好きなチームが2試合連続で大役を担い…
どーもこんばんは
さてさて、本日のマッチレビューは明治安田生命J1リーグ第25節(延期分)、川崎フロンターレvs京都サンガFCの一戦です!
オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。
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12年ぶりのJ1となるサンガの2022年の冒険も残り3試合となりました。残留争いの行方は大混戦。現在のサンガは14位で、プレーオフ圏の16位G大阪とは勝点差1、自動降格圏の17位清水とは2差という状況です。サンガより順位が下の15位福岡、16位G大阪、17位清水は今日は試合がないので、ここで勝利すれば残留に向けて大きく一歩近づけるのは明白。一方、負ければ相当なプレッシャーの中でラスト2試合を戦わなければなりません。
「勝てば有利になる」と言っても、話はそう簡単にいくわけでもなく。なんせ相手は川崎ですもん。そして川崎は川崎で、サンガとは違う次元で「追い込まれた立場」にいるチームです。今日、他会場で横浜FMが勝利すれば、その瞬間に横浜FMの優勝が確定。川崎の3連覇の夢は途切れます。それでもJリーグは、誰かの夢を潰しながら上に進んでいかなければならない。川崎側の視点に立てば、サンガを降格危機に突き落とす事で自分達の優勝に望みを繋がねばならないのです。
曺貴裁監督は就任時、川崎に勝てるようなチームを作ることを目標に掲げていました。5月、ホームでの第16節は見事に勝利してみせた。今宵、川崎の望みを断ち切ってシーズンダブルを達成し、そしてこのJ1の冒険の続きを固めれば、物語してこれほど美しいこともないでしょう。前節名古屋戦で足りなかった「最後の個を剥がす」という、今年のサンガがなかなかやり切れなかった部分が絶対的に求められる試合、果たしてその結末や如何に。
両チームスタメンです。
サンガは前節名古屋戦からはスタメンを2人変更。名古屋戦では相手に合わせる形で3バックを採用しましたが、今日はシステムを従来の4-1-2-3に戻しており、前節は欠場した豊川雄太と先発での出場は第24節柏戦以来となる荻原拓也がスタメンに復帰。システムは4-1-2-3に戻しましたが、2シャドー1トップとした前節と同じく、武富孝介は今日もセンターフォワードでの起用です。また、今日はピーター・ウタカがベンチから外れ、天皇杯広島戦でアキレス腱断裂から復帰した三沢直人が今季初めてリーグ戦のベンチメンバーに入っています。
川崎はサンガと同様、前節清水戦からのメンバー変更は2人となりました。前節は中盤の構成をアンカーにジョアン・シミッチ、インサイドハーフを脇坂泰斗と遠野大弥でセットしましたが、今日はアンカーに前節は出場停止だった橘田健人が、脇坂と組むインサイドハーフはチャナティップが復帰を果たしています。GKは負傷離脱となったチョン・ソンリョンに代わって丹野研太が入りました。
本来であればこの試合は第25節として8月13日に行われる予定でしたが、台風8号に伴う影響を考慮して中止・延期となりました。当初の予定では那須川天心氏が来る予定でしたね……。ただ、時期が10月になった事で、10月から規制がやや緩和された声出し応援の対象試合ともなっています。今季の川崎は選手入場時のの演出として、スタジアムの照明を落とす「Paint it Blue!! Night」を実施していますが、今季のナイトゲームは今日の試合が最後なので、今年の同イベントもこれがラストです。
天皇杯を除けば、サンガが等々力で戦うのは2010年以来。あの時は終了間際にジュニーニョにゴールを決められ、その結果を以て当時の加藤久監督は解任という結末に至りました。サンガにとっては元々苦手なスタジアムの一つとも言える等々力ですが、それは今やサンガがに限った話でもないはずで。ここでサンガにとっての"脱皮"とも言えるような勝点3をもぎ取ってほしいところです。
前半から押し込んだのは川崎でした。早めに右サイドに大きく開いた家長昭博に当てることで、右から時間を作って押し上げていく動きをとると、なかなかサンガに攻撃のターンを渡さず、かつサンガが積極的なプレスをかけにくい段階まで持ち込まれる事でリズムを作れなくなっていました。
そんな中で9分、右サイドでのCKの流れからチャナティップがクロスを上げると、これに谷口彰悟が合わせて早々と川崎が先制……。
サンガも少しずつ高い位置でボールを持ち始めると、14分には荻原が左サイドで強引にドリブル突破を試み、最後は武富のシュート。17分には武田将平のクロスが谷口に当たってリフレクションしたところに松田天馬が飛び込むも、いずれもシュートは枠を捉える事が出来ません。更にこの一連の流れの中で武富が負傷してしまい、20分の時点で途中交代を余儀なくされ、三沢をインサイドハーフに入れて福岡慎平を右WG、豊川をCFにスライドします。
