RK-3はきだめスタジオブログ

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嫌味な快晴-Scramble Tourism- 〜2024明治安田J1リーグ第7節 京都サンガFC vs ジュビロ磐田 マッチレビューと試合考察〜

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鈴鹿桜花賞も同時だぁ!?

 

どーもこんばんは

 

 

さてさて、本日のマッチレビューは2024明治安田J1リーグ第7節、京都サンガFC vs ジュビロ磐田の一戦です!

 

 

 

京都サンガFC 30周年企画ブログのまとめページはこちら!随時色々と更新しております。

 

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史上最強のサンガを掲げたクラブ創立30周年のシーズンの歩みは6試合を終え、1勝3分2敗。現状の数字としては、良くも悪くも想像の範疇と言うべき数字に推移していると思います。曺貴裁監督体制になって4年目になりましたが、これまで培った強みをちゃんと活かしつつ、これまでも宿っていた欠点は相変わらず息づいている。良くも悪くも曺貴裁京都が出ており、ある程度予想の範疇に収束している……それが現時点でのざっくりした感覚です。

この現状はポジティブに捉える事もできますし、ネガティブに解釈する事もできる。或いは同じ事象に対して良し悪しが混在している場合もある。柏戦のように取れた勝点もあり、東京V戦のように落とした勝点もある。そのどっちつかずな立場は曺監督体制4年目でそこから抜け出せていないという側面もあれば、J2に呑まれた長い歴史で見ればその段階には辿り着いた喜びもある……今のサンガはそういう意味では「良くも悪くも」という言葉が良くも悪くも似合うチームとして推移し続けています。

ただ、せめてその場所を守る為には直接的なライバルになり得る相手は確実に叩かなければならない訳です。少なくとも今季のサンガは川崎のようなチームに勝つ割には、昨季の順位や開幕前の順位予想などで近い位置にいるチーム相手に芳しくないゲームを繰り返してきました。磐田もそこにカテゴライズされるチームでしょう。サンガがJ1の立場を確立する為にはまだ時間も要る。ただ、時間を得る為には結果という担保が絶対に必要になる。前節G大阪戦は、勝利とは行かずとも…拾うべきものを拾った内容と結果ではありました。今日は特にそういうところが求められるゲームになるはずです。

両チームスタメンです。

 

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サンガは前節G大阪戦からのスタメン変更は左WGの安齋悠人をマルコ・トゥーリオに戻した1人だけですが、これまではアンカーに川﨑颯太、インサイドハーフ松田天馬と武田将平だったものを、川﨑をインサイドハーフ、武田をアンカーとしたG大阪戦後半の形を踏襲した配置でスタートします。控えには宮本優汰と鈴木冬一が復帰しました。

磐田は2-0で勝利した前節新潟戦からの変更は2人で、前節はジャーメイン良と藤川虎太郎のFWと1.5列目タイプでの2トップでしたが、今日は藤川でなくマテウス・ペイショットを起用し、より2トップらしい組み合わせ。また、ここまで全試合にフル出場していた松原后が今節は欠場。それに伴い右SBだった植村洋斗を左SBにスライドさせ、千葉から獲得した西久保駿介がJ1初先発を飾っています。ベンチに入った古川陽介は京都サンガFCのU-15出身です。

 

 

 

本日の会場は京都府亀岡市サンガスタジアム by KYOCERAです。

 

 

2試合連続アウェイゲームとなったので第4節横浜FM戦以来、その間の3月22日にU-22日本代表の試合を挟んで迎える久々のホームゲームです。本日はムラサキッズDAYとして開催され、小学生を対象にしたイベントが色々実施予定となっています。そういえば4月13日にはももいろクローバーZが亀岡総合運動公園でライブをやるそうで。一応その日のサンガはアウェイゲーム。サンガスタジアムの公式Xがなにやら思わせぶりな投稿をしていましたが…

