終えるなんてどのチームにとっても現実的じゃない訳で、次のマリノス戦での振る舞いがより一層問われる事は言うまでもありません。

 

 

2024明治安田J1リーグ第7節分のうれしはずかしじゅんいひょうのコーナーは北海道コンサドーレ札幌 vs ガンバ大阪マッチレビューページに記載しています。

 

 

なんでF1とモロ被りなんだ!!

ではでは(´∀`)