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2022 J1全クラブの満足度考査 PART1〜横浜FM・川崎F・広島・鹿島・C大阪・FC東京編〜

当ブログではカタールW杯をより楽しむべく、今回の放送日程や開催スタジアムに各国のチーム・選手・監督の紹介といったカタールW杯情報、カタールW杯の試合のマッチレビューや予想を楽しめるコンテンツの他にも、カタールW杯に向けた日本代表情報や森保ジャパンの歩みに加え、日本や他の国を含めた過去のW杯を振り返るようなブログを随時更新しており、それらをRK-3カタールW杯観戦ガイドとして下記のページにまとめています。是非ブックマークならなんなりしていただいて、あなたの1ヶ月間の狂気のお供にしてください!

 

 

 

さてさて、遂に2022明治安田生命J1リーグが閉幕しました。今年はカタールW杯が開催される関係で日程の前倒しが行われましたので、このタイミングでJリーグの日程が消化されるというのもどことなく不思議な感覚ですが。当ブログではここからカタールW杯の企画と並行し、Jリーグの閉幕企画を更新していく所存です。

 

 

という訳で今回は毎年恒例企画、J1全18クラブの満足考査です!

このブログを長く読んでくださっている皆様ならお察しの通り、もはや毎年恒例ですね。

 

例えば、ひとえに「5位」と言っても、それが「優勝を目指したクラブの5位」なのか「降格候補と目されていたクラブの5位」なのかによって、その5位の意味は大きく変わってくる訳です。

という訳で、この満足度考査ではそのクラブの戦力や開幕前の期待値・目標を踏まえた上で、各クラブの満足度を【大満足】【満足】【普通】【不満】【大不満】の5つで考えていきます。あくまで完全に独断と偏見ですので、実際に当該クラブのファンである方からすれば「??」と思う部分もありますが、その辺は他クラブのファンからはそう見えてるのね、くらいの感覚で思ってもらえれば幸いです。

 

それでは、優勝した横浜F・マリノスから振り返っていきましょう!!

 

2022明治安田生命J1リーグ最終順位

1位 横浜F・マリノス(68)

2位 川崎フロンターレ(66)

3位 サンフレッチェ広島(55)

4位 鹿島アントラーズ(52)

5位 セレッソ大阪(51)

6位 FC東京(49)

7位 柏レイソル(47)

8位 名古屋グランパス(46)

9位 浦和レッズ(45)

10位 北海道コンサドーレ札幌(45)

11位 サガン鳥栖(42)

12位 湘南ベルマーレ(41)

13位 ヴィッセル神戸(40)

14位 アビスパ福岡(38)

15位 ガンバ大阪(37)

16位 京都サンガFC(36)

17位 清水エスパルス(33)

18位 ジュビロ磐田(30)

 

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Part1→横浜FM川崎広島鹿島C大阪FC東京

Part2→名古屋浦和札幌鳥栖湘南

Part3→神戸福岡G大阪京都清水磐田

 

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

【スタメン表の表記】

★→2022年度の新加入選手(ルーキー・レンタルバック含む)

▲→途中加入選手

▼→途中退団選手

 

1位 横浜F・マリノス

勝点68:20勝8分6敗・得点70 失点35 得失点差+35

 

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監督:ケヴィン・マスカット(2年目)

チーム得点王:レオ・セアラ、アンデルソン・ロペス(11得点)

ルヴァン杯:ベスト8

天皇杯:3回戦敗退

ACL:ベスト16

胸スポンサー:日産自動車(自動車メーカー)

ホームスタジアム:日産スタジアムニッパツ三ツ沢球技場(共に神奈川県横浜市)

 

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満足度→大満足

 

