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ロマンと難儀を前にして〜2024明治安田J1リーグ第3節 北海道コンサドーレ札幌 vs 浦和レッズ マッチレビューと試合考察〜

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図らずも浦和のマッチレビュー全試合書いてる気が…

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューは2024明治安田J1リーグ第3節、北海道コンサドーレ札幌 vs 浦和レッズ の一戦です。

 

 

 

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札幌と浦和…図らずもこの2チームは、開幕からの2試合でそれぞれに趣が異なる難題を背負うことになった両チームと言えるでしょうか。

2〜3チーム分組めそうなほどの質と量を兼ねたスタッドを揃えた浦和は、リカルド・ロドリゲス監督時代のスタイルを継承しながら発展させるスタンスを選んだマチェイ・スコルジャ前監督とは異なり、マティアス・ヘグモ監督体制ではシステムを変え、新たなスタイルへのシフトを図りました。しかし開幕戦の広島戦第2節東京V戦では閉塞感を露呈してしまい、東京V戦こそ終了間際のPK弾でどうにか追いついたものの、開幕からの2試合は理想からは遠い結果となっています。ヘグモ監督のアプローチが正しいものか間違っているものなのかを現段階で判断するのは時期尚早。しかし時間を得る為には内容か目に見えた数字のどちらかが必要。そういう岐路を浦和は歩き続けています。

対する札幌は、新体制で大型補強を敢行して挑む浦和とは文字通り真逆の立場です。今季は核と呼ぶべき選手が複数退団して、補強活動はその穴埋めに終始せざるを得ない状況となってしまった。穴埋めという点で言えば悪くない動きではあったとはいえ、どうしてもそれはスケールダウンとしての意味合いの方が強くなってしまうのは世の定め。気がつけば広島、そして浦和時代の在籍期間も超えたペトロヴィッチ体制は、長く進んだがゆえの岐路に突入しています。そこを超えるべきと思わせるだけの結果を得られるかどうかも、それもまた結局は数字次第です。

お互いに悩みの内情は全く異なりますが、解決方法はお互い大きく違う。しかしどちらにとっても、時間を得る為に必要なものが何かには変わりは無い訳で。岐路に立つ者同士、この90分は結果と時間を手にする為の戦いになります。

両チームスタメンです。

 

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札幌は0-4の大敗を喫した前節鳥栖戦からスタメンを3人変更。ここまでの2試合では駒井善成小林祐希と中盤が本職の選手を最前線に置いていましたが、今日はG大阪からレンタルの形で獲得した鈴木武蔵が4年ぶりの札幌ドームで復帰後初スタメン。また、GKは既に長期離脱が発表されている髙木駿に続いて菅野孝憲も負傷離脱となり、今日は札幌の選手としてはJ2時代の2016年以来、J1リーグ戦で初出場となる阿波加俊太ゴールマウスを守ります。

浦和は中盤より後ろは開幕戦の広島戦前節東京V戦と同じメンバーを起用。渡邊凌磨も左SB起用を継続させていますが、3トップは関根貴大のみ残して前節から2人入れ替えており、前田直輝興梠慎三が今季初先発となりました。札幌の駒井、そして2022年に1年だけ札幌でプレーした興梠にとっては古巣対決です。

 

 

 

本日の会場は北海道札幌市、札幌ドームです。

 

 

第3節ではありますが、札幌とアルビレックス新潟は雪の影響も踏まえて第3節となる今節がホーム開幕戦となります。それこそ去年の最終節といえば、小野伸二引退試合でも話題になった浦和との試合。札幌ドームにとっては年またぎでの浦和とのホーム2連戦みたいなものでしょうか。今日の試合では新たにアンバサダーに就任した小野伸二氏も来場します。

昨季は札幌ドームにとっても大きな岐路のような一年でした。北海道日本ハムファイターズエスコンフィールド北海道の完成に伴い北広島市に移転。それに伴う経営的な影響が生じた事は否めませんが、一方でコンサドーレは新たにクラブオフィスをドーム敷地内に移転し、これからはよりコンサドーレのホームとしての存在感を高めるかもしれません。3月30日には新たな取り組みとして札幌ドームを舞台にした音楽フェスも開催予定です。

 

 

立ち上がりのリズムを掴んだのは浦和でした。札幌は札幌通り前がかりにポジションを取って攻撃を狙おうとし、今日はWGも特にアタッカー寄りの2人を起用。その結果、浦和に高い位置でボールを奪われるとそのままカウンターに直結する場面が5分の時点で2度発生し、前田が2度特典チャンスを迎える展開になっていました。

そういう札幌のスタンスゆえか、試合は前へ前と行く札幌とそこにカウンターを仕掛ける浦和の間でオープンな展開に。10分には札幌が鈴木武蔵が右サイドの浅野雄也に預けてリターンを受けて折り返し。このボールにスパチョークが合わせるも枠の上へ。14分には再び前田に好機が訪れるもここもゴールは生まれず。

 

 

 

札幌も21分にFKを獲得し、これを小林祐希が狙いますが…シュートは惜しくも枠を逸れていきます。

基本的にはマンツーマン仕様で前がかり的なポジションを取る札幌に対し、ゾーンで4-1-2-3、守備時は4-4-2のフォーメーションを堅持する浦和はサッポロに対して少しずつ押し上げる形になり、次第に試合は浦和ペースの展開へと転じていきました。高い位置でプレーするようになり、そこで札幌が個に強く当たる守備をすることで浦和はFKやCKの機会が増えていき、浦和もデザインされたセットプレーを散りばめながらチャンスを伺っていきます。31分、右サイドでCKを得た浦和は札幌の守備が整う前にショートコーナーを仕掛けると、グスタフソンのタイミングを図ったクロスにエリア外から猛然と走ってきた酒井宏樹が頭で合わせて浦和先制!

 

 

しかしここまで上手く試合を運んでいた札幌も、前半終了間際に絶対的な存在であるショルツが負傷退場し、浦和への移籍後初出場となる佐藤瑶大が緊急投入されるアクシデント発生。前半は浦和が1点リードで終えます。

 

 

後半は札幌ペースの時間が続きました。縦にボールを入れつつ、前半は10分のチャンス以外ではワントップ+2シャドーのところでなかなかボールが収まらなかったものの、そこで少し時間を作れるようになったことで複数選手が絡めるようになり、少なくとも札幌がアタッキングサードに滞在する時間は自然と増えていく形に。

ただ、やはりリードを奪った浦和はショルツのところを佐藤に変えても昨季から築いたゾーンディフェンスがしっかりしており、連動性で攻め込みたい札幌からリズムとテンポを奪い取るように網に掛けていました。

 

 

 

浦和は52分と早い段階で前田と興梠を下げて松尾佑介とチアゴサンタナを投入。対する札幌は72分のタイミングで長谷川竜也、田中克幸、原康介の3人を一気に投入します。77分には田中宏武も投入し攻勢へ。

しかし札幌は押し込みながらも、浦和の守備網を突破しきれない状況からなかなか飛び出せず、ボールを握っている札幌よりもボールを奪ってから空いたサイドを貫く浦和のカウンターの方がチャンスを創出出来ている苦しい展開に。85分にはセットプレーから田中宏武に決定機が到来しましたが、シュートは大きく枠の上へ…。

 

 

 

アディショナルタイムにはなんとか猛攻を仕掛けられるようになった札幌でしたが、アディショナルタイムには田中克幸のFK、そして田中宏武のシュートと2度得点の気配のある場面を作るも…ゴールならず。

試合は1-0で終了。前半に酒井のゴールで得たリードを守り切った浦和がヘグモ体制初勝利を挙げました!!

 

 

 

札幌にしても浦和にしても、自分達のやろうとしている戦術と言いますか、スタイルみたいなものは試合の中である程度表現出来ていたと思います。ただそうなった時に個の出力と、そもそものスタイルの噛み合わせで浦和が優位ではあったのかなと。

前半に前田がサイドをぶっちぎるような場面が多く見られましたが、やはり札幌のWBは通常の3バック採用クラブと比較してもかなり高い位置を取る。ましてや前節同様とはいえ今日は青木、浅野というシャドー起用の方が多い2人でしたし、純粋な4-1-2-3で戦おうとする浦和の立ち位置は、それがパスであれ、高い位置でのボール奪取であれ、WGにボールが入ればかなり優位に立てた。浦和はまだ新監督の戦術が浸透しいるとは言えないものの、今日はそういう札幌との戦術的な噛み合わせみたいなものが有利に働いた側面はあったように見えました。

札幌に関しては…ボールを前に持っていくまでのプロセスは上手く運べていたと思います。ただ浦和は戦術変更がフィットし切れていない今は攻撃面では閉塞感があるものの、守備に関しては昨季まで構築したものが現体制の文脈としても沿うものですし、あまり激しく人に来てくれる訳ではない。そこで連動するリズムやテンポを無にされてしまったところは痛かった。そんな中で後半から出てきた2人の田中は凄く良いアクセントになっていたので、敗れながらも美点はあるゲームではあったのかなと。ただ、札幌はこれまでどれだけ苦しい時期でも、それが最終的に負け試合にはなったとしても、彼らは「苦しくても点は取れてる」みたいなところを拠り所みたいにしてここまで生き残り続けてきた部分はあると思うんです。それが開幕3試合で1点も取れていないという現状は……1分2敗という数字以上に重いようにも見えるというか、そこはちょっと心配な部分ですね…。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

 

明治安田J1リーグ第3節分は川崎フロンターレvs京都サンガFCの試合のマッチレビューページに記載しています。

 

 

田中克幸のFK弾道ロマンあったなぁ…。

ではでは(´∀`)