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J1の苦味と鹿島る要塞〜明治安田生命J1リーグ第17節 鹿島アントラーズvs京都サンガFC マッチレビュー〜

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J2の日々が遠い過去のようだ…

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビュー明治安田生命J1リーグ第17節、鹿島アントラーズvs京都サンガFCの一戦です!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

J1復帰と言えばJ1復帰なんですが、いかんせん12年ぶりのJ1となったサンガにとって、今年のJ1はほぼ初のJ1に近い感覚で挑むべき舞台でした。「SAdventure」というスローガンが物語る通り、まさしく冒険としての今シーズン……サンガにとっての道のりは、少なくとも当初の予想よりは良い冒険ができているのでは無いでしょうか。

開幕戦で優勝候補の浦和を撃破し、4月は僅かに1敗でピーター・ウタカは月間MVPを受賞。5月は4月とは対照的に勝ちに見放されたものの、それでも中断期間前最後の試合…曺貴裁監督就任以降、「彼らを倒す事」を目標にしていた川崎にすら勝ち切ったサンガは気付けば9位。これから先のことを簡単に展望するのもアレですけど、少なくとも前半戦の働きに関してはある程度の点数が与えられるべき結果を出せたと思います。

そして…今日の試合は前半戦ラストゲーム。即ち、対戦相手は今日で一巡です。その最後の相手はJリーグの帝王・鹿島アントラーズ前々節横浜FM戦前節川崎戦、そして今日の鹿島戦は、サンガにとってある種"J1を突きつけられる試合"という側面を持っています。未だかつて、一度も勝利したことのないカシマサッカースタジアムで勝利し、後半戦への光明と新時代を冒険の次章に繋げましょう!

両チームスタメンです。

 

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サンガは久し振りの出場となる選手を含め、少し意外な布陣となりました。システムこそいつもの4-1-2-3ですが、井上黎生人をアンカーに据えてCBの選手を3人中央に配置し、インサイドハーフでは共にアンカー起用が多い金子大毅と川﨑颯太を起用。左SBや左WB起用が多かった荒木大吾を左WGに置きました。CBに入った長井一真第10節福岡戦、右WGで古巣対決の豊川雄太第3節磐田戦以来の先発で、今季ほとんど出場機会のなかった飯田貴敬が第4節湘南戦以来となる2試合目の出場となっています。また、今日は松田天馬が欠場しているのでピーター・ウタカがキャプテンマークを巻いています。

鹿島は怪我で日本代表を途中離脱した上田綺世はこの試合に間に合ったものの、ここまで全試合に先発していた鈴木優磨が出場停止により欠場。その為、和泉竜司をFWに配置し、MFには第6節清水戦以来の復帰となる仲間隼斗が起用されています。上田vsウタカのFW対決も楽しみですね。

 

本日の会場は茨城県立カシマサッカースタジアムです。

サンガにとって一度も勝利したことのない鬼門・カシマスタジアム。最後のJ1だった2010年は第33節…即ち、最後のアウェイスタジアムだったのがカシマでした。1-2で敗れた試合でしたが、当時の秋田豊監督にとっては古巣との試合みたいなポイントもあった試合でしたね。本日は「肉SHOCK」と題し、スタグルは肉料理が多く販売されるとの事。隣接されているカシマサッカーミュージアムでは鹿島アントラーズ功労選手賞を受賞した曽ヶ端準野沢拓也内田篤人にまつわる特別展示が行われます。

今年は日韓W杯から20年。当時はカシマスタジアムでも3試合が行われており、カシマスタジアム札幌ドームでは決勝トーナメントの試合を行わない代わりに3試合全てがポッド1の国の試合でした。ドイツvsアイルランド、イタリアvsクロアチアは大会屈指の名勝負になりましたね。

 

 

立ち上がりから攻勢に出たのはサンガでした。4分には荻原拓也のCKにウタカがダイレクトで合わせるも、これはGKクォン・スンテがファインセーブ。サンガは高い位置からのハイプレッシャーで鹿島陣内でボールを奪い、そこからサイド攻撃に繋げていく場面を何度も作った事で、結果的にセットプレーを獲得する機会を増やしながら鹿島を押し込んでいきます。

 

