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過去のオリンピック・男子サッカーの日本代表と大会プレイバック〜第2回 アテネ五輪&北京五輪編〜

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WEリーグのタイトルパートナーってyogiboなのね

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日は前回の東京オリンピックも開幕した事だから、過去の五輪サッカーを振り返っていこう」企画の第2回です。

 

 

日本が28年ぶりとなる五輪出場を果たした1996年アトランタ五輪から前回大会となる2016年リオデジャネイロ五輪まで、日本代表の戦いぶりを中心に大会の全体も振り返っていました。今回の第2回では2004年アテネ五輪と2008年北京五輪を振り返っていきます。

 

 

 

2004年アテネ五輪

 

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【スタッフ】

監督:山本昌邦

コーチ:石井知幸

GKコーチ:川俣則幸

フィジカルコーチ:菅野淳

 

【登録メンバー】

GK1 曽ヶ端準(鹿島アントラーズ)★OA

DF2 田中マルクス闘莉王(浦和レッドダイヤモンズ)

DF3 茂庭照幸(FC東京)

DF4 那須大亮(横浜F・マリノス)

MF5 阿部勇樹(ジェフユナイテッド市原)

MF6 今野泰幸(FC東京)

MF7 森崎浩司(サンフレッチェ広島)

MF8 小野伸二(フェイエノールト)★OA

FW9 高松大樹(大分トリニータ)

MF10 松井大輔(京都パープルサンガ)

FW11 田中達也(浦和レッドダイヤモンズ)

DF12 菊地直哉(ジュビロ磐田)

MF13 駒野友一(サンフレッチェ広島)

MF14 石川直宏(FC東京)

DF15 徳永悠平(早稲田大学)

FW16 大久保嘉人(セレッソ大阪)

FW17 平山相太(筑波大学)

GK18 黒河貴矢(清水エスパルス)

 

バックアップメンバー

FW19 坂田大輔(横浜F・マリノス)

MF20 前田遼一(ジュビロ磐田)

DF21 北本久仁衛(ヴィッセル神戸)

GK22 林卓人(サンフレッチェ広島)

 

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2004年アテネ五輪男子サッカーグループB第1節

パラグアイ4-3日本

2004年8月12日20:30@カフタンゾグリオ・スタジアム

パラグアイ得点者:ヒメネス(5分)、カルドソ(26分、37分)、トーレス(62分)

日本得点者:小野伸二(22分、53分)、大久保嘉人(81分)

 

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2004年アテネ五輪男子サッカーグループB第2節

日本2-3イタリア

2004年8月15日20:30@パンテサリコ・スタディ

日本得点者:阿部勇樹(21分)、高松大樹(90+1分)

イタリア得点者:デ・ロッシ(3分)ジラルディーノ(8分、36分)

 

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2004年アテネ五輪男子サッカーグループB第3節

日本1-0ガーナ

2004年8月18日20:30@パンテサリコ・スタディ

日本得点者:大久保嘉人(36分)

 

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日本代表総評

今になってみればJリーグで屈指の実績を残した選手や後の南アフリカW杯で活躍する選手も多いのだが、当時はシドニー世代との対比ともあって「谷間の世代」という呼ばれ方をされていた。しかしコーチとして2度のオリンピックを経験した山本監督の下で食中毒事件などを乗り越えて予選を突破。だが本戦では厳しい戦いを強いられる。

シドニー五輪はほぼA代表メンバーの揃った五輪チームにオーバーエイジを移植するような形だったのを踏まえると、オーバーエイジを明確に「助っ人」として捉えたのは初の大会だった事もあって、それに伴う難しさは否めなかった。特に最初は小野と曽ヶ端に加えて高原直泰も招集予定だったが、高原が日韓W杯欠場の要因となったエコノミー症候群を再発させ、更に小野も直前合流。半ばぶっつけ本番のような形になってしまい、得点は取れたが最初の2試合で7失点を喫してしまい早々に敗退が決定してしまった。パラグアイ戦もイタリア戦も前半だけで3失点を喫したのは余りにも致命的だった。それでも最終戦ではガーナ相手に一矢報いる勝利を見せている。

ちなみに、メンバーリストに現役大学生が2人エントリーされていたのは今大会の徳永と平山が初めてであり、現時点で唯一である。本来は北京世代にあたる平山のように、実際の世代では五輪本戦に出ず飛び級でのみ五輪に出場した選手は香川真司と2人だけである。また、2003年のテストマッチではオーバーエイジ候補として明神智和も試合に出場した。

 

 

 

大会全体の総評

金メダル:アルゼンチン

銀メダル:パラグアイ

銅メダル:イタリア

 

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A代表と兼任したマルセロ・ビエルサ監督が率いたアルゼンチンは既に欧州トップクラブでも頭角を表していたメンバーを多く招集。OAにも当時のA代表の主軸を贅沢に採用し、文字通り大会の主役となった。面子を見てもため息が出るほどの陣容を揃えたチームは、国際大会では史上初となる全試合無失点という異常なまでの成績で圧倒的な優勝を飾っている。

