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歴史というドラマ〜東京オリンピック男子サッカー準々決勝 U-24日本代表vsU-24ニュージーランド代表 マッチレビュー〜

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みんなやらかす18:00トラップ!

 

どーもこんばんは

 

 

さてさて、本日のマッチレビュー東京オリンピック男子サッカー準々決勝、U-24日本代表vsU-24ニュージーランド代表の一戦です!

 

 

 

……さぁ、いよいよ戦いは決勝トーナメントに突入します!ここからは負けたら終わりの戦いであることは言うまでもないでしょう。日本が金メダルを取る事…それは即ち「全勝」を意味します。

 

 

今大会に出場する16チームの中で、唯一三戦全勝でグループステージを突破した日本は、開催国ともあって今や他国からのマークにも遭うようになりました。そんな中で迎えるノックアウトステージというものは、フランス戦の後に吉田麻也が「ここからが自分の仕事」と語ったように、ここからは全くもって違うプレッシャーがのしかかります。

決勝トーナメント1回戦の相手となるニュージーランドは、いわゆるゲームなどのような総合値としての数字では日本の方が格上の相手と言えるでしょう。日本にとってはこれは国際大会ではここまであまりなかったパターンと言えるかもしれません。しかしニュージーランドのようなフィジカルの強いチームはいつだって相手にすると苦しいもので、それを示すように彼らはグループステージで韓国を撃破しています。日本にとってここからは色々な意味で未踏の地。夢と希望と、それからロマンと……その全てを結実させる為に必要なのは勝利のみです。

両チームスタメンです。

 

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今日は酒井宏樹が累積警告により出場停止となった日本ですが、酒井の右サイドバックのポジションにはフランス戦で途中出場した橋岡大樹がそのまま入りました。フランス戦ではワントップには上田綺世が入りましたが、今日は南アフリカ戦メキシコ戦と同じく林大地が先発に戻っています。また、グループステージの3試合では左サイドハーフは全て違う選手が先発してきましたが今日はメキシコ戦で先発した相馬勇紀を起用。フランス戦で先発した旗手怜央は今日はポジションを一列下げて左サイドバックでの起用となり、ここまで全試合先発だった中山雄太が外れています。

 

 

本日の会場は茨城県鹿嶋市、茨城カシマスタジアムです。

普段はJリーグで最もタイトルを獲得しているチームである鹿島アントラーズが本拠地とするスタジアムです。Jリーグ加盟初年度のチームを選定する際、当時は運営母体も何も弱かった鹿島を諦めさせる為に当時の川淵三郎チェアマンが「15000人以上収容の屋根付き球技場を作れるなら」という条件を提示したところ、本当にそれを実現させてしまったところからJリーグと鹿島の歴史は始まりました。その後2002年日韓ワールドカップ開催に向けた改修と拡張を経て、現在の形になっています。

グループステージではニュージーランドの入ったグループBの試合会場になっていたので、ニュージーランドにとっては慣れと韓国に勝った良いイメージのあるスタジアム。日本はカシマでキリンチャレンジカップを開催した事は何度かありますが、いわゆる公式戦をカシマで戦うのは初めてです。

 

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日本は圧倒的にボールを支配しながらも、5バックでしっかりブロックを組んできたニュージーランドに対して攻めあぐねる展開が続きます。空中戦で戦えば日本に勝ち目はないので、日本はサイドから攻撃を組み立てつつ、低く速いボールを積極的に入れてチャンスをいくつか作りました。最大のチャンスは11分で、ショートコーナーの流れから久保建英のスルーパスに抜け出した林の折り返しにファーサイド遠藤航がフリーで飛び込みましたがボールは枠の上…。

 

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日本は31分にもパス交換から飛び出した久保の折り返しにニアに飛び込んだ堂安が合わせて決定的なシーンを迎えますが、これも惜しくもゴールならず。逆にニュージーランドセンターフォワードのクリス・ウッドに一度当てるというシンプルながら力強い攻撃でチャンスになりそうなシーンは何度か作るなど、試合としてはある程度噛み合ったような展開になっていました。

 

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基本的に試合の流れは前半と同じように後半も進んでいって、かつ後半の日本は前半ほどの決定機にはあまり辿り着けず、むしろフィジカルで上回るニュージーランドに押し込まれる時間が増えていきました。文字通り膠着状態というべき様相を呈してきた後半。日本はその状況をなんとか打破するべく、69分には相馬を下げて中山を投入して旗手を一列前に上げ、かつFWを林から上田にスイッチします。

