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僕らの情念〜明治安田生命J1リーグ第34節(最終節) 鹿島アントラーズvsガンバ大阪 マッチレビュー〜

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最後はカシマスタジアム

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビュー明治安田生命J1リーグ第34節(最終節)、鹿島アントラーズvsガンバ大阪の一戦です!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

 

残留争いなんて嫌いです。

勝てど、負けど、引き分けれど……その試合後の焦燥感は凄まじく、本来好きで観ているはずのサッカーなのに、試合の日が来るのが怖かった。なんなら、試合の日が来てほしくないとすら思っていました。その思い自体は昨日も、そして今日も変わらず、今もこうしてキックオフを待っています。それでも第1節……鹿島の前に散った第1節から始まるJリーグというコンペティションは、たとえそこに待つ結果が歓喜でも屈辱でも、走り切らないと2022年というトンネルから抜けることは出来ません。

今年、ガンバは大きなチャレンジに出た一年でした。そのチャレンジはお世辞にも上手く行ったとは言えず、そのチャレンジの躓きは今に至るこの境遇の伏線になっている。それでもこのチャレンジで掴んだ輪郭を無にするわけにはいかない……仮にも歴史あるクラブとして、32年、33年を繋いでいかなければなりません。目の前の試合に全てをかけ、目の前の試合の勝利だけが次の試合を語る事を許す………。同じ相手に5連敗なんてしてられるか。さあ!クライマックスです!!

両チームスタメンです。

 

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ガンバは前節磐田戦からの先発変更は2人。前節にスタメンだったレアンドロペレイラ小野瀬康介はベンチからも外れ、前節は途中出場でゴールを決めたパトリックと食野亮太郎が共に先発起用となりました。ベンチにはペレイラと小野瀬に代わりウェリントン・シウバと山見大登が名を連ね、特に山見は第27節名古屋戦以来のメンバー入り。かつて鹿島で大活躍した昌子源、夏に鹿島から獲得したファン・アラーノも揃って先発です。

前節清水戦で8試合ぶりの勝利を挙げた鹿島は前節からメンバーを約半数の5名を変更。センターラインは船橋佑のところに前節は出場だった樋口雄太が帰ってきたのみですが、両SBと両SH、即ちサイドは総替えとなりました。

 

本日の会場は茨城県鹿嶋市カシマサッカースタジアムです。

Jリーグクラブにとって鬼門と称されるこの地が最後の舞台になりました。昨年は東京オリンピックサッカー競技の試合会場ともなり、今年はE-1選手権も開催。ちょうど20年前の日韓ワールドカップの舞台にもなったスタジアムは、老朽化などの影響もあって建て替えなども噂されていますが、今でもJリーグを代表する狂気のベニューである事に変わりありません。

過去、このカシマスタジアムで何度も屈辱を味合わせられたガンバですが、その分、この地で勝った時の歓喜の大きさも知っています。笑えないシーズンだったけど、最後だけは笑顔で……。とにかく、ただただ良い日にしましょう!

 

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試合はやはり鹿島ペースで進んで行きました。基本的にはセカンドボールの回収は常に鹿島が行い、そこから二次・三次攻撃を続けていく中で度々ガンバのアタッキングサードのエリアへの侵入を試みていきます。18分には右からのクロスが左に流れたところを拾ったアルトゥール・カイキがカットインしてシュート。こぼれ球に鈴木優磨が詰めて決定機を迎えますが、これは昌子がブロック。

 

引き分ければ自動降格は回避できるものの16位京都の結果次第ではプレーオフに回る事を強いられるガンバは、ボールの即時奪還をある程度捨てる形でリトリートな試合展開を受け入れつつ、なんとかサイド攻撃に活路を見出そうとしていました。前半はなかなか宇佐美貴史にボールが入らず、ここ数試合で見られた宇佐美を起点にして…という流れにはあまり持ち込めなかった反面、シンプルにサイドからの攻撃をしようとする事で、前半の終盤頃は少しガンバも攻める時間が作れることも。

しかし前半は鹿島もガンバも、いわゆるわかりやすいハイライトなるようなシーンは作れないまま0-0で後半へ。

 

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後半はACL出場の可能性をまだ残していた鹿島の猛攻を受ける形となりました。48分、鹿島陣内で三竿健斗が左サイドに展開するとカイキがロングスルーパス。抜け出した鈴木はGK東口順昭をかわしましたが、シュートを打つには体勢が悪くヒットせず。

