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無限列車編〜明治安田生命J1リーグ第29節 横浜F・マリノス vs ヴィッセル神戸 マッチレビューと試合考察〜

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さあ頂上決戦!

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビュー明治安田生命J1リーグ第29節、横浜F・マリノスvsヴィッセル神戸の一戦です!

 

 

 

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Jリーグは残り6試合。今季は複数チームが優勝争いに絡むシーズンとなっていますが、その中でも通年で優勝争いを引っ張り、そして上位陣が軒並み伸び悩む終盤戦でも要所要所でポイントを積んだのはこの2チームでした。首位は初優勝を目指すヴィッセル神戸、2位は連覇を目指す横浜F・マリノス……この終盤戦、勝ち点差は1。このタイミングでの直接対決が実現します!

物事の考え方として、全ての試合を1/34と捉える事で平静を保つ…というやり方はあると思いますが、この時期のこの状況、このカードがただの1試合とは言えない事は一目瞭然。それと同時に、今日のピッチに立つ選手にとって、人生においてこういうシチュエーションの試合に身を投じるという経験はなかなか無いはずです。Jリーグにとっても、横浜FMACLの都合で金曜開催になりましたが、この強烈な試合はJリーグにとって最高の舞台。運命を分ける90分はどういう結末を迎えるのか。今季最大のビッグマッチです。

両チームスタメンです。

 

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マリノスは逆転勝利を収めた前節鹿島戦からはスタメンを一人変更。鹿島戦ではナム・テヒを突破したとして起用しましたが、今日はトップ下に西村拓真を第25節横浜FC戦以来となる先発起用となっています。ベンチに入ったGK飯倉大樹にとっては古巣対決でもあります。

神戸は1-0で勝利した前節C大阪戦からは累積警告で出場停止となった井出遥也のところを一枚変更。前節はWG起用となった佐々木大樹を今日は中盤に、普段は右WGの武藤嘉紀を左にスライドし、右WGには先発は第22節横浜FC戦以来となる飯野七聖を起用してきました。前節に引き続き、ベンチに外国籍選手枠を5枚突っ込む豪快な顔触れとなっています。

 

 

 

本日の会場は神奈川県横浜市日産スタジアムです。

 

 

B'zのコンサートなんかもあったりしたので、日産スタジアムでのリーグ戦開催は8月19日の第24節FC東京戦以来となりました(その間にACLあり)。この頂上対決、マリノスは対戦チームが横浜と神戸という事でこの試合を「ミナトマッチ」と題しており、試合前には波戸康広氏、播戸竜二氏、栗原勇蔵氏、那須大亮氏と両チームOBによるトークショーや、W杯に挑む電動車椅子サッカー日本代表の壮行会が行われます。

開場から25周年を迎えたスタジアムはサッカーW杯ラグビーW杯五輪サッカーの決勝戦の3つを開催した世界で唯一のスタジアムです。日本で最も広大なキャパシティーを有する超巨大スタジアムの中で、30周年のJリーグに刻まれるような試合を見る事が出来るのでしょうか。

 

 

前半は立ち上がりから神戸が試合を優勢に進めていました。ファーストチャンスこそマリノスがエウベルのシュートのこぼれ球に反応した松原健が惜しいシュートを放ちましたが、その後のマリノスは神戸のプレスの前になかなかボールを前進させられず、攻撃はサイドからのカウンターに頼らざるを得ない形となっていきます。

18分、神戸はCKがクリアされたところからマリノスゴール前でルーズボールの応酬のような展開になると、酒井高徳が入れてボールを大迫勇也が頭で折り返して武藤嘉紀がシュートに持ち込もうとしますが、ここにブロックに入ったエドゥアルドの武藤へのチャージがファウルを取られてPK判定。これを大迫がきっちり右に決めて神戸先制!

大迫はこれで鹿島時代の2013年に挙げた19得点を上回りキャリアハイ。自身初の20得点到達という事に。

 

 

神戸ペースの試合は変わらず、前節同様に扇原をアンカーに置いた分山口蛍と佐々木大樹が積極的に前に出ていけるような形になっていた事でマリノスのミドルゾーンをほぼほぼ制圧する事が可能になっており、少なくとも中央での争いはほぼ全て神戸が制する形となっていました。それにより神戸はマリノスボールになりかけたところを立て続けにボールを回収した事で、ボールを支配するというよりも常に攻撃ターンを奪い続けるような形でペースを握っていきます。

マリノスもどうにかサイドからカウンターを仕掛け、松原や永戸勝也のクロスから可能性のある場面は何度か作りましたが、それが継続的な流れにはなかなかなっていきませんでした。

 

 

 

前半終了間際の43分、飯野の折り返しに武藤が合わせでシュートを放つもGK一森純がセーブ。しかしこのプレーでCKを獲得すると、初瀬亮が入れたボールをファーサイドの武藤が打点の高いヘッドで流し込んで神戸追加点!