サンガスタジアムが開場したのが2020年。そこからサンガはJ1昇格を果たしたので2021年が2022年になるタイミングで対戦相手の顔触れがガラッと変わった訳ですが、ルヴァンや天皇杯を除けばリーグ戦で最もサンガスタジアムに足を踏み入れたチームが磐田と新潟の2クラブなんですよね。磐田にとってちょっと相性の良いスタジアムになりつつある節もあるので、その流れにだけはなんとかピリオドを打ちたいところ。ましてや今のところ、今季はホームで2戦2敗ですしね…。

なお、サンガは伊藤雅章社長が4月1日を以って退任(同日付けで代表取締役副会長に就任)。新たに飯野晃社長が就任し、新体制で最初のホームゲームとなっています。

 

 

序盤のリズムを掴んだのはサンガでした。高い位置を取った両SB、ないしは原大智トゥーリオがワイドに開いて幅をとりつつ、サイドに出してから内側に走る動きも積極的に見せ、武田をアンカーに置いてある程度低い位置をキープさせる事で川﨑と松田のダイナミズムがより活きやすい形を作りながら攻撃を仕掛けていきます。

4分には原が強熱なミドルを放つもGK川島永嗣が好セーブで阻止。16分には磐田にセットプレーを与える場面まで持っていかれますが、自陣から佐藤響の縦パスを受けた豊川のスルーパスに抜け出したトゥーリオが左サイドを突破。この場面も得点は取り切れませんでしたが、立ち上がりから押し込んでいくつかの好機を生み出していきます。

 

 

 

前節のG大阪戦と同様、サンガは前線から相手のビルドアップや展開を阻止する為のプレスが上手くハマっており、相手から直接ボールを奪うというよりは選択肢を奪うプレスを続けながら、誘引した縦パスを確実に潰し切ってそこからショートカウンターを仕掛ける…という流れでリズムを回し続けていました。特にそれが川﨑や松田の辺りを起点に上手く始まっており、23分には相手の粘り強い守りもあってシュートには至らなかったものの、川﨑のボール奪取からトゥーリオと佐藤で決定機。

その後は一時磐田がビルドアップというよりも個人でボールを持ち運ぶ事で前線の時間を作ろうとする時間帯もあり、何度かゴール前まで到達されますが特にピンチと捉えられるような場面は与えず。

 

 

 

35分にはサンガゴール前と磐田ゴール前を往来した流れから、サンガのペナルティエリア内から武田が出したボールをトゥーリオが中継するように前線にパス。これを受けた原が独走して決定機を迎えますが、狙い澄ましたシュートはリカルド・グラッサの巧い対応もあって僅かに枠の右へ。

対する磐田は43分、左サイドからのクロスにペイショットが反応した場面で、ペイショットのヘディングシュートが競り合った麻田将吾の手に当たってしまいPK判定。しかしペイショットのキックは我らが守護神ク・ソンユンスーパーセーブ!!ありがてえ!!ありがてえよスーパーソンユン!!

 

 

ただクソンユンのエキサイティングなプレーを見れた喜びはありながらも、良いリズムでプレーできていた前半から流れを転換されてしまう形になり、試合の風向きとしては不安を拭えないまま0-0で前半終了。

 

 

後半最初のチャンスは磐田に訪れましたが、藤原健介の直接FKはクソンユンの好セーブと武田のナイスカバーで阻止。しかし50分、磐田は右からCKのチャンスを得ると、藤原がマイナス気味に入れたボールを西久保がヘッド。J1初スタメンを飾った男のヘッドは文字通り吸い込まれるようにゴールネットへ……。サンガにとっては前半終了間際の悪い流れをそのまま引き継いでしまったような嫌な時間帯と嫌な失点に。

 

 

