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時間を得る為には…〜2024明治安田J1リーグ第3節 川崎フロンターレ vs 京都サンガFC マッチレビューと試合考察〜

 

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砂混じりの川崎

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューは2024明治安田J1リーグ第3節、川崎フロンターレ vs 京都サンガFCの一戦です!

 

 

 

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30周年を記念するアニバーサリーイヤーとなった2024年。サンガにとってはその年を、J1で数シーズン過ごした上で迎えられることはまさに満を持したようなタイミングで、クラブや曺貴裁監督がチームスローガンとして「サンガ史上初ゴール」を掲げた事は、実態以上にそういう文脈を踏まえた上であれば自然なものだったと思います。

そんな記念すべきものにしたい、印象深いシーズンにしたいサンガが挑んだホーム開幕戦、第2節湘南戦……その素直な印象は「去年出来ていた事も出来ていない」「開幕戦で出来ていた事さえも出来ていない」という、1-2の僅差のスコア以上に鈍痛が襲いかかるような試合展開……それが実情でした。開幕2連敗だった昨季よりは数字としては1を取っている分マシではあるものの、鹿島・名古屋と対峙した昨季と異なり、柏・湘南という昨季の残留を争った相手に1勝も出来なかった現実…それはサンガにとってあまりにも苦しい開幕スタートでした。

一つのミス、一つのロスト、そして一つの敗北…それは次のプレーや次の試合での回復、もしくは「最悪の結果」のどちらかを以って精算しなければならない瞬間が訪れる。それは相手が川崎という、数年前までは壁として認識する事さえ叶わなかったようなチームであっても求められるものは同じです。ここで勝利を!

両チームスタメンです。

 

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サンガは開幕からの2試合では同じ11人をスタメン起用しましたが、今日は前節から3人スタメンを変更。マルコ・トゥーリオはベンチに入りましたが、武田将平と鈴木冬一はベンチからも外れています。今日は左WGだった原を真ん中に持って行き、J1初スタメンとなる平賀大空を左WGで器用。代わってスタメンに起用された松田天馬三竿雄斗、ベンチ入りの一美和成と宮吉拓実は今季初のメンバー入りとなり、特に宮吉はJ1リーグ戦では昨年9月の神戸戦以来のメンバー入りとなっています。

前節、磐田と4-5にまで至った壮絶な撃ち合いを落とした川崎は磐田戦からスタメンを4人変更してきました。好調を維持していたエリソンが欠場し、CFには山田新を起用を今日は山本悠樹をアンカー、橘田健人をSBと普段よりも後ろの位置で起用しており、富士フイルム杯では先発した丸山祐市と上福元直人が今季のリーグ戦で初先発を飾っています。上福元は古巣対決です。

 

 

 

本日の会場は神奈川県川崎市、Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsuです。

Jリーグ開幕当初はヴェルディ川崎のホームとして、そして2000年代からは川崎フロンターレの絶対的なホームスタジアムとして、2つの顔でJリーグの歴史の背景になり続けてきたスタジアム。元は1966年に開場したというだけあり、1994年、1995年、2001年、2013年など大規模から小規模なものまで改修を繰り返してアップデートしてきました。今季からはフロンターレの親会社でもある富士通命名権を取得し、Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsuとして運用されています。

 

 

最初のチャンスはサンガでした。6分、ク・ソンユンのロングボールから走った攻撃が紆余曲折の末に右サイドの福田心之助が入れたクロスボールに対して中央の豊川雄太がヘッド。しかしここは古巣対決となる上福元に阻まれ、7分にはそのCKからゴール前で粘った原大智の折り返しに無人のゴール目掛けて走り込んだ川﨑颯太が押し込んでサンガ先制…かと思われましたが、川﨑にパスを出した原がボールコントロールの際にハンドを取られてゴールは認められず。

 

 

 

序盤は良い入りを見せたかのように見えたサンガでしたが、前半の前半はそういう流れでサンガがビルドアップ出来そうな時間もあったものの、徐々にチームとして押し下げられていくような形となり、家長昭博や脇坂泰斗といった起点を捕まえ切れず、一度そういう流れになってしまうとサンガはなかなか巻き返していけなくなりました。