 

 

前半はかなり理想通りにゲームを進めた神戸が2点リードで前半を終えます。

 

 

後半も試合の流れとしては前半のものを引き継ぐような展開となり、やはり神戸が押し込む形で、決定機という意味ではそう多くはなかったもののシュートチャンスは多く作っていました。

対するマリノスも神戸のプレスをかわしながらどうにかサイドから攻撃を展開しようと試みていきましたが、神戸の中央の守備陣もサイドに逃していき、サイド攻撃ではエウベルやヤン・マテウスも良さを見せてはいましたが、やはりゴールとの距離と角度には限界があって文字通り攻めあぐねるような時間はずっと続いていく事に。65分にはヤン・マテウスが惜しいシュートを放つも、シュートは僅かに枠を捉え切れません。

 

 

 

神戸は68分に大迫を下げてジェアン・パトリッキを投入して武藤をセンターにシフト。直後には初瀬が脳震盪で交代となった事によりマテウス・トゥーレルをCBに投入して本多勇喜を左SBにスライドするなど配置変更を敷きます。対するマリノスも68分に西村を下げてナム・テヒを投入し、75分に永戸とエウベルを下げて吉尾海夏と宮市亮を投入。吉尾をSBとして起用すると、81分には渡辺皓太を下げて水沼宏太を投入し、マテウスとナムテヒをトップ下気味にした攻撃的な布陣で反撃の糸口を掴もうと試みます。

 

 

 

しかし神戸もこれに対して3バックにシフトして守りを固めて対応。最後まで崩れない守備体系をキープしながら、一森の好セーブで阻まれたとはいえ3点目を狙える場面を作りつつ試合終了。2-0。首位攻防戦は神戸の快勝!2位マリノスとの勝点差を4まで広げました!

 

 

神戸の完勝と呼ぶべきゲームだったかなという印象です。元々今季の神戸はインテンシティーを重視し、激しいプレッシングからの攻撃構築を前提に掲げるチーム。それゆえに夏場は気候面のコンディションとのミスマッチが懸念されて、実際に少し勝点が伸び悩んだ時期もあった訳ですけど、いよいよ明後日には10月というところで気候が少し落ち着いて消耗を少し抑えられるようになった…というコンディション的な側面は一つあると思います。

その中で今日の神戸はプレスで中央をほぼ制圧し、マリノスボールになった瞬間を徹底的に刈り続ける事で常に神戸の攻撃ターンで試合を進めていました。マリノスは中央とサイドの選択肢でサイドを選んだのではなくサイドしか選択肢がない状態での攻撃になっており、カウンターをするにしてもサイドから遠回りしないといけない、となると最後に中央に入れるまでに神戸の選手も帰陣してカウンターが意味を成さなくなるという無限ループのような状態に陥っており……その中でもサイドへの展開力やWGの個の打開力はさすがと言うべきものでしたが、マリノスにとってはどん詰まりというか、無限ループ的な感覚のある試合だったように思います。

その上で神戸のポイントは前節に続いて扇原をアンカーに置いていた事。最近のアンカーは齊藤未月の負傷離脱に伴い扇原や大﨑玲央が起用されていますが、齊藤よりもより中央にステイするタイプの扇原を起用した事で山口と佐々木の両IHが守備時にも思い切って前に出られるようになりましたし、マリノスからすれば目の前の山口や佐々木のプレスを剥がして翻したところで扇原がまだ残っているので、山口や佐々木との勝負がハイリスクローリターンのような状態になってしまったんですね。そういう意味で神戸は自分達の攻撃ターンを繰り返せる状態と、逆にマリノスが攻撃時に一つの選択肢を選ぶしかできないような状態…要は試合としてのシステム造りが抜群に機能していました。それさえ出来れば後はやる事は大幅に限定されますし。元々クオリティの高い選手を多くそろえるチームですから、彼らが元々持ち合わせる個をどう発揮させるかで非常に整理された試合を見せたんじゃないかなと。お見事でした。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

明治安田生命J1リーグ第29節

横浜F・マリノス0-2ヴィッセル神戸

川崎フロンターレ2-3アルビレックス新潟

浦和レッズ1-1横浜FC

北海道コンサドーレ札幌1-2柏レイソル

アビスパ福岡0-0鹿島アントラーズ

セレッソ大阪0-2湘南ベルマーレ

サンフレッチェ広島3-1名古屋グランパス

サガン鳥栖3-2京都サンガFC

FC東京3-0ガンバ大阪

 

 

1位 ヴィッセル神戸(58)

2位 横浜F・マリノス(54)

3位 浦和レッズ(50)

4位 鹿島アントラーズ(47)

5位 サンフレッチェ広島(47)

6位 名古屋グランパス(47)

7位 セレッソ大阪(45)

8位 アビスパ福岡(45)

9位 川崎フロンターレ(39)

10位 FC東京(39)

11位 アルビレックス新潟(36)

12位 サガン鳥栖(35)

13位 ガンバ大阪(34)

14位 北海道コンサドーレ札幌(33)

15位 京都サンガFC(33)

16位 柏レイソル(29)

17位 湘南ベルマーレ(24)

18位 横浜FC(23)

 

注目の横浜FMvs神戸の首位天王山は神戸が快勝。前半に挙げた2ゴールを守り切って首位を守ると共に、2位横浜FMとの勝点差を4に拡げました。首位神戸を追っていた浦和は横浜FCと、鹿島は福岡とドロー。名古屋は広島との上位対決を逆転負けで落とし、一時は神戸・横浜FMと三つ巴とも称されながら6位に転落しています。

残留争いでは下位3チームはいずれも勝点を積み上げました。17位横浜FCは優勝争い中の浦和相手にドローに持ち込む健闘を見せましたが、18位湘南が上位のC大阪相手に勝利した事で最下位に転落しています。

 

 

ミナトマッチミナトマチ

ではでは(´∀`)