失点直後にサンガはこちらも松田のセットプレーからアピアタウィア久が頭で合わせますが枠を捉えられず。ただ、一度磐田に傾いた流れをサンガは立て直せず、63分にはペイショットのポストプレーに完璧なタイミングでジャーメイン良がシュート。この場面はどうにかポスト直撃で事なきを得ます。曺監督は64分にトゥーリオ、松田、武田を下げて山﨑凌吾、宮本優汰、鈴木冬一を3人同時に投入。鈴木を右サイド、宮本をボランチとして起用し、山﨑と豊川を2トップ気味な位置関係に置きます。

しかしそのファーストプレー、右サイドでのスローインから西久保が素早くクロスを入れるとニアサイドでペイショットがヘッド。ペイショットは前半のPK失敗を取り返すゴール。そしてサンガは3人交代のシステム変更作業中のズレを突かれる形に。更に更に71分、右サイドを突破した松本昌也のクロスにまたしてもペイショットがニアサイド…フィニッシュはリプレイかと思うようなゴールで0-3。

 

 

75分には豊川と佐藤を下げて福岡慎平と安齋悠人を投入して山﨑と原のツインタワー状態に。77分、ルーズボールを山﨑がマイボールにすると、抜け出した鈴木の突破からのマイナスの折り返しに走り込んだ安齋がシュートを放ちますがカバーに入った上原力也がブロック。ボールを前に持っていくところまでは試合を通してやり続けていたものの、そこからのクリエイトに乏しく…。

 

 

 

降臨が嵌まったF1カーのエンジンを空ぶかししたような後半戦。

暖かく過ごしやすい季節になったサンガスタジアム by Kyoceraに差す日差しは嫌味なほどの快晴。

0-3、惨敗です。

 

 

 

前半……厳密に言えば前半の前半は良かったと思います。ボール保持時には幅を確保した上で、開いたスペースの内側を取るような動きもできていましたし、特に左サイドのところでのトゥーリオの器用な振る舞い、そこに呼応する松田や佐藤の動きはポジティブなものでした。そもそも前節のG大阪戦もそうでしたが、高い位置をスタートラインにしたビルドアップへのプレッシングはやっぱりサンガは上手いですし、よく組織されている。ホルダーへのチェックもそうですが、その上でワンサイドカットの方向で走りながら受け手となり得る選手にもチェックに行く。それが無理な縦パスを誘発し、そこでカットしてからショートカウンター…とか。サンガがやりたい、やろうとしている攻撃パターンは出せていました。特に今日に関しては武田というバランサーをアンカーに置いたことで川﨑や松田が動きやすい状況にもなっていましたし。

ただ、まず磐田が自陣でのパス回しを諦めて、そもそもロングボールというよりもいけるところまでは個々人が自分でボールを持ち運ぶようになっていったと。これが大体25分以降くらいですかね。磐田がそういう動きをし出す事で、サンガの敵陣でのプレスにおけるいわゆる黄金比的な状況はじわじわと崩れていきました。磐田としては、まずはパス回しのスタート地点になるようなラインをDFラインから無理やりにでも一列上げる為のモーションをする。それを前にサンガはまんまと押し下げられて、ハイリターンが望めた前線のプレスがハイラインじゃなくなったことでハイリスクとローリターンになっていってしまい…。35分のシーンのように、背後のスペースが増えた分ロングカウンターに転じられるような場面もあったとはいえ、そういう状況に持って行かれた時点でサンガのストロングポイントは完全に消されてしまったと。そしてこれ、ハーフタイムにスイッチを変えたガンバとコンドゥクシオンを用いた磐田の違いはあれど、優勢から劣勢に転じた流れとしては前節のG大阪戦と大体同じなんですよね。それでもガンバ戦は戦力値で明らかに上回る相手に優位な時間も長く作れたことや、最終的に耐える守備が東京V戦の反省も踏まえたものだったので美点でしたが、今日は…。

 

 

