……そういえばまだ千葉遠征のブログ書いてねぇ!!
どーもこんばんは
さてさて、本日は2022年シーズンのJ1全チーム監督名鑑Part2です。
詳しい企画概要は前回のPart1の方をご覧下さいませ。今年は東海道がJ2に一つもいないのね。
Part2→横浜FM、湘南、清水、磐田、名古屋、京都
↓
ケヴィン・マスカット
(横浜F・マリノス)
生年月日:1973年8月7日
国籍:オーストラリア
現職:2021年7月〜(2年目)
過去に率いた主なチーム:メルボルン・ビクトリー(2013.10〜18-19)、シントトロイデンVV(2020.6〜2020.12)
過去の主な実績:Aリーグレギュラーシーズン(14-15、17-18メルボルン・V)、Aリーグファイナルシリーズ(14-15メルボルン・V)、FFAカップ(2015メルボルン・V)、J1準優勝(2021横浜FM)など
★Aリーグ年間最優秀監督賞(14-15)
☆Jリーグ月間最優秀監督賞(2021年8月)
解任ではなく監督がステップアップの移籍でシーズン途中にチームを去るシチュエーションはJリーグでは滅多になく、その後を継ぐミッションの難易度は尋常じゃないが、それを継承できる人材をしっかり招聘したマリノスフロントの動きとそのミッションをしっかりと果たしてみせたマスカット監督も見事という他ない。前任のアンジェ・ポステコグルー監督との関係はメルボルン・ビクトリー時代の監督と選手、そして監督とコーチという師弟関係であり、ポステコグルー監督がオーストラリア代表監督就任に伴いチームを離れた際にも後を継いでいた。
オーストラリア代表の中心選手としてイングランドでプレーした際には「ピーター・クラウチが唯一恐れた男」として知られるなどダーティーなプレーのイメージが強いが、ピッチ外や指導者としては優れたリーダーシップを持つ人格者として知られており、名古屋戦後にはかつてチームメイトだったランゲラックと親しい姿も見せている。Jリーグ的には「岩下敬輔的な立ち位置」と表現するのが一番近いかもしれない。
メルボルン・ビクトリー時代は本田圭佑を指導したり、2020年にはシントトロイデンの監督を務めるなどマリノスの監督就任以前から日本人の接点は結構あったりする。2018年には浦和の監督候補として名前が挙がった事もあり、2001年のコンフェデ杯では「中田英寿豪雨のFK弾」で有名な日本vsオーストラリアの準決勝にもオーストラリア代表として出場していた(ちなみにこの試合の会場は日産スタジアム)。また、現役最後の試合は2011年ACLのガンバ大阪戦で、マリノスの監督としての初陣の対戦相手もガンバ大阪というのも何かの縁なのだろうか。
(湘南ベルマーレ)
生年月日:1978年4月17日
国籍:日本
現職:2021年9月〜(2年目)
昨季はコーチとしてチームに加わり9月から監督に昇格。監督初挑戦のシーズンは途中就任や残留争いという事のみならずチームのメンタル的なマネジメントを含めて非常に難しいシーズンとなったが、終盤戦には内容面も向上させながら最終節で残留を掴み取った。2020年までコーチを務めたG大阪は2021年に不振に陥ったが、山口コーチの退団も要因の一つに挙げられるほどにその存在感は大きい。残留を決めた最終節の対戦相手もG大阪であり、試合後にはロッカールームに引き上げる際にG大阪の選手から祝福を受けていた。ガンバファン的には「いつでも戻ってきてね♡」と言いたいところ。初めて開幕から監督を務めるシーズンでどのような手腕を見せるか注目が集まる。
ジェフ市原(現:ジェフ千葉)時代にはJリーグ史上初の「現役高校生Jリーガー」としても知られており、その翌年にJの最年少記録を悉く塗り替えていった稲本潤一とは2001年にG大阪で半年だけチームメイトとしてプレーした。G大阪時代には西野朗監督が志向する攻撃サッカーに不可欠なCBとして君臨し、遠藤保仁をキッカーとしたセットプレーは当時のガンバの得点パターンの一つであり「めっちゃ点取るDF」という印象も強い。遠藤との縁は深く、シドニー五輪では共にバックアップメンバーとして辛酸を舐め、翌年からは同じタイミングでG大阪に加入した。尚、引退試合はパナソニックスタジアム吹田のこけら落としの前座試合として行われている。
出身は高知県で「Jリーガーで一番田舎もんちゃうかなってくらい田舎」らしい(本人談)。小学校時代に所属していたサッカークラブでは人気声優である小野大輔氏とチームメイトだった。
平岡宏章
(清水エスパルス)
生年月日:1969年9月2日
国籍:日本
