東京と札幌に人の集まるGW
どーもこんばんは
さてさて、本日のマッチレビューは明治安田生命J1リーグ第12節、北海道コンサドーレ札幌vsFC東京の一戦です。
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2023年のJリーグも1/3を通過。どのチームが好調で、どのチームが不調かといった勢力図も一過性のものではない形で定着してきました。
開幕前は優勝候補にも名を連ねたFC東京は開幕戦で勝利して以降はかなり苦しいシーズンを余儀なくされたものの、ここ3試合は2勝1敗と前節は敗れましたがやや復調傾向です。対する札幌は相変わらず浮き沈みの激しい…良くも悪くも彼ららしい推移を歩みながら中位はキープしています。
最低でも中位、そしてそこからどう抜け出すか。お互いにとってのテーマはそこにある中で対戦する今日の試合。特徴的なチームスタイルを持つ両者がこの試合で何かを抜け出す事が出来るのか。Jリーグ30周年という事で「オリジナル10」という言葉がよく聞かれますが、1999年のJ2に参加した「J2オリジナル10」同士の対戦です。
両チームスタメンです。
札幌は前節鹿島戦からスタメンを3人変更。前節はボランチだった福森晃斗が3バック、駒井善成がシャドーの位置に戻り、Wボランチには出場停止から復帰した荒野拓馬と第5節G大阪戦以来の先発となる宮澤裕樹が入っています。ここ数試合のGKはク・ソンユンと菅野孝憲が併用される形になっていますが、前節はク・ソンユンだったのに対して今日は菅野が起用されています。
FC東京は東京→福岡→札幌と中2〜3日での長距離移動の影響も考慮してか、前節福岡戦からはなんと7人も変更。特に4バックは福岡戦から総替えになっており、エンリケ・トレヴィザンは第7節湘南戦以来、そして右SBの安斎颯馬は早稲田大学在学中の特別指定選手ながらデビューとなりました。アダイウトンも第6節鳥栖戦以来の先発。ペロッチはリーグ戦では移籍後初スタメンとなっています。
本日の会場は北海道札幌市、札幌ドームです。
これまでは札幌ドームを本拠地として共同使用していたプロ野球・北海道日本ハムファイターズが北広島市のエスコンフィールド北海道に移転した影響もあって今後の活用が注目されている札幌ドーム。そういう背景もあってか、近年はコンサドーレとの連携は強くなっているようにも見えます。コンサドーレは一度宮の沢の練習場に置いていたクラブ事務所も再び札幌ドーム内に移転させるそうで。
札幌とFC東京の特徴として"お互いに相手の本拠地が疑問になってる"という部分があったりします。札幌が味の素スタジアムで勝てない一方、FC東京もアウェイ札幌戦は札幌厚別公園競技場を含めて公式戦7戦未勝利。両者を渦巻くこの流れにそろそろケリをつけたいところでしょうか。
試合は早々に動きました。立ち上がりから試合を優勢に進めていた札幌はハーフェーライン付近で小柏剛がボールを奪うと、ドリブルで相手を惹きつけてから絶妙なタイミングでスルーパス。ここに走り込んだ浅野雄也が冷静にGKとの1対1を制して札幌先制!今季絶好調の浅野は早くも今季6得点目という事に。
試合はその後も札幌がマンツーマン対応の果敢なプレスでFC東京陣内でのプレー時間を長くしており、FC東京は本来理想とするショートパスではなかなか前進出来る状況ではなくなってしまった事から、戦い方をロングボールを用いながらアダイウトンのストロングを活かすような戦い方にシフトしていきました。それでアダイウトンも何度かシュートチャンスまで持ち込んだものの、札幌もアダイウトンへのチェックは怠らずなかなか上手くは行かず。
逆に札幌は25分には右サイドでの流れるようなパス交換から抜け出した浅野の折り返しに菅大輝が走り込む美しいチャンスを作りましたが、ここはGKヤクブ・スウォビィクが好セーブで阻止。
ほぼ理想的に試合を進める札幌、もどかしさに常に苛まれていたFC東京。その象徴的な場面が29分でした。ハーフェーライン付近での田中駿汰のロングスルーパスに対し、FC東京守備陣のオフサイドの錯覚も利用して右サイドを飛び出した小柏の折り返し。25分の決定機と似た場面を迎えた菅が今度は突き刺すようなシュートを決めて札幌追加点!
更に37分には攻め上がった福森晃斗がバングーナガンテに倒されてPKを獲得。このPKを金子がきっちりと決め切り、札幌は前半だけでなんと3点リードを獲得。
FC東京もようやく決定機を掴んだのは42分。左サイドでやはりアダイウトンが粘ってボールを残すと、ファーサイドのスペースに流れたボールにフリーで走り込んだ松木玖生が豪快なミドルを放つもポスト直撃。札幌が完璧な試合運びを見せた前半は想定がなほどのスコアをつけて後半へ。
後半開始と共にアルベル監督はメンバーを一気に3人変更。安部柊斗、渡邉凌磨、ペロッチを下げて仲川輝人、青木拓矢、ディエゴ・オリヴェイラを投入。アダイウトン以外の前線を総替えする形に。
しかし後半もラッシュをかけたのは札幌でした。後半開始早々の猛攻こそスウォビィクがなんとか阻止したものの、50分には右から小柏が仕掛けて宮澤を経由。駒井がFC東京のプレスを嘲笑うかのようなスルーパスを出すと、最後はまたしても菅が決めてなんと4-0。
55分には安斎を下げて徳元悠平を投入。さすがに札幌も前半ほどハイテンポで試合を進めようとはしなかった事もあって、60分過ぎからはようやくFC東京もボールを持てるようになり、札幌のカウンターにも曝されるカウンターゲームになる事と引き換えにチャンスも作れるようになっていきました。
73分には右からアダイウトンが折り返したボールを仲川が押し込んでようやく1点を返すと、81分には左からのクロスに対して松木がヘッド。しかし松木は今日2度目のクロスバー直撃弾となってしまい、86分にはディエゴ・オリヴェイラが抜け出したところから猛攻開始。攻め上がったトレヴィザンのシュートは右ポストに阻まれ…。
逆に札幌は選手交代を通じて前線の機動力を担保しながら常にカウンターを刺せる状態で試合を回してチャンスを作ると、アディショナルタイムには金子が再び仕留めてとうとう5-1。終盤は途轍もなくオープンな殴り合いになった試合は、終わってみれば前半を完全制圧した札幌の圧勝という結果に終わりました。
前半が全てでしたし、前半にしてもFC東京どうこう以前に札幌のやりたいサッカーが、なんなら札幌でさえ想定していなかったほどに出来ちゃったのが全てでしたね。ポゼッション主体のFC東京に対してフルコートマンツーマンをしっかり嵌める事が出来たので、常にFC東京がショートパスを出さない状況に追い込みながら敵陣でのプレー時間を長くしていった。高いボールさえ奪ってしまえば彼らがコンビネーションを出しやすい状況にしていく事は札幌からすればそう難しい話でもないですし、特に前半の得点は完全にそういう形でした。前線の選手のコンビネーションとリズム感のある攻撃はやっぱり札幌の強力な武器ですから、そういう自分達の武器を出しやすいフィールドに試合を持ち続けていましたね。後半のカウンター的な展開でもそれは活きていましたし。
逆にFC東京は…まず最初に札幌に主導権を奪われてしまったという前提があった中で、札幌のマンツーマンディフェンスでビルドアップをしにくい状況になってしまった上でどうそれを剥がすかというところでロングボール主体の攻撃になっていきました。別にそれ自体は手段として問題ないんですけど、マズかったのはアダイウトンの単騎突破的なところに活路を求めてしまったところで、結果的にFC東京はマンツーマンディフェンスで主導権を掴んだ札幌の文脈にそのまま乗ってしまった形になっちゃったんですよね…マンツーマンに真っ向から挑んでしまったというか。その状況でも結構打開してきた辺りはさすがアダイウトンですが、そこのセッティングでしくじってしまった部分はあるのかなと。
ドンパチおもろい
ではでは(´∀`)