そもそもサンガの場合、前半の前半のような展開がストロングである以上、山河は良い時間こそエネルギーの消費が激しいという副作用もある訳です。だからこそこのサッカーを継続する上では流れが向いている時間帯に確実に点を取ってチームとしてバブルから撤退し、割り切った状態でロングカウンターが繰り出せるようなシステムにシフトチェンジする必要がある。それができていたのが川崎戦だったと思いますし、なんとなく今のサンガに「内容が良い時ほど勝てずに、内容があんまり良くない試合の方が勝点取れてる」という印象があるのはそれゆえでもあるでしょう。強みを活かして弱みを誤魔化すには一定の条件を満たす必要がある。ガンバ戦はどうにかゼロで耐えているという事実がチームの統一感をすんでのところで担保していたと思いますが、失点後の試合展開は崩れたというよりも千切れたというような感覚でしたね………リプレイのような2点目と3点目は特に。今日の内容というか、この0-3という敗北に至るまでのプロセスは、このチームにとっての王道とも言える負け方でもありました。

ただ結局のところ、来年からどうするかはともかくとして、今のサンガにとってはこれがベターな戦い方ではあると思うんです。全体論的な設計としてはこのチームはそれなりのものを組めている。レギュレーションの妙にも救われたとはいえ、11年もJ2にいたチームが2年連続でちゃんと残留した事を偶然だけで説明するのは無理がありますし。だからこそ、ここからクラブのステージとステータスを上げるような結果を求めるには現状を脱しなければならない。箱の中に詰めるものをもっと工夫しなければならないし、苦境時に取り出せるものを詰めておかなければならない。だからこそ最初から劣勢ならまだ開き直りようもあるけれど、優勢が劣勢になった時に自動的にスクランブルに突入する訳で……。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

2024明治安田J1リーグ第7節

北海道コンサドーレ札幌1-0ガンバ大阪

東京ヴェルディ1-1柏レイソル

アルビレックス新潟0-1セレッソ大阪

京都サンガFC0-3ジュビロ磐田

ヴィッセル神戸1-2横浜F・マリノス

サンフレッチェ広島2-0湘南ベルマーレ

浦和レッズ3-0サガン鳥栖

川崎フロンターレ0-1FC町田ゼルビア

名古屋グランパス0-0アビスパ福岡

FC東京2-0鹿島アントラーズ

 

第6節終了時点順位表

1位 FC町田ゼルビア(16)

2位 サンフレッチェ広島(15)

3位 セレッソ大阪(15)

4位 ヴィッセル神戸(11)

5位 浦和レッズ(11)

6位 FC東京(11)

7位 横浜F・マリノス(10)※1

8位 鹿島アントラーズ(10)

9位 柏レイソル(9)

10位 名古屋グランパス(9)

11位 ジュビロ磐田(9)

12位 ガンバ大阪(8)※1

13位 アビスパ福岡(9)

14位 アルビレックス新潟(8)

15位 川崎フロンターレ(7)

16位 東京ヴェルディ(7)

17位 京都サンガFC(6)

18位 湘南ベルマーレ(5)

19位 サガン鳥栖(4)

20位 北海道コンサドーレ札幌(4)

 

※1 1試合未消化

 

 

前節で初黒星を喫した町田でしたが、アウェイに乗り込んだ川崎戦では後半途中に退場者を出しながらも1-0で勝利。連敗には至らず首位をキープしています。同じく無敗をキープしてきた広島はホームで湘南に、C大阪はアウェイで新潟に勝利して無敗をキープしていた一方、4つ目の無敗チームだったG大阪は敵地で唯一の未勝利チームだった札幌に0-1で敗北。この結果、無敗チームは町田、広島、C大阪の3チームとなり、札幌の勝利で全20クラブが1勝は挙げた事になりました。昨年の1位チームと2位チームの対戦となった神戸と横浜FMの試合は横浜FMが2-1で勝利を収めています。

 

 

桜花賞負けたわ!!

ではでは(´∀`)