RK-3はきだめスタジオブログ

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TO BE CONTINUE〜明治安田生命J1リーグ第34節(最終節) ジュビロ磐田vs京都サンガFC マッチレビュー〜

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夜は怖くて寝れない

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビュー明治安田生命J1リーグ第34節(最終節)、ジュビロ磐田vs京都サンガFCの一戦です!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。


 

 

 

SAdventure───そのスローガン通り、今年の京都サンガの一年は冒険のような一年でした。12年ぶり…「J1復帰」という言葉がもはや似合わず、ほぼほぼ1年生のような気分で過ごした戦い。試合内容も含めた時、もし試合後のサンガにどんな結末が待っていたとしても、それは必ずしも失敗と呼べるものではなく、この冒険には価値があったと自信を持って言えるはずです。

しかし、勝ち切れなかった試合、敗れた試合で見せられたのは選手個々の底力や地力の差のようなものでした。今年のサンガは組織としては高いレベルを見せ、強豪ともそれなりにやり合えていた中で、そこのギャップには苦しみ続けていた。今年2度目の16位という立ち位置も、その歪みによってじわじわと沈んでいった結果の立ち位置である訳で。これからサンガがマリノスや川崎のようなクラブを目指していきたいのであれば、今年の冒険を思い出ではなく肥やしにしなければならない。その為には是が非でも残留し、この冒険の価値を来年にダイレクトに繋げなくてはなりません。

サンガは歴史を変えなければならない。これで落ちても、サンガの立ち位置は大きくは変わらない。でもここで残れれば、サンガはその立ち位置を変えられるかもしれない。きっと手負いになってやってくる磐田が相手なら、それを蹴落とすくらいにならないと、きっとこの世界で未来は語れない。このクラブの全てが試されています。

両チームスタメンです。

 

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サンガは引き分けに終わった前節C大阪戦と全く同じ11名を継続してスタメンに並べてきました。一方でベンチメンバーは前節から3人入れ替えており、前節を怪我で欠場した武富孝介は今日はベンチスタート。若原智哉が第30節FC東京戦以来、ピーター・ウタカ第32節名古屋戦以来のベンチメンバー復帰となりました。

前節G大阪戦で降格の決まった磐田は前節からスタメンを5人入れ替えてきました。シャドーには最近スーパーサブとして存在感を見せていた古川陽介がJ1で初先発。リカルド・グラッサや大井健太郎もスタメンに戻り、途中出場が主立っていた大津祐樹第26節名古屋戦以来のスタメン起用となっています。

 

本日の会場は静岡県磐田市ヤマハスタジアムです。

Jリーグの名物スタジアム。思えば昨季は、お互いにJ2の2トップを走るチームとしてこのスタジアムで見応えのある、白熱したJ2天王山を繰り広げました。あの日の残像や記憶も残る中で、今日こそはこの鬼門・ヤマハスタジアムに紫色の歓喜と意地を残していきたい、残していかなければなりません。磐田と共に上がり、磐田と共に落ちる訳にはいかない。サンガの冒険は決してここが終着点ではないはずです。

サンガにとってヤマハスタジアムは言うまでもなく鬼門です。その連鎖を断ち切る事で、サンガにとって新たなる冒険の扉を開いてほしいところ。昨年の流れからすると、この勝負がヤマハで行われる事も不思議な縁ですね…。

 

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いつも通り、プレッシングとショートカウンターの連続で局面を打開しようとするサンガに対し、磐田は磐田で前節のG大阪戦同様、遠藤保仁ボランチに置く事で両WBと2シャドーの機動力を活かす形を取ってきた事もあって、序盤からかなりオープンな試合展開が繰り広げられていきました。

2分には右サイドを突破した豊川雄太がシュートまで持っていくもGK三浦龍輝にキャッチされ、そのままの流れで磐田がカウンター開始。遠藤のパスを受けた鈴木雄斗のクロスが大津に入ってあわや決定機という場面がいきなり訪れると、磐田は6分にもジャーメイン良がシュートを放つなど、開始早々から目まぐるしく慌ただしい展開となります。