現職:2021年11月〜(2年目)
過去に率いた主なチーム:アルビレックス新潟シンガポール(2007〜2008)など
★Jリーグ月間最優秀監督賞(2020年11月)
長らく清水ユースの監督やコーチを歴任し、2020年にトップチームのコーチに就任。そこから2年連続で11月に監督就任という難しい仕事を託され、特に昨季はラスト4試合で3勝1分の成績を収めてチームを残留に導いた。過去2シーズンは監督を任されたタイミングと状況もあり、恐らく平岡監督のスタイルを持ち込める状況では無かったと思われるだけに、満を持してスタートから監督として携わる今年、チームとしてどんな色を見せてくるか注目される。清水は今年でクラブ創立30周年を迎えるが、ちょうど30年前の1992年のナビスコ杯、或いは翌年のJリーグ元年のチームの主力だった平岡監督が現場のトップに立つのも流れとしては美しい。
現役時代はロングスローの使い手としても知られていた。Jリーグバブルだった当時、ロングスローはかなり珍しかった事もあって話題を集め、1993年には俳優の高嶋政伸氏とCMで共演している(でもCMでロングスローはしていない)。
伊藤彰
(ジュビロ磐田)
生年月日:1972年9月19日
国籍:日本
現職:2022年〜(新任)
過去に率いた主なチーム:大宮アルディージャ(2017.5〜2017.11)、ヴァンフォーレ甲府(2019〜2021)など
★Jリーグ月間最優秀監督賞(2021年5月、2021年10月)
伊藤監督が3年間監督を務めた甲府が見せたサッカーの完成度は非常に高く、3季続けて安定した成績を残すのみならず、特に3位でフィニッシュした昨季の甲府の完成度は昇格した磐田や京都に引けを取らないレベルだった。同じく昨季はアルベル・プッチ・オルトネダ監督率いる新潟もサッカーの完成度に高い評価を受けていたが、結果的にこの二人が揃って個人昇格となったのはなかなか面白い。磐田は鈴木政一監督の勇退こそ既定路線だったが、その後任人事が伊藤監督だったのはなかなか意外な人選だったが、言われてみれば確かに昨季の甲府と磐田がやっていたサッカーの親和性は低くないと思うし、新監督候補の一人だった大岩剛監督よりもスタイルの共通項は多かったかもしれない。J1での監督は2017年の大宮以来だが、その時は途中就任で途中解任という悔しさを味わっただけに、個人としてのリベンジという意味合いもある。
現役時代では前身の富士通時代から川崎に所属しており、「博多の森の悲劇(奇跡)」として知られるJ1参入決定戦にも先発で出場。伊藤が下がった時点では川崎はリードしていた。引退後は大宮ユースで指導者としてのキャリアを積んだが、S級ライセンス取得の為のJクラブでの練習参加の際は、大宮ユースの監督でありながら古巣かつ自身の尊敬する風間八宏監督が率いる川崎で受講を受けている。ちなみに上述のJ1参入決定戦には現在川崎の監督を務める鬼木達も出場していた。
(名古屋グランパス)
生年月日:1965年9月25日
国籍:日本
現職:2022年〜(新任)
Jリーグ最高成績:J1優勝(2014G大阪)
過去に率いた主なチーム:清水エスパルス(2005〜2010)、ガンバ大阪(2013〜2017)、FC東京(2018〜2021.11)
過去の主な実績:J2優勝(2013G大阪)、ナビスコ杯優勝(2014G大阪、2020FC東京)、J1優勝(2014G大阪)、天皇杯優勝(2014〜2015G大阪)、ACLベスト4(2015G大阪)、J1準優勝(2015G大阪、2019FC東京)など
★Jリーグ最優秀監督賞(2014)
☆Jリーグ月間最優秀監督賞(2019年4月、2021年6月)
Jリーグ史に残る実績を誇り、かつ監督としてベテランの域に達してきた名将の2021年は激動だった。ルヴァン杯優勝で華々しく幕を開けたが新シーズンのチームは不調に陥る。6月には一度ペースを取り戻して月間最優秀監督賞を受賞。10月には日本代表監督就任の噂が報じられる中で再びチームは低調ムードになり、0-8というショッキングな敗北を喫した第35節横浜FM戦をもって4シーズン指揮を執ったFC東京の監督を辞任……かと思いきや、続投濃厚と思われながら関係が拗れて交渉決裂となったマッシモ・フィッカデンティ監督の後任として名古屋の監督に電撃就任するというこの冬一番のサプライズ人事を演じてみせた。実にカロリーの高い一年だったことであろう。余りにも色々ありすぎたせいで、私のTwitterも長谷川健太ネタで2度ほど軽くバズった。
ガンバ大阪的長谷川健太監督まとめ pic.twitter.com/3WUEOhPDop
