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漂えど沈まず〜明治安田生命J1リーグ第27節 名古屋グランパスvsガンバ大阪 マッチレビュー〜

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鰻うめえ…

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビュー明治安田生命J1リーグ第27節、名古屋グランパスvsガンバ大阪の一戦です!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

片野坂知宏監督の解任という劇薬を投じ、松田浩監督体制でリスタートを図るガンバ。その初陣となった広島戦はまさに「希望からの絶望」と表現するしかなく、手応えがあった反面、あまりにもショッキングな末路を辿る試合となってしまいました。

 

 

松田監督の初陣で見えたポジティブな側面、そしてそういう側面を見たからこそ、より一層強く突きつけられる事になった非情なまでの現実……確かに今、目の前にある現実を打ち砕くには、もはや実力だけで足りるものではないでしょう。それが精神論だろうが根性論だろうが、或いは運や科学的な根拠のない勢いでも構わない。たとえそれが「来季に繋がらない」と言われようと、それでも来季を繋ぎ止める為にJ1残留という結果を何がなんでも掴み取らねばならない……松田浩ガンバ大阪のブレイブメンロードの第2章、かつてこのクラブに歓喜と栄光をもたらした指揮官の前で、明日とその先を委ねるような90分が始まります。

両チームスタメンです。

 

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前節広島戦に続き、新型コロナウィルス感染で出られない選手が数名いるガンバ。レアンドロペレイラとパトリックの2トップ、食野亮太郎の左MF起用など広島戦での選手起用をベースにしつ3人スタメンを入れ替えており、左SBは藤春廣輝から黒川圭介、ボランチは奥野耕平からダワン、CBは昌子源からクォン・ギョンウォンに変更。クォン・ギョンウォンの先発出場は第22節C大阪戦以来となり、昌子がベンチからも外れている一方、山見大登がベンチに復帰しました。

8月は2勝1分と好調の名古屋は、限りなく理想に近い試合展開で勝利した前節磐田戦と同じ…というか、第24節浦和戦から4試合連続でスタメンを選んできました。ベンチメンバーの7名を加えた18名のくくりでも、磐田戦とは全く同じ18人がメンバーに入っています。3-1-4-2と3-4-2-1を併用している最近の名古屋ですが、今日は磐田戦同様に3-4-2-1の方を採用しています。

 

本日の会場は愛知県豊田市豊田スタジアムです。

名古屋は8月のホームゲーム3試合を、毎年恒例の夏イベント「鯱の大祭典」として開催。第24節浦和戦、第26節磐田戦に続き、今日のガンバとの試合は鯱の大祭典2022の最終日となります。今年は名古屋グランパスの創立30周年という事で、恒例となったBEAMSがデザインを手掛けるユニフォームはクラブ初タイトルを獲得した1995年カップ戦モデルのデザインをモチーフにした限定ユニフォームを来場者に配布。試合前の場外イベント広場ではQaijffやボイメンエリア研究生などが来場してパフォーマンスを繰り広げる他、今日はガンバ大阪の名物グルメとして有名なたこ焼きの名店「道頓堀くくる」も出店するとか。

ちなみに、名古屋が初めて夏イベントに「鯱の大祭典」とのタイトルを冠し、初めてBEAMSユニフォームを着用した試合が2019年のガンバとの試合でした。

 

 

本日は現地観戦!「ワイ的に1回は行ってみたいスタジアムランキング」の上位に常にいた豊田スタジアム…遂に行ってきました!観戦日記も今度書きます!しれっとひつまぶしも食べてきたよ!!

 

 

開始早々から試合は派手に動きました。キックオフからの名古屋のビルドアップに対してペレイラが猛プレスをかけ、あわや決定機…という場面から試合が始まると、その際にペレイラが取られたファウルのリスタートからマテウスが抜け出して名古屋もあわや決定機。更に2分には稲垣祥ロングフィード永井謙佑が髙尾瑠を完全に振り切っていきなりGKと決定機を迎えましたが、永井のループ気味のシュートは東口順昭がジャンプしてキャッチします。

その東口が蹴ったボールが右サイド寄りの位置をとったパトリックに収まると、ガンバはそこからペレイラ、ファン・アラーノの3人で攻撃開始。一度は名古屋守備陣がボールを奪いかけたものの、こちらも処理に手間取っている間にボールは再びアラーノに渡り、そのアラーノのパスをフリーで受けたパトリックが流し込んでガンバ先制!今シーズン、得点を取れずに苦しんでいたパトリックにとっては第6節の前回の名古屋戦以来となる今季2得点目。

 

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この日のガンバは広島戦ほど極端なカウンター狙いというよりは、ある程度時間も作り、相手DFと同数になってからどう押し込むか…みたいな部分も加味されていました。12分にはダワンの縦パスを受けた食野がドリブルで相手DFを剥がしてエリア内へパス。パトリックが絡んで最後はペレイラのフィニッシュがネットを揺らすも…パトリックの時点でオフサイド判定となり、ここはノーゴール。

