半田ショックから一夜明け
どーもこんばんは
さてさて、本日のマッチレビューは明治安田生命J1リーグ第18節、ガンバ大阪vs鹿島アントラーズの一戦です!
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ダニエル・ポヤトス監督を迎え、新たなるサッカースタイルの確立を目指して歩み始めた今季のガンバ。内容から見える進歩や手応え、なかなかついてこない結果、ついてこない結果を前に少しずつ失われていく自信…2〜3月は希望のある試合を見ただけに、5月頃のガンバの負のスパイラルに突っ込んでしまったような感覚は大きかったです。しかし、第15節新潟戦でトンネルを抜け出したガンバは続く福岡戦、FC東京戦を相次いで勝利。終わってみれば、まだまだ残留争いのヘビーなゾーンから抜け出せていない現状こそ変わらないものの、前半戦を3連勝フィニッシュという転換で終える事となりました。見えた光を掴む為には、この光を勝利によってもっと強く、そしてもっと眩くしていく必要があります。
さぁ、対戦相手は鹿島アントラーズです。鹿島は近年のガンバが最も勝てていない相手の一つ。2017年以降で鹿島に勝利したのは2020年10月の僅かに1回のみで、何よりも4月、上述したスパイラルに突っ込んだことを強く印象付けたのは敵地での鹿島相手の大敗でした。オリジナル10にはオリジナル10の因縁があり、そして歴史がある。その矜持で殴り合い、新時代の可能性を高々と誇示するのはどちらのチームになるのでしょうか。さぁ、ガンバ!かかってこい昌子源!
両チームスタメンです。
ガンバは前節FC東京戦から先発を3人変更。FC東京戦で負傷退場となった佐藤瑶大が外れたところには三浦弦太が入り、イスラエル代表活動の影響で今日は欠場となるネタ・ラヴィのポジションにはルヴァン杯と同様に山本悠樹がアンカーに降りる形で先発。インサイドハーフの先発には石毛秀樹が名を連ねています。そして累積警告で出場停止となったイッサム・ジェバリのポジションには第13節浦和戦以来の先発かつ、今季は初めてFWとしてのスタメンとなる宇佐美貴史が入りました。GKを谷晃生→東口順昭、アラーノの配置を変えた上で食野亮太郎→宇佐美とした以外は直近のルヴァン杯C大阪戦と同じスタメンになっています。江川湧清と鈴木武蔵は共に第14節横浜FM戦以来の先発起用です。
鹿島はガンバ同様、前節湘南戦からは先発を3人入れ替えてきました。ディエゴ・ピトゥカが出場停止となった為、前節は左MFだった樋口雄太をボランチにスライドして仲間隼斗を起用。右MFには土居聖真が第12節C大阪戦以来となるスタメンを飾り、鈴木優磨と2トップを組む染野唯月はリーグ戦では今季初スタメンとなっています。昨季までガンバに所属した昌子源はベンチスタートです。
本日の会場は大阪府吹田市、パナソニックスタジアム吹田です。
パナソニックエナジーのパートナーでとして行われる本日の試合では先着5000名への来場者に乾電池がプレゼント。ファンクラブ会員にはミニペンライトがプレゼントされ、試合前にはガンバサマーフェスティバルと称し、スタメン発表時には花火による盛大な演出が行われます。また、日本センチュリー交響楽団による生演奏も実施。毎度お馴染み「HEAT UP TIME」のゲストは美濃部直彦氏です。
先週は日本代表vsペルー代表の試合が実施されたパナスタ。中村敬斗の出場がならなかった事は残念でしたが、10番を背負った堂安律がキャプテンマークをパナスタの地で巻くあの絵は…もう感無量でしたね。
【#代表戦スタジアム紹介】
— RK-3スタジアムガイドのアカウント (@RStadiumguide) 2023年6月20日
パナソニックスタジアム吹田
G大阪を主体とした任意団体が公的資金に頼らない形で建設。一連の建設スキームは後の各地の新スタにも影響を与えた。クラブハウスやオフィスはスタジアム内に組み込まれており、練習場も真横にあるなど1ヶ所にクラブの全機能を集中させている。 pic.twitter.com/RrFoQgEDUw
序盤から試合はガンバペースで進みました。低い位置でブロックを組んだ鹿島相手に高い位置でボールを回せる状況は続いており、ファン・アラーノと倉田秋がサイドで持てば脇にダワン、石毛、宇佐美らが顔を出していく事でサイドでの密集からの開放のような運用が自然と行えるようになっていました。
その過程の中で倉田やアラーノにシュートチャンスが何度か訪れましたが、鹿島もやはり最後の守備は固くそこは崩しきれません。
15分、中央でボールを受けた山本悠樹が左サイドに展開すると、これをやや内側に入ったところで受けた黒川圭介に対し、倉田が大きくサイドに出た事で相手DFのマークを錯乱。これを見逃さなかった黒川はポケットに入った石毛とのワンツーからカットインで叩き込んでガンバ先制!鮮やかな流れと有機的な流れ、そして最後はスーパーゴール!!
