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過去のオリンピック・男子サッカーの日本代表と大会プレイバック〜第3回 ロンドン&リオデジャネイロ五輪編〜

飲み物を持ってるときに鳩に囲まれるとちょっと戦慄走る

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日は前回の東京オリンピックも開幕した事だから、過去の五輪サッカーを振り返っていこう」企画の第3回です。

 

 

日本が28年ぶりとなる五輪出場を果たした1996年アトランタ五輪から前回大会となる2016年リオデジャネイロ五輪まで、日本代表の戦いぶりを中心に大会の全体も振り返っていました。今回の第3回では2012年ロンドン五輪と2016年リオデジャネイロ五輪を振り返っていきます。

 

 

 

2012年ロンドン五輪

 

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【スタッフ】

監督:関塚隆

コーチ:小倉勉

コーチ:武藤覚

GKコーチ:藤原寿徳

フィジカルコーチ:里内猛

 

【登録メンバー】

GK1 権田修一(FC東京)

DF2 徳永悠平(FC東京)★OA

MF3 扇原貴宏(セレッソ大阪)

DF4 酒井宏樹(ハノーファー96)

DF5 吉田麻也(VVVフェンロ)★OA

MF6 村松大輔(清水エスパルス)

FW7 大津祐樹(ボルシア・メンヘングラードバッハ)

DF8 山村和也(鹿島アントラーズ)

FW9 杉本健勇(セレッソ大阪)

MF10 東慶悟(大宮アルディージャ)

FW11 永井謙佑(名古屋グランパス)

DF12 酒井高徳(VfBシュツットガルト)

DF13 鈴木大輔(アルビレックス新潟)

MF14 宇佐美貴史(1899ホッフェンハイム)

FW15 齋藤学(横浜F・マリノス)

MF16 山口螢(セレッソ大阪)

MF17 清武弘嗣(1.FCニュルンベルク)

GK18 安藤駿介(川崎フロンターレ)

 

バックアップメンバー

FW19 山崎亮平(ジュビロ磐田)

DF20 大岩一貴(ジェフユナイテッド千葉)

MF21 米本拓司(FC東京)

GK22 林彰洋(清水エスパルス)★OA

 

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2012年ロンドン五輪男子サッカーグループD第1節

スペイン0-1日本

2012年7月26日14:45@ハムデン・パーク

日本得点者:大津祐樹(34分)

 

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2012年ロンドン五輪男子サッカーグループD第2節

日本1-0ロッコ

2012年7月29日17:00@セント・ジェームズ・パーク

日本得点者:永井謙佑(84分)

 

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2012年ロンドン五輪男子サッカーグループD第3節

日本0-0ホンジュラス

2012年8月1日17:00@シティ・オブ・コヴェントリー・スタジアム

 

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2012年ロンドン五輪男子サッカー準々決勝

日本3-0エジプト

2012年8月4日12:00@オールド・トラフォード

日本得点者:永井謙佑(14分)、吉田麻也(78分)、大津祐樹(83分)

 

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2012年ロンドン五輪男子サッカー準決勝

メキシコ3-1日本

2012年8月7日17:00@ウェンブリー・スタジアム

メキシコ得点者:ファビアン(31分)、ペラルタ(65分)、コルテス(90+3分)

日本得点者:大津祐樹(12分)

 

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2012年ロンドン五輪男子サッカー3位決定戦

日本0-2韓国

2012年8月10日19:45@ミレニアム・スタジアム

韓国得点者:パク・チュヨン(38分)、ク・ジャチョル(57分)

 