攻める時間こそ名古屋の方が多かったものの、ガンバもボランチのダワンと齋藤未月が落ち着いて攻撃を組み立てられるような時間が余っていたよりも多く、名古屋もDFラインとFWの間を遮断する事を先決と考えたのか、ボランチの稲垣とシャドーの重廣卓也をインサイドハーフにした3-1-4-2にシステムを変更します。

 

守備に関しては広島戦と同様、4バックがしっかりとラインを揃えた体制で相手の攻撃を迎え打とうとします。その中で名古屋は、ガンバのボランチへのケアと共に比較的センターエリアは捨てるような攻め方を中心に押し込もうとしていて、サイドからの攻めつつ、鋭いクロスを入れて永井を飛び込ませる形を多く作っていきました。

しかしその中でも4枚のDFが乱れないようにしっかり統率されていたガンバは、危険なところに入ったクロスも三浦やクォン・ギョンウォンが身体を張ってクリア。そしてこのシステムに於いて多大なタスクを背負う事になったアラーノと食野は守備の貢献のみならず、その推進力でカウンター攻撃にも繋げていっており、全体的には名古屋ペースながらも広島戦からのアップデートを感じさせる試合展開で前半終了。

 

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後半もガンバは、やはり両サイドの運動量が光る試合展開となっていきました。名古屋が攻守に於いてミドルゾーンを消し去るようなシフトを組んできた中で、ガンバは食野とアラーノがカウンターの際にはなるべく個人でボールを運んでいく事で時間を作りつつ、全体としての押し上げを狙っていきます。そして62分、右からのアラーノのCKを名古屋DFが触ったボールがペレイラの足元に入ってシュート。再びネットに吸い込まれてガンバは再び沸き上がりましたが…今度はオフサイドエリアにいた髙尾瑠がプレーに関与していたとひてまたもゴールは認められず。ガンバにとっては嫌な空気感に。

 

すると名古屋は64分にマテウスが負傷交代。ガンバは72分にダワンとペレイラを下げ、奥野耕平と鈴木武蔵を投入します。試合は常に名古屋陣内での展開になりながらも、この日は名古屋に対して4-4-2のブロックが上手く効いていて、鈴木投入後はパトリックを張らせつつ、鈴木は比較的バールホルダーへのプレスに走らせた事で、名古屋にとってはなかなかもどかしい試合展開になっていきました。

ただ、ガンバファンの脳裏に否が応にもチラつくあの日、あんな日の色んな光景……。

 

その光景を爆破してくれたのが真夏の救世主の一撃でした。87分、名古屋は右サイドの遠目の位置からFKを獲得すると、途中出場の永木亮太が直接狙っていきましたが、これは東口がしっかりとキャッチ。東口はそこから前線にボールを蹴り込むと、左サイドでこれを収めた鈴木がカットインから右脚一閃!!!!

 

 

 

ゴラッソぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!

 

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こうなれば残りは徹底的にブロックを固め、耐えるというよりも焦れずに戦うまでのガンバ。アディショナルタイムを含めた残り時間、全員が高く集中力を保って鳴り響いたタイムアップの笛…!!

 

 

 

ガンバ、松田体制初勝利!!!!

 

 

 

いやー……勝つって素晴らしいですねぇ…。

まず戦い方のベースとしては、基本的には広島戦と同様の戦い方を採りつつ、広島戦よりも両SBを含めたサイドの選手の絡む回数は増えていた印象です。広島戦ではほとんど無かった両SBの攻撃参加は比較的多かったように感じましたし、前半の途中からはガンバのミドルゾーンをすごくケアされ始めたことで、食野やアラーノがトップ下的な位置まで走ってくるようなシーンもありましたし。そういう意味では、守備から攻撃まで、サイドからセンターまで、走って走って走って走って走りまくった食野とアラーノにはもう頭が上がらないです。特にアラーノは相馬勇紀という今のJリーグで最もホットな選手に数えられるサイドアタッカーと対峙した中で、右SBの髙尾と連動しつつ、更に取った後の絵まで描けていた事は圧巻でした(この点は食野も同様)。ペレイラも役割を限定させた分、常に効果的な場所に動くことを心がけてくれていましたし。

 

守備に関しては、名古屋が想像以上にストレート攻撃をしてくれた事がガンバには良い方向に転んだというか、名古屋がガンバのボランチを消してミドルゾーンを試合のプレーエリアから消そうとした事は結果的にガンバの守備がやりやすくなった部分はあったと思います。要は、名古屋の攻撃は相馬と森下龍矢の両WBで深いところまで進みつつ、フォローに入った中盤の選手とパスを交換しながら一瞬のスピードを持つ永井へ低くて速いクロスを絶妙なタイミングで入れる事、或いはマイナス方向へのパスやカットインでミドルシュートから活路を見出そうとする2パターンの攻撃が中心でした。