後半の鹿島はライン設定が急激に高くなり、かつ常にクロス→ガンバが跳ね返す→鹿島がセカンドボールを回収するというスパイラルに。ガンバはカウンターをしようにも、宇佐美もパトリックも守備に忙殺される形になった事で局面を押し返す事が出来ないまま鹿島に殴られ続けていく展開が続きます。

 

ただ、ガンバも割り切って中央を固め、鹿島のクロス攻勢に対しても三浦弦太と昌子のCBコンビを中心に常に跳ね返し続けることが出来てはいました。

そんな中で常本佳吾と荒木遼太郎を投入して迎えた61分、関川郁万が右サイドに展開すると松村優太がアーリークロス。これに反応した鈴木がトラップで三浦と入れ替わる形になり、ここはなんとか髙尾瑠がカバーに入ったものの、そのこぼれ球に走り込んだのは荒木…!しかしガンバサポの心臓が止まりかけたこの場面は、かつて鹿島の門番をやっていた昌子がなんとかブロック。こぼれ球から繋がれた末のディエゴ・ピトゥカのミドルシュートも東口が抑えます。

 

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選手への体力的な負担も増大な展開となったガンバは63分にダワンとアラーノを下げて齋藤未月と福田湧矢、71分に食野を下げてシウバを投入し、ミドルゾーンを活性化させる事でどうにか押し返そうと試みていきます。

しかしガンバが苦しい時間帯には何も変わらず、跳ね返しても押し返さない間にセカンドボールを拾われてはサイドから攻め込まれる事を繰り返す…まさしく耐久戦のような試合になっていました。ただそこでの守備は常に集中力高く守れていた事で、鹿島も苦し紛れのクロスやミドルシュートに終始する形になり、鹿島としてもフラストレーションの溜まる展開に。なんやかんやでガンバは、第31節柏戦や第32節横浜FM戦のように"東口様様"という状態になる事は回避出来ていました。

 

ガンバにとってほぼ唯一のチャンスだったのはアディショナルタイム、鹿島のクリアを福田が拾って宇佐美に繋ぐと、宇佐美がDFを振り切ってから"らしい"ステップとリズムでミドルシュート。しかしこれは僅かに右に逸れてゴールならず。

最後の鹿島の攻撃も跳ね返したガンバは0-0で試合終了。この時点で自動降格は回避したガンバでしたが、残留の行方はガンバが試合終了した時点でまだ試合中だった京都の結果に左右される事に。そしてその京都が引き分けの一報が届き……

 

 

 

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ガンバ、J1残留!!!!

 

 

 

 

試合の感想としては………少なくとも良い試合とは言えなかったのは確かです。結局のところ、鹿島の押し上げを前に完全に自陣内に閉じ込められる形になりましたし、横浜FM戦のように先制パンチを取れた訳でも無かったので完全に籠城戦になってしまっていました。引き分けは最低限の結果ではありながらも、京都が勝っていればプレーオフに回っていた訳で。

ただそれでも、片野坂知宏監督の下で取り組んだ戦術的なチャレンジを必ずしも否定する訳ではないですが、松田浩監督体制になってからは、今のガンバに所属する選手のストロングを活かしやすい形になっていた事は事実で今日も特に守備面ではその利点が大きく出ていたと思います。やっぱり、構えることを認める形での守備をやらせた時に昌子は抜群の強さを見せますし、前半は役割の多過ぎた三浦も跳ね返す作業に徹する事で中を完全にクローズする事が出来た。松田体制でやれる事・やるべき事の整理はすごく出来るようになっていましたから、今日勝点1を獲得出来たのはそういう整理の積み重ねの賜物だったと思います。

実際問題、ずっとサンドバッグにされているようで、本当に崩されたシーンはほとんど無かったと思いますし、鹿島の攻撃に対して守備で上回る事は出来ていたかなと。そこはやっぱり個の強さを整理出来たからこそだと思いますし、勝てなかったのも実力、負けなかったのも実力というのがこの試合の率直な感想です。

 

さて、シーズンが終わりました。

今年のガンバの総括に関しては、後日更新する各クラブ満足度考査やガンバを総括する連載ブログにて更新する予定なので、ここであまり多くを語ろうとは思っていません。なのでそういうところは追々。(いつ更新できるかはわかんないのでブックマークしてくれよな!)