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日本代表総評

アルベルト・ザッケローニ率いる当時のA代表アテネ・北京世代を中心としたメンバーで「史上最強」と呼ばれていた一方、ロンドン五輪世代の評判はさほど芳しいものではなかった。1992年生まれの世代こそ「プラチナ世代」と称されて期待されていたが、そこから呼ばれたのは宇佐美と杉本のみ。メンバー選考の時点で大迫勇也原口元気柴崎岳といったメンバーが落選した事(特に大迫)、直前のニュージーランドとの親善試合が低調な内容かつ終盤に追いつかれた事……この2つの影響もあり、大会前はかなり逆風に立たされていた。加えて初戦の相手のスペインは文字通り全盛期中の全盛期であり、かつロンドン五輪では23歳以下のメンバーは招集に強制力があった為、デ・ヘアジョルディ・アルバ、イスコにコケといったトップ・オブ・トップの選手に、オーバーエイジとしてファン・マタハビ・マルティネスまで招集。戦前の予想では文句無しの優勝候補本命であり、逆風の中の日本が勝てると思えるような相手ではなかった。

しかし扇原のCKがファーに流れ、大津が詰めたシュートがネットを揺らした瞬間、関塚ジャパンの冒険は一気に加速する。圧倒的なスピードを誇る永井を軸とした割り切った堅守速攻を最終ラインで老練なプレーで隙を埋める徳永、そして当時売れ株だった吉田がキャプテンとしてチームを牽引した日本は準々決勝までの4試合全てでクリーンシートを達成。準々決勝では「夢の劇場」と呼ばれるオールド・トラフォードでエジプト相手に会心の勝利を挙げた。ロンドン五輪のテーマ曲はいきものがかりの「風が吹いている」だったが、まさしくこの時の日本には風が吹いていた。

しかし、念願のウェンブリー・スタジアムに到達して行われた準決勝のメキシコ戦で先制しながらも敗れた日本は銅メダルをめぐって3位決定戦に回る。過去、このレベルの舞台で日韓戦が実現した事はなく、同時に日本にとっても韓国にとっても千載一遇のチャンスだった。だが結末は………。44年ぶりのベスト4という成績は文句のつけようのない躍進である。だが後味は決していいものでは無かった。日本にとってロンドン五輪は美しい思い出であると同時に屈辱の記憶でもある。

 

 

 

大会全体の総評

金メダル:メキシコ

銀メダル:ブラジル

銅メダル:韓国

 

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優勝争いはブラジルかスペイン、或いはイギリス選抜が有力視されていた。だが蓋を開けてみれば予想外の展開が相次ぐ。

前述の通り、あまりにも文句のないメンバーを揃えたスペインは日本戦を落とした後でホンジュラスにも敗戦。全敗こそ免れたが、1ゴールも挙げられないまま失意のグループ最下位に終わった。ホーム開催かつイングランド代表+ウェールズ代表というドリームチーム的な構成となったイギリス代表もグループステージでは順調だったものの、準々決勝では伝統のPK戦での弱さを韓国相手に発揮して敗退。ベスト4の顔触れはブラジルとメキシコに加えて日本と韓国という誰も予想出来ない4チームで、ベスト8にもセネガルホンジュラスなどダークホース的なチームが名を連ねた。

ブラジルは唯一獲得できていない五輪優勝のタイトルを目指し、ネイマールを筆頭とした世代のベストメンバーにOAでフッキ、チアゴ・シウバ、マルセロを注ぎ込む本気ぶりであった。だが決勝戦ではメキシコのスピーディーなサッカーに翻弄されて1-2で敗戦。各チームの中でも圧倒的な完成度を誇ったメキシコが初めての栄冠を掴んだ。

ちなみに、このロンドン五輪の得点王は現在川崎フロンターレでプレーするレアンドロ・ダミアン。また、銅メダルを獲得した韓国のメンバーはロンドン五輪以降に来日した選手を含めると18名中13名がJリーグ経験を持った事になる。

 

【各国の主なロンドン五輪出場選手】

(★印はオーバーエイジの選手)

 

