そういえばジャイキリって2シーズン目やるのかしら
どーもこんばんは
さてさて、本日のマッチレビューは2021JリーグYBCルヴァンカップ決勝、名古屋グランパスvsセレッソ大阪の一戦です!
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さぁ、今年もここまでやって参りました。Jリーグの秋を彩る祭典、ルヴァン杯決勝戦!29回目の決勝のカードは名古屋グランパスとセレッソ大阪という組み合わせになりました。
思えば両チームとも、今季のリーグ戦は様々な苦難に直面してきました。
Jリーグ史上最多の完封試合記録を樹立するなど一見順調に見える名古屋ですが、名古屋は名古屋で絶好調だった頃、川崎と首位の座を懸けた2連戦で完敗を喫し、そこから6戦未勝利に至る経験もしました。その後、リーグでは過密日程の中で復調していく中で、10月には目指していた4タイトルのうち、リーグに加えて天皇杯とACLも敗退が決定。残された最後のタイトルへの欲求は強い事でしょう。名古屋にとってルヴァンの決勝は初めて。今日勝利できれば、名古屋は遂に念願の三大タイトルコレクターとなります。
対するセレッソは序盤こそ好調だったものの、それは序盤も序盤だけ。前任者退任のプロセスもあって逆風の中で迎えられたレヴィー・クルピ監督の解任に至ったのは残留争いに巻き込まれかけた8月末の事でした。しかし監督に昇格した小菊昭雄監督の下で活力を取り戻したチームは準々決勝でG大阪、準決勝で浦和を撃破。2021年をセレッソの歴史の一つの転換点としたいところでしょう。
さぁ、秋の祭典です。歴史を永遠にする称号を手に入れる者か、歴史を変えるアイコンとしたい者か、強豪から名門になる為の決勝戦がキックオフの刻を迎えます。
両チームスタメンです。
水曜日に同じカードで行われた天皇杯では名古屋はいつも通り、セレッソはターンオーバー的なメンバー構成で戦いましたが、今日は当然ながらどちらも両者にとってのベーシックと言える形の先発メンバーを組んできました。名古屋のベンチメンバーはFW登録が4人。唯一DF登録の森下龍矢も最近は2列までの起用が目立つので、かなりオフェンシブな人選です。セレッソは怪我の影響が心配された清武は準決勝浦和戦で復帰し、今日もベンチ入りを果たしています。なお、本日両チームのベンチにいる18人×2の36人のうち、ルヴァン杯決勝のピッチに立った事のある選手は名古屋が木本恭生、キム・ミンテ、吉田豊、柿谷曜一朗、金崎夢生の5名、セレッソがキム・ジンヒョン、松田陸、丸橋祐介、進藤亮佑、清武弘嗣、豊川雄太の6名です。
そして何といっても今日の注目は、2017年のセレッソ優勝時に主将を務めた柿谷、そしてCBとして決勝にも出場した木本という2017年のセレッソ優勝に貢献した二人が名古屋の選手として出場する事。特に柿谷はセレッソの象徴というイメージの強い選手だけに…。
本日の会場は埼玉県さいたま市、埼玉スタジアム2002です。明日明後日に幕張メッセで行われるコンサート「LIVE TOUR V6 groove」をもって解散する事が発表されている、V6の坂本昌行さんが本日の国歌斉唱を務めます。
神戸ユニバー記念競技場で行われた1994年以外、リーグ杯の決勝戦は国立競技場開催が慣例となっており、国立が工事中だった2014〜2019年の決勝会場となったのがこの埼玉スタジアムでした。国立がリニューアルオープンして初めての決勝となる昨季は国立開催となったので正式にそっちに戻るのかな…と思ったら、今年も再び埼スタに会場を戻す形での開催となりました。セレッソにとっては2017年、ルヴァン杯を制してクラブ史上初のタイトルを掲げたのもこの場所でしたね。
今年、開場20周年を迎えた埼スタでは東京オリンピックの試合も行われました。日本代表にとってはグループステージのメキシコ戦に勝利しましたが、この地での準決勝スペイン戦と3位決定戦メキシコ戦に敗れて4位が決まった場所でもあります。その試合には名古屋の相馬勇紀が出場しており、出番は無かったもののスペイン戦ではセレッソの瀬古歩夢もベンチに入っていました。
そしてルヴァン決勝恒例、両チームのコレオグラフィー対決も!
