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12年前のあの場所で〜明治安田生命J1リーグ第20節 浦和レッズvs京都サンガFC マッチレビュー〜

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ようこそスーパーカオス!

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビュー明治安田生命J1リーグ第20節、浦和レッズvs京都サンガFCの一戦です!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。



 

3週間の中断が明けて以降、サンガは第17節鹿島戦、第18節湘南戦で2連敗。鹿島戦の敗北はともかく、残留争いの真っ只中にいる湘南にホームで敗れた事のダメージは少なからずあって、あの敗戦がサンガに与えた危機感には相応のモノがあったはずです。

ただ、そんな中で迎えた第19節札幌戦はサンガにとって原点回帰的なゲームにもなりました。前半からアグレッシブな姿勢を見せるとピーター・ウタカに久々のゴールが生まれ、相手を退場に追い込み……その後、同点に追いつかれたゲーム展開は改善しなければならないところですけど、最後は終了間際に宮吉拓実が決めて勝ち切った……順位は9位、でも降格圏との勝点差は4。札幌戦で得た勢いにしっかり乗って、サンガにとっては少しでも早く安全圏内に入る為の勝点を稼ぐ事が求められます。

そんな状況で戦うのは浦和です。サンガが今季、そして今現在、J1で9位というポジションに付けているのは間違いなく、開幕戦で浦和に勝利できた手応えと自信によって自信によって生まれた流れによるものです。対する浦和は新型コロナの影響があったとはいえ、富士フイルム杯での最高のスタートがこの開幕戦で全て狂ってしまった。そういう怨念的なリベンジ意識は恐らく浦和にはあるはずで、サンガにとっては遥か遠くにいたクラブにそういう意識を持たれる中で戦わなければならない、未知の体験を強いられる90分となってくるでしょう。

サンガはJ1の波に乗る事は出来た…それは前半戦で十分に証明しました。後半戦、これからもサンガがJ1のチームで在り続ける為に、この波に乗り続ける事。その冒険の一つの点として、サンガをJ1の波から吐き出した場所に乗り込む今日の試合は意味を持ちます。

両チームスタメンです。

 

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前節札幌戦からのスタメン変更は一人のみ。浦和からレンタル移籍の立場である荻原拓也が契約上の理由により欠場となりましたが、今日はCBの麻田将吾を左SBにスライドし、CBにはメンデスが第12節札幌戦以来となる先発出場。アピアタウィア久とコンビを組み、図らずも開幕戦で浦和を倒した際の4バックの組み合わせとなりました。その他のメンバーは前節札幌戦と同じです。

浦和は前節G大阪戦からスタメンを5人変更。酒井宏樹ACL大邱戦以来のスタメンとなりました。メンバーもさる事ながら選手配置にも変更があり、明本考浩がトップ下、松尾佑介がワントップ、そして関根貴大が左SBに入るなど、メンバーも起用ポジションも少し変えた上で今日の試合に挑みます。

 

本日の会場は埼玉県さいたま市埼玉スタジアム2002です。

上でもチラッと書きましたが、12年前…サンガの12シーズンに渡るJ2生活は、このスタジアムでの敗戦から始まりました。厳密にはその後4試合はJ1を戦ったんですけど、サンガにJ2降格という現実を叩きつけたのは浦和レッズで、そして埼玉スタジアムでした。ただでさえサンガが勝利を手にしたことのないこのスタジアムに12年ぶりに帰ってきた今日、屈辱と哀しみの記憶に新たな色で塗り替えてほしいところです。

20年前、このスタジアムは列島の青い熱狂の渦の中心にいました。その後、この場所は浦和レッズと日本代表の聖地となり、一度は埼スタに行ってみたいと思う観客は浦和ファンだけではないはずです。そういう意味でもこのスタジアムは危険区域ではなく、サッカーファンの憧れの場所であってほしいと願っています。

 

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最初にチャンスを作ったのはサンガでした。5分、右サイドでパスを繋いで遅行気味に崩すと、白井康介のクロスは一度弾かれたものの、こぼれ球を再びファーサイドに入れると攻め上がってきた麻田将吾がシュート。枠は逸れるも、序盤は浦和に対してサンガがボールを握る時間が続いていました。