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イギリス

GK:ジャック・バートランド、DF:ダニー・ローズ、MF:★ライアン・ギグスアーロン・ラムジー、FW:ダニエル・スタリッジ

セネガル

MF:シェイク・クヤテ、サディオ・マネ、イドリッサ・ゲイエ

UAE

MF:オマル・アブドゥルラフマン

ウルグアイ 

FW:★エディンソン・カバーニ、★ルイス・スアレス

メキシコ

FW:ジョバンニ・ドス・サントスラウール・ヒメネス

韓国

DF:オ・ジェソクキム・ヨングォン、MF:キ・ソンヨンク・ジャチョル

ガボン

FW:ピエール・エメリク・オーバメヤン

スイス

DF:リカルド・ロドリゲス

ブラジル

DF:★チアゴ・シウヴァ、★マルセロ、ダニーロ、アレックス・サンドロ、MF:オスカル、ガンソ、FW:ルーカス・モウラレアンドロ・ダミアンネイマール、★フッキ、アレシャンドレ・パト

エジプト

MF:モハメド・エルネニー、FW:モハメド・サラー

スペイン

GK:ダビド・デ・ヘア、DF:セサル・アスピリクエタジョルディ・アルバ、MF:★ハビ・マルティネス、コケ、イスコ、アンデル・エレーラ、FW:ロドリゴ、★ファン・マヌエル・マタ

ロッコ

GK:ヤシン・ブヌ

 

 

 

2016年リオデジャネイロ五輪

 

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【スタッフ】

監督:手倉森誠

コーチ:秋葉忠宏

GKコーチ:佐藤洋平

フィジカルコーチ:早川直樹

 

【登録メンバー】

GK1 櫛引政敏(鹿島アントラーズ)

DF2 室屋成(FC東京)

DF3 遠藤航(浦和レッズ)

DF4 藤春廣輝(ガンバ大阪)★OA

DF5 植田直通(鹿島アントラーズ)

DF6 塩谷司(サンフレッチェ広島)★OA

MF7 原川力(川崎フロンターレ)

MF8 大島僚太(川崎フロンターレ)

MF9 矢島慎也(ファジアーノ岡山)

MF10 中島翔哉(FC東京)

FW11 鈴木武蔵(アルビレックス新潟)

GK12 中村航輔(柏レイソル)

FW13 興梠慎三(浦和レッズ)★OA

MF14 井手口陽介(ガンバ大阪)

DF15 亀川諒史(アビスパ福岡)

FW16 浅野拓磨(サンフレッチェ広島)

DF17 岩波拓也(ヴィッセル神戸)

FW18 南野拓実(レッドブル・ザルツブルク)

 

バックアップメンバー

FW19 オナイウ阿道(ジェフユナイテッド千葉)

DF20 中谷進之介(柏レイソル)

MF21 野津田岳人(サンフレッチェ広島)

GK22 杉本大地(徳島ヴォルティス)

 

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2016年リオデジャネイロ五輪男子サッカーグループB第1節

ナイジェリア5-4日本

2016年8月4日22:00@アレーナ・アマゾニア

ナイジェリア得点者:サディク(6分)、エテボ(10分、42分、52分、66分)

日本得点者:興梠慎三(9分)、南野拓実(12分)、浅野拓磨(70分)、鈴木武蔵(90+5分)

 

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2016年リオデジャネイロ五輪男子サッカーグループB第2節

日本2-2コロンビア

2016年8月7日22:00@アレーナ・アマゾニア

日本得点者:浅野拓磨(67分)、中島翔哉(74分)

コロンビア得点者:グティエレス(59分)、オウンゴール(65分)

 

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2016年リオデジャネイロ五輪男子サッカーグループB第3節

日本1-0スウェーデン

2016年8月10日19:00@アレーナ・フォンチ・ノヴァ

日本得点者:矢島慎也(65分)

 

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日本代表総評

従来の予選方式とは異なり、AFC U-23選手権の上位3チームが五輪出場権を獲得するという方式になって最初の五輪。前述のU-23選手権が劇的な試合展開の連続で優勝を果たした事、既にA代表デビューを果たしているメンバーも多くいた事から、少なくともアテネ五輪ロンドン五輪開幕前よりは期待度の高いチームだった。だが、元々CBが豊作とされている世代ではあったが、岩波と奈良竜樹が同時に負傷した辺りから不穏な空気は漂っていた(岩波は本大会には間に合ったが…)。更に追い討ちをかけたのが、当初メンバー入りが発表されていた久保裕也の派遣を所属クラブが唐突に拒否。U-23選手招集の強制力が認められていたのはロンドン五輪のみだったので、久保の離脱は戦い方の再構築さえ求められる事となる。