一方の鹿島はサンガの中盤のプレスの前になかなかミドルゾーンより前にボールを進める事が出来ず、上田も前線でやや孤立してしまうような形に。それでも28分にはディエゴ・ピトゥカのロングボールに抜け出したアルトゥール・カイキがループシュートを放つも、ここはGK上福元直人が立ちはだかってゴールには至らず。

 

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しかし前半終了間際になると、ロングボールを使いながらやや強引にサンガを押し返してきた鹿島にシュートチャンスが訪れるようにもなっていきます。37分には上田、39分には常本佳吾が決定機を迎える中で上福元の攻守でなんとか阻止し、43分にはピトゥカのアーリークロスをクリアしきれなかったところに走り込んだ上田が決定的な場面を迎えましたが、ここも上福元が顔面セーブで阻止。時間経過と共に鹿島に主導権を奪われたサンガでしたが、なんとか前半は0-0のまま耐えて後半に向かいます。

 

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しかし後半開始早々の49分でした。右から樋口がCKを入れると、ペナルティーエリアの中で完全にドフリーになっていたカイキが頭で合わせて鹿島が先制。前半の半ば以降から続く鹿島ペースの時間を、上福元のセーブで何とか耐えていただけに悔しい失点に。

 

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サンガはアクシデントにも見舞われました。53分には長井を下げて武田将平を投入。川﨑と井上をそれぞれ一列ずつ下げて反撃に出ようとしたものの、武田が60分に安西幸輝のクロスをブロックした際に脳震盪のような状態になったことで福岡慎平との交代を余儀なくされます。64分には豊川を下げて白井康介を投入し、荻原を右WGに置く思い切った采配も試みたサンガは65分、福岡のボール奪取からウタカが独力で突破するも、シュートはまたしてもクォン・スンテの正面に。

 

サンガは75分になると荒木を下げてイスマイラを投入。システム上はウタカが左WGの形ですが、実質的にはウタカとイスマイラを2トップにしたような形にすると、荻原・白井・飯田とクロスを上げられる3人が積極的にボールを放り込む事で同点を目指しますが、90分に白井のクロスにウタカが僅かに触れるもミート出来ず。基本的には鹿島のコンパクトな陣形に思うように前進出来ず、アディショナルタイムには鹿島の巧みなゲームの締め方に翻弄されて試合終了。サンガ、9年ぶりのカシマスタジアムでまたしても勝利することは叶いませんでした。

 

 

 

前半というか、30分くらいまでは完全にサンガのゲームに出来ていたと思うんですよ。試合後の会見で曺監督が「最初の5メートルが速い選手を(中盤で)使いました」と語ったように、実際に中盤でのプレスがかなり効いていて、どちらかと言えばサンガ同様にハイプレスとショートカウンターを軸に戦いたいであろう鹿島を確実に押し込めていました。それこそ、開始早々のウタカのシュートが決まっていたらどうなったんだろう…みたいなのはサンガファンは誰しもが思った事だと思います。鹿島は前線でボールを収めてタメを作れる鈴木がいない事もあって、攻撃がまるで回っていない状況になっていましたし。

ただ、そういう試合展開の中で28分にカイキが迎えた決定機のように、一時的に中盤省略を仕掛ける事で強引に押し返してから、自分達の目的とするサッカーをやれる土壌を無理矢理作り出すような、そういう鹿島の臨機応変さというか、チームとしてのキャパの広さはさすがと言わざるを得ませんでした。前半のうちにカイキや上田がロングフィードで裏抜けするようなシーンを作られた事で、サンガの守備陣に"裏への恐怖"みたいなものを植え付けてきた。その上で鹿島を押し込めていたコンパクトなハイラインがズルズルと押し下げられた事で、今度は逆に鹿島がやりたいように出来るようになってしまった…と。

そもそもサンガにとって、マリノス川崎→鹿島と続く3試合は「J1を知る3連戦」みたいな側面もありました。その意味では、やっぱりここでJ1の苦味を知らされた事で、後半戦の糧にしなければならない、ある種のレッスン的な試合だったのかな、とも思います。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

明治安田生命J1リーグ第17節

ガンバ大阪vs横浜F・マリノスのマッチレビューページに記載しておりますので、そちらをご覧くださいませ↓

 

ミスチルのチケット落ちたぞー!

ではでは(´∀`)