そうなってくると、広島戦では2シャドー1トップが徹底してガンバの4バックの隙間と歪みに入り込んできた惨劇とは異なり、名古屋はパスの回り方がサイドからミドルエリアを横断し、危険なパスを入れてくるエリアはサイドからになった事で、横スライドを主体とする今のガンバの守備のやり方との相性は良かったと思いますし、実際問題として名古屋にとっても決定機は大して多く無かった。唯一前半に相馬のミドルパスマテウスに通ったシーンがおそらく最も危なかった場面で(カバーに入ったクォン・ギョンウォンがブロック)、広島戦で露わになった今のシステムの弱点を突かれた場面はあれくらいだったのかなと。無論、名古屋にはとんでもないミドル砲を持つ選手が少なく見積もっても4人いるというところで恐怖心は常にありましたが、ヒヤッとしたシーンがそこまで多く無かったとはそういったところでの噛み合わせの良さもあったように思います。

 

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ただいくら噛み合わせが良かったところで、それもこれもDFラインが最後まで集中力を維持し続けた事、相手のシフトに影響を与えたほどボランチが脅威を見せた事、FWがしっかり役割を果たした事、そして両サイドハーフの圧倒的なパフォーマンス……この全てが揃った結果の事ですから、今日のパフォーマンスや戦い方は称賛に値するものでした。

この勝利はきっかけとしては十分な一勝だったと思います。ただ、一番大事なのはきっかけを掴んだ次の試合での結果です。片野坂監督体制でのガンバは、掴んだきっかけをことごとくその次の試合で手放してしまった事がこういう末路にも繋がってしまった。問われるのは次の試合です。まだガンバが危機的な状態には変わらないので、この日みたいな一つの得失点、三つの勝点に貪欲な姿勢をこれからも見せて頂きたいです。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

明治安田生命J1リーグ第27節

サガン鳥栖1-1アビスパ福岡

清水エスパルス1-0京都サンガFC

名古屋グランパス0-2ガンバ大阪

柏レイソル3-6FC東京

セレッソ大阪0-3サンフレッチェ広島

川崎フロンターレ2-1鹿島アントラーズ

横浜F・マリノス(10月12日19:00)ジュビロ磐田

ヴィッセル神戸(10月12日19:00)湘南ベルマーレ

浦和レッズ(10月12日19:30)北海道コンサドーレ札幌

 

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1位 横浜F・マリノス(48)※3

2位 サンフレッチェ広島(47)

3位 川崎フロンターレ(46)※3

4位 鹿島アントラーズ(44)

5位 柏レイソル(43)

6位 セレッソ大阪(41)※2

7位 FC東京(38)※2

8位 サガン鳥栖(37)※1

9位 浦和レッズ(35)※2

10位 名古屋グランパス(33)※1

11位 清水エスパルス(31)

12位 アビスパ福岡(28)※1

13位 北海道コンサドーレ札幌(28)※1

14位 京都サンガFC(26)※2

15位 湘南ベルマーレ(26)※2

16位 ガンバ大阪(25)※1

17位 ヴィッセル神戸(24)※2

18位 ジュビロ磐田(22)※1

※未消化試合数

 

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ACL組不在中のリーグ戦としては最終ゲームとなった今節は、少しでも首位横浜FMにプレッシャーをかけたい上位チーム同士の直接対決が2試合行われました。

序盤は横浜FMと共にトップ3を形成していた川崎と鹿島の一戦は、開始14分までに2点を先行した川崎が鹿島の反撃を1点に抑えて勝利。これで川崎はリーグ戦に於ける鹿島戦の無敗記録を14試合に伸ばしています。一方、夏場から絶好調のC大阪と広島の優勝戦線に絡む為の直接対決はアウェイの広島が3-0で快勝。C大阪は前回の広島戦以来8試合ぶりとなる敗戦を喫しました。この結果、横浜FMと川崎とは消化試合数が3試合違うとはいえ、広島が首位と勝点差1に迫る2位に浮上。一時の不調を乗り越えた川崎も首位と勝点差2まで詰めており、ここに来て優勝争いはわからなくなってきました。

一方、残留争いでは好調の清水が3週間ぶりの公式戦となる京都と残留争い直接対決。京都ペースの時間が長く続きながらも、清水は後半に決まった乾貴士の移籍後初ゴールにより勝利し、8月の4試合で3勝1分。熾烈な残留争いから一歩抜け出しました。鳥栖との九州ダービーに挑んだ福岡は勝点1に留まった一方、G大阪は敵地で名古屋に鈴木武蔵の移籍後初ゴールなどで2-0で勝利を収めて7試合ぶりの勝利かつ松田浩監督体制初勝利。暫定ながら、順位をPO圏にまで戻しています。

 

 

豊田スタジアムクソ楽しかったです。

ではでは(´∀`)