 

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82分、日本にこの日最大のチャンスが訪れます。右サイドでボールを持った堂安が細かいタッチとステップで仕掛けると相手のタイミングをずらしたところでグラウンダーのクロス。これに中央に待っていた上田が反応しますが…GKマイケル・バウドの好セーブに阻まれて惜しくもゴールならず。更に85分の堂安のミドルシュートもバウドの前に先制点を奪えません。

 

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終盤はニュージーランドもロングボールを効果的に使う事で日本にもヒヤリとした場面が増えていきました。しかしニュージーランドの攻撃については吉田麻也と冨安健洋のCBコンビを中心として、GK谷晃生もハイボールに対して勇気を持って前に飛び出すなど守りの集中力は絶えず維持していました。ヒリヒリするような試合は90分でスコアは動かず、まるでチキンレースのようなドキドキは延長戦に持ち越されます。

 

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延長から日本は田中碧を下げて板倉滉、途中からポジションを上げた旗手に代わって三笘薫を投入。延長後半早々には三笘から上田のラインでチャンスも一つ作ります。時間の経過とともに試合はどんどんオープンになっていくと、シュートまで持っていく場面は増えていきますが、なかなか後一歩を詰め切る事が出来ません。延長戦後半からは堂安を下げて三好康児も送り込みましたが、最後まで得点は生まれずPK戦へ…。

 

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そして迎えたPK戦……ヒーローになったのはGK谷晃生でした。ニュージーランド2人目、リベラト・カカーチェのPKを完璧にストップ!

 

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ニュージーランドがもう一人PKを失敗したのに対し、日本は上田、板倉、中山、吉田が全員成功!!!!

 

 

 

勝ったァァァァァァ!!!!!


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いやー……ほんと苦しい試合でしたね……。本当にタフな試合でした。ニュージーランドの組織的な守備はグループステージの日本の生命線だった前線のコンビネーションを分断していき、日本が理想的な展開に持ち込めたシーンはかなり少なかったと思います。それでも吉田&冨安を中心にニュージーランドのカウンター攻撃を耐え凌ぐ事が出来たのがまず一つ大きかった。PK戦の活躍が大きく取り上げられる事になるであろう谷にしても、上背で勝るニュージーランドの選手たちに対して彼の勇気ある飛び出しが大きな意味を持ったのは間違い無いですし、谷を評価する際は是非120分の中のプレーも取り上げてほしいな、という気持ちはありますね。

そして何といっても、日本はこれまで国際大会でのPK戦には勝てていませんでした。2000年シドニー五輪、2010年南アフリカW杯……2000年のあの時、史上最強と呼ばれた日本代表は伏兵と見られていたアメリカとの準々決勝をPK戦で落とし、準決勝の夢が断たれました。あれから21年の時を経て、あのシドニー五輪の年に生まれたGKが同じシチュエーションで日本を準決勝に導こうとは……歴史というドラマは面白いものだとつくづく感じます。試合内容で言えば、次のスペイン戦までに解決すべき問題は多いでしょうし、そこから目を逸らすわけにはいきません。ただ、この状況を制する事が出来るようになった…それは日本がワンステージ上に引き上がった事の証左のような気もしています。

 

 

 

 

ヤッタァァァァァォァァァァァ!!!!!!

 

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【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

準々決勝

スペイン5(EX)2コートジボワール

日本0(4PK2)0ニュージーランド

ブラジル1-0エジプト

韓国3-6メキシコ

 

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準決勝対戦カード

8月3日

17:00 メキシコvsブラジル@茨城カシマスタジアム

20:00 日本vsスペイン@埼玉スタジアム2002

 

 

準々決勝は0-0のままPK戦に向かった日本vsニュージーランドを含め、打ち合いかロースコアがハッキリと分かれた構図になりました。特にスペインvsコートジボワールの試合は1-1で迎えたアディショナルタイムコートジボワールが2点目を奪って勝負あったかと思われたものの、スペインも直後に追いつく劇的な試合展開に。延長戦ではスペインが一気に3点を獲得しました。

今回ベスト4になった4チームのうち、ブラジルのみが連続でのベスト4進出で2008年北京五輪以来4大会連続の準決勝進出。また、日本とメキシコは2012年ロンドン五輪でも準決勝に進出しているので、3/4がロンドン五輪のベスト4チームという事になりました。スペインの準決勝進出は2000年シドニー五輪以来です。

 

 

さ、GLAYみよ。

ではでは(´∀`)