大きなサプライズはパラグアイイラクだろう。W杯で2大会連続ベスト16入りを果たすなど一定の競技力は評価されていた同国だったが、優勝候補としてはまるでノーマークだったにも関わらず決勝まで駒を進めた。決勝ではアルゼンチンに0-1で敗れたが、この時に獲得した銀メダルは2016年リオ五輪終了時点でパラグアイが五輪で獲得した唯一のメダルである。イラクに関しては、イラク戦争翌年の五輪ともあって、まともな練習すら叶わないような状態であった。しかし五輪直前のアジアカップ2004でベスト8入りを果たした勢いそのままに大会に突入するとベスト4まで一気に進出。3位決定戦ではイタリアに敗れてメダルこそ逃したが、苦境の中で見せた見事な戦いはインパクトと称賛をもたらし、この時の主力が中心となったチームは3年後のアジアカップ2007で優勝を果たす事になる。

 

【各国の主なアテネ五輪出場選手】

(★印はオーバーエイジの選手)

 

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メキシコ

GK:ギジェルモ・オチョア

韓国

DF:★ユ・サンチョル

ガーナ

DF:ジョン・メンサー、MF:スティービン・アッピアー、FW:アサモア・ギャン

イタリア

DF:ジョルジョ・キエッリーニアンドレア・バルザーリ、MF:ダニエレ・デ・ロッシ、★アンドレア・ピルロ、FW:アルベルト・ジラルディーノ

アルゼンチン

DF:★ロベルト・アジャラニコラス・ブルディッソファブリシオ・コロッチーニ、★ガブリエル・エインセ、MF:ハビエル・マスチェラーノ、★キリ・ゴンザレスFW:ハビエル・サビオラカルロス・テベス

オーストラリア

MF:★ティム・ケーヒル

ポルトガル

DF:ジョゼ・ボジングワ、FW:クリスティアーノ・ロナウド、ウーゴ・アウメイダ

 

 

 

2008年北京五輪

 

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【スタッフ】

監督:反町康治

コーチ:江尻篤彦

コーチ:井原正巳

GKコーチ:川俣則幸

フィジカルコーチ:矢野由治

 

【登録メンバー】

GK1 西川周作(大分トリニータ)

MF2 細貝萌(浦和レッズ)

DF3 吉田麻也(名古屋グランパス)

DF4 水本裕貴(京都サンガFC)

DF5 長友佑都(FC東京)

DF6 森重真人(大分トリニータ)

DF7 内田篤人(鹿島アントラーズ)

MF8 本田圭佑(VVVフェンロ)

FW9 豊田陽平(モンテディオ山形)

MF10 梶山陽平(FC東京)

FW11 岡崎慎司(清水エスパルス)

MF12 谷口博之(川崎フロンターレ)

DF13 安田理大(ガンバ大阪)

MF14 香川真司(セレッソ大阪)

FW15 森本貴幸(カターニア)

MF16 本田拓也(清水エスパルス)

FW17 李忠成(柏レイソル)

GK18 山本海人(清水エスパルス)

 

バックアップメンバー

GK 林彰洋(流通経済大学)

DF 青山直晃(清水エスパルス)

MF 上田康太(ジュビロ磐田)

MF 梅崎司(浦和レッズ)

 

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2008年北京五輪男子サッカーグループB第1節

日本0-1アメリ

2008年8月7日17:00@天津オリンピックセンタースタジアム

アメリカ得点者:ホールデン(47分)

 

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2008年北京五輪男子サッカーグループB第2節

ナイジェリア2-1日本

2008年8月10日17:00@天津オリンピックセンタースタジアム

ナイジェリア得点者:オビンナ(58分)、アニチェべ(74分)

日本得点者:豊田陽平(79分)

 

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2008年北京五輪男子サッカーグループB第3節

オランダ1-0日本

2008年8月13日17:00@瀋陽オリンピック・スポーツセンター・スタジアム

オランダ得点者:シボン(73分)

 

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日本代表総評

成績が成績だった為に、後に活躍した選手を語る際に「谷間」という表現が用いられる事もあるが、シドニー五輪ほどではなくとも大会前の時点でA代表経験者が6人おり、特に長友、内田、安田、香川の4人は定着もしていた事から期待値は比較的高かった。それだけに結果に対する失望感は大きかったと言える。

反町監督は当初、遠藤保仁大久保嘉人のOA招集を検討していた。しかし大久保は所属クラブに拒否される形で招集断念。一方の遠藤は自身がシドニー五輪の際にバックアップメンバーという苦い経験をした事から五輪への想いも人一倍強く、その想いを汲んだ所属クラブの協力も取り付けたが……遠藤は直前にウィルス性感染症を患い、アトランタ五輪とは違って「OAを呼びたかったけど呼べなかった」というネガティブなスタートとなってしまった。完敗した試合内容の試合こそ無かったが、初戦のアメリカ戦を落とすとそのまま3戦全敗。得点もナイジェリア戦で豊田が奪ったゴールの1点のみに留まってしまう。現在に至るまで3戦全敗は唯一であり、同時に一勝も出来なかった五輪も北京のみだった。