正直、神戸戦の後は自分の中でも結末をある程度覚悟した部分はありました。あの試合を現地で見てしまったのが余計にそうした部分もあったのでしょう。ただ、松田監督が施した戦術的な修正・調整などテクニカルな部分もそうですし、なんやかんやでこのチームの持つ神通力みたいなものは感じた一年でもありました。宇佐美の復帰というトピックは戦術的に大きな影響を及ぼしたのも確かですが、結果的にそのターニングポイントに対してチーム全体で乗れた、そういう機は掴めたのもそういう部分でしょうし。底力的なところは感じました。昌子の言うようにあのアディショナルタイムの4分間は永遠のように長く、それはこの数ヶ月もまた同様でした。常に上を目指す優勝争いと違って、滑落する危険性と常に隣り合わせの残留争いという身を蝕むプレッシャーの中で15位に滑り込んだ選手達の奮闘に、まずはただただ感謝をしたいです。

 

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ただ、間違ってもこれは成功体験ではありません。

残留というミッションを果たした事自体は成功でしょう。しかし、残留というミッションになってしまった時点で成功ではプラスにならない失敗を冒してしまっているのは事実です。この残留劇はファンにとって思い出になり、いつしか美談となる。ただ、この体験を成功例としてクラブが認識しているのだとしたら、ガンバが辿る道は千葉の末路しか残っていない……クラブはそれを肝に免じてこのオフシーズンを過ごして欲しいと思います。このクラブは今、岐路に立たされている。落ちるも盛り返すも、どの世界線もこのターニングポイントには生じている。手の中にある石を輝かせる錆びさせるかはこれからの動きの全てに懸かってきます。

とりあえず……1年間お疲れ様でした!

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

明治安田生命J1リーグ第34節(最終節)

北海道コンサドーレ札幌4-3清水エスパルス

鹿島アントラーズ0-0ガンバ大阪

浦和レッズ1-1アビスパ福岡

FC東京2-3川崎フロンターレ

柏レイソル1-2湘南ベルマーレ

ジュビロ磐田0-0京都サンガFC

セレッソ大阪0-1名古屋グランパス

ヴィッセル神戸1-3横浜F・マリノス

サガン鳥栖2-2サンフレッチェ広島

 

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2022明治安田生命J1リーグ最終順位

1位 横浜F・マリノス(68)

2位 川崎フロンターレ(66)

3位 サンフレッチェ広島(55)

4位 鹿島アントラーズ(52)

5位 セレッソ大阪(51)

6位 FC東京(49)

7位 柏レイソル(47)

8位 名古屋グランパス(46)

9位 浦和レッズ(45)

10位 北海道コンサドーレ札幌(45)

11位 サガン鳥栖(42)

12位 湘南ベルマーレ(41)

13位 ヴィッセル神戸(40)

14位 アビスパ福岡(38)

15位 ガンバ大阪(37)

16位 京都サンガFC(36)

17位 清水エスパルス(33)

18位 ジュビロ磐田(30)

 

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横浜FMと川崎のマッチレースとなっていた優勝争いは、2位の川崎は多摩川クラシコとなったFC東京との試合で、29分にGKチョン・ソンリョンが退場となりながらもシーソーゲームを制して3-2で勝利。しかし、自力で優勝を決められる可能性があった横浜FMは自分達で神戸に対して3-1できっちり勝利。この結果、横浜FMが2019年以来となる通算5度目のJ1制覇を達成しました!!おめでとうございます!!3連覇を目指した川崎でしたが、前回リーチをかけていた2019年に続いて横浜FMに阻止される結果となってしまいました。また、23-24シーズンのACL出場の可能性を残していたのは広島・C大阪・鹿島の3チームでしたが、3位の広島が引き分けた事で自力で3位を確定させています。

そして残留争いは、17位清水が壮絶なシーソーゲームの末に札幌に敗れた事で他会場の結果を待たずしてJ2に降格が決定。14位福岡、15位G大阪、16位京都はいずれもドローに終わった為、試合前の順位通り京都が16位となり、11月13日に熊本とのJ1参入プレーオフを戦う事になりました。

 

 

宇佐美貴史が伝説となった年か…

ではでは(´∀`)