年末ですね。
どーもこんばんは
さて、W杯イヤーの2022年が終わります。
そう、W杯が12月までやってたおかげでクリスマスも年末も「え、もう!?」感がありますがれっきとした年末です。来週には今年が去年、去年が一昨年です。ああびっくり。
京都サンガFCの2022年、それは"S Adventure"というスローガンの通りの一年だったように思います。
サンガにとってのJ1は12年ぶりの復帰でしたが、12年ぶりの復帰ともなればそれはもうほぼ初めてのJ1のような感覚ですよね。その中でサンガはJ1という荒波の中でもがくように、そして泳ぎ切ったと言えるでしょう。
ピーター・ウタカの得点ペースが落ちて以降のサンガはなかなか深刻なゴール欠乏症に陥ってしまった部分は否めませんが、J1に来たことも実力、J1で一度旋風を起こしかけたことも実力、J1で最後は16位に落ちてしまったことも実力、そして残留したことも実力です。そもそも、J2の2位で昇格したサンガの順位は、開幕前は理論上は18位…最下位からのスタートだった訳ですから、課題は多々あれど残留は間違いなく勝ち取った成績だと思っています。
…さ、という訳で今回は【京都サンガFC、2022年ベストゴール大賞】をお届けしていきます!
京都サンガFC 2022年振り返り連載『S Adventureの後先』も是非ご覧くださいませ↓
…とは言っても、ベストゴールって一概には決められないんですよね。ゴールそのものの凄さで決めるべきか、そのゴールの重要性などその一点が持つ意味の大きさで決めるべきか……それはベストゴールを決める時の永遠のテーマでしょう。
という訳で今年も例年同様、部門別に分けて考えていきます。部門としては以下の6部門!
①ゴラッソ大賞
②エロいゴール大賞
③ベストアシスト大賞
④美しい流れ大賞
⑤特別編:神福元直人大賞
⑥劇的ゴール大賞
さぁ、今年を彩る珠玉のゴールの数々を振り返っていきましょう!
オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。
↓
①ゴラッソ大賞
・純粋に「おおおおお」と言わせるスーパーゴールを選出。
2位 第3節 京都1-2磐田(1-4)、67分のピーター・ウタカのゴール
3位 第6節 神戸1-1京都(1-3)、55分の荻原拓也のゴール
4位 ルヴァン第1節 京都1-0柏(1-1)、6分の木村勇大のゴール
5位 天皇杯準決勝 京都1-1広島(1-2)、79分のイスマイラのゴール
4位と5位は豪快なニアにズドン、3位はアクロバティック、2位はテクニカルな独走…ざっくり言うとその3つですね。2位のウタカはズドン系ではなくてゴラッソ…というパターンとはちょっと違いますが、その前のスルーパスも含めてあそこまで持って行った流れが見事でした。
1位 ルヴァン第3節 北海道コンサドーレ札幌1-1(4-1)京都サンガFC
54分、大前元紀のゴール
試合展開やシチュエーション的には目立たないゴールだと思うんですけど、今年一番凄かったのは個人的にはこれだと思っています。
これ、長井のパスも良かったんですよ。それに対して完璧なタイミングで抜け出して、完璧なタイミングでミートさせる大前のシュートセンスの高さ。柳沢敦のイタリア戦での伝説のゴールを思い出させるような一発でした。
②エロいゴール大賞
・派手なゴラッソというよりも、唸るような技術的なエロさが詰まったゴールを選出。
2位 第28節 京都1-0神戸(2-0)、1分の松田天馬のゴール
3位 天皇杯2回戦 京都1-1高知(3-1)、82分の山﨑凌吾のゴール
4位 ルヴァン第4節 京都3-2札幌(3-2)、75分のマルティノスのゴール
5位 第29節 京都1-0鹿島(1-1)、20分の山﨑凌吾のゴール
3位と4位はシュートが巧みでしたね。位置としては似たような感じですが、山﨑の方がボールの収まりの難易度は高そうだったのでこちらが3位に。マルティノスもこういう事やらせたら巧いんだけど……。2位に於いた松田のゴールは、ゴールそのものというよりはシュートを打てる状態に持って行った身体の使い方が抜群にテクニカルでしたね。ボールに触らずにかわしてしまうっていう。