迎えた初戦の相手、ナイジェリアは協会とチームの間でのトラブルもあって試合当日、キックオフ数時間前にようやくブラジル入りする始末だったにも関わらず、開始12分の時点で2-2になっていた狂った試合は4-5という凄まじい乱打戦となり、日本は攻撃は悪くなかったが守備崩壊だけ喫して敗れた。コロンビア戦では立て続けに決定機を逃しながら先制を許し、極め付けに藤春のオウンゴール……なんとか同点に追いつき突破の可能性は繋ぎ止め、最終節は意地の勝利を挙げたものの…どちらかと言えば堅実な戦いぶりだったリオ世代は本大会で真逆の姿を見せる事となってしまった。

だが遠藤、植田、大島、中村が2年後のロシアW杯メンバーに選ばれ、井手口と浅野は共にロシアW杯出場を決めたオーストラリア戦でゴールを決めた。中島や南野、或いは室屋や鈴木も代表常連になった事を踏まえると、育成面での成功は大きな大会だったように思う。

 

 

 

大会全体の総評

金メダル:ブラジル

銀メダル:ドイツ

銅メダル:ナイジェリア

 

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欧州諸国で五輪のメンバーを落とすことがむしろ相場とされ始めていた中、ブラジルは「今まで唯一獲得できなかったタイトルを自国開催で獲得する」という甘美なストーリーに向かって本気のメンバーを招集。OAとして招集したネイマールに至っては、所属するFCバルセロナとの交渉で「(同年6月に開催された)コパ・アメリカには呼ばない」という条件を受け入れるほどの力の入れぶり。これには2年前のブラジルW杯の結末があまりに悲劇的だったのもあるのだろう。最終的には「ブラジルの為の大会」となった。

いわゆる66年前の「マラカナンの悲劇」以来となる世界大会でのマラカナン決勝で、かつ対戦相手は2年前の「ミネイロンの悲劇」を生み出した因縁のドイツが決勝の相手だった。PK戦までもつれ込んだ決勝では4人目までが全員成功。ドイツの5人目が失敗すると、最後はネイマールが沈めたブラジルが長年追い求めていた五輪の金メダルをようやく手にしたのだった。

大きなサプライズは全くのノーマークながら4位に入ったホンジュラス。銀メダルを獲得したドイツは選手選考に難航した事で「2軍」とも称されたが、リオ五輪に出場した選手の多くはその後大きく飛躍している。また、報酬や待遇のトラブルが絶えなかったナイジェリアに対し、高須クリニック高須克弥院長が寄付金を渡して支援した事が大きな話題になった。

 

【各国の主なリオデジャネイロ五輪出場選手】

(★印はオーバーエイジの選手)

 

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ブラジル

DF:マルキーニョス、MF:★レナト・アウグスト、ラフィーニャ、FW:★ネイマール、ガブリエル・ジェズス

ナイジェリア

MF:★ジョン・オビ・ミケル

ドイツ

DF:マティアス・ギンター、ニクラス・ジューレ、MF:レオン・ゴレツカユリアン・ブラント、セルジュ・ニャブリ

メキシコ

MF:イルビング・ロサーノ

韓国

FW:★ソン・フンミン、ファン・ヒチャン

アルゼンチン

MF:ジョバンニ・ロ・チェルソ、FW:アンヘル・コレア

ポルトガル

MF:ブルーノ・フェルナンデス

 

 

 

さぁ、ニュージーランドとの死闘を制した日本はロンドン五輪以来のベスト4に進出しました。

ここからこのチームが伝説になれるかどうかはここからの2試合の結果が全てです。さぁ、打倒スペイン!!

 

 

閉会式どうなるのかしら。

ではでは(´∀`)