 

 

 

どちらかといえばサンガの方が試合のペースを握っており、特に荻原拓也のいる左サイドからクロスを入れて…という展開が多く、そこに武田将平や松田天馬とのコンビネーションを噛み合わせながら局面をこじ開けようとしていました。

一方で磐田はスタンスとしてある程度割り切っており、高いラインを敷かずにある程度サンガを引き込む事でスピードを消そうとしていて、結果的にそれがサンガのハイペースと磐田のカウンターといった具合に噛み合う事で試合自体が異常にハイテンポと化していきます。そんな中で20分には荻原の自陣からのFKでのロングボールに対し、山﨑凌吾が伊藤槙人に体を当てて上手く入れ替わったところから豪快にシュートを放ちましたが、シュートはサイドネットに直撃。

 

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その後も豊川や武田がシュートを放つなど攻勢に出ていたサンガですが、一度磐田が前を向くと、今度はハイペースの背後の広大なスペースを狙われるようになっていきます。38分、右サイドに張ったジャーメインのクロスを大津がフリックしたところに走り込んだ上原力也が反応しますが、これはGK上福元直人がスーパーセーブで防ぎ、こぼれ球に詰めた大津に対しても素早いリアクションで阻止。

サンガは44分にも武田の鋭いクロスに山﨑が飛び込んで決定機になりかけますが、これは先に大井に触られてシュートには持ち込めず。前半は0-0で終えます。

 

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ただ、後半に入ると……サンガとしては勝てば15位のガンバを抜いて残留出来る、引き分けなら清水に抜かれて自動降格かもしれないという状況の中で、0-0のまま動かないガンバと対照的に清水のスコアが目まぐるしく動いた事で、後半のサンガのスタンスはかなりオールオアナッシング的になっていきました(実際に選手及びベンチが他会場の結果をどれだけ入れていたかはわかりませんが…)。

チーム全体としてどんどん前がかりになっていったサンガは、清水の状況もあって背後のリスクを理解していながらもどうしようもない状態で進んでいき、後半は磐田も当然のようにそのスペースを狙う事でまさしくカウンターゲーム的な様相を呈していきます。

 

 

 

そんな中で57分には松田、豊川、福岡慎平を下げてパウリーニョ、ウタカ、本多勇喜を投入。システムを本多を左CBに入れた3バックに変更し、荻原と白井康介を一列ずつ前に上げます。

60分に遠藤のCKを大井が折り返したところに詰めた大津のヘッドを上福元が正面で抑えると、サンガのチャンスは72分に白井のクロスに対してウタカがヘッド。しかしこれは枠を捉えられず、74分には山﨑が相手DFと競り合ったこぼれ球を拾った白井のアーリークロスを胸トラップで落としたウタカがコントロールして決定機に持ち込みましたが…ギリギリで戻ってきたグラッサにカバーされてシュートまで持ち込めません。

 

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そしてサンガにとって最大のチャンスだったのが80分でした。この頃はガンバがドロー、清水がリードだったので勝てば15位、それ以外17位という状況の中、井上黎生人の縦パスを受けた山﨑がヒールで繋ぐとウタカがタメを作ってスルーパス。ここに川﨑颯太が一気に抜け出してGKと1対1!しかしニアサイドを狙い澄ましたシュートは無情にも枠の右に逸れ……。

 

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清水の経過が二転三転する中で、お互いが全てを消耗し合うような過酷なカウンターゲームは更にスリリング性を増していきました。アディショナルタイム、途中出場の武富が残したボールを拾ったウタカが右に流れてクロスを入れるも、川﨑のシュートはGK三浦の正面に。逆にほぼラストワンプレーの場面でルーズボールの応酬を制した磐田は黒川淳史と吉長真優の途中出場2人がチャンスを作れば、最後はオーバーラップしてきた伊藤がシュート!上福元の背後に転がったボールにヤマハスタジアムは狂気的な雰囲気に包まれましたが、これはギリギリで戻った白井がスーパークリア!!