立ち上がり、出足が良かったのは名古屋でした。3分の稲垣祥のシュートから始まり、11分にはマテウスのクロスに柿谷がオーバーヘッドで反応。これは僅かに枠の上に逸れますが、戦前の予想としてはセーフティーに入るのでは…と見る向きの強かった名古屋の方が押し込む形で試合は幕を開けます。
しかしその後はセレッソペース。徐々にセレッソの裏への意識が際立つようにはなっていましたが、飲水タイムを境に形勢は完全にセレッソへ。セレッソは両サイドバックが高い位置を取りつつ、ピッチを広く使いながらサイドから攻める形を見せていきました。34分、加藤陸次樹のロブパスに山田寛人が飛び込みますが、ここは最後はランゲラックと名古屋DF陣にブロックされる形になってゴールならず。
前半の最後の方はほとんどセレッソがボールを持ち、名古屋は自陣を固めつつ、攻撃のターンになれば相馬やマテウスの機動力を武器に素早く攻める形に。とはいえ、結果的に前半終盤の形なある意味で戦前に予想されていたような構図でもあったので、見方によっては落ち着くところに落ち着いたような前半となりました。
セレッソは後半開始と同時に山田寛人を下げてキャプテンでもある清武弘嗣を投入。システムを清武をトップ下に置いた4-2-3-1の形に変更します。しかし先制したのは少し流れとしては劣勢気味だった名古屋でした。47分、左サイドからのCKを相馬が蹴ると、ニアサイドの選手が敵味方共に触りきれず。そしてファーに詰めていた前田直輝が低いヘッドで押し込んで名古屋先制!
こうなってくると堅守で、かつ前線にスピードとテクニックを兼ねたタレントを揃える名古屋にとっては理想的な試合展開に。前がかりになったセレッソに対して53分には前田がカウンタードリブルで抜け出して決定的なチャンスを作りますが、シュートはGKキム・ジンヒョンがファインセーブ。しかし、名古屋のような手堅いチームにとっては定石とも言えるやり方で試合が運ばれ始めていきました。
セレッソもハーフタイムの清武に続いて54分には加藤を下げて大久保嘉人を投入し、乾を含めた実績と経験のある選手を軸に攻勢に出ようとします。対する名古屋は58分に先制点を演出した前田と相馬を下げて齋藤学と長澤和輝がピッチへ。名古屋は4-1-2-3のシステムに変更します。セレッソは乾、坂元、清武を中心にテクニカルにこじ開けようとしますが、中盤から固められた名古屋式ディフェンスの前に打開する隙間を見出せない時間が続きました。
75分、中盤の奥埜博亮を下げてFWの豊川雄太を入れたセレッソは原川力のFKのこぼれ球を拾った松田のミドルシュートはポストを掠めて枠の外へ。更に直後には松田のシュート性のアーリークロスに大久保が飛び込むこの日最大の決定機を迎えますが……大久保の伸ばした脚は僅かに届きません。
そして79分でした。名古屋は柿谷との交代で入ったシュヴィルツォクがカウンターで抜け出して左脚を振り抜きます。このシュートはキム・ジンヒョンがまたしてもスーパーセーブ。ですが……不規則なバウンドに反応したエースストライカーボランチ稲垣祥が右脚一閃!
名
古
屋
追
加
点
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名古屋グランパス優勝!!!!
お見事という他に無い試合でした。名古屋は1-0、いわゆるウノゼロ勝ちを最も得意とするチームですから、前半を0-0で終えたのはゲームプラン通りと言えると同時に、じゃあ0-0を引っ張れば引っ張るほど名古屋が有利になるのか…と言われればそういう訳でもありません。だから名古屋は前半を0-0で終えた以上、自分達の強みを出す為には、自分達の勝ちパターンに持っていく為には65〜70分までには点を取らなければならなかったし、そしてそれを見事に遂行しました。細部に渡るまでの全てにおいて…マッシモ・フィッカデンティの下で徹底されたチームは単に堅守のチームなのではなく、攻撃も含めて勝利の為の最適解を細部まで計算し尽くしたチームだと言った方が正しいでしょうか。漫画「GIANT KILLING」の名古屋グランパレスじゃないですが…文字通りのプロ集団とでも呼ぶべきチームだったように思います。
セレッソも随所にクオリティの高さは見せたと思うんですよ。ただ、名古屋戦での「先制点」が持つ意味が他の試合とは異なる事は彼らもよく理解していたでしょうし…そこでの難しさはあったと思います。セレッソはセレッソでやれるだけの事はやったと言えるんじゃないでしょうか。78分の松田→大久保のアレが決まっていたら本当にスーパーでしたが…。
近年の名古屋は本当に完成されたチームだったと思います。2016年のJ2降格へと導いたゴタゴタの時代を経て、今は本当に現場とフロントの統率も取れた総合力の高いチームになってるなぁと。その中でフィッカデンティ監督の手腕はやはり特筆すべきものがありました。
2019年のホーム最終節、豊田スタジアムで大ブーイングを食らったあの日から今日に至るまでの軌跡たるや鮮やかなものでした。これまでは小規模なクラブを率いる事が多かったフィッカデンティ監督にとっても、資金力のある名古屋での挑戦はこれまでとは意味の異なるものだったと思います。そんな中で、その名古屋で自身の価値を示してみせた……総合力で築いた鯱の要塞のその全てが発揮されたような決勝戦でしたね。
改めまして、名古屋グランパスさんおめでとうございます!!
【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】
2021JリーグYBCルヴァンカップ
優勝:名古屋グランパス
準優勝:セレッソ大阪
ベスト8:鹿島アントラーズ、ガンバ大阪、北海道コンサドーレ札幌、川崎フロンターレ
解説ツネ様&ウッチーとかいうビジュアル最強2トップ。
ではでは(´∀`)