70分、ピーター・ウタカのゴール
2022年4月10日16:00@サンガスタジアム by Kyocera
鳥栖に初黒星を付けた試合の鮮やかなカウンターでの一撃ですね。これはもう、ウタカの柔剛の"柔"の部分がこれでもかと詰まったゴールでした。DFとGKを左側に引っ張って引っ張って、一発の切り返しでグンっと全てを無力化してしまう……そのセンスと、そのセンスを体現するテクニックに脱帽です。
③ベストアシスト大賞
・ゴールを演出した美しいアシスト、見事なアシストを選出。
2位 ルヴァン第3節 札幌1-1京都(4-1)、54分の長井一真のアシスト(得点者:大前元紀)
3位 第4節 湘南0-1京都(1-1)、47分の武富孝介のアシスト(得点者:ピーター・ウタカ)
4位 第6節 神戸1-3京都(1-3)、90+4分の松田天馬のアシスト(得点者:山田楓喜)
5位 第19節 京都2-1札幌(2-1)、89分の川﨑颯太のアシスト(得点者:宮吉拓実)
四者四様のラインナップですね。
2位の長井は大前のゴールもテクニカルならば、それを演出した長井のあのパスもまた「エロい」と呼ぶべきものでした。3位の美しいロングスルーパス、4位の難しい体勢からの絶妙なクロス、そして5位は一瞬の状況でのアイデアがお見事。来年もたまらないパスをいっぱい見たいですね。
1位 J1参入PO決定戦 京都サンガFC1-0(1-1)ロアッソ熊本
2022年11月13日13:00@サンガスタジアム by Kyocera
大一番で見せた松田のアシストを今年は1位にしました。
若干ルーズボールの応酬みたいになっていたところをしっかり収めた事、そして松田が右に進むようなモーションを常に見せていた事で、DFの意識はそっちに向いていたんですよね。そして絶妙な威力の浮き球のスルーパス出し切った松田のセンスもそうですし、その松田のアイデアを誘発するような豊川の動き出しもストライカーの技術が詰まった動きでした。
④美しい流れ大賞
・アシストに留まらず、フィニッシュに至るまでの流れが美しかったゴールを選出。
2位 第1節 京都1-0浦和、49分のピーター・ウタカのゴール
3位 第28節 京都1-0神戸(2-0)、1分の松田天馬のゴール
4位 第28節 京都2-0神戸(2-0)、9分の豊川雄太のゴール
5位 第6節 神戸1-1京都(1-3)、55分の荻原拓也のゴール
3〜5位のゴールはまさしく今年のサンガがやろうとしていたようなカウンターでゲット出来た得点でしたね。特に3位と4位のゴールは、残留争いの大一番というシチュエーションの中で開始10分に勝負を定めて、その中で鮮やかに2点を取り切った展開も含めて圧巻でした。
逆に右サイドの狭いエリアで細かいパスを繋いで点を取ったのが2位の開幕戦で浦和を沈めたゴール。右サイドを抉った川﨑もに釣られるDFに対して"動かないという動き"を見せたウタカまで含めて美しい流れでしたね。
13分、荻原拓也のゴール
2022年4月17日19:00@三協フロンテア柏スタジアム
まぁ、やっぱりこの部門においてはこれでしょう。むしろこのゴールの為にこの部門があるんじゃないかくらいの。サンガが世界デビューを果たした衝撃のパスワーク。
何が嬉しいって、サンガがこれ以前に世界的にバズったのって…やっぱり13-1じゃないですか。そしてこのスタジアムは他でもない、その悪夢の残り香が残るスタジアムなんですよね。そこでの悪夢を美しい記憶に塗り替えたという意味でも、このパスワークは印象的でした。
⑤特別賞:神福元直人大賞
・この男がいなければ今年のサンガの残留は無かったと言っても過言ではないでしょう。「神福元」と言われるように、その活躍は神懸かり的なパフォーマンスでした。という訳でそんな上福元直人の神セーブを振り返っていきます。1年限りとなってしまったのは寂しい限りですが、33歳のプレーヤーがトップクラブに移籍金を発生させてまで引き抜かれる事は今年の働きに対する最大級の評価とも言える訳で。ありがとう神!上福元!!
2位 第2節 C大阪1-1京都(1-1)、90+3分の北野颯太との1対1を勝利
3位 第33節 京都0-0C大阪、76分のタガートとの1対1を阻止
4位 J1参入PO決定戦 京都0-0熊本(1-1)、38分の杉山直宏のミドルシュートを抑える
5位 第20節 浦和1-0京都(2-2)、39分のモーベルグのPKストップ
上福元のスーパーセーブとかいくつかリストアップしてみたんですけど、あまりにも候補が多すぎてどれにしたら良いんだか状態に陥ったので、そのセーブがその試合にどのような意味を残したか、といった面も含めてこのベスト5を選びました。
2位はめちゃくちゃ話題になったセーブですね。3位はシュートストップではないんですけど、上福元がワンテンポでも飛び出しを躊躇していたら取り返しのつかない状況になっていたと思うので、その思い切りと勇気とそれを担保する確かな技術が圧巻でした。4位はその後、上福元のパントキックからゴールに繋がったところも高ポイントです。
…こうやって見るとセレッソ戦と浦和戦の無双っぷりすげえな……。
88分、江坂任のドンピシャボレーをもう神
2022年7月6日19:30@埼玉スタジアム2002
これは凄かったですね……。あのスタジアムにいた人間、あの試合をDAZNで見ていた人間の全てが江坂のシュートがミートした瞬間に「決まった」「終わった」の二択の感情を抱いた事でしょう。どうやったらあんな反応が出来るんだよ……。これ、ハイライトとかセーブ集動画には入ってないんですけど、徳島時代にJ1昇格を共に成し遂げた浦和のリカルド・ロドリゲス監督のリアクションも印象的でした。
ありがとう上福元…今年のMVPは間違いなくあなたです…。
⑥劇的ゴール大賞
・言わずもがな、ドラマチックな劇的ゴールやそのゴールの重みが強かったゴールを選出。
2位 第19節 京都2-1札幌(2-1)、89分の宮吉拓実のゴール
3位 第1節 京都1-0浦和、49分のピーター・ウタカのゴール
4位 第6節 神戸1-3京都(1-3)、90+4分の山田楓喜のゴール
5位 ルヴァン第4節 京都3-2札幌(3-2)、75分のマルティノスのゴール
3位と4位はゴールの前にJ1でも戦える自信をつけてくれたゲームだったと思います。3位はあの一発があったからこそサンガは戦えたと思いますし、開幕戦以降勝利がない中で勝利を決定付けた4位のゴールもまた、このチームの歩みの原動力となりました。
そしてまた勝てない時期が続き始めた時の2位のゴール…。これに関しては、やっぱり宮吉のゴールだったのもポイントですよね。それもアシストも川﨑ですから。サンガユースのアシストから生まれたサンガレジェンドの劇的ゴールっていう。
90+7分、大前元紀のゴール
2022年7月31日19:00@Panasonic Stadium Suita
ご存知の通り、私はサンガファン兼ガンバファンという事で生きておりますので、ガンバファン視点ではこのゴールは悪夢そのものでしたが、サンガファン視点ではこのゴールは本当に大きかったです。
クラスター発生により、18人を揃えるのがやっとという過酷なチーム状況だった中で先制点を許し、そして退場者も出して数的不利も被った。その中でラストワンプレーでPKをもぎ取り、同点に持ち込んだ事は、この試合後の時点で想像していたよりも遥かに大きな意味を持ちました。
…で、ゴールと言えば忘れてはいけないのはピーターウタカです。
12年もJ2に囚われていたサンガをあなたが導き、そしてあなたが残したJ1の舞台だと心から思っています。
— RK-3 (@blueblack_gblue) 2022年12月5日
本当にありがとう……。#ウタカ#ピーターウタカ#ウタさん#PeterUTAKA#京都サンガFC pic.twitter.com/atc6OcTO9p
J2という悠久にも似た旅を強いられたこのクラブに降り立ったピーター・ウタカというFWは、文字通りこのクラブを救い出すかのように戦ってくれました。このクラブの歴史の中でも最高のストライカーだった…大袈裟ではなく本当にそう思います。あれだけオフェンスの全てをとんでもなく高いレベルでこなせて、その上でチームへの献身にもコミットする…そんなFWが、これまでは1年限りでクラブを退団していたのに、サンガには3年も居続けてくれた。それもまたスペシャルな思い出です。
このクラブをJ1に連れ出してくれたのはあなたであり、そして最後の顔面ブロックでこのクラブをJ1に残してくれたのもあなたでした。いつかどこかの名ストライカーが言った「王様のようにやって来て、伝説のように去るんだ」という言葉が、今はあなたに当てはまるようです。ウタカありがとう!!!!!!!!!
来年こそはもっと多くのゴールを…
ではでは(´∀`)