まぁ、そうですね。そりゃそうなりますよね。見事でした。

正直なところ、今年は優勝はちょっと難しいんじゃないかなあとも思っていたんですよね。ポステコグルー体制からマスカット体制になる中で、今季は前田大然、扇原貴宏ティーラトン、チアゴ・マルチンスの戦術的なキーマンですらあった4人の退団があった中で、ちょっと今年は上位とスタイルを保ちながら来年に…くらいの感じだとすら思っていました。それが…ねぇ。こんだけの破壊力と実力を見せつけてきた訳で。

アタッキングサッカーという点でもそうですけど、文字通り誰が出ても成立するチームを作り上げたのは圧巻でした。やり方が鮮やかでしたよね。前の試合から11人入れ替えたとしてもターンオーバー感を感じさせないほどのローテーション性は見事でした。その中で西村拓真や藤田穣瑠チマがブレイクしたり、Jリーグオールスターとも言えようE-1選手権に多くの選手を送り出したり。エドゥアルドだって序盤は難しかったのに最後の方は圧倒的なクオリティーを見せていましたからね。クラブとして数年前から掲げた長期ビジョンと、それに伴う現場のコンセプトとフロントの補強プラン……それらを含めた全てに於ける"総合力"の高さを感じました。ACLの敗退後や10月の優勝決定にリーチをかけてから当時17位のG大阪、最下位の磐田に連敗したところのようなガタガタ…っと来そうなところから押し返したのも見事でした。素晴らしかったです。

 

 

 

2位 川崎フロンターレ

勝点66:20勝6分8敗・得点65 失点42 得失点差+23

 

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監督:鬼木達(6年目)

チーム得点王:家長昭博、マルシーニョ(12得点)

ルヴァン杯:ベスト8

天皇杯:3回戦敗退

ACL:グループステージ敗退

富士フイルム杯:準優勝

胸スポンサー:富士通(総合ITベンダー)

ホームスタジアム:等々力陸上競技場(神奈川県川崎市)

 

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満足度→満足

 

難しいシーズンだったと思います。スタートから。いくらここ2年が圧倒的な成績だったからと言えども、そもそも三笘薫と田中碧の穴が必ずしも埋まりきったとは言えない中で旗手怜央まで抜けてしまった。スタメンの絶対値は変わらず高かったとはいえ、私自身もそうでしたが…「優勝予想はするけど選手層は不安」というのは大方の見方だったと思います。ましてやジェジエウは夏まで帰って来れない事がわかった状態でシーズンが始まって、そこからチャナティップレアンドロ・ダミアンも離脱したりして。

無論、クラブとしては全ては3連覇を目指して戦っていた中で最後は優勝を逃してしまった事、そしてカップ戦ではルヴァン杯ではC大阪アディショナルタイムに逆転され、天皇杯ではJ2に敗れ、ACLではグループステージで敗退した訳で、クラブにとっては失意のシーズンだったのは間違いありません。結果的には無冠でしたし。ただ、故障者続出の上にコロナウィルスの影響にも苛まれた中で、最終的にこういうシチュエーションまで上がって来れた自体はこのクラブが築いた土台が成せる底力的な部分は見えた気がしました。不振の中でも家長昭博がチームを引っ張ったり、ダミアン離脱後に見せた小林悠の意地だったりは、川崎のクラブとしてのステータスというか、そういう神通力が生まれてきたようなところを感じました。

 

 

 

3位 サンフレッチェ広島

勝点55:15勝10分9敗・得点52 失点41 得失点差+11

 

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監督:ミヒャエル・スキッベ(1年目※)

チーム得点王:満田誠(9得点)

ルヴァン杯:優勝

天皇杯:準優勝

胸スポンサー:エディオン(家電量販店チェーン)

ホームスタジアム:エディオンスタジアム広島(広島県広島市)

※入国制限の影響でスキッベ監督の来日が遅れた事により、第1〜2節は迫井深也ヘッドコーチが指揮

 

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満足度→大満足

 