悪い事は続くもので、22分には脇坂の左からのCKを山村和也がヘッド。このシュートは右ポストに当たって救われましたが、こぼれ球に懸命に足を伸ばした橘田が押し込んで川崎が追加点。サンガは前半の半分の時点で2点ビハインドを背負う事に。
その後もサンガは前進するチャンスが与えられず、時折がアタッキングサードに入ろうと試みる瞬間こそあったものの、川崎の守備網により選手一人一人が孤立した状態で戦うことを余儀なくされた結果、いつもの連動性があるような攻撃だったり、数的優位を作るようなシーンを作れず、常に1対1の状況を作り出される事でサンガは不利に追い込まれていきます。
そうするとやはり川崎が猛攻を仕掛ける時間が続いていて、GK上福元直人の好セーブもあって2点では抑えたものの、前半はただただ実力差を感じる展開を余儀なくされていきました。
後半、サンガは福岡と松田を下げてパウリーニョと荒木大吾を投入。システムを3-4-2-1に変更すると、荒木を右CBに置くなかなかのファイヤーフォーメーションを敷いて後半に向かいます。名古屋戦でよく見られたように、攻撃の対象を明確にサイドに置いた事で数的優位の場面を作れるようになったサンガは、50分には川﨑颯太が山根視来を振り切ってシュートに持ち込み、58分には荻原が強烈なミドルシュート。しかし前者は枠の上を越え、後者はクロスバーに阻まれてゴールには至りません。
しかし少しサンガが得点の匂いを感じさせるようになってきた時間が続きましたが、再び前に出た川崎はサンガに対して容赦なく牙を剥きます。59分には脇坂のパスに抜け出したマルシーニョが一気に抜け出した決定機はGK上福元のスーパーセーブで防ぎましたが、61分には脇坂の右からのクロスを完全にラインブレイクに成功したマルシーニョが押し込んで川崎が3点目…。
0-3になったタイミングで豊川を下げてイスマイラを投入したサンガは68分に三沢がシュート。これはGK丹野に阻まれますが、その直後に自陣からの組み立てから左サイドからのクロスをパウリーニョがうまくターンしてゴールに流し込んでなんとか1点を返します。
サンガはペースを掴み切れてないなりにいくつか決定機は訪れましたが、白井康介のシュート性のクロスがポストに当たったところに詰めた荻原のシュートはGK丹野の好セーブに阻まれ、直後の荻原のミドルはまたしても惜しくも外れ……試合終了。後半はサンガも盛り返しはしましたが、優勝を目指すクラブの圧を前に痛い、痛い一敗です。
前半が全てでした。
名古屋戦の時のマッチレビューと少し話が重複しますが、サンガは個の強さで劣る部分を組織でカバーしている部分があり、ウタカのコンディションがガクンと落ちた夏以降はそれが一層顕著でした。例えば第28節神戸戦のように、その組織としてのリズムが上手くハマった時は個を補うことが出来て、組織のテンポとリズムで相手を制する事も出来る…名古屋戦はまさにそういう展開でした。しかし今日の川崎はとにかく早く、サイドから深い位置に押し込む事でサンガに組織的なハイプレスをさせない、そこから数的優位でテンポを出させないようなポジション取りを徹底してきた事で、サンガは結局前半はほぼほぼ良さを出せなかった。というか、組織で勝負してリズムを掴んでいたところを個人勝負せざるを得ない局面に持ち込まれてしまった…というのが大きなポイントだったと思います。
その上で、もし0-0で後半に行けば、マリノスと磐田の試合がそうだったように川崎が焦ってくれる展開になったかもしれませんが、現実はそうはいかなかった。後半押し込めたのも川崎がギアを落とした部分はある訳ですから、前半が全てであったと同時に、実力差を突きつけられる乾杯でした。
残留争いは非常にややこしい状況になってきました。次節の相手はセレッソ大阪。言うまでもなく強敵です。純粋に上位だもん。そして最終節の相手は磐田なんですよね。磐田は今日、彼らはマリノスに大金星を挙げてしまった以上、いよいよ最終節をどういう状態で迎えるのかわからなくなってきました。
こうなったらもう開き直ってほしいところです。ここはJ1。J2じゃないんです。サンガにとっては、これですら12年間待ち望んできたヒリつくJ1の舞台のはずです。それぐらいに振り切って、開き直った気持ちで、ハイな残り試合を過ごして生き残りましょう。最後の2つでクラブ史は変わります。
【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】
10月12日開催分(第25節・第27節の延期分5試合)
ヒリヒリ
ではでは(´∀`)