RK-3はきだめスタジオブログ

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カタルシス〜2022YBCルヴァンカップ決勝 セレッソ大阪vsサンフレッチェ広島 マッチレビュー〜

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1年未開催だったおかげで周年と節目の大会が重なるの、ちょっと前の映画ドラえもんと同じ現象。

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューYBCルヴァンカップ決勝、セレッソ大阪vsサンフレッチェ広島の一戦です!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

 

今年も遂にこの日がやってきました。

秋の風物詩、総力戦で辿り着く、Jリーグの祭典、リーグカップ決勝!

 

 

今季の決勝はリーグ戦で好調を維持しているチーム同士の対戦となりました。J1で3位の広島と4位のセレッソ、今季の戦いぶりを見れば、まあ共に突然変異ではない道のりの先にこの決勝があった、と表現するべきでしょう。一方で、お互いがそれぞれの雪辱をこの結晶で晴らそうとしている、という見方もあります。

現在、広島はJ1リーグを制した経験を持つクラブで唯一カップ戦タイトルの獲得経験がないクラブであり、天皇杯ルヴァン杯の決勝では合わせて8回も決勝で涙を呑みました。特に先週、J2のヴァンフォーレ甲府と戦った天皇杯決勝では、PK戦の末にジャイアントキリングを許す結果となってしまい……。2つのカップ戦の両方で決勝に進んだという栄光は、裏返せば2つの究極の悔しさに苛まれる可能性もある。一方で、天皇杯の無念を晴らす場はすぐ近くにあったという表現も出来る。そのどちらに針がふれるかは文字通り彼ら次第です。

対するセレッソは2年連続の決勝進出となりました。しかし、前回大会の決勝では名古屋に0-2で敗戦。セレッソにも決定的なチャンスはいくつかありながら、名古屋の堅守を前に完封負けを喫する形になりました。また、今季既にセレッソvs広島のカードは3度行われていますが、結果は広島の3勝。セレッソとしては昨年のリベンジと共に、同じ相手に3敗しながらも"一番いいとこ"で一つの勝利を掴み取りたいところでしょう。

今年は遂に30回目かつ30周年。シルバーコレクターと呼ばれる事も多かった両者ですが、節目の年の優勝者として名前を刻むのはどちらでしょうか。

両チームスタメンです。

 

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セレッソはいつも通りの4-4-2システムを採用。直近のリーグ戦からはアダム・タガートやブルーノ・メンデスがベンチメンバーからも外れた一方、負傷で決勝戦の出場が微妙とも言われた奥埜博亮、直近のリーグ戦で負傷退場を余儀なくされた山中亮輔は今日の決勝に間に合わせてスタメン復帰となりました。為田大貴や鳥海晃司といった選手は昨年は出番が少なく決勝の出場は逃しており、 毎熊晟矢や上門知樹のような去年はJ2でプレーしていた選手もスタメンに名を連ねています。

広島はシステムはいつもの3-4-2-1ですが、選手の配置は先週の天皇杯決勝甲府戦から、あるはいつもの形から少しいじってきました。甲府戦の両WBとなった茶島雄介と柏好文は共にベンチスタートとなり、CB起用の多い野上結貴甲府戦まではボランチ起用だった川村拓夢がそれぞれWBで起用。ワントップはドウグラスヴィエイラがベンチからも外れてナッシム・ベン・カリファが起用され、天皇杯決勝ではベンチを外れていた青山敏弘柴崎晃誠が今日はベンチメンバーに名を連ねています。

ちなみに、広島の松本泰志は昨季は半年間セレッソにレンタルで所属しており、セレッソの加藤陸次樹はユース時代を広島で過ごしていました。

 

本日の会場は東京都新宿区、国立競技場です。

昨季の決勝戦埼玉スタジアム2002で行われましたが、今年はルヴァンカップ30周年という節目の年もあってか国立決勝が復活。新国立競技場での決勝戦柏レイソルFC東京が戦った2020年大会以来で、セレッソと広島にとっては共に初めての新国立競技場での公式戦となりました。