28分にはここ数試合のサンガの攻撃を牽引してきた倉田が負傷退場のアクシデントが起こり食野との交代を余儀なくされますが、31分には宇佐美が右を抜けて折り返したところから波状攻撃。山本のミドルシュートは石毛の足元に入る形となってしまいますが、ここでうまく切り返した石毛のボレー気味のシュートは惜しくもポストに弾かれます。しかしその直後、左サイドでボールを持った黒川のクロスをエリア内でダワンがヘッド!!このゴールで2-0!!
もうパーフェクトな前半!!君たちは本当にガンバ大阪なのか!!考えうる最高の前半で後半に向かいます。
鹿島は後半から染野、仲間、広瀬陸斗を下げて荒木遼太郎、常本佳吾藤井智也を投入。47分には鹿島がやや深い位置でFKを得ると、ゴール前の混戦の末に最後は鈴木優磨にネットを揺らされましたが、ここはVARの末にノーゴール判定となります。
ただ、鹿島は後半の3枚替えや62分には立て続けに名古新太郎も投入したことでシンプルなサイド突破を試みるやり方に切り替えてきて、サイドでの攻防自体はガンバも福岡将太や三浦弦太がしっかり対応していたのでわかりやすいピンチこそ与えなかったものの、後半はガンバが鹿島に押し込まれていく展開にはなってしまっていました。
それでもガンバは守備でやるべき事をやり、そこから山本とそこから始まる攻撃の動き出しを中心に押し返していけるような状態を再び作り出すと、鹿島が押し込んできた一連の流れを食い止める事に成功したような様相に展開していきました。
ガンバは70分に宇佐美と石毛を下げて鈴木武蔵と山本理仁を投入。対する鹿島は安西幸輝を下げて今季初出場となるエレケを投入し、システムを若干ファイヤーフォーメーション的にして交代枠を使い切ります。
しかしやはり、純粋なパワーはやっぱり強い鹿島がロングボール主体のパワープレーを繰り出してくると、ガンバはここから長く苦しい耐える時間が続いていきます。88分には樋口のCKに植田直通がダイレクトで合わせて1点を返されます。
アディショナルタイムは完全に鹿島が猛攻を仕掛け続けていく展開に。ガンバも黒川を下げて江川を入れて守備を固める姿勢を見せて対抗。クロスボールは福岡や三浦がなんとか懸命に跳ね返し、こぼれ球は一生懸命競り……試合終了!!ガンバ、4連勝とJ1通算450勝をずっと勝てなかった鹿島から、9戦無敗だった鹿島から掴み取りました!!
またセットプレーでの失点を喫してしまった事は言うまでもなく要反省。それはもう本当に要反省として、終盤に鹿島に押し込まれた事自体は1点差という状況と鹿島が持つパワーを考えれば自然な展開ではあったと思いますし、セットプレーでの被弾を除けばパーフェクトゲームだったと考えています。ガンバ贔屓のバイアスがかかっている事は否定しませんが、2-1というスコア以上の試合でした。
今日の一つのポイントはネタラヴィとジェバリが出られないというところ。ただしネタラヴィに関してはルヴァン杯のC大阪戦で山本悠樹を配置するという一つの答えに辿り着いていた一方で、ジェバリのところに関しては宇佐美をCFとしてゼロトップ的に配置する事でどうなるか…というのは試合を見てみないとわからない部分はあったと思います。
元々ダワンや石毛は空いたスペースに出たり入ったりを何度も繰り返せる選手。その上で宇佐美がプラスワン的な枠でフリーマン的に動いていく事で鹿島がマークと潰しどころの対象を見失ってる感はある。全体的に上手いこといってる。
— RK-3 (@blueblack_gblue) 2023年6月24日
その中で、鹿島は植田や関川のように対人で抜群の強さを誇るCBがいるからか、人に対して当たる守備は強く、全体的にマンツーマンというか守備時に1対1で対峙できるような状況が彼らにとっては望ましい訳です。ガンバにとって、石毛やダワンは空いたスペースに出たり入ったりする労を惜しまずにプレー出来て、それを何回でも繰り返せる。そこに宇佐美がフリーマンとして掴みどころのない動きをする事で数的優位を作るとともに、宇佐美がポジションを離れたスペースにダワンや石毛が入ってくる、或いは高い位置を取った両SBや両WGが走り込んでくる……その連鎖を前に鹿島は誰にマークをつけばいいのか、誰のところで潰せばいいのかを全く掴めていないように映りました。
それでも最後のブロックは固めてくる辺りはさすがだと思いましたが、鹿島を崩したというよりは鹿島のやりたい守備をさせないような攻撃をした…という方が正確でしょうか。宇佐美のゼロトップは鹿島との相性がすこぶる良かったと思います。交代出場した選手もタスクはきっちり果たしたと思いますし、特に山本悠樹と黒川圭介の無双っぷりはもう…もう。TVの前でスタンディングオベーションでしたわ。
鹿島に勝った事はやっぱり特別な意味を持ちますよね。ガンバにとっては450勝というメモリアルであり、4連勝であり、そして鹿島の9戦無敗を止めて、岩政監督に試合後のインタビューで「完敗」みたいな主旨のコメントを残したりもした。もうこれが気持ちいいったらありゃしない。
ただただ嬉しい。ただただ気持ちいい。ただただサッカーが楽しい。最後はヒヤヒヤしましたが、とにかく喜びに満ちた試合でした。
【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】
明治安田生命J1リーグ第18節
昌子がんばれ
ではでは(´∀`)