 

 

 

しかし……まるで狂気に満ちたかのようなカウンターゲームの終着点は、この展開としては不釣り合いな、あるいはこの展開だったからこそなのかスコアレスドローという結果に。

他会場は15位のガンバはドロー、17位の清水は札幌に敗戦。この結果により順位は変わらずに16位フィニッシュ。サンガは残留を懸けて"第35節"を戦う事になりました。

 

 

 

難しい立場だったと思います。

例えば15位以上の湘南・福岡・ガンバの3チームは自力で残留を決められる立場だったし、逆に17位清水は勝つしか選択肢が無い状況だった。そういう意味で言えばサンガはこの5チームの中では最も他会場を気にしなければならない立場だった訳で、ましてや清水があそこまでスコアの動向が当てにならない試合をしてきた以上、チームとして若干パニック的な状況の中で試合を進めざるを得なかったのは致し方ない部分があったのかなと。例えば15位のガンバは「最悪引き分けでもプレーオフ」という立場だったのである程度割り切った戦いに振り切れましたが、サンガは引き分けだと自動降格の可能性が出てくるので、褒められた話ではないですがああいうバタバタした展開になったのは自然な流れではあったと思います。

ただそもそも、今年のサンガは組織として先行逃げ切り型かつ試合をオープンペースに持ち込む事で勝点を稼いだチームでした。

 

 

↑のブログでも書きましたけど、今年のサンガは組織としての意識統一というか、チームコンセプトの浸透具合は贔屓目を抜きにして高かったと思いますし、そこがマリノスや川崎相手にも戦えた要因でしょう。しかし逆に、下位カテゴリーのクラブと戦う天皇杯でもそういう試合がありましたけど……格上相手に互角に戦える反面、互角の相手や格下相手とも互角に戦ってしまう習性はありました。前節のC大阪戦なんかもそうですけど、要は組織レベルでは上位陣ともそこそこやれる。ただ最後の個をなかなか剥がしきれない。4月のサンガはそれをウタカというストロングで補完していたので、ウタカのフォームが落ちると共に失速したのは、それもまた自然な流れだったと言わざるを得なかったと思います。上位のC大阪とも最下位の磐田とも、同じ内容で同じスコアで終わってしまった事は偶然ではないです。

 

 

 

それはプレーオフにも同じ事が言えて、おそらくC大阪戦や磐田戦と同じような景色を熊本戦で見ることになる。ただそれが今年一年サンガがやってきた事であって、それがサンガにプレーオフという結果を与え、逆に自動降格回避という結果ももたらした。今となってはもう、それを信じて最後に挑むしかありません。

ただ、サンガは2位の昇格な訳ですから、開幕時点でのサンガは最下位からスタートしているという見方が出来ます。そう考えれば、16位というポジションまで粘った事、なんやかんやで一度も17位以下には落ちなかった事……これはチームとして、スタートの立ち位置や過去の歴史を思えば決して悲観的になるべき話ではありません。対戦相手の対策等はありますが、実際問題として1週間で劇的にチーム力が上がる事はない。それであれば、今年やってきた事の全てを熊本相手にBETするしかないですし、そうする事でしか"SAdventure"と掲げた冒険の続きを描く事は出来ないでしょう。

 

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相手は熊本、それを率いるのは大木武です。

この邂逅が用意された舞台で、この冒険が思い出になるのか、それともこれからの土台になるのか。サンガが挑む"第35節"が導く未来を、今はただ信じるしかありません。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

2022明治安田生命J1リーグ最終順位のコーナーは、鹿島アントラーズvsガンバ大阪のマッチレビュー内に記載しています↓

 

TO BE CONTINUE!!

ではでは(´∀`)