幾多の名勝負、激闘、歓喜と屈辱を生み出してきたこのカップファイナルの聖地は今日もまた、この地にドラマを産み落とします。30周年という事で、試合前や選手入場時には盛大な演出も行われ、国歌斉唱は木村カエラ氏が担当。やっぱりルヴァンカップ決勝の盛大感は、なんというか…天皇杯決勝の荘厳な感じよりも、お祭り!って感じがしていいもんですね。どっちも異なる趣があって良いんですが。また、大会前日に発表されることが通例となっているニューヒーロー賞は、今年はセレッソの北野颯太が受賞。セレッソの所属選手としては、2020年の坂歩夢以来2人目のニューヒーロー受賞です。

…ちなみに、本日プロ野球日本シリーズが行われる東京ヤクルトスワローズの本拠地、明治神宮野球場はこのスタジアムの超ご近所。というか最寄り駅同じ。なのでルヴァン杯決勝の観客が帰り始めるタイミングで日本シリーズの観客が外苑エリアに入ってくるような感じですかね。

 

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野津田岳人のファーストシュートで幕を開けた試合でしたが、試合は立ち上がりからセレッソのペースで進みます。

ポゼッションの数字そのものに大きな差は無かったものの、より高い位置で、自分達の望む形でボールを持てていたのはセレッソの方で、4分には毎熊のパスを受けた上門がシュートを放つと、直後にはゴール前の混戦から加藤陸次樹があわやPK獲得か…という場面もありましたが、これは先にオフサイドを取られていた事でPK獲得はならず。

 

少しずつ広島も、序盤に押し込まれていた時間帯よりはラインを一段階前に押し返す事が出来るようになると、広島が少しずつ可能性のあるボールの持ち方を出来るようにはなっていました。それでも試合としてはセレッソペースの時間が続き、広島は甲府戦の悪い流れをやや引き摺っているのか、少し堅さを感じさせる内容に。それでも山中を中心に増えてきたアーリークロスに対しては、全員が日本代表歴を持つ3バックの対応で跳ね返します。

 

すると前半の終盤には広島もペースを握り始めて、44分にはベンカリファのシュート性のクロスがサイドネットに当たると、直後には川村の鋭いクロスに満田誠が飛び込むもDFの対応に阻まれたシュートまで持ち込めず。

前半はトータルではお互いに決定機は生まれず、0-0で終えます。

 

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後半は両チーム共にメンバー変更なくキックオフ。すると、緊張感ある展開で進んでいた後半は思わぬ展開で動きます。53分、バックラインからビルドアップを試みた広島でしたが、佐々木翔のGK大迫敬介へのバックパスがズレるとプレスに入った加藤にそこを突かれ、最後は加藤がGK大迫ごとかわしてゴールに流し込んでセレッソが先制。加藤はユース時代を過ごした古巣から、この決勝という舞台で一発をもぎ取る事に。

 

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セレッソは続く57分にもキム・ジンヒョンロングフィードから一気にカウンターを仕掛けると抜け出した毎熊が一気にGKとの1対1を迎えますが、ここは大迫がファインセーブ。続くCKもマテイ・ヨニッチが合わせ、これは枠を外れるも流れはセレッソに傾き始めました。

しかしビハインドを負った広島はギアを上げる必要性が出てきた事で試合は一気にオープンな展開となり、59分には右からカットインする形で満田がシュートに持ち込むなど、展開はわかりやすくスリルを帯び始めます。63分には野上のクロスに対し、やや無理がある体勢ながらベンカリファが見事なダイビングヘッド。しかしこれはキム・ジンヒョンがビッグセーブで阻み、そのCKからの佐々木のヘッドは枠の上に逸れます。

 

広島が猛攻を仕掛け、セレッソがそれに耐えつつ奪い返した時にカウンターを繰り出す……という展開が続いていた79分、一つターニングポイントになり得る場面が発生します。広島のロングボールに対してヨニッチとベンカリファが交錯すると、ヨニッチの手がベンカリファの顔に入ったとして、VAR介入の末に一発レッド。セレッソは為田を下げて西尾隆矢を投入してDFを補充しますが、セレッソは残り10分とアディショナルタイムを数的不利で戦う事に。