だが、本戦の結果だけ見れば最低の成績を残した北京世代だが、その後の日本サッカーという観点で見れば日本史上最高の世代と呼ばれるようになっていく。彼らは南アフリカW杯以降の日本人選手の欧州進出の旗頭となり、特に吉田、長友、内田、本田、岡崎、香川の6人は日本サッカーに永遠に名前を残す6人である事に意を唱えられる者はいないくらいの活躍を残した。内田や香川、岡崎は欧州トップクラスの舞台で偉業を成し遂げ、長友や本田は間違いなくW杯の英雄であり、予選未出場ながら本戦に滑り込む形になった吉田は今なお日本代表の主軸・主将として欠かせない選手である。西川と森重、そしてアジアカップ2011の英雄となった李にはA代表のレギュラーになった時代があり、細貝もドイツで十分な活躍を示した。「結果」としては最悪の成績だったが「育成」としては最高の成果を残した北京世代は「五輪世代は何を最優先にすべきか?」の議論の際によくサンプルケースとして用いられる。

 

 

 

【大会全体の総評】

金メダル:アルゼンチン

銀メダル:ナイジェリア

銅メダル:ブラジル

 

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やはり本気のメンバーで挑んできたアルゼンチンとブラジルの南米2強がやはり注目の的だった。特に五輪の金メダルを「唯一足りないタイトル」と捉えていたブラジルはロナウジーニョをOAとして招集するほどだったが、最終的にこの大会はアルゼンチンの為の大会とも言える結果となった。その中でも、当時は2021年現在でいうムバッペのような立ち位置だったメッシは最初は所属するバルセロナが、新監督での開幕を控えた上で北京五輪とCL予備予選の日程が重なっていた事から一度は招集を拒否。しかし最終的にはメッシの希望を飲む形で、新監督の後押しもあり北京五輪派遣を決めている。その新監督というのが監督デビューシーズンを迎えようとしていたペップ・グアルディオラだった。メッシはアグエロディ・マリアといった世界選抜みたいな面子で優勝まで一気に突き進んでいった。

上記のメッシの件にも表れている通り、北京五輪辺りからはメンバー招集と欧州クラブ側との出場交渉が大きなトピックとされるようになり、特に欧州諸国は出場国のモチベーション問題も取り沙汰されるようになった。一方、当時は欧州ビッグクラブでプレーする選手も少なく、欧州の中でもW杯にギリギリに出れないレベルに過ぎなかったベルギーは育成改革の成果を発揮すべく期待の若手を総動員して4位にまで食い込んでいる。この時のメンバーで、後にベルギー代表の躍進など欧州サッカーにとって欠かせない選手となったのがコンパニ、フェルマーレンフェルトンゲンといった選手である。

ちなみに、日本とグループステージで対戦したナイジェリアは銀メダルを獲得した。これにより、日本はアテネ五輪パラグアイに続いて2大会連続で銀メダルを獲得するチームと同組に組み込まれていた事になる。

 

【各国の主な北京五輪出場選手】

(★印はオーバーエイジの選手)

 

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アルゼンチン

GK:セルヒオ・ロメロ、DF:パブロ・サバレタ、MF:★ファン・ロマン・リケルメ、エベル・バネガ、★ハビエル・マスチェラーノアンヘル・ディ・マリア、FW:エゼキエル・ラベッシリオネル・メッシセルヒオ・アグエロ

コートジボワール

FW:サロモン・カルー

セルビア

DF:アレクサンデル・コラロフ、MF:ドゥシャン・タディッチ

オランダ

FW:★ロイ・マカーイライアン・バベル

ベルギー

DF:ヴィンセント・コンパニ、トーマス・フェルマーレン、MF:マルアン・フェライニヤン・フェルトンゲンムサ・デンベレ、FW:ケヴィン・ミララス

ブラジル

DF:★チアゴ・シウヴァ、マルセロ、MF:★ロナウジーニョ、ラミレス、FW:アレシャンドレ・パト、ジョー

カメルーン

DF:アレクサンドル・ソング

イタリア

MF:リカルド・モントリーヴォクラウディオ・マルキージオアントニオ・カンドレーヴァ、FW:セバスティアン・ジョビンコジュゼッペ・ロッシ

韓国

GK:チョン・ソンリョン、MF:キ・ソンヨン、FW:パク・チュヨンイ・グノ

 

 

 

次回は2012年ロンドン五輪、2016年リオデジャネイロ五輪編です!

 

 

朝マックでも行くか…

ではでは(´∀`)