川崎を相手に、元々サンガがやりたがるハイプレスも出来ないような状況に追い込まれ、ズルズルと後退していく最終ライン。山田新に何発かミドルを放たれ、マルシーニョには何度か裏抜けを喰らい…どうにかク・ソンユンの好セーブや金子大毅のブロックなどもあって失点は回避していたものの、その輪廻のような展開からなかなか抜け出せていません。

 

 

 

それでもなんとかズルズル後退しながらも最終ラインは一定の粘りを見せ、崩されてこそいたものの、相手アタッカーの前に一人は守備者がチェックに行けるような状態だけは最後の最後でギリギリ保てていたサンガ。良い入りを見せた序盤で点を取れないままズルズルと前半を過ごしましたが、フィニッシュの部分はなんとか粘りを見せる形で0-0で前半終了。

 

 

サンガは後半から平賀を下げてマルコ・トゥーリオを投入。

後半はキックオフを挟む事で前半の悪いながらを一旦強制的に断ち切る事ができ、かつトゥーリオの投入で3トップの位置関係が流動的になった事でマークの再編を強いられる形となった川崎を前にボールを握れる時間が増えていきました。しかしサンガもサイドの広いスペースにボールを出すところまでは行けるものの、そこでの個の対峙やアタッキングサードでのパスの精度には鋭さを欠き、リズムの割にはそれをなかなかチャンスに転化させられません。57分には原のクロスに反応した

逆に58分には川崎が左サイドでFKを得ると、三浦颯太がクロスボールを供給。これに丸山が合わせて川崎先制…かと思われましたが、これは丸山自身がオフサイドでノーゴール判定。お互いにネットを揺らしたシュートは1本ずつ取り消される格好に。

 

 

 

しかし前半は一つ翻されたところから立て直せなくなったのに対し、後半は試合自体がオープンな展開と化していた事もあり、展開によってはサンガにとって逆風にもなるルーズボールを刺しに行くスタイルが上手く展開を取り戻すような形になっていました。

65分、サンガはCKを獲得すると、そういうスペースが出来やすい展開になっていたところもあって三竿雄斗を下げて佐藤響を投入。そのCKは弾かれましたが、マルシーニョが持ち出したところをカバーした福田心之助が左サイドにボールを出すと左サイドの松田がクロス。ファーサイドで合わせた豊川のシュートは上福元に阻まれ、こぼれ球に詰めた原と上福元の交錯も上福元が先に掻き出しますが、そのボールを最後は川﨑颯太が冷静に流し込んでサンガ先制!!去年も第3節でチームを連敗から救った新たなる象徴は今年もこの危機的な局面でまたしても!!!

 

 

70分になると川崎はマルシーニョと山田新を下げて遠野大弥と小林悠を投入。先制した後は川崎が少し焦りで空回るようにもなっていて、サンガは川崎が縦に送ろうとしてくるボールをアタッキングサードに入る前に阻止する事が出来ており、そこからカウンターに展開する事も出来ていました。トゥーリオが上手い具合にボールを収め、79分には右サイドに流れた佐藤のクロスをファーでトゥーリオが合わせるもサイドネット。

 

 

 

しかし終了間際になると川崎が猛攻を仕掛けてきます。

前述のトゥーリオのシュートの直後に瀬古と脇坂を下げて瀬川祐輔と佐々木旭、84分には家長を下げてバフェティンビ・ゴミスを投入した川崎は直後に絶妙なコントロールで右サイドを突破した瀬川がクロス。ク・ソンユンが弾いたところに詰めたゴミスが詰めますがシュートはなんとかギリギリ枠外へ。87分には右からのクロスのこぼれ球を橘田が残すと、これに反応した遠野のシュートのこぼれ球をゴミスが押し込んで同点…かと思われましたが、これは遠野がオフサイド判定となりサンガはまさしく九死に一生

 

 

 

アディショナルタイムまで交代枠を2枚しか使っていなかったサンガは終盤にスーパーレジェンド、宮吉拓実など3選手を次々と投入。

終盤も肝を冷やす場面が相次ぎましたが、守備陣もク・ソンユンの攻守を中心にどうにか跳ね返して試合終了!サンガ、等々力で16年ぶりの勝利は危機的状況に一つの句点を打つ大きな今季初勝利となりました!!