— R (@blueblack_gblue) 2021年10月9日
←劇的逆転弾にたまらずピッチ侵入の末に走り回ってしまう長谷川健太さん
— R (@blueblack_gblue) 2021年10月9日
退席喰らってアウェイ広州戦でとんでもないところにブチ込まれた長谷川健太さん→ pic.twitter.com/1GX54P8xIS
ちなみに現在、J1で三大タイトル全てを獲得した経験がある監督は8人いるが、そのうちJ2優勝も経験しているのは長谷川監督とネルシーニョ監督の2人だけ。G大阪やFC東京で仕事を共にした大森晃太郎曰く「笑いながら敬語を使ってくる時が一番怖い」との事。清水の監督として最後のリーグ戦と最後の勝利がガンバ戦だったり、ガンバの監督就任1ヶ月前にガンバの降格決定試合の解説だったり、ガンバの監督としての最終戦がFC東京戦だったり何かと数奇な運命を辿りがち。試合前にはカツ丼を食べるという験担ぎを行なっているが、ガンバが超過密日程となった2015年に一気に太った(因果関係は不明)。
G大阪やFC東京での最終年はお世辞にも良い一年とは言えなかったが、少なくともこれまで指揮した全てのクラブでトータルでは成功と呼ぶべき成果を収めている。フィッカデンティ監督の退任劇が衝撃だったゆえにファンからの反発はあるだろうが、前任者の強みを引き継ぎつつクラブが新たに求めるものを踏まえるとこの人事は割と妥当だと思う。岡崎慎司や堂安律、久保建英など育成手腕にも定評があり、おそらく選手を海外に見送った回数は日本人監督最多だろうが、同時にG大阪では宇佐美貴史、FC東京では永井謙佑をFWとして再生させた実績を持つだけに柿谷曜一朗や齋藤学をどう活かしてくるかにも期待したい。
曺貴裁
(京都サンガFC)
生年月日:1969年1月16日
国籍:韓国
現職:2021年〜(2年目)
過去に率いた主なチーム:湘南ベルマーレ(2012〜2019.10)など
過去の主な実績:J2リーグ優勝(2014、2017湘南)、ルヴァン杯優勝(2018湘南)など
★Jリーグ月間最優秀監督賞(2021年4月、2021年8月)
湘南時代、J2で3シーズン戦って3シーズンともJ1昇格を果たすという異常な実績を持ちながら、今年J1昇格を果たせなければ遂に干支が一周するという何をどうしても昇格できない状況に陥っていた京都の監督に就任したのが2021年。「J1昇格率100%監督」vs「絶対にJ1に上がれない呪いをかけられたクラブ」……完全なるほこたて対決。昔やってた某バラエティ番組に一年間密着してほしかったレベルである。結果は曺監督の勝利。サンガの11年間に及ぶ呪いを解き放ち、見事サンガを12年ぶりのJ1昇格へ導いた。昇格を決めた千葉戦の後、昨季はなかなか出場機会を得られなかった庄司悦大が真っ先に曺監督の胴上げに走り出した光景がチームの雰囲気の良さを物語っている気がする。重すぎたのか"胴上げ"が"胴上がらず"になっていたのはご愛嬌。
湘南時代にな遠藤航や山根視来を輩出したようにサンガでも麻田将吾、川﨑颯太らが台頭。特に川﨑は「遠藤航に似ている」感覚があるという。監督としてのデビュー戦は2012年の他でもないサンガとの試合で、同年のJ2では最終節の段階で2位だったサンガが引き分けた事により曺監督率いる湘南がJ1に昇格。J2を制した2014年も昇格は西京極でのサンガ戦で決めるなど不思議な縁も多い。湘南時代はブンデスリーガマニアみたいな印象もあったが、最近はインタビューの場においてリバプールやその本拠地であるアンフィールドを引き合いに出す事も多い。
京都出身という事もあってか、以前にもサンガは2016年の新監督として曺監督と接触しており、当時から稲森和夫名誉会長が直々に会談に訪れるほどの熱の入れようだった。高校時代はサンガの練習場であるサンガタウン城陽のすぐそばである太陽ヶ丘公園で公式戦を戦った経歴を持つ一方で、当時はさほど京都について知っていた訳ではないらしく、歳を重ねて京都に戻ってきた昨年はオフを利用して「嵐山に3回、清水寺に3回」と自身で語るなど京都巡りも色々堪能したとの事。特に昇格が現実的な目標となったラスト10試合はスポーツの神様が宿るとして有名な白峯神宮への参拝を欠かさなかった。高校まで過ごした左京区の大原では地域ぐるみでの親交があり、大学受験に合格した際は合格通知書が届くより先に「あんた、大学合格してるで」と郵便局のおじさんから電話が来たらしい。
Part3に続く!
日本シリーズ第6戦は東京で見てました。
ではでは(´∀`)