2010年12月4日──それがサンガにとって、長きに渡って「J1でのラストゲーム」と呼ばれてきた一日でした。
しかし元を正せば、サンガのJ2行きを決めた相手ってどこだったんだ?と。
浦和レッズです。
2010年11月14日、埼玉スタジアム2002……サンガにとって、実に12年にも及ぶ「望まぬJ2の旅」はここから始まりました。
12年……色々な事がありました。
それでも、それでも!
SANGA is BACK!!!!!!!!!!!!
という訳で、本日のスポーツ観戦日記は2022年2月19日にサンガスタジアム by Kyoceraにて行われた2022明治安田生命J1リーグ第1節(開幕戦)、京都サンガFCvs浦和レッズの一戦です!!
(小声の反省タイム)
ごめんなさい、本当ならこれ、観戦したその週には更新しちゃいたかったんですけど、正直まさかあそこまで快心の勝利をしてくれるとは思わず、観戦日記すっ飛ばしてマッチレビューより深めの試合考察ブログから先に書いちゃったうちに色々重なって完全に遅れました……もう2ヶ月前じゃないか……。
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……さぁ、やってきたよ、サンガスタジアムくん…!J1だよ…!
去年はもっぱら白のサンガTシャツを着ていましたが、昇格1年目の今年は1年目の挑戦者精神を忘れないという心意気の下(後付け)、割と開幕ギリギリに届いたJ1昇格記念パープルシャツで挑みました。
これ、ずっとワッペン形式で貼ってんのかなって思ってたら最初からシャツとしてデザインされていました。
そしていざサンガスタジアムに到着した訳ですが…
「J2で見る事のない圧」が早くも……。
そして、さぁ、サンガスタジアムでの初のJ1の座席に着弾でございます。
J1という美しい言葉の響きがビジョンに載せられ、この地からいよいよ「SAdventure」が始まろうとしていました。
曺貴裁監督恒例のスタンド挨拶回りも。
試合前も後も、挨拶に来るタイプの監督と来ないタイプの監督とそれぞれいて、別に監督は監督でやる事もプレッシャーもいっぱいあるし、それぞれにそれぞれのスタンスがあるので来ない事が悪いなんてこれっぽっちも思わないですけど……やっぱりぐるっと回って手とか振ってくれると純粋に嬉しいですよね。私もミーハーですし。
土曜日に食べた小籠包の汁の勢い凄すぎて笑った(おいしかった)#京都サンガFC#スタグル pic.twitter.com/uCVDXsLToC
— R (@blueblack_gblue) 2022年2月21日
載せてみたら評判結構良かった小籠包を挟みつつ(誰かPR案件ください)、しかしここから試合開始までの間、サンガファンはJ1の洗礼と感動を立て続けに味わう事になります。
「ドドンッドッドンドンッ」
「ドドンッドッドンドンッ」
「ドドンッドッドンドンッ」
【J2に慣れ過ぎたあまりあんなの見たことない状態に陥ってざわざわするスタンド】
「やべぇ」
「浦和レッズだ…」
「旗ってあんな動くもんか?」
「太鼓とかヒビ入らんのか…」
「これがJ1か…(萎縮)」
そんなウォーミングアップの最中、会場に一つのアナウンスが響き渡りました。
「VAR、ビデオアシスタントレフェリーの説明です。」
【12年前には聞いた事なかったフレーズに初めて東京に出てきたみたいにざわざわするスタンド】
「ゔっ、ぶいえーあーる…!?」
「これが噂の…」
「サンガが遂にVAR…」
「あっ…あのジェスチャーテレビで見た事ある…!」
「これがJ1か…(感涙)」
お、おい!
— R (@blueblack_gblue) 2022年2月19日
サンガスタジアムでVARの説明がなされているぞ…これがJ1か…!! pic.twitter.com/PszkK0iTw1
スタメン発表。
…すごく個人的な事を言うと、新しいスタジアムになって、音響もよくなったからこそ…2019年の時のマリオBGMの演出復活させてほしい気持ちもあるんですよね。あれ最初に見た時結構感動したし。それこそナイトゲームの時に照明演出を混ぜながらアレやったらめちゃくちゃテンション上がりそう。
余談はさておき。
さぁ、選手入場です。
J1復帰とは言えども、12年も経てば…さすがにJ1初挑戦に等しいものだと思っているので、遂にサンガがJ1のピッチに脚を踏み込みました!
キックインセレモニーはいつもの御三方(西脇京都府知事、門川京都市長、桂川亀岡市長)。
亀岡市長の名前が桂川さんって名前なのもなかなか凄い偶然というか、というか桂川って苗字あるんだっていうか…。
浦和サポ向けにちょうどいい画角
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ピントはズレましたが、レッズファンから見れば非常に良い画角の写真が撮れましたので宜しければお納めください。まあまあブレたけど。#京都サンガFC#浦和レッズ pic.twitter.com/llZxuCOlv6
— R (@blueblack_gblue) 2022年2月19日
さぁ、いよいよ試合開始。待ちに待ったJ1での戦いが開幕します!
スポーツ的な側面でのマッチレビュー、及びこの試合の考察ブログはこちらからご覧くださいませ
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…この開幕戦ね、やっぱりサンガファンビビってたんですよ。
確かに浦和は新型コロナウィルスの影響があって、コンディション的な側面ではサンガが優位というより浦和が不利な立場にあった事は否めないんですけど、12年ぶり…ほぼ初めてみたいなJ1だし、ましてや前週の富士フイルム杯であまりにも圧巻の勝利を、それも川崎相手に見せつけられたばかりで。
ほいだらね、いざの試合の蓋を開けてみたらびっくりですよ。確かに浦和が押し込む時間の方が長かったですよ。でもね、割とみんなわりかし早いタイミングでソワソワし出すんです。
「…あれ?結構やれてる……?」
前半は0-0。
浦和の名前と圧に気圧されていたのはチームではなく、完全に私の方でした。選手達は堂々たる戦いっぷり。おいおいこれはどっちに転ぶかわからんぞ。
そして歓喜の瞬間、誰もが待ち望んだ…いや、むしろ諦めた時さえあった、そんな瞬間は後半が始まってすぐに訪れました。
久々に魂が震えました。
生憎の雨模様も、むしろ演出の一環かとすら思うほどに。
湧き上がる感情、陽炎のように揺れる視界……過去に何度かブログやnoteで言ってる事ですけど、例えばセットリストに多少なりの不満はあれど、よっぽどな事でもない限り幸せな気持ちで帰ってこれる音楽ライブ等とは異なり、サッカーに限らずスポーツ観戦…それも特定のチームを応援する者にとって、試合観戦のチケットは決して幸せな引き換え券ではなく、むしろお金を払って精神的ダメージを負う事さえある、むしろ普通に多いのが現実です。それでも結局、みんなチケットを買っちゃうし、負けようが何しようが時間になればDAZNを付けたテレビの前に座ってしまう……それは結局、この数少ない瞬間の、何者にも代え難いこの感情の昂りの為にあるんだと。絶対的エース、ピーター・ウタカが浦和から奪ってみせたこのゴールには、自分にとってサッカー観戦という趣味と共生する意義を再確認させるものでした。
優勝候補であり、スター軍団。それも長期計画の仕上げの一年の最初を飾る試合で、浦和からすれば開幕戦から昇格組に負ける訳はいかないのは当然。ここからの浦和の猛攻には確かに凄みがあったものの、サンガが繰り出すカウンターも明確な狙いがあり、それは上のブログでも書いたように非常に機能していました。
J2に当たるべくした落ちた12年前、その最後通告のような試合は、浦和自体も決して本調子ではなかったのになす術なく敗れ去りました。この日のピッチ…浦和レッズという、サンガより遥か先を行く日本のビッグクラブ相手に、サンガがこれほどの試合をしてのけるとは……。…いや、開幕戦なんで実際にそうなられたら困るんですけど、この試合が最終回でも構わない…一瞬そう思うほど、この90分間は充実感に満ちていました。
試合終了。
J1は思っていたより近くにあると思った2011年
J1が手元からすり抜けていった2012年
夢の終わりを感じた2013年
全てが崩れた2014年
「J3」という危機がとうとう迫った2015年
それでも意地を見せた2016年
絶望の意味に触れた2017年
何かを諦めてしまった2018年
夢の復活は衝撃的結末の序章に過ぎなかった2019年
消化不良を感じながらも、新たな"本拠地"を得た2020年
望まぬ長い旅に終止符を打った2021年──
寅年の2010年11月14日、浦和に敗れたあの日から続いたこの12年にも及ぶJ2生活……その暗黒時代が、寅年の2022年の開幕戦、同じ浦和相手に結実するなんて……夢でも描かないほどに出来過ぎたストーリーでした。
サンガにとっては、この日こそがJ2を正真正銘卒業した日だったように思います。浦和に始まり、浦和に終わったJ2生活……ここからはJ1での旅路が始まります。もし今年降格したとしても、一度J1に上がったんだから、それは去年までのJ2生活とはまるで違うものになる。歴史の結実としてこんなにも美しいものはない……雨で少しボヤけたスコアボードに刻まれた「1」という数字が歴史の転換点となる事を信じて、今年のチームを追いかけていきたいと思います。
去年の槙野といい酒井宏樹といい、曺さんって結構浦和の選手と親しげ(というかまだ去年の天皇杯のこと書いてねえじゃん…)
【おまけ】
サンガキッズチアリーダーと、それを見守る浦和サポ
ではでは(´∀`)