川崎やマリノスは昨年の時点で好成績を残していた事を踏まえると、やはり今年一番グンと来たチームは広島でした。シーズン途中にはナッシム・ベン・カリファやピエロス・ソティリウを獲得しましたが、シーズン開幕前の時点ではルーキーとレンタルバック組を除いて新加入選手はゼロ。そんな中での3位という成績と2大会の決勝進出、そしてルヴァン杯優勝は天晴れでした。

広島といえばやっぱり屈指の育成組織を誇るチームな訳で、そこにドイツでは育成の重鎮として名を馳せていたスキッベ監督を組み合わせるという判断はチャレンジングながら理に適っているし、相性は良いだろうとは思っていました。ただそれでも、いわゆる優勝を目指せるような年として位置付けているのは来年以降だろうと思っていたので、今季ここまでのスピードで駆け上がっていったのは圧巻でした。満田誠や川村拓夢のような若手は勿論ですが、こういう育成の重鎮みたいな監督は柏好文青山敏弘柴崎晃誠のようなベテランの使い所も巧い印象を受けます。

ただ、今季は少し"出来過ぎ"な部分はあったような気はします。来年に向けて大事なのは今年を過信しすぎない事というか、迂闊に"今年以上"を求めない事。これは今年の広島を過小評価する訳ではなく、例えば来季、少しペースが落ちたとしても、それは広島としての成長が鈍った訳ではないという事です。

 

 

 

4位 鹿島アントラーズ

勝点52:13勝13分8敗・得点47 失点42 得失点差+5

 

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監督:レネ・ヴァイラー(1年目※1)岩政大樹(第25節〜)

チーム得点王:上田綺世(10得点※2)

ルヴァン杯:プレーオフステージ敗退

天皇杯:ベスト4

胸スポンサー:メルカリ(情報・通信業)

ホームスタジアム:茨城県立カシマサッカースタジアム(茨城県鹿嶋市)

※1 入国制限の影響でヴァイラー監督の来日が遅れた事により、第1〜4節は岩政大樹ヘッドコーチが指揮。

※2 上田は7月に退団。最終節時点で所属していた選手ではアルトゥール・カイキ(9得点)がチーム得点王。

 

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満足度→普通

 

今年の鹿島は結構、クラブを抜本的に改革していこうや的な年ではあったと思います。その象徴がこれまでのブラジル及びOB路線から離れてレネ・ヴァイラー監督を招聘したコーチングスタッフの再編でした。確かに夏までは良かったと思います。実際、横浜FMや川崎とちゃんと優勝を争えていましたし、上田綺世のストライカーとしての覚醒と鈴木優磨のFWとしての器用さが速攻型のサッカーに上手くハマっていました。ただ、その上田が退団してからは目に見えて失速……という形に。

方々の反応を見る限り、おそらく鹿島ファンはこの結果を大不満に思っていると思うのですが……個人的には、良くも悪くも落ち着くところに落ち着いたような印象です。正直なところ、横浜FMや川崎と比べた時に、今の鹿島が4位を失敗と呼べるほどスタートポジションが高いチームだとはあまり思えないというところで「普通に」に置きました。鹿島というクラブは大前提に「勝利(=優勝)から逆算し、その最短距離を走る」という伝統があると思っていて、それがこのクラブの歴史を常に作ってきた。ただ、近年のサッカーはクラブにもチームにも求められるタスクが複雑化し過ぎていて、そのスタンスの限界点も見たような気がしました。

そう考えると、ある意味で今の岩政監督はそこの概念とスタンスにメスを入れるというか、そういう意識を大切にしながら改革していこうとしているようにも見えて。そういう観点で、来年以降のこのクラブの行く末には注目したい気持ちもあります。上で書いた鹿島に受け継がれている意識は少し否定的なニュアンスにもなるような書き方になってしまいましたけど、逆にいえば一昨年も去年もやばいやばいと言われながら結局上位にいるのは、そういう意識を常にチームとして求められているから…という部分は確かにあると思いますし。

 

 

 