 

広島は63分に投入したピエロス・ソティリウに続き、80分に柏好文アディショナルタイム直前には塩谷司と野上のDF2人を下げて茶島と柴崎を投入します。

パワープレー気味に攻め込む広島と、それをなんとか跳ね返そうとするセレッソ……広島は惜しいところまではいくものの、セレッソの守備の前になかなか良い形でのシュートまで持ち込めない時間が続いていました。しかし9分と表示されたアディショナルタイム早々のタイミングで、広島のクロスボールに対する鳥海の対応がハンドと判定。

先週の天皇杯決勝では2発のPKを外して泣いた広島。そんな広島に訪れた最後のチャンス。これまで蹴ったどんなPKよりも極限状態で得たPK……これを、天皇杯決勝で負った傷の全てを吹き払うかのようにソティリウが決め切って広島同点!!

 

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そして誰もが延長戦に突入すると思った中で、まるでこの1週間取り憑かれていた何かから解き放たれたかのようか広島は最後にブーストを見せました。

アディショナルタイム、ほぼラストワンプレー、右サイドから満田が蹴り込んだCKに反応した荒木隼人には合いませんでしたが、DFをブロックしたところにフリーで居たのはソティリウ………!!!!!!

 

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ゴール裏のサポーターの下に駆け出すソティリウ、それを追いかける広島陣営、喜びを爆発させる広島サポーター、そして崩れ落ちるセレッソ………あまりにも美しく残酷なコントラストをピッタの上に残したまま、最後は西尾のミドルシュートを大迫ががっちりセーブ。そして試合終了!!

30回目、30周年のルヴァンカップファイナルは、広島が想像だにしないほどの劇的勝利で優勝をもぎ取りました!!!!

 

 

 

いや……ちょっと衝撃的な試合展開でしたね。

トータル的に、試合を通じて内容が良かったというか、やりたい事が出来ていた、思惑通りに試合を進める事が出来ていたのはセレッソの方でした。広島もセレッソも、ルヴァン杯に限らず今季はリーグ戦を含めて勝ち続けるシーズンを過ごした中で今日の舞台に立っていて、その勝ち続けたやり方で戦えていたのはセレッソの方で、有機的なプレスと絡み合うようなカウンターを繰り出しながら、広島がいつものダイナミズムを出しきれない、出させないような状態を作って、うまく優位な時間を多く作れていたと思います。

ヨニッチの退場に関しては、故意ではないでしょうし気の毒なのは確かですが、一方で誤審ではない事は事実で。やはりあそこから、セレッソは広島のパワーを正面から受ける形になってしまった。その流れで同点弾を許してしまうと、やっぱりそこからそれに抗う事は難しい訳で。広島としては苦しい時間帯を最少失点で抑えた事、逆にセレッソとしては先制直後の時間に2点目を取れなかった事は、結果論に過ぎないとはいえ、最終スコアに直結したのは確かでしょう。

 

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さて、広島ですが……初めてのカップ戦タイトルおめでとうございます。

色々と難しい状況ではあったと思います。何より、先週の悪夢の記憶は口で言うほど簡単に割り切れないものでしょうし、ましてや2つのカップ戦で決勝に辿り着くチームはちょこちょこいても、それを2週連続で戦うチームはそうはいない。そしてその一つ目を落としただけに、前半の広島は思っていた以上にそれを引きずっているようにも見えました。しかし最後の最後で先週泣いたPKを仕留め、そこからの解放されたかのような展開にはカタルシスすら感じましたね。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

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2022YBCルヴァンカップ

優勝:サンフレッチェ広島

準優勝:セレッソ大阪

ベスト4:アビスパ福岡浦和レッズ

ベスト8:横浜F・マリノス川崎フロンターレヴィッセル神戸名古屋グランパス

 

 

さ、静岡ダービー

ではでは(´∀`)