キックオフ24時間前に時間変えないで!!!!
どーもこんばんは
さてさて、本日のマッチレビューは東京オリンピック男子サッカー3位決定戦、U-24日本代表vsU-24メキシコ代表の一戦です!
ここまで長い道のりでした。
2013年、2020年の五輪の開催地が決まったあの瞬間から、今回のオリンピックの意味は全ての競技とって、普段のオリンピックより一層重いものとなりました。それは五輪は育成の大会とも捉えられるサッカーではより一層顕著で、誰もがこのオリンピックで、日本の地でメダルを獲得する事……それを目標に様々な関係者が努力を重ねてきました。
その甲斐あって、東京五輪日本代表は「日本史上最強」と称するに値するチームと胸を張って言えるだけのチームになったと思いますし、仮に今日敗れた事でその功績が無くなる訳ではありません。ですが今日負ければ、東京五輪世代のチームは「健闘」や「良いチーム」といった抽象的な表現で片付けられる事になってしまいます。これだけ素晴らしいチームがそれでは寂しい……この素晴らしいチームに、素晴らしいチームだからこそ、何としても「銅メダル」という「称号」を得てほしい……この22名は「オリンピアン」なのか「メダリスト」なのか、JFA創立100周年の今年、日本サッカーの中で重要な意味を占める決戦が間もなく始まります。
対戦相手はメキシコ。運命とは数奇なもので…彼等はグループステージの第2戦で対戦したのみならず、吉田麻也と酒井宏樹が出場した2012年ロンドン五輪準決勝で日本の行く手を阻んだ相手でした。そしてメキシコにとっても今から53年前の1968年…自国開催となったメキシコシティー五輪の3位決定戦で、メキシコから銅メダルを攫ったのが他ならぬ日本でした。
メキシコ側にもメキシコシティーのリベンジを東京でという並々ならぬ想いがある事でしょう。歴史は歴史の上に成り立つものです。そしてその歴史に飾るべきは健闘といった抽象的な言葉ではなく、銅メダルといった快挙なんです。五輪の3位決定戦はその意義が問われがちな世の中の3位決定戦の中で最も重い意味を持つと言っても過言ではありません。今宵、その全てが決まります。
両チームスタメンです。
スペイン戦では出場停止だった冨安健洋が先発に復帰。唯一スタメンを固定していない左サイドハーフには相馬勇紀が入っています。それ以外は基本的には同じメンバーで、第2戦のメキシコ戦と比べても板倉滉が先発だったところを冨安に戻したのみとなっています。谷晃生と吉田麻也は現段階で全試合フル出場。その2人+遠藤航、田中碧、堂安律、久保建英の6人が全試合先発という形になりました。
本日の会場は埼玉県さいたま市、埼玉スタジアム2002です。
メキシコとはグループステージの第2戦でも対戦しましたが、その際も会場はこの埼玉スタジアムでした。日本にとってはメキシコ戦、スペインとの準決勝に続いて埼玉では3試合目です。
言わずもがな、日本代表にとって埼玉スタジアムはホームスタジアムと言われているスタジアムです。2002年日韓W杯、鈴木隆行の伝説のゴールに始まり、日本サッカー飛躍の歴史の背景には常に埼玉スタジアムがありました。日本が歴史を描く舞台として、これほどまでに相応しい舞台は他にないでしょう。東京五輪世代のクライマックスが今、始まります。
しかし日本は比較的早い段階に出鼻を挫かれてしまいます。13分、ペナルティエリアの中か外か微妙な位置での遠藤航のチャージがファウルと判定され、位置は微妙ながらも判定はPK。これをセバスティアン・コルドバに決められて先制点を許します。
更に立て続けに22分、左サイドの深い位置からのフリーキックでコルドバがクロスボールを入れると、対角線で飛び込んできたホアン・バスケスに頭で合わせられて0-2。試合展開はグループステージの第2戦の時と真逆の形に。
日本はニュージーランド戦、スペイン戦と2試合続けて強度の高い試合をトータル240分続けてしまった影響もあって、前半は精神面以上にフィジカル的な疲労の色は非常に濃く出ていました。前線でボールを持てる堂安律や久保建英もなかなかボールが収まらず、最前線の林大地にもなかなかボールが回らず。田中碧と遠藤航の両ボランチもやはりそこでの不調が否定できずにいて、フィジカル的な厳しさを痛感しながら2点ビハインドで前半を終えます。
後半から日本は相馬を下げて旗手怜央をそのまま左サイドハーフとして投入します。しかしリードを持っている事でペースを落としながらポゼッションを高めて試合をコントロールしてくるメキシコの前に日本は自分達のターンを作る事がなかなか出来ず、逆に58分には左サイドからのコーナーキックをアレクシス・ベガにドンピシャで叩き込まれて3失点目…。
厳しい立場に追い込まれた日本は62分に中山雄太と林を下げて三笘薫と上田綺世、71分には田中を下げて板倉滉を立て続けに投入していきました。フレッシュな選手を入れた事で少し攻撃はスピードアップする事が出来て、上田と三笘が1度ずつ決定機を迎えますが、いずれも国際大会大好きGKギジェルモ・オチョアに阻まれてしまいます。
それでも78分に日本は意地を見せます。怪我の影響もあってここまでずっと不振で、スペイン戦ではベンチ外の屈辱も味わった三笘がパスを受けると、Jリーグファンがよく知る「いつもの三笘」が顔を見せて芸術的な切り返しからシュート!これが遂にオチョアの壁を破って1点を返します!
日本は最後の力を振り絞って猛攻を仕掛けました。遠藤を下げて三好康児も投入した日本は、吉田麻也も最前線に上げて最後まで猛攻を仕掛けていきます。しかし百戦錬磨のオチョアを相手に2点のビハインドはあまりに大きく、そして重く………東京五輪を巡る日本の冒険は4位という形で終わりました。
ちょっと今は私が元気ありません。今はどちらかと言えば、この試合が試合としてどうだったのか…を振り返る元気があまりありません。それに関してというか、今回のオリンピック全体としてのスポーツ的な事は今度、改めて別のブログで書かせてください。
素晴らしいチームでした。間違いなく。
4位になってしまった事で、もう我々は抽象的な言葉で彼等を称える事しか出来ません。ですが、4位という数字は間違いなく素晴らしい成績です。自分自身も東京五輪世代ではあるので思い入れが強いのもありますが、本当に楽しく、本当に嬉しく、そして本当に悔しかった。今はもう少し、このなんとも言えない喪失感に浸りたいと思います。
選手の皆さんにはお疲れ様と。そして、元々あまり好きなフレーズではないですが「感動をありがとう」と。ロシアW杯の時にも思いましたけど、本気で「いける」と思えて、ここまで感情移入できる機会が人生で何度あろうかと思います。全員が賛成な訳ではないし、反対も当然ある。ただ、W杯にも言えますが、やっぱりオリンピックのような大会の意義は強いんだろうなと思いました。
スポーツ的な事はまた後日更新します。
ため息。
ではでは(´∀`)