5位 セレッソ大阪

勝点51:13勝12分9敗・得点46 失点40 得失点差+6

 

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監督:小菊昭雄(2年目)

チーム得点王:加藤陸次樹(6得点)

ルヴァン杯:準優勝

天皇杯:ベスト8

胸スポンサー:ヤンマー(機械工業)

ホームスタジアム:ヨドコウ桜スタジアムヤンマースタジアム長居(共に大阪府大阪市)

 

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満足度→満足

 

チームとして見事なパフォーマンスだったと思います。マテイ・ヨニッチは復帰だったので元々確実に計算は立っていましたが、毎熊晟矢、山中亮輔、鈴木徳真、上門知樹、ジェアン・パトリッキ等、新戦力が恐ろしいほどに悉くヒット。更に加入1年目の昨季は不完全燃焼に終わったアダム・タガート、鳥海晃司、為田大貴辺りもスカッドに食い込むパフォーマンスを見せて、そこに対して小菊監督が上手くチームをオーガナイズしてみせた。今季のセレッソはチームとして連動していたというか、11人を1つの生き物のように動かせていたと思います。各コンペティションで好成績を残せた事は偶然でもなんでもないでしょう。

なので「大満足」にしようかとも思いましたが……夏場のセレッソって、ガンバと川崎は本当にこいつらに白眼剥かされた訳ですけど、もはやゾーン状態にすら入ってたと思うんですよ。引き分け濃厚の試合をアディショナルタイムにどうにかしたり。ただ、天皇杯準々決勝とルヴァン杯決勝の広島戦を筆頭に、9月以降は夏場のセレッソが勝ってきた形をやり返されるかのような展開で勝点を失う事が急激に増えていた。終盤はルヴァン杯決勝を合わせれば7戦未勝利でシーズンを終えた訳ですし。セレッソが今後もう1ステージ上の段階で戦うのならば、「1つの良い流れが止まった後の押し返し方」を備えていく必要があると思います。マリノスはそれが出来たから今季の順位にいる訳で。

それでも今季のセレッソが小菊監督が植え付けたチームコンセントと、それに裏付けた個々のパフォーマンスは特筆すべきものでした。

 

 

 

6位 FC東京

勝点49:14勝7分13敗・得点46 失点43 得失点差+6

 

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監督:アルベル・プッチ・オルトネダ(1年目)

チーム得点王:アダイウトン(12得点)

ルヴァン杯:グループステージ敗退

天皇杯:3回戦敗退

胸スポンサー:ミクシィ(IT企業)

ホームスタジアム:味の素スタジアム(東京都調布市)、国立競技場(東京都新宿区)

 

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満足度→満足

 

今年のFC東京はクラブとしてはチャレンジの時というか、スタートから結果を追求するよりもトライ&エラーを積み重ねながら、来季のスタートラインを高く設定できるようにする為の一年でした。そういう意味で言えば、クラブが今年アルベル監督に求めた事、そして狙った成果というものは十分に得られたのではないでしょうか。本音で言えばクラブも監督自身ももう少し低い順位も覚悟していたと思いますし、そう考えれば終盤までACL圏内を争っての6位という順位も上々と言えるでしょう。

大型ルーキー・松木玖生がレギュラーに定着したり、紺野和也が台頭したりといった若手の台頭は勿論…上でスキッベ監督に関しても同じ事を書きましたけど、長友佑都東慶悟の嵌め方を見ていると、アルベル監督もFCバルセロナカンテラの重鎮として知られた訳で、スキッベ監督と同様、そういう若手育成のスペシャリストこそベテランの使い方・嵌め方が上手いな、と感じましたね。何にせよ、今季の新潟を見ていても、アルベルトーキョーをどう評価するかは来年再来年を見る必要があるなと思っています。少なくとも、今季欲しかったものはある程度手に入れたんじゃないかなと。

 

 

 

Part2はこちら

 

ではでは(´∀`)