 

 

 

前半はなかなかしんどい試合でした。入りは悪くなく、実際に2度ほどのチャンスを掴んだりもした訳ですが、一度川崎のターンになってからはもう跳ね返さなかった。何度かサンガボールになった時間もあったとはいえ、湘南戦の単調さに対する打開策の一つが原のセンターCF起用でもあったのでしょうが、結果的には拙いビルドアップ力で原をセンターに置いた事はよりそういう傾向が助長された部分はあったのかなと。ましてや原をターゲットにするにしてもWGもサイドに開いたというよりは外に追い出されてそこに上手く絡めなくなっていて、インサイドハーフも守備に忙殺された事で原のフォローまで出来なかった。川崎も守備が崩壊した前回から丸山を入れてスペース管理を修正していましたし、正直前半で言えば詰みな部分は否めませんでした。

 

ただ、後半は平賀を下げてトゥーリオを投入し、3トップが比較的スタート位置通りのポジションをとった前半に対して、後半は柏戦や湘南戦の前半と同様に、この2試合と違ってトゥーリオは左WGのスタートでしたが、ここと原の2人が流動的に動くようになっていました。この左と対峙する橘田は元々SBの選手ではないですし、アンカーの山本も攻撃面は文句ない一方、アンカーとしての守備を強みに持つ選手ではない。そこで川崎がマークの管理をどうするかに手間取っているうちにサンガは川崎をオープンな展開に引き摺り込む事が出来たのかなと。

実際、ある程度オープンな展開になればルーズボールも増えますし、ルーズボールが増えればそこを刺すように突っ込んでいくサンガのやり方は功を奏してくる。得点シーン以外にもサイドでスペースを持ちながら突破できるシーンが増えたのはそういう部分もあったのかなと思います。前半がどれだけ詰むような展開になったとしても、前半さえ耐えればハーフタイムでは強制的に一旦流れを切る事が出来る。そこで流れを変えるような勝負を打つ……内容が良かった試合とは言いませんが、この2つのポイントを上手く利用する事は出来たと思いますし、そういうタイミングを逃さない為の集中力はしっかり備えていたように感じました。得点シーンの豊川のシュートのこぼれ球に対する原や川﨑の反応の速さはその象徴だったのでは。

 

 

褒められた試合だったとは言いませんが、勝てない試合が続けば続くほど個人もチームもダークサイドに堕ちていく。その時にどんな内容ではあれ、勝点3を持った事実は幾分かの救いになりますし、「時間が必要」とは言っても時間を手に入れる為に数字は必要になります。

サンガがこれからやらなければならない事、今のままでは良くない事は多々あります。ただそれでも、0の試合を1に、1の試合を3にする事を重ねていく事で時間は与えられる。サンガが今J1にいるのはその積み重ねですから……この段階で勝点3を取れた、ズルズル行く前に1勝を手にした事の意味は大きいです。本当に良かった…。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

2024明治安田J1リーグ第3節

FC町田ゼルビア1-0鹿島アントラーズ

アルビレックス新潟1-0名古屋グランパス

ジュビロ磐田0-1柏レイソル

サンフレッチェ広島4-0サガン鳥栖

アビスパ福岡1-1湘南ベルマーレ

FC東京1-2ヴィッセル神戸

川崎フロンターレ0-1京都サンガFC

セレッソ大阪2-1東京ヴェルディ

北海道コンサドーレ札幌(10日13:05)浦和レッズ

横浜F・マリノス(4月10日19:00)ガンバ大阪

 

 

等々力での勝ち、柳沢ゴール以来か…。

ではでは(´∀`)