しかし10分、浦和がFKの中からエリア内での混戦に持ち込むと、ペナルティエリア内でメンデスが岩波拓也を倒したとしてPK判定。これをダヴィド・モーベルグが冷静に決めて先制点を挙げ、サンガにとっては流れは良かった中で先制を許す事に。

 

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失点を許した直後には再び浦和に決定機が訪れましたが、それを回避して以降は試合を優勢に進めたのはサンガで、自陣からのビルドアップや果敢なチェイシングなど、しっかりと自分達のスタンスを示しながら試合を進めることが出来ていました。しかし浦和もサンガの戦い方に対して耐える時間はしっかり4バックが構えて守り、サンガは5分の麻田の場面以降シュートにはなかなか持ち込んでいけません。

 

 

 

むしろサンガの方が優勢ではあったものの、よりシュートチャンスに繋がったのは浦和のカウンターの方でした。35分にセットプレーの混戦から酒井がゴールに叩き込んだ場面はその前にファウルを取られた事で失点を回避しましたが、39分にはハーフェーライン付近でルーズボールを拾った松尾のカウンタードリブルに対するアピアタウィア久のタックルにより再びPK献上。

 

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ボールをセットするモーベルグ。致命的な失点が頭をよぎりましたが……しかし今度はモーベルグのキックを上福元直人が阻止!!44分には岩尾憲のFKも見事に阻止し、今年から加わった新たなる神の降臨でサンガは追加点を許さずに前半を乗り切ります。

 

 

後半、浦和は明本を下げて江坂任を投入。サンガはメンデスと川﨑颯太を下げて本多勇喜と福岡慎平を投入し、麻田をCBに戻すと、システムを大前元紀をトップ下、武富孝介を左MF、武田と福岡慎平でWボランチを組ませる4-2-3-1的なシステムに変更します。

すると54分、左サイドでのCKを獲得したサンガは、大前元紀が蹴り込んだピンポイントクロスをドンピシャもドンピシャで武富が合わせて同点!!!!更に同点弾の直後、浦和のキックオフの流れから武田がボールを奪うと最前線のウタカにボールを付けて、ウタカがタメを作って右にはたいたところに攻め込んできた山田楓喜!!!!ニアポストを叩いた豪快な一撃はファーサイドのネットに吸い込まれて電光石火の逆転劇!!

 

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58分には江坂の絶妙なスルーパスに抜け出した松尾がGK上福元と1対1。一気に試合がオープンになったところで訪れた大ピンチでしたが、松尾のシュートは枠の上に外れてサンガにもまだツキが。しかしその直後の60分、ペナルティエリアの右で巧みなステップ、絶妙なタイミングでモーベルグよ左脚が炸裂。ゴールネットを突き刺すこの一撃はネットに吸い込まれるように決まって浦和が同点に…。

 

 

 

その後は壮絶な一進一退の攻防が繰り広げられます。前半とは異なり浦和が攻め込む時間が続き、サンガは浦和相手にロングカウンター気味の攻撃を狙うような形になる中で、ラスト10分になると浦和に3度の決定機が訪れます。81分には左サイドでパスを受けた江坂の折り返しに松尾が合わせるも枠の右。

そして88分、ペナルティエリア内でのルーズボールを松尾が頭で合わすと、ここしかない位置とタイミングで江坂がハーフボレーでシュート。スタジアムの誰しもが入ったと思ったこの場面…しかし立ちはだかったのはリカルド・ロドリゲスと共に徳島をJ1に導いた上福元でした。更にアディショナルタイムにはモーベルグ伊藤敦樹と繋いで松尾がシュートを放ちますが今度はクロスバーに直撃。

 

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壮絶としか表現出来ない激闘・死闘……山河は最後は耐える時間が続きましたが、GK上福元の神懸かり的なパフォーマンスにも助けられ、なんとか粘って貴重な勝点1を拾いました。

 

 

 

いやー……シンプルに壮絶な試合でしたね……。面白かったです。

前半はボール保持はサンガの方が出来ていて、攻撃時間という意味ではサンガの方が多かったんですけど、早い段階で浦和が先制した事もあって若干浦和はあまり無理をしないような戦い方にしていました。さすがに攻撃パターンがロングカウンターに依存しすぎていたという事で江坂を後半から入れてきたんでしょうけども、前がかりになっていた浦和のギャップをガンガン突いた開幕戦の反省も浦和にはあったでしょうし、サンガが優勢に試合を運びながらもチャンスを作れなかったのは浦和の構え方にも理由がありました。

そこで後半は中盤をWボランチにして、大前とウタカを中央で縦関係で固定した事でサイドとセンターの役割分担が明確になり、そしてサイドハーフと大前&ウタカの間のスペースに福岡や武田が飛び出していけるようになり、それが連続での2得点に繋がった訳で。あの得点で一番大きかったのは、構え気味になっていた浦和を前に引き摺りだせた事。その後に曺貴裁監督は大前を下げて井上黎生人を投入してアンカーシステムに戻しましたが、浦和が前に出てくるようになったのであの形のシフトチェンジも意味をなしてきたと思います。

ただ、やはりオープンな展開になると浦和の前線のタレントの個々のクオリティたるや恐ろしいものがあるので、決定的な場面を度々作られるようにはなりましたが……もうそこはありがとう上福元、と。

 

結局終盤は浦和にかなり攻められたので、耐え切った印象の濃く残るドローではありました。ただ、埼玉スタジアムというJリーグで屈指の雰囲気を持つスタジアムで、そして12年前にJ2降格を決められたこの地で、今季は不調とはいえども浦和というビッグクラブ相手に………こういう試合が出来たという事実。これには感慨深いものがありましたね。

ありがとう上福元の側面はあったにしても、なんというか……J1も一周して、J1でも通用する部分、長くJ1にいたクラブとの差を感じさせられる部分、それらを一通り経験して乗り込んだ埼スタで見たこの試合の展開は、サンガとしてJ1に戻ってこれたかのような感覚を覚える試合でした。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

明治安田生命J1リーグ第20節

鹿島アントラーズ3-3セレッソ大阪

柏レイソル0-1名古屋グランパス

FC東京3-0北海道コンサドーレ札幌

川崎フロンターレ(中止)サガン鳥栖

横浜F・マリノス3-0サンフレッチェ広島

ジュビロ磐田0-1アビスパ福岡

湘南ベルマーレ1-0ガンバ大阪

ヴィッセル神戸2-1清水エスパルス

浦和レッズ2-2京都サンガFC

 

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1位 横浜F・マリノス(43)

2位 鹿島アントラーズ(38)

3位 川崎フロンターレ(34)※1

4位 サンフレッチェ広島(33)

5位 セレッソ大阪(31)

6位 柏レイソル(30)

7位 FC東京(29)

8位 サガン鳥栖(27)※1

9位 名古屋グランパス(25)

10位 京都サンガFC(24)

11位 浦和レッズ(23)

12位 アビスパ福岡(23)

13位 湘南ベルマーレ(23)

14位 北海道コンサドーレ札幌(23)

15位 ガンバ大阪(21)

16位 ジュビロ磐田(19)

17位 ヴィッセル神戸(17)

18位 清水エスパルス(17)

 

※1 1試合未消化

 

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首位横浜FMと4位広島、2位鹿島と5位C大阪の上位直接対決に注目が集まった今節ですが、横浜FMが広島相手に3-0で快勝したのに対し、逆転に次ぐ逆転という壮絶な打ち合いを演じた鹿島は1点ビハインドの終了間際にエヴェラウドのスーパーゴールで3-3の同点に持ち込みましたが、勝点1に留まり首位横浜FMとの勝点差は5に広がっています。

9位以下の勝点差がかなり詰まっている残留争いは、開始早々のゴールを守り切って柏に勝利した名古屋が9位に浮上。一方、ここ数試合で復調傾向の見られたG大阪は、湘南との直接を落として順位を15位に落としています。そして、17位清水と最下位神戸の裏天王山となった直接対決では、1-1で迎えたアディショナルタイム大迫勇也の決勝ゴールで神戸が劇的勝利。吉田孝行監督体制で2連勝となり、得失点の差ながらも最下位を脱出しています。

なお、川崎vs鳥栖の試合は鳥栖に新型コロナウィルス感染者が複数出た事により中止となりました。

 

 

ガンバさーん…

ではでは(´∀`)