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砂上の楼閣〜明治安田生命J1リーグ第29節 FC東京 vs ガンバ大阪 マッチレビューと試合考察〜

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無事にB'zロス

 

どーもこんばんは

 

 

さてさて、本日のマッチレビュー明治安田生命J1リーグ第29節、FC東京vsガンバ大阪の一戦です!

 

 

 

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ガンバにとっての今は2度目の混迷とでも呼ぶべき時期でしょうか。第15節新潟戦から第24節湘南戦までの10試合の戦績は実に8勝1分1敗。しかし第25節鳥栖戦以降は再び暗転し2分2敗…それも第26節札幌戦と第28節浦和戦はショッキングな負け方で散るように敗れていきました。

一度好調期と成功体験を挟み、一度目の混迷とは違って要所要所ではコンセプトに沿った攻撃が出来ているのは確か。ただそれゆえに、一度目の混迷とはまた違った悩ましさを各選手が抱えている事でしょう。残留はおそらく大丈夫だとしても、これからのパフォーマンスは勝敗と同時に個々の契約にも関わってくる。考えることは多い状況で、チームとして何に矢印を向け、いかにそこに真っ直ぐ進めるか。立場としてはFC東京も似たような立場でしょう。簡単そうで難しいプロセスの中を進み合う両者の一戦です。

両チームスタメンです。

 

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ガンバは前節浦和戦からスタメンを4人変更。髙尾瑠、ネタ・ラヴィ、倉田秋、クォン・ギョンウォンの4人がそれぞれスタメン復帰を果たしており、共に出場停止となった試合を除けば福岡将太は第11節C大阪戦、イッサム・ジェバリは第6節湘南戦以来にスタメンを外れる事となりました。中盤はいつもの3人に戻りましたが、佐藤とクォンギョンウォンのCBコンビ、食野亮太郎、宇佐美貴史倉田秋の3トップは今季初の組み合わせとなっています。また、第23節横浜FM戦の負傷退場以降離脱していた三浦弦太がベンチに復帰しました。

FC東京は前節鳥栖に逆転勝利を収めた先発11人をそのまま起用しており、ベンチメンバーも前節は出場停止だった小泉慶を加えたのみとなっています。中盤の構成は前節はレギュラーだった小泉と東慶悟を出場停止で欠く形となって東は今節も出場停止ですが、今日も継続して原川力松木玖生のセットです。

 

 

 

本日の会場は東京都調布市味の素スタジアムです。

 

 

現在ラグビーW杯がフランスで開催されていますが、日本開催となった前回大会では開幕戦が行われた場所ですね。

本日10月1日はガンバ大阪のクラブ創立32周年記念日です!…と同時に、今日はFC東京のクラブ創立25周年記念日でもあります。FC東京としてはアニバーサリーイヤーという事もあり、9〜10月のホームゲーム3試合はFC東京はクラブ創立25周年記念試合として開催。3試合で記念ユニフォームの着用や歴代の獲得トロフィーを展示。その中でも今日の試合は創立記念日とあって3試合の中心として開催されており、歴代ユニフォームの展示やスペシャルゲストとしてバスケW杯日本代表で千葉ジェッツに所属する原修太氏や東京スカパラダイスオーケストラが来場。…でも、ガンバって他所も自分も記念試合クラッシャーでっせ?ふっふっふっ。他所どころか自分のところの記念試合も破壊していくだけだもの、へっへっへっ。

 

 

最初のチャンスはガンバ。3分に左サイドの深い位置でFKを獲得すると、山本悠樹が入れたボールにファーサイドのダワンがフリーで頭で合わせましたが、ここはGKヤクブ・スウォビィクのファインセーブに遭いゴールならず。11分にはダワンがボールを回収したところから山本が絶妙なスルーパス。食野が抜け出しましたが、相手DFのチャージもあってシュートはヒットせずGKの正面に転がります。

15分には抜け出した仲川輝人がGKと1対1になった場面からエリア内で波状攻撃、3本連続でシュートを打たれる形となりましたが、GK東口順昭の連続スーパーセーブでこの場面を阻止。立ち上がりはどちらかが攻勢、どちらがボールを保持というよりはお互いに交互に攻撃機会を得るような形で進んでいきます。

 

 

 

20分には中央で宇佐美が左サイドに叩くと倉田がドリブル突破。黒川圭介のオーバーラップで空いたスペースに宇佐美がインを取るように抜け出し、倉田もそこにスルーパスを送りますが宇佐美のシュートは僅かに枠の右に逸れてゴールならず。ただその直後にも食野が倉田のパスを受けてあわやPKのような場面を迎えており、中央に入った宇佐美を起点に食野と倉田が上手くスペースを捉えるなど攻撃が上手く流れていくようになっていました。31分には東口のゴールキックを倉田が落とすと、抜け出した黒川がカットインからシュートに持ち込みますがこれも決まりません。

33分には原川のライナー性のCKをニアで渡邉凌磨が合わせた場面はGK東口がスーパーセーブで阻止する場面もありましたが、守備面では少し脆さを見せる場面が散見されながらも試合展開としてはガンバが優勢に回るようになっていきました。

 

 

 

しかし38分、右サイドでボールを持った長友佑都が中央にパスを入れるとディエゴ・オリヴェイラがスルー。中央で受けた仲川がタメを作ってパスを出すと、飛び出してきた原川がこれまで立ちはだかったGK東口の牙城を崩して遂に先制点。

更に43分、左サイドでボールを持ったアダイウトンが入れたボールを佐藤瑶大が処理しきれず、クォン・ギョンウォンはディエゴ・オリヴェイラの後塵を拝する位置取りになってしまい、最後はGK東口までかわされて失点。一気に2点を奪われる苦しい展開に。

 

 

するとこれまでは上手く連動していた攻撃も思い切りが少し欠けるようになってFC東京のプレスに捕まるようになり前半終了。2点を追いかける形で後半に向かいます。

 

 

後半最初のチャンスもFC東京でした。左サイドを抜け出した松木の鋭い折り返しに仲川が反応。一度は東口が好反応で弾き、こぼれ球に対しても仲川と東口が交錯する中でどうにか押さえ込んでゴールを阻止。51分にも食野のバックパスが髙尾と合わなかったところをアダイウトンに拾われて突破されると渡邉が合わせましたが、3点目はポストに救われてどうにか回避。54分にも守備の乱れから再びディエゴ・オリヴェイラに決定機を作られ、後半はかなりFC東京の出足に押される後手後手な展開になっていきます。

なんとか流れを変えたいガンバは55分に倉田を下げてジェバリを投入。それでもFC東京の流れを止められない中で65分にはダワンを下げて石毛秀樹、佐藤を下げて福岡を送り込みます。72分には食野が負傷退場となった事で福田湧矢も投入したガンバは山本を中心に要所要所では良いコンビネーションを見せて攻撃の形を作っていたものの、そもそもそういう段階まで持っていけるようなシーンがほぼなく、そういう段階まで持っていってもゴールエリアを固める最終ラインと挟み込むように潰しにくる中盤を前に最後の詰めがまるで効きません。

 

 

 

78分、FC東京は途中出場の俵積田晃太が左サイドでボールを持つとそこからドリブル突破。対峙した髙尾と戻ってきたジェバリの2人を強引にぶち抜いて中に切り込むと、そのままファーサイドのネットにシュートを叩き込むようにしてスコアはとうとう3-0…。

 

 

88分には宇佐美のパスを受けたジェバリが切り返しからシュートをネットに流し込むも、この場面はボールを持った時点でオフサイドを取られて得点ならず。

試合終了THE END。砂の城でも見るかのように崩れ落ちていったガンバの結末は惨敗でした。

 

 

 

まあなんというか、難儀というか…。

攻撃自体は悪くなかったと思うんですよ。特に倉田-宇佐美-食野の3トップは宇佐美を介して倉田と食野が動くような形で良いリズムを常にキープしていましたし、そこに両SBを連動させる事で攻撃を出来る状態になった時には良いコンビネーションを発揮できていました。左の黒川のところは今やガンバのストロングですし、右の髙尾にしても最近のパフォーマンスはお世辞にも良いとは言えず最後の質に引っかかる場面が続いているとはいえ、そういう攻撃の流れには食い込めていると思いますし。前半の3トップの形はこの最終結果を踏まえた今でもまた見たいと思えるような出来でした(食野の怪我がどうなるか問題はあるけども…)。

ただ、それに対して今日は守備が完全に機能不全に陥っていました。例えば仲川がカウンター気味にボールを持った時に、じゃあ誰がプレスに行くのか、或いはプレスに行かずにステイするのか。ボールを奪いに行くなら行くでどこまで行ったらマークを受け渡すのか。ゾーンで守りたいのかマンツーマンで守りたいのかもハッキリとしませんでしたし、そこは最終局面以外は個での対峙を徹底してきたFC東京の守備体系とは大きな違いでした。そうなるとガンバは絡まって充電コードのようにぐちゃぐちゃになり、絡まったコードが描き出した円の中を何度も差し込まれていってしまう…そんな感じで何度も崩されていきました。3点取られたというより、東口のおかげで3点で済んだというのが正しい表現でしょう。

 

前半30分ぐらいまで、攻撃の可能性と守備の脆さはずっと両方を併せ持っていました。いわばその時点からガンバはAll or Nothing的な形に試合が進んでしまっていて、結局それがNothingの方に転んでしまった。一度好長期を知ってしまったがゆえに、新たに突っ込んだ悪循環で喫した1点は重かった。守備は更に崩れ、攻撃のコンビネーションを出す前にそれを発揮できるような状況に持っていけない、目に見えて心が折れたような音のした後半45分……色々な意味で内に秘めたる枷の根深さを感じたゲームではありましたね。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

 

明治安田生命J1リーグ第29節分は横浜F・マリノスvsヴィッセル神戸の試合のマッチレビューページに記載しておりますのでそちらからご覧